都市計画法 第58条(建築等の規制)
クイックジャンプ
- 風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
- 2.第五十一条の規定は、前項の規定に基づく条例の規定による処分に対する不服について準用する。
この条文の基本情報
建築等の規制とは何ですか?
定義建築等の規制とは、都市計画法第58条に定められた規定で、「風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第58条(建築等の規制)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第58条の条文原文は「風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制を…」で始まります。
- 都市計画法第58条は第三節 風致地区内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第58条の前の条は都市計画法第57条の6です。
- 都市計画法第58条の次の条は都市計画法第58条の2です。
- 都市計画法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法58条は、風致地区内の建築、宅地造成、木竹の伐採等について、政令の基準に従い地方公共団体の条例で規制できると定める。高さ等の数値は条例側にある。
Q · 風致地区って、家を建てるとき何が制限されるんですか?
建築だけでなく造成・伐採・色彩まで条例で許可制になる
都市計画法58条1項は、風致地区内の建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為について、政令で定める基準に従い地方公共団体の条例で規制できると定めます。実際の条例では土石の採取、水面の埋立て、屋外への土石の堆積、外壁の色彩変更まで許可制とされることがあります。高さや建蔽率の数値は58条には一切書かれておらず、所在地の自治体条例を確認する必要があります。建築確認とは別個の手続である点が最大の落とし穴です。
解説
重要事項説明書の地域地区欄に「風致地区」と印字されていても、意味を聞き返す買主はほとんどいない。そこで一生分の制約に同意している。58条が自治体に渡すのは、建築基準法とは別枠でもう一段厳しい規制を条例で敷く権限だ。対象は建築物だけではない。宅地の造成、木竹の伐採、土石の採取、水面の埋立て、屋外への土石の堆積、外壁の色彩の変更まで許可制に置ける。種別を細かく分ける自治体では、最も厳しい区分で高さ8メートル台、建蔽率20パーセント台まで絞られる。建築確認が下りた設計が、風致地区条例だけで止まる。さらに2項がさりげなく準用する51条には、不服の理由が鉱業・採石業・砂利採取業との調整に関するものなら、審査請求ではなく公害等調整委員会に裁定を申請せよと書いてある。争い方の入口が、条文の二行目で分岐している。
法的な位置づけ
都市計画法58条は、風致地区における行為規制の条例委任規定である。風致地区内の建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為につき、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる旨を定め、規制の具体的内容を条例に委ねる。2項は不服申立てにつき51条を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.土地の風致地区指定と種別を特定する 重要事項説明書の地域地区欄、または自治体の都市計画情報システム(GIS)で、風致地区の指定の有無と第1種〜第5種等の種別を確認する。種別によって高さ・建蔽率・後退距離が大きく変わる
- 2.条例・規則の許可基準と適用除外を読む 自治体の風致地区条例と施行規則を入手し、許可対象行為(建築・造成・伐採・土石採取・埋立て・堆積・色彩変更)と、通常の管理行為・軽易な行為・非常災害の応急措置などの適用除外を確認する
- 3.着工前に担当課へ事前相談する 計画図面と樹木の現況写真を持参し、風致担当課へ事前相談する。許可の要否、必要書類、標準処理期間(おおむね2週間〜1か月)、審議会付議の有無をここで確定させる
- 4.風致許可を先に取り、その後に建築確認へ進む 多くの自治体は風致許可を先行させる運用を推奨している(順序は自治体ごとに要確認)。順序を誤ると設計変更のたびに確認申請の手数料と設計費が二重にかかる
- 5.許可条件を工事仕様に落とし込み、完了検査に備える 許可書に付された条件(既存樹の保存本数、植栽の復元、外壁色の指定等)を施工業者の仕様書へ転記する。条件違反は許可があっても別途の指導対象になる
- 6.不許可なら不服申立ての入口を切り分ける 不服の理由が鉱業・採石業・砂利採取業との調整に関するものなら、58条2項が準用する51条により公害等調整委員会への裁定申請。それ以外は行政不服審査法による審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)
よくある質問 AI による整理
Q1風致地区とは何ですか?
都市の風致を維持するために定める地域地区です。都市計画法8条1項7号で指定され、9条22項に定義があります。行為規制の根拠は58条で、中身は自治体の条例が決めます。
Q2風致地区の高さ制限は何メートルですか?
都市計画法58条には数値が一切ありません。高さ・建蔽率・後退距離はすべて各自治体の風致地区条例で定められ、厳しい種別では高さ8メートル台、建蔽率20パーセント台の例もあります。
Q3風致地区で木を切るのに許可は必要ですか?
多くの自治体で必要です。58条1項が木竹の伐採を規制対象に掲げ、条例が許可制にしています。通常の管理行為や軽易な行為は適用除外になる場合があるため、事前に担当課へ確認してください。
Q4風致地区の許可申請はどこに出しますか?
