都市計画法 第71条
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- 都市計画事業については、土地収用法第二十九条及び第三十四条の六(同法第百三十八条第一項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は適用せず、同法第二十九条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により事業の認定が効力を失うべき理由に該当する理由があるときは、前条第一項の規定にかかわらず、その理由の生じた時に同法第二十六条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定の告示があつたものとみなして、同法第八条第三項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十九条第一項、第四十六条の二第一項、第七十一条(これを準用し、又はその例による場合を含む。)及び第八十九条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。
- 2.権利取得裁決があつた後、第六十二条第一項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示に係る事業施行期間を経過するまでに明渡裁決の申立てがないときは、その期間を経過した時に、すでにされた裁決手続開始の決定及び権利取得裁決は、取り消されたものとみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第71条は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第71条の条文原文は「都市計画事業については、土地収用法第二十九条及び第三十四条の六(同法第百三十八条第一項においてこれらの規定を準用する場合を含む。」で始まります。
- 都市計画法第71条は第二節 都市計画事業の施行に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第71条の前の条は都市計画法第70条です。
- 都市計画法第71条の次の条は都市計画法第72条です。
- 都市計画法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法71条は、都市計画事業に土地収用法29条を適用せず、失効理由が生じた時に事業の認定の告示があったとみなして補償の基準日を繰り下げる特例を定める。
Q · 都市計画道路の用地買収、十年前の値段で補償されるって本当?
基準日は繰り下がる。認可告示に固定されない
都市計画法71条1項により、都市計画事業では土地収用法29条(1年で事業の認定が失効する規定)が適用されません。その代わり、失効すべき理由が生じた時点で新たに事業の認定の告示があったものとみなされ、土地収用法71条の補償算定の基準日が繰り下がります。つまり起業者が1年裁決申請をしなければ、補償の基準日は最初の認可告示の年に釘付けにはなりません。2項は、権利取得裁決後に事業施行期間内の明渡裁決の申立てがなければ、裁決手続開始の決定と権利取得裁決が取り消されたものとみなされると定めます。
解説
都市計画道路の線があなたの家を横切っていると知らされてから、実際に立ち退くまで10年20年かかることは珍しくない。その間、地価は動く。ところが土地収用法71条は、補償金を「事業の認定の告示の時における相当な価格 × 権利取得裁決までの物価の変動に応ずる修正率」で算定すると定める。地価変動率ではなく物価変動率である。都市計画事業では59条の認可の告示が事業の認定の告示とみなされる(70条1項)から、何もしなければ認可の年の相場に釘付けになる。そこに弁を付けたのが本条1項だ。起業者が1年裁決申請をしなければ、一般の収用なら認定が失効するところ(収用法29条)、都市計画事業では失効させない代わりに、その理由の生じた時に新たに告示があったものとみなす。基準日が押し戻されるのである。2項はさらに、権利取得裁決の後に明渡裁決の申立てがないまま事業施行期間が切れれば、裁決そのものが取り消されたものとみなすと定める。
法的な位置づけ
都市計画法71条は、都市計画事業における収用手続の特例を定める規定である。1項は土地収用法29条・34条の6の不適用と、事業の認定の告示のみなし繰下げによる補償基準日の移動を規律する。2項は権利取得裁決後、事業施行期間内に明渡裁決の申立てがない場合の裁決の失効みなしを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.認可告示日と事業施行期間の末日を確認する 市区町村または都道府県の都市計画課で、都計法62条1項の告示の年月日と、告示に記載された事業施行期間の末日を写し取る。この二つの日付が補償と失効みなしの両方の起点になる
- 2.収用委員会へ裁決申請の有無を照会する 都道府県の収用委員会事務局に、当該事業について裁決申請がされているか、されている場合の申請日を照会する。認可告示から裁決申請までに1年を超える空白があるかを確認する
- 3.基準日の繰下げを書面で確認させる 1年を超える空白があれば、都計法71条1項によりみなし告示の時点が繰り下がっていないかを、施行者の補償担当および不動産鑑定士に書面で確認させる。鑑定書の価格時点の根拠を明示するよう求める
- 4.関係人資格の有無を先に確定する 権利の取得時期が告示後の借家人・地上権者等は、土地収用法8条3項の関係人に当たるかを、みなし告示の時点との前後関係で先に確定させる。資格がなければ補償額の交渉そのものに入れない
- 5.権利取得裁決後は明渡裁決申立ての有無を監視する 権利取得裁決が出た後は、事業施行期間の末日までに明渡裁決の申立てがあるかを収用委員会で確認する。申立てがないまま末日を経過すれば、71条2項により裁決は取り消されたものとみなされる。併せて63条の事業計画変更による期間延長の告示が出ないかを注視する
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法71条とは何ですか?
