都市計画法 第5条の2(準都市計画区域)
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- 都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。
- 2.都道府県は、前項の規定により準都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
- 3.準都市計画区域の指定は、国土交通省令で定めるところにより、公告することによつて行う。
- 4.前三項の規定は、準都市計画区域の変更又は廃止について準用する。
- 5.準都市計画区域の全部又は一部について都市計画区域が指定されたときは、当該準都市計画区域は、前項の規定にかかわらず、廃止され、又は当該都市計画区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。
この条文の基本情報
準都市計画区域とは何ですか?
定義準都市計画区域とは、都市計画法第5条の2に定められた規定で、「都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第5条の2(準都市計画区域)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第5条の2の条文原文は「都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。」で始まります。
- 都市計画法第5条の2は第一章 総則に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第5条の2の前の条は都市計画法第5条です。
- 都市計画法第5条の2の次の条は都市計画法第6条です。
- 都市計画法第5条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第5条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第5条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/5_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法5条の2は、都道府県が都市計画区域外に準都市計画区域を指定できると定める。指定されると建築基準法の集団規定が及び、建築確認と接道義務が新たに必要になる。
Q · 田舎の土地が準都市計画区域に指定されると、何がどう変わるんですか?
建築確認が必要になり、接道次第では建て替えできなくなります
都市計画法5条の2により都道府県が準都市計画区域を指定すると、その区域には建築基準法の集団規定(用途制限、接道義務、容積率、建蔽率)が及びます。これまで確認申請すら不要だった一般住宅にも建築確認が必要になり、幅員4m の道路に2m 接していない土地は建築基準法43条の接道義務を満たさず、建て替えができなくなる場合があります。一方でこの区域は整備のための区域ではないため、市街化区域と市街化調整区域の線引きも、道路や公園などの都市施設も定められません。規制だけが先に来る設計です。
解説
都市計画区域の線の外側は、国土面積のおよそ7割を占める。そこには用途地域もなく、一般的な規模の住宅なら建築確認すら要らない。だから高速道路のインターチェンジ周辺や幹線道路沿いに、資材置き場もロードサイド店舗も住宅も、順序なく並んでいく。都市計画法5条の2は、その空白地帯に都道府県だけが張れる網である。押さえるべきは三点。第一に、準都市計画区域は「開発するための区域」ではなく「規制だけをかける区域」であり、市街化区域と市街化調整区域の線引きも、道路や公園などの都市施設も定められない。第二に、指定されると建築基準法の集団規定(用途制限、接道義務、容積率、建蔽率)が及び、これまで自由だった建築に確認申請が必要になる。第三に、2項が意見を聴くと定めている相手は関係市町村と都道府県都市計画審議会であって、土地を持つあなた個人ではない。資産価値が動きうる決定に、あなたが正面から参加する法定手続は用意されていない。
法的な位置づけ
都市計画法5条の2は準都市計画区域の指定を定める規定であり、都道府県が都市計画区域外の区域のうち、建築物等の建築又は敷地の造成が現に行われ若しくは見込まれる区域を含み、放置すれば将来の一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を指定できる旨を規定する。整備を伴わず土地利用規制のみを先行させる点に制度上の特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象地が準都市計画区域内かと公告日を確認する 都道府県の都市計画課または市町村の都市計画窓口で、対象地が準都市計画区域内か、指定の公告日はいつかを確認する。多くの自治体が Web の都市計画図で公開しており、公告日は都道府県の公報で特定できる
- 2.重ねて定められた地域地区を確認する 用途地域や特定用途制限地域、景観地区、風致地区が重ねて定められているかを確認する。定められていれば用途、容積率、建蔽率の制約が具体的な数値として確定する
- 3.前面道路の幅員と接道長を実測し接道義務を判定する 前面道路の幅員と敷地が道路に接する長さを実測し、建築基準法43条の接道義務(原則として幅員4m 以上の道路に2m 以上接する)を満たすか判定する。ここが再建築可否の分岐点になる
- 4.満たさない場合は43条2項許可の可否を照会する 接道義務を満たさない場合、建築基準法43条2項の認定・許可を受けられる余地があるかを特定行政庁の建築指導課に照会する。個別判断となるため、事前相談の段階で見通しを取る
- 5.指定前の既存建物は着工日を立証して既存不適格を主張する 是正命令や違反指摘を受けた場合は、建物の着工日と公告日を突き合わせる。公告前の着工であれば既存不適格であり違反建築ではない。着工日は工事請負契約書、請負代金の支払記録、航空写真、電力引込日で固める
よくある質問 AI による整理
Q1準都市計画区域とは何ですか?
都市計画区域の外にあり、放置すれば将来の都市整備に支障が出る区域に、都道府県が規制だけをかける区域です。都市計画法5条の2が根拠で、整備や公共投資は伴いません。
Q2準都市計画区域は誰が指定しますか?