所在地の市区町村または都道府県の風致地区担当課(都市計画課・景観課等)です。根拠が自治体条例のため、窓口も建築確認とは別になります。
Q5建築確認があれば風致の許可は不要ですか?
不要にはなりません。建築確認は建築基準法、風致許可は58条に基づく条例の処分で、根拠も窓口も別です。風致許可なしの着工は条例違反となりうります。
Q6風致地区の違反にはどんな罰則がありますか?
58条自体に罰則はなく、条例が定めます。条例で科せる上限は地方自治法14条3項の範囲です。実務上は原状回復命令や是正指導が主眼になります。
Q7風致地区の不許可処分に不服があるときは?
原則は行政不服審査法による審査請求です。ただし58条2項が準用する51条により、鉱業・採石業・砂利採取業との調整に関する理由なら公害等調整委員会への裁定申請になります。
Q8風致地区と景観地区の違いは何ですか?
風致地区は都市計画法58条に基づき自然的景観の維持を目的とし、景観地区は景観法61条に基づき都市景観の形成を目的とします。根拠法も規制手法も別制度です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1風致地区って、要するに家の高さが制限されるだけですよね?
違う。58条1項は建築物の建築のほか、宅地の造成、木竹の伐採、その他の行為まで条例で規制できると定めており、実際の条例では土石の採取、水面の埋立て、屋外への堆積、色彩の変更まで許可制になっている。実務のポイント:条例には必ず適用除外が置かれており、通常の管理行為、軽易な行為、非常災害の応急措置などは許可が要らない。枯損木の伐採や既存樹の剪定がどこまで除外かを最初に窓口で確認しておくと、庭の手入れのたびに申請する羽目にならずに済む
Q2無許可でやってしまったら、いくら取られるんですか?
58条自体に罰則はなく、罰則は条例が定める。条例で科せる上限は地方自治法14条3項で決まっており、2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、5万円以下の過料などの範囲である(拘禁刑は2025年6月1日施行の改正を反映)。実務のポイント:実務の主戦場は罰金より原状回復命令のほうだ。伐った木は戻らないため、植栽の復元を条件に許可を出し直す運用が広く行われている。先に自分から相談に行った案件と、通報で発覚した案件では、同じ違反でも着地が変わる
Q3不許可になったら、市役所と裁判するしかないんですか?
裁判は最後の選択肢でよい。風致地区条例の許可基準は高さや建蔽率や後退距離といった数値型が多く、裁量濫用を争うより設計を基準に合わせて再申請するほうが速く安いことが大半である。実務のポイント:審議会の意見を経て許否を決める自治体では、審議会の議事録を情報公開請求で取ると同種案件の許可実績と付された条件が見える。似た立地で通った前例を一つ見つければ、それ自体が窓口交渉の材料になる
Q4建築確認が下りているのに、まだ別の許可が要るんですか?
要る。建築基準法の確認と58条に基づく風致地区条例の許可は、根拠も窓口も別の手続である。確認済証があっても風致の許可がなければ、その工事は条例違反になりうる。実務のポイント:多くの自治体は風致許可を先に取ってから確認申請へ進む順番を推奨している(運用は自治体ごとに異なるので要確認)。順番を逆にして確認を取ってから風致で引っかかると、確認申請の手数料と設計費をもう一度払うことになる
間違えやすい点 AI による整理
- 風致地区は建物の高さが少し制限される程度、という理解までは多くの人が持っている。だが深刻なのは規制対象の広さのほうだ。庭木の伐採、土の入れ替え、資材の野積み、外壁の色まで許可が要る。建物を建てる予定がないから関係ないと思っている所有者ほど、庭の手入れの場面で無許可違反に落ちる
- 「風致地区の高さ制限は都市計画法の何条に書いてあるのか」と条文を探しても、永遠に見つからない。58条には数字が一つも書かれていないからだ。実際の高さも建蔽率も後退距離も、あなたの自治体の条例と規則の中にしか存在しない。探す場所が間違っている
- 建築確認が下りたのだから適法だ、というのはあなたから見た景色にすぎない。法律から見れば、建築主事の確認は建築基準法の審査であり、風致地区条例の許可はまったく別の処分である。片方だけで着工した建物は、完成後に是正命令の対象になりうる。この落差が、資金計画ごと吹き飛ばす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の手法 | 都計法58条:条例による許可制(風致地区) | 都計法58条の2:地区計画区域内の届出・勧告制 景観法61条:景観地区の認定制 |
| 規制内容を決める主体 | 政令の基準の枠内で地方公共団体の条例 | 地区計画(都市計画決定)の内容 都市計画に定める景観地区の建築物形態意匠制限 |
| 主な規制対象行為 | 建築・宅地造成・木竹の伐採ほか(条例で土石採取・埋立て・堆積・色彩変更も) | 土地の区画形質の変更、建築物の建築等 建築物・工作物の形態意匠、高さ、壁面位置 |