都市計画事業における収用手続の特例規定です。土地収用法29条の1年失効を適用しない代わりに、補償算定の基準日となる事業の認定の告示を繰り下げます。
Q2収用の補償金はいつの時点の価格で決まりますか?
土地収用法71条により事業の認定の告示時の価格に物価変動修正率を乗じます。都市計画事業では都計法70条1項で認可の告示が、71条1項でその繰下げ後の時点が基準になります。
Q3権利取得裁決と明渡裁決の違いは何ですか?
権利取得裁決は所有権等の取得時期と損失補償を定める裁決、明渡裁決は土地の引渡し・物件移転を命じる裁決です。明渡裁決は申立てが必要で、自動的には出ません。
Q4事業施行期間が過ぎたらどうなりますか?
権利取得裁決後、都計法62条1項の告示に係る事業施行期間内に明渡裁決の申立てがなければ、裁決手続開始の決定と権利取得裁決は取り消されたものとみなされます(71条2項)。
Q5都市計画事業でも1年で事業の認定は失効しますか?
失効しません。都計法71条1項が土地収用法29条・34条の6を適用除外としています。代わりに補償の基準日が繰り下がる扱いになります。
Q6認可告示の後に借りた借家人は補償を受けられますか?
土地収用法8条3項で告示後に権利を取得した者は関係人から外れます。ただし都計法71条1項の繰下げがあれば、みなし告示時点との前後関係で関係人になる余地があります。
Q7事業施行期間は延長できますか?
都計法63条の事業計画の変更により施行期間を延長でき、62条1項が準用されて改めて告示されます。延長の告示の有無が2項の失効みなしの分かれ目になります。
Q8都市計画事業の認可を争う訴訟の期限はいつまでですか?
認可処分の取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内が原則です(行政事件訴訟法14条1項)。処分の日から1年の客観的期間もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1計画が決まってから二十年も経っているのに、補償は二十年前の値段で計算されるんですか?
起点は都市計画決定ではなく、62条1項の事業の認可の告示です(70条1項)。しかも本条1項により、起業者が1年裁決申請をしなければその時点で新たな告示があったとみなされ、基準日は繰り下がります。実務のポイント:提示される鑑定額は、担当者が選んだ基準日の上に組まれています。基準日の根拠を書面で示すよう求めると、前提のずれが表に出ることがある
Q2権利取得裁決が出てしまいました。もう土地は戻らないんでしょうか?
2項に出口があります。権利取得裁決の後、62条1項の告示に係る事業施行期間を経過するまでに明渡裁決の申立てがなければ、裁決手続開始の決定も権利取得裁決も取り消されたものとみなされます。実務のポイント:施行者はこれを避けるため、満了前に63条の事業計画の変更で施行期間を延ばします。延長の告示が出るかどうかが実質的な分かれ目になる
Q3一般の収用だと一年で事業の認定が失効すると聞きました。都市計画事業でも同じですか?
違います。本条1項は土地収用法29条と34条の6を適用しないと明言しており、1年放置でも認可は失効しません。代わりに補償の基準日が繰り下がる扱いになります。実務のポイント:「1年で失効するはずだ」という主張は通りません。争点は失効の有無ではなく、繰下げ後の基準日がいつかという一点に絞るべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「いくらで買ってくれるのか」という問いの立て方そのものがずれている。都市計画事業の収用で先に決まるのは金額ではなく、いつの時点の価格を基準にするかだ。基準日が1年違えば、同じ鑑定手法でも結論は動く。交渉の場で争うべきは単価ではなく日付である
- 物価変動修正率がかかること自体は知られているが、それが地価変動率ではないという事実の重さが共有されていない。地価が上がり物価が横ばいの局面では、補償金は実質的に目減りする。最高裁もこの価格固定の仕組み自体は憲法29条3項に反しないとしている。制度を正面から覆せない以上、基準日を後ろへ動かす本条1項の使い方が実効的な対抗手段になる。なお、繰下げがどこまで重なるかの具体的処理は実務上の運用に委ねられる部分があり、解釈が分かれている
- 権利取得裁決が出た時点ですべて終わったと思い込む人が多いが、2項は逆の出口を残している。明渡裁決の申立てがないまま事業施行期間が満了すれば、権利取得裁決は取り消されたものとみなされる。ただし補償金の清算や原状回復の扱いは事案ごとの個別処理になり、実務上、運用に幅がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 71条:収用手続の特例(29条不適用+みなし告示の繰下げ、裁決の失効みなし) | 70条:認可告示を事業の認定の告示とみなす読替えの一般則 62条:認可の告示と事業施行期間の公示 |