都道府県が指定します。平成18年改正までは市町村が主体でしたが、広域的な観点から判断するため都道府県に変更されました。指定前に関係市町村と都道府県都市計画審議会の意見を聴きます。
Q3準都市計画区域では建築確認が必要ですか?
必要になります。指定により建築基準法の集団規定が及ぶため、都市計画区域外では確認不要だった一般規模の住宅にも確認申請が必要になります。
Q4準都市計画区域で再建築不可になるのはなぜ?
指定により建築基準法43条の接道義務が新たに及ぶためです。幅員4m 以上の道路に2m 以上接していない土地は、住み続けられても建て替えができなくなります。
Q5準都市計画区域の指定はいつから効力が生じますか?
都市計画法5条の2第3項により、国土交通省令で定めるところによる公告の日から効力が生じます。公告日は都道府県の公報で確認でき、既存不適格の分かれ目になります。
Q6準都市計画区域の指定に土地所有者は意見を言えますか?
本条2項が意見聴取の相手とするのは関係市町村と都道府県都市計画審議会であり、個別の土地所有者ではありません。市町村の意見に自分の事情を載せてもらう経路が実質的な入口です。
Q7準都市計画区域で定められる都市計画は何ですか?
都市計画法8条2項の限定列挙(用途地域、特定用途制限地域、景観地区、風致地区など)に限られます。市街化区域・市街化調整区域の線引きや都市施設は定められません。
Q8準都市計画区域が廃止されることはありますか?
あります。本条5項により、その全部または一部に都市計画区域が指定されたときは、準都市計画区域は廃止されるか、重複しない区域に変更されたものとみなされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1準都市計画区域って、そのうち都市計画区域になるってことですか?
必ずしもそうではない。将来の支障を防ぐため規制だけをかける区域であり、そのまま長期間据え置かれることも多い。ただし後にその区域へ都市計画区域が指定された場合は、本条5項により準都市計画区域は当然に廃止されるか、重複しない区域に変更されたものとみなされる。実務のポイント:ここで定められる都市計画は8条2項の限定列挙だけで、線引きも都市施設も入らない。「開発の前触れ」と読んで土地を仕込んでも、期待した都市化は制度上そもそも来ない
Q2うちの土地が準都市計画区域かどうか、どこで調べられますか?
都道府県の都市計画課、または市町村の都市計画窓口で確認できる。多くの自治体が都市計画図を Web 公開しており、不動産取引なら宅地建物取引業法35条の重要事項説明でも必ず告げられる。実務のポイント:効力が生じるのは本条3項の公告の日である。公告日を都道府県の公報で特定し、自分の建物の着工日と突き合わせておくこと。この一日の前後で、既存不適格として守られるか、違反建築として是正命令の対象になるかが分かれる
間違えやすい点 AI による整理
- 準都市計画区域を「都市計画区域の弟分、いずれ都市になる区域」と受け取る人が多いが、実態は逆である。積極的に整備するための区域ではなく、整備しないまま放置した場合の支障を防ぐための区域であり、市街化区域と市街化調整区域の線引きも、道路や公園といった都市施設も定められない。ここで定められる都市計画は8条2項に列挙された用途地域・特定用途制限地域・景観地区・風致地区などの限られた種類だけである
- 「自分の土地が指定されそうなら意見書を出せばいい」という問いの立て方そのものが誤っている。本条2項が意見聴取の相手として挙げるのは関係市町村と都道府県都市計画審議会であり、個別の土地所有者ではない。所有者が手続の内側に入る道はなく、市町村を動かして市町村の意見に載せてもらう以外に、制度上の入口が存在しない
- 「指定されると建築確認が必要になる」ことは比較的知られているが、深刻さの程度が理解されていない。確認申請は手間と費用の問題で済む。本当に重いのは接道義務(建築基準法43条)が新たに及ぶ点で、道路に接していない土地は建て替えそのものができなくなる。同じ土地で、住み続ける権利は残り、建て直す自由だけが消える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 指定の目的 | 都計法5条の2:整備せず規制のみを先行させ、将来の支障を防ぐ | 都計法5条:一体の都市として整備、開発、保全する区域を画する 都計法29条:開発行為そのものを許可制で個別に制御する |
| 定められる内容 | 8条2項の限定列挙(用途地域、特定用途制限地域、景観地区、風致地区など)のみ | 線引き(市街化区域・市街化調整区域)、都市施設、市街地開発事業まで定められる 区域の指定ではなく、個別の開発行為に対する許可基準 |
| 公共投資の有無 | 道路や公園などの都市施設は定められず、整備の果実は約束されない | 都市施設と事業が予定され、公共投資が伴いうる 開発者負担で公共施設を整備させる構造 |
| 所有者への効果 | 建築確認義務と接道義務が新たに及び、無接道地は再建築不可になりうる | 用途、容積率、建蔽率に加え、市街化調整区域では原則建築不可 一定規模以上の開発に許可が必要となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は都市計画区域外の土地を非都市土地として使用分区と使用地編定で全面的に管制する。日本のように「指定されるまでは原則自由」という空白地帯を残さない点で設計思想が異なる