| 不服申立ての入口 | 原則は審査請求、58条2項準用の51条該当時は公害等調整委員会へ裁定申請 | 届出制のため処分性を争う場面が限定的 認定拒否処分に対する審査請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も都市計画で風景区・特定専用区を設け、使用管制要点で建蔽率・容積率を絞る。中身を下位規範に委ねる構造は日本と共通するが、条例ではなく主管機関の管制要点による点が異なる
韓国は用途地区の一類型として경관지구(景観地区)を置き、条例で建築物の高さ・形態を制限する。法律が条例に委ねる構造は日本の58条に近い
ドイツは Bebauungsplan(地区詳細計画)と Erhaltungssatzung(保存条例)で建築と樹木を規制し、自然保護法の Landschaftsschutzgebiet が別系統で重なる。自治体の条例制定権に委ねる点は日本と類似
米国は州の授権法に基づき各自治体が overlay zoning で景観規制を行う。連邦法の統一枠がなく、日本の政令基準に相当する上位の枠が存在しない点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の庭の松を切って駐車場にした。工事の三日後、近隣の通報で市の職員が来る。風致地区内の木竹の伐採は条例の許可が要る行為で、切ってしまった木は戻せない。
- もし建築確認が下りたのに、風致地区の許可だけ下りなかったらどうなる? 確認は建築基準法、風致許可は自治体の条例、窓口も根拠法も別物である。着工できないまま、設計料と地代だけが出ていく。二つの網を両方くぐらないと、家は建たない。
- 外壁の塗り替えを見積もり、業者から「この色は風致でたぶん通りません」と言われた。工期まで残り2週間、許可の標準処理期間は2週間から1か月。塗料の発注前に担当課へ行くか、工期を飛ばすかの二択が、今日中に迫っている。
- 砂利採取業を営むあなたが、風致地区内の採取計画で不許可処分を受けた。腹立ちまぎれに審査請求を出そうとしたその瞬間が分岐点になる。不服の理由が採取業との調整に関するものなら、58条2項が準用する51条により、行き先は公害等調整委員会への裁定申請であり、審査請求はできない。入口を間違えると、期間だけが過ぎて中身の審理に入れない。
- 友人が郊外の緑豊かな土地を「同じ広さなのに駅近より三割安い」と喜んで契約寸前で相談してきた。地番を調べると風致地区。建てられる延床面積が想定の半分になり、住宅ローンの返済計画も間取りも組み直しになる。安さの理由は、たいてい規制の中に書いてある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 隣地で大規模な伐採や造成が始まったら、自治体の風致担当課に許可の有無を照会する。許可の事実と内容は原則として情報公開請求で確認できる2. 無許可なら、条例に基づく中止命令や原状回復命令の端緒になるので、日付の入る写真と作業状況の記録を残す3. 許可済みでも、許可条件の写しを取り寄せて実際の工事と突き合わせる。条件違反は別途の指導対象になる4. 民事で景観利益の侵害を主張する道もあるが、違法と認められる基準は高い(最判平成18.3.30)ことを前提に置く
訴えられた側:1. 無許可で着手してしまったら、まず工事を止めて自主的に担当課へ申告する。通報で発覚した案件と自主申告の案件では、その後の扱いが実務上はっきり違う2. 不許可なら理由の記載を精読し、条例基準のどの数値に触れたかを特定する。設計変更で通るのか、基準の運用自体を争うのかを切り分ける3. 不服申立ての入口は58条2項の準用先で決まる。鉱業・採石業・砂利採取業との調整が理由なら公害等調整委員会への裁定申請、それ以外は通常の審査請求
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は知った日から6か月、処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。58条2項が準用する51条に当たる場合は公害等調整委員会への裁定申請に切り替わり、審査請求の道は閉じる
学説
通説:58条は規制の具体的内容を条例に全面委任するのではなく、政令で定める基準という枠を国が設定する二段構造をとる。これにより条例による財産権制約の際限のない拡大を抑えつつ、地域ごとの風致の差異に対応する設計と解されている
行政法学一般の理解:風致地区条例に基づく許可と建築基準法上の建築確認は、目的・要件・所管を異にする別個の行政処分であり、一方の存在が他方の必要性を免除しない。いわゆる規制の重畳の典型例として説明される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.大正8年(1919年) 新設:旧都市計画法に風致地区制度が創設される。都市の自然的景観を維持するための地域地区として出発した
- 2.昭和43年(1968年) 改正:都市計画法の全部改正により現行58条となる。規制内容を政令の基準に従う条例に委ねる構造が明文化された
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める