| 補償基準日への影響 | 失効理由が生じた時に新たな告示があったとみなし、基準日を繰り下げる | 認可の告示の日を基準日として固定する 基準日そのものを定めず、告示の日と施行期間を公示する |
| 時間の区切り | 1項=裁決申請の空白1年ごと/2項=事業施行期間の末日 | 時間の区切りを定めない 事業施行期間の始期と終期を定める |
| 地権者側の使いどころ | 基準日の繰下げ主張、裁決の失効みなしの主張 | 起点となる告示日の特定 施行期間の末日確認と63条の延長告示の監視 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は徴収補償費を期限内に発給しなければ徴収自体が失効する構造を採る。日本の都計法71条1項が「失効させず基準日を動かす」のとは逆方向の設計である
韓国は事業認定の失効と裁決の失効を同法内で一元的に規律する。日本のように一般法(土地収用法)を特別法(都市計画法)で部分的に適用除外する二層構造ではない
ドイツは建設法典に収用手続を取り込み、Enteignungsbeschluss の失効や補償時点についても同法内で規律する
米国は補償時点を原則として収用時(time of taking)の公正市場価格とし、物価修正率を介在させる日本型の算定構造を採らない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可告示から1年が過ぎようとしているのに、市から裁決申請をしたという連絡がない。このとき何が起きるのか。一般の収用なら事業の認定は告示日にさかのぼって失効するが、都市計画事業では失効しない。代わりに、補償の基準日がその時点にリセットされる。年度末まであと2か月、市が収用委員会へ裁決申請を出すかどうかを確認するのが先決である
- あなたが市の用地担当だとする。地権者との任意交渉が難航し、認可告示から3年が経った。一般の収用手続なら事業の認定はとうに失効しているが、都市計画事業は生き続ける。ただし補償算定の基準日は空白の1年ごとにずれ込み、地価上昇局面では用地費が膨らむ。交渉を長引かせる判断そのものが翌年度予算に跳ね返る
- 権利取得裁決は出たのに、施行者は明渡裁決を申し立てないまま事業施行期間の末日を迎えた。その瞬間、裁決手続開始の決定も権利取得裁決も、取り消されたものとみなされる。移転を覚悟していた土地が、法律上あなたの側に戻る
- 認可告示の5年後にその建物へ入居した借家人がいる。土地収用法8条3項は告示後に権利を取得した者を関係人から外すが、本条1項で告示があったとみなされる時点が繰り下がっていれば、この借家人が関係人として補償と裁決手続への参加資格を得る余地が出る。入居時期と裁決申請時期の前後関係を、まず紙に書き出すこと
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都市計画課で62条1項の告示の年月日と事業施行期間の末日を写し取る2. 収用委員会に裁決申請の有無と申請日を照会する3. 告示から裁決申請までに1年を超える空白があれば、本条1項で基準日が繰り下がっていないかを補償担当と鑑定人に書面で確認させる4. 取得時期が告示後の借家人や権利者は、関係人資格の有無を先に確定させてから補償額の交渉に入る
訴えられた側:施行者側の手順。1. 認可告示から1年ごとの裁決申請の空白を用地台帳で管理する、放置は基準日の繰下げを通じて用地費の増加に直結する2. 権利取得裁決を得たら、明渡裁決の申立て時期を事業施行期間の末日から逆算して工程に組む3. 期間内に収まらないと判断した時点で63条の事業計画変更による期間延長の手続へ入る、裁決が失効すれば補償算定からやり直しになる
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。決定的な期日は二つ。第一に、認可告示または直近のみなし告示から1年(この空白ごとに補償の基準日が繰り下がる)。第二に、62条1項の告示に係る事業施行期間の末日(権利取得裁決の後、この日までに明渡裁決の申立てがなければ裁決は取り消されたものとみなされる)。認可処分そのものを争う取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)
学説
実務上の一般的理解:本条1項は、都市計画事業の長期性に配慮して事業の効力は維持しつつ、補償基準日のみを繰り下げるという分離処理を行った規定と解されている。繰下げが複数回重なる場合の具体的処理は運用に委ねられる部分があり、解釈に幅がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:新都市計画法の制定に伴い、都市計画事業に対する土地収用法の適用調整規定として第71条が置かれた。詳細な改正経過は未検証
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