都市計画法 第57条の6(損失の補償)
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- 施行予定者が定められている市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して二年を経過する日までの間に当該都市計画に定められた区域又は施行区域が変更された場合において、その変更により当該区域又は施行区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。
- 2.第五十二条の五第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
この条文の基本情報
損失の補償とは何ですか?
定義損失の補償とは、都市計画法第57条の6に定められた規定で、「施行予定者が定められている市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して二年を経過する日までの間に当該都市計…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第57条の6(損失の補償)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第57条の6の条文原文は「施行予定者が定められている市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して二年を経過する日までの間に当該都市計…」で始まります。
- 都市計画法第57条の6は第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第57条の6の前の条は都市計画法第57条の5です。
- 都市計画法第57条の6の次の条は都市計画法第58条です。
- 都市計画法第57条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第57条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第57条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/57_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法57条の6は、告示から2年以内の都市計画変更で区域外となった土地の所有者等に損失があるとき、施行予定者に補償義務を課す規定。請求は損失を知った日から1年以内。
Q · 都市計画の区域から外れた土地でも、補償を請求できるんですか?
区域外に出た側にこそ補償請求権が残る。期限は1年
都市計画法57条の6により、施行予定者が定められた都市計画の告示から2年以内に区域が変更され、その変更で区域外となった土地の所有者や関係人は、制限期間中に受けた損失の補償を施行予定者に請求できます。区域内に残る土地には57条の5の買取請求という別の出口がありますが、区域外に出た土地に残るのはこの補償請求だけです。請求は損失を知った日から1年以内(52条の5第2項準用)。協議が調わないときは収用委員会に裁決を申請します。
解説
土地の値段が下がっただけなら我慢しろ。都市計画の建築制限をめぐって、行政も裁判所もおおむねそう答えてきた。その世界に「金を払え」と正面から書いてある例外が、この57条の6である。あなたの土地が施行予定者(事業を実際に行う主体があらかじめ名指しされている都市計画)の区域に入ると、57条の3によって建築は事実上止まる。通常の都市計画施設の区域なら木造2階建て程度は許可される(54条3号)が、施行予定者付きの区域はその比ではない。ところが告示から2年以内に計画が変更され、あなたの土地が区域の外に出たとする。喜ぶのはまだ早い。制限に縛られていた期間、建てられなかった、貸せなかった、売る機会を逃した。その損失を、施行予定者に請求できる。しかも区域外に出た瞬間、57条の5の買取請求という出口は閉じる。手元に残る権利は、この補償請求ひとつだけである。
法的な位置づけ
都市計画法57条の6は、施行予定者が定められた都市計画に係る損失補償を定める規定である。都市計画決定の告示から2年以内に区域又は施行区域が変更され、その変更により区域外となった土地の所有者又は関係人に損失が生じたとき、施行予定者に補償義務を課す。請求期間と裁決申請の手続は52条の5第2項及び第3項を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.告示日と変更日、そして「知った日」を確定する 都道府県・市町村の公報で、都市計画決定の告示日(20条1項)と区域変更の告示日を確認する。変更が告示日から2年を経過する日までの間かどうかが本条適用の前提。あわせて自分が損失を知った日を記録する。これが1年の請求期限の起算点になる
- 2.制限期間中の損失を項目ごとに証拠化する 建築確認の不許可通知、設計事務所への着手金領収書、流れた賃貸借契約の交渉記録、融資否決の回答書面、固定資産税の納付記録を時系列で並べる。「通常生ずべき損失」として通るのは、日付と金額が書面で裏付けられる項目から順である
- 3.施行予定者に書面で補償を申し入れる 都市計画に定められた施行予定者あてに、本条を根拠として補償を求める書面を送付し、到達記録を残す。口頭の相談だけで終わらせず、申入日・提示額・回答内容を協議記録として保全する
- 4.協議が調わなければ収用委員会に裁決を申請する 協議不調の場合、52条の5第3項の準用により、土地収用法94条2項の規定による裁決を収用委員会に申請できる。裁判所へ行く前の段階であり、金額の決定権が施行予定者の手を離れる。申請自体にも期限管理が必要
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法57条の6とは何ですか?
施行予定者が定められた都市計画の告示から2年以内に区域が変更され、区域外となった土地の所有者や関係人に損失が生じた場合、施行予定者が補償する義務を定めた規定です。
Q2施行予定者とは誰のことですか?