韓国は2002年の国土計画法統合により、全国土を都市地域、管理地域、農林地域、自然環境保全地域の4用途地域に区分した。管理地域が日本の準都市計画区域に近い機能を担うが、全国土に網をかける点で包括性が高い
ドイツは Bebauungsplan のない外部区域について、原則として privilegierte Vorhaben(農業、エネルギー供給等)に限り建築を認める構造。日本のような「規制区域を指定するまで自由」ではなく、外部区域は当初から建築が制限される
米国は未編入地域(unincorporated area)の土地利用を郡のゾーニング条例で規律する。恒久条例の策定までの間、暫定ゾーニング条例で開発を凍結する手法があり、規制先行という点で機能が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣家から「県が準都市計画区域の指定を検討しているらしい」と聞いたとき、あなたに何ができる? 都道府県都市計画審議会まであと3週間。だが本条2項が意見を聴く相手は関係市町村と審議会であって、土地所有者個人ではない。動かせるのは市町村の都市計画担当と地元議員、実質この二経路しかない。公告が出た後では遅い
- 幹線道路沿いの資材置き場に、あなたはプレハブの事務所を建てた。確認申請は出していない。指定の公告より後の建築であれば、それは建築基準法6条違反として是正命令の対象になる
- 亡くなった親の土地を売ろうとしたら、買主が「再建築不可だから値段を下げてほしい」と言い出した。調べると数年前にその一帯が準都市計画区域に指定され、幅員4m の道路に2m 接していないその土地は、建築基準法43条の接道義務を満たさなくなっていた。住み続けることはできるが、建て直せない。資産としては別の物に変わっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都道府県の都市計画課または市町村窓口で、対象地が準都市計画区域内か、指定の公告日はいつかを確認する(多くの自治体が Web の都市計画図で公開)2. 用途地域や特定用途制限地域が重ねて定められているかを確認、定められていれば用途・容積率・建蔽率の制約が具体化する3. 前面道路の幅員と接道長を実測し、建築基準法43条を満たすか判定4. 満たさない場合は同条2項の許可(но 特定行政庁の個別判断)の可否を建築指導課に照会。指定前から存在する建物なら既存不適格として現状使用は続けられる
訴えられた側:1. 是正命令や違反指摘を受けたら、まず建物の着工日と区域指定の公告日を突き合わせる。公告前の着工なら既存不適格であり、違反建築ではない2. 公告日は都道府県の公報で確定できるので、証拠として写しを取得3. 着工日の立証は工事契約書・請負代金の支払記録・航空写真・電力引込日で固める4. 公告後の建築であれば、用途変更や規模縮小で適法化できる余地を建築士と検討したうえで、特定行政庁と協議する
時効(請求できる期限):本条に申立ての期限は定められておらず、指定は3項の公告により効力を生じる。指定そのものを裁判で争うのは難しく、判例は用途地域の指定について処分性を否定している(最判昭和57.4.22、盛岡用途地域指定事件)。実務上、区域指定の処分性については解釈が分かれているが、現実的には指定後の建築確認の拒否処分や是正命令といった具体的処分の段階で、その取消訴訟(行政事件訴訟法14条、処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年)を通じて間接的に争う形になる
学説
通説:準都市計画区域は、整備を伴わない規制先行型の区域として、都市計画区域制度の補完的位置づけにあるとされる。指定要件を農業振興地域その他の土地利用規制の状況との勘案に係らしめることで、既存の規制体系との二重規制を避ける調整が図られていると理解される。
処分性をめぐる学説:区域指定の処分性については、最高裁大法廷 平成20年9月10日以降、計画段階での司法審査を拡張すべきとの立場と、用途地域指定型については昭和57年判決の枠組みを維持すべきとの立場が分かれる。実務上は後続の具体的処分の取消訴訟で間接的に争う形が取られる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正 準都市計画区域制度を新設。都市計画区域外の無秩序な土地利用に対し、整備を伴わず規制のみを先行させる枠組みを初めて設けた。当初の指定主体は市町村であった
- 平成18年(2006年)まちづくり三法見直し 指定主体を市町村から都道府県へ変更し、広域的な観点から指定できるようにした。あわせて指定要件を、大規模開発が見込まれる区域という限定的な形から、そのまま放置すれば将来の一体の都市としての整備等に支障が生じるおそれがある区域へと拡張した
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:準都市計画区域制度を新設。都市計画区域外の無秩序な土地利用に対し、整備を伴わず規制のみを先行させる枠組みを初めて設けた。当初の指定主体は市町村であった
- 2.平成18年(2006年) 改正:まちづくり三法の見直しに伴い、指定主体を市町村から都道府県へ変更。あわせて指定要件を、大規模開発が見込まれる区域という限定的な形から、放置すれば将来の一体の都市としての整備等に支障が生じるおそれがある区域へと拡張した
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