都市計画にあらかじめ名指しで定められた、その事業を実際に行う主体です。地方公共団体のほか、公社や第三セクター等が定められることがあります。補償義務を負うのはこの施行予定者です。
Q3補償を請求する相手は市町村ですか、施行予定者ですか?
本条の補償義務者は施行予定者です。都市計画を決定したのが都道府県や市町村であっても、支払義務は都市計画に定められた施行予定者が負います。まず施行予定者に書面で申し入れます。
Q457条の5の買取請求と何が違いますか?
買取請求は区域内に残る土地を買い取ってもらう制度、57条の6は区域外に出た土地の損失を金銭で補償させる制度です。区域外になった瞬間に買取請求の道は閉じ、補償請求だけが残ります。
Q5都市計画の告示日はどこで確認できますか?
都市計画決定・変更の告示は都道府県公報または市町村公報に掲載され、都市計画課で図書の縦覧もできます。2年と1年の期間計算の出発点になるため、最初に日付を押さえます。
Q657条の3の建築制限はどこまで厳しいですか?
施行予定者が定められた区域内では、原則として建築物の建築等に許可が必要で、通常の都市計画施設の区域(54条3号)のような木造2階建て程度の許可も期待できません。事実上、建築は止まります。
Q7区域が変更されたことはどうやって知るのですか?
変更も告示され公報に載りますが、地権者一人ひとりに「補償請求できます」という通知が届く保証はありません。公報と自治体の都市計画図の更新を自分で確認する必要があります。
Q8都市計画の建築制限は違法ではないのですか?
違法ではありません。都市計画に基づく制限は公共の福祉による財産権の制約として許容されます。ただし制限が特に強い類型には、本条のように補償を組み合わせる設計が採られています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1区域から外れたのに補償がもらえるんですか。外れたら逆にラッキーじゃないんですか
外れて自由になるのは将来の話であり、外れるまでの期間は57条の3の制限に縛られていた。その期間の損失が本条の対象である。実務のポイント:役所も施行予定者も、変更の通知に「補償請求できます」とは書かない。書く義務がないからだ。制度上あなたに通知が届く保証はなく、1年の期限は知らないうちに進む
Q2「損失」ってどこまで認めてもらえるんですか。土地の値段が下がった分も入りますか
制限期間中に具体的に生じた損失、たとえば頓挫した建築計画の費用や利用できなかったことによる損失が中心となる。単なる地価の変動分をどこまで含めるかは実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:領収書と日付のある書面がある項目から順に通る。記憶で語る損失はほぼ落ちる。証拠の形が金額を決める
Q3相手が「補償はできない」の一点張りです。もう訴えるしかないですか
その前に一段ある。協議が調わないときは収用委員会に土地収用法94条2項の裁決を申請できる(本条2項による52条の5第3項の準用)。裁判所より先に、専門の行政委員会が金額を判断する場だ。実務のポイント:この裁決申請の存在を知らないまま訴訟費用を見積もって断念する地権者は多い。相手方の担当者はもちろん知っている
Q42年を1日過ぎてから区域が変更されたら、どうなるんですか
本条の適用は20条1項の告示から2年を経過する日までの変更に限られるため、その外側の変更は本条では拾えない。区域内に残っている間であれば57条の5の買取請求という別の出口を検討することになる。実務のポイント:告示日は公報で確認できる。まず日付を押さえてから相談に行くと、話の入り口がまったく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「都市計画で建てられなくなっても補償はない」。これは一般則としてはおおむね正しい。問題は、その一般則の外側にどれだけの金額が眠っているかを誰も教えてくれない点である。施行予定者付きの区域は制限の強度が桁違いで、だからこそ57条の6という例外が置かれた。一般則を正確に覚えた人ほど、自分が例外の側に立っていることに気付かない
- 「補償をもらうには裁判を起こすのか」。この問いの立て方自体がずれている。順序はまず施行予定者との協議、調わなければ収用委員会に土地収用法94条2項の裁決を申請する(52条の5第3項の準用)。裁判所が出てくるのはその後である。最初から弁護士費用と訴訟期間を想像して諦める人は、存在しない壁を見ている
- 区域から外れた=もう自分には関係ない、と受け取られがちだが、権利構造は逆を向いている。区域内に残っていれば57条の5の買取請求という別の出口があるが、外れた者に残るのはこの補償請求だけである。外された側こそ急ぐ必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 救済の中身 | 57条の6:区域外となった土地の損失を金銭で補償 | 57条の5:区域内に残る土地の買取りを請求 52条の5:予定区域に関する損失補償(本条の準用元) |
| 適用される立場 | 変更により区域又は施行区域の外に出た所有者・関係人 | 引き続き区域内にとどまる土地の所有者 市街地開発事業等予定区域に関する制限を受けた者 |
| 期間の制約 | 変更が告示日から2年以内であること+損失を知った日から1年以内の請求 | 区域内にある限り行使可能(買取請求の要件に従う) 損失を知った日から1年(52条の5第2項) |
| 不調のときの進み先 | 協議 → 収用委員会へ裁決申請(土地収用法94条2項準用) | 買取価額の協議 → 不調時は所定の手続へ 協議 → 収用委員会へ裁決申請(52条の5第3項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公共施設保留地について取得方法と使用制限を定め、徴収時の補償で調整する構造。日本のように「計画変更で区域外に出た者」を名指しで救済する条文は置かれていない
韓国は都市計画施設の敷地について買収請求権と長期未執行施設の失効制度で救済する設計。金銭補償より「制限を時間で切る」方向が強い
ドイツは Bebauungsplan の変更・廃止により適法な利用可能性が失われた場合の補償を体系的に規定し、計画への信頼に対する損害(Vertrauensschaden)も明文で扱う。本条と発想が最も近い
米国は規制が収用に当たるか(regulatory taking)を、経済的影響・投資的期待への干渉・規制の性格という多要素で判断する判例法により処理し、条文による定型的補償規定は置かない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、都市計画の変更公告を見て「うちの土地、区域から外れたぞ」と気付いたら、その日から何を数え始めるべきか。答えは1年である。損失があったことを知った日から1年を過ぎると、52条の5第2項の準用で請求権そのものが消える。ほっとしている間に時計は動いている
- 築40年のアパートを建て替えるつもりで設計事務所に着手金を払った矢先、施行予定者付きの都市施設の都市計画が告示され、建築確認が通らなくなった。2年後、区域は縮小されあなたの敷地は対象外に。設計費、逸失した家賃、延びた分の固定資産税、これらが「都市計画が定められたことにより受けた損失」の中身になる
- 銀行から一行だけの回答が届く。「建築制限区域内のため担保評価不可」。融資は流れ、事業計画は止まった。その2年後、区域変更であなたの土地は制限の外に出る
- あなたが第三セクターや公社の用地担当者だったとする。区域を縮小する都市計画変更が固まった時点で、区域外に出る地権者からの補償請求は制度上避けられない。社内で補償基準と原資を先に組んでおかないと、協議不調で収用委員会へ持ち込まれ、金額はあなたの手を完全に離れる
- 隣の地主から相談される。「区域から外れたって通知が来たんだけど、これ何かすることある?」。あなたが57条の6と1年の期限を知っているかどうかで、その人の数百万円が残るか消えるかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 区域変更の告示日と、自分が損失を知った日を記録する。1年の起算点になる2. 制限期間中の損失を項目化する。設計費・建築確認の不許可通知・融資否決の書面・賃貸予定だった契約の流れた経緯・固定資産税の納付記録3. 施行予定者に書面で補償を申し入れ、協議の記録を残す4. 協議が調わなければ、収用委員会に土地収用法94条2項の裁決を申請する(52条の5第3項準用)。この申請自体に期限管理が必要
訴えられた側:1. 区域変更が20条1項の告示から2年以内かを確認する。2年経過後の変更であれば本条の適用外で、支払義務の前提が立たない2. 請求者が損失を知った日を特定し、1年の期間が経過していないか検討する3. 主張された損失が制限と因果関係のある「通常生ずべき損失」かを項目ごとに精査する。制限と無関係な地価変動や経営判断による損は切り分ける4. 協議段階で補償基準を示し、収用委員会の裁決に委ねるか自ら和解するかをコスト比較する
時効(請求できる期限):損失があったことを知った日から1年を経過すると請求できない(52条の5第2項の準用)。加えて、対象となる区域変更は都市計画決定の告示(20条1項)の日から起算して2年を経過する日までの間に行われたものに限られる。前者は請求権の期限、後者は適用の前提であり、性質が異なる二つの期間が重なっている
学説
通説(特別の犠牲論):都市計画に基づく一般的な建築制限は公共の福祉による内在的制約として原則無補償とされる一方、施行予定者が定められた区域のように制限が強度で対象が特定される類型は「特別の犠牲」に近づくため、立法者が本条のような補償規定を置いて均衡を図ったと理解される
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