都市計画法 第72条
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- 施行者は、第六十九条の規定により適用される土地収用法第三十一条の規定によつて収用又は使用の手続を保留しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、第五十九条又は第六十三条第一項の規定による認可又は承認を受けようとする際、その旨及び手続を保留する事業地の範囲を記載した申立書を提出しなければならない。この場合においては、第六十条第三項第一号(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる図面に手続を保留する事業地の範囲を表示しなければならない。
- 2.第十四条第二項の規定は、前項の規定による事業地の範囲の表示について準用する。
- 3.国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の申立てがあつたときは、第六十二条第一項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示の際、あわせて、事業の認可又は承認後の収用又は使用の手続が保留される旨及び手続が保留される事業地の範囲を告示しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第72条は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第72条の条文原文は「施行者は、第六十九条の規定により適用される土地収用法第三十一条の規定によつて収用又は使用の手続を保留しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、第五十…」で始まります。
- 都市計画法第72条は第二節 都市計画事業の施行に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第72条の前の条は都市計画法第71条です。
- 都市計画法第72条の次の条は都市計画法第73条です。
- 都市計画法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法72条は、施行者が収用又は使用の手続を保留する際の申立書提出を義務づけ、国土交通大臣又は都道府県知事は事業認可の告示と併せて保留の旨と範囲を告示しなければならないと定める。
Q · 都市計画事業の告示に「手続を保留する」と書いてあったら、自分の土地はどうなるの?
保留されるのは収用手続だけで、建築制限は告示日から始まる
都市計画法72条は、施行者が収用又は使用の手続を保留する場合、事業認可を受けようとする際に保留の範囲を記載した申立書を提出し、図面に範囲を表示することを義務づけます(1項)。認可庁は62条1項の告示と併せて保留の旨と範囲を告示します(3項)。保留されるのは収用という強制手続だけで、事業地から外れるわけではありません。65条の建築等の制限は告示の日から保留区域にも及び、建て替えには知事等の許可が必要です。制限だけが先に来て、補償の時期は告示に書かれないのが実態です。
解説
市役所の掲示板に貼られる都市計画事業の告示に、「収用又は使用の手続を保留する」という一行が混ざっていることがある。この一行を読める地権者は、どれだけいるだろうか。72条は、施行者(自治体や鉄道・道路の事業者)が事業の認可を受けようとする段階で、「この範囲については土地を取り上げる手続をいったん止めておきたい」と申し立てる仕組みを定める。あなたにとっての現実はこうだ。告示の日から65条の建築制限は即座にかかる。建て替えも、重い物置を置くことも知事等の許可が要る。ところが買い取って補償金を払う手続だけは動かない。制限だけ先に来て、金は来ない。その状態が保留区域では何年も続きうる。だから3項の告示は、自分の土地がその範囲に入っているかを知るための、最初で唯一の公式情報になる。
法的な位置づけ
都市計画法72条は、都市計画事業の施行者が収用又は使用の手続を保留する場合の申立てと告示の手続を定める規定である。施行者は事業の認可又は承認を受けようとする際に、保留の旨及び保留する事業地の範囲を記載した申立書を提出し、認可申請の図面に当該範囲を表示しなければならない。認可庁は事業認可の告示と併せて保留の旨及び範囲を告示する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.告示の全文と添付図面を閲覧する 都市計画担当課で62条1項の告示と72条3項による保留の告示、及び60条3項1号の図面を閲覧する。保留の旨と範囲が告示に載っているかを本文で確認し、写しを取得する
- 2.自分の地番が保留範囲の内か外かを確定させる 図面上で自分の地番が保留する事業地の範囲に入るかを職員に指差しで確認させ、回答者名・所属・日付を記録する。電話回答のみで済ませず、閲覧記録を残す
- 3.判別できない図面なら表示の是正を求める 72条2項が準用する14条2項は、権利を有する者が自分の土地の区域内外を容易に判断できる表示を求めている。判別不能な図面であれば、条項を挙げて是正を書面で申し入れる
- 4.自分の側から動かす手段を選ぶ 更地であれば68条の買取請求、建物があるなら67条の有償譲渡の届出と任意交渉の窓口を確認する。67条の届出をすると、届出の日から30日を経過するまでは譲渡できない点に注意する
- 5.建て替え・増築の前に65条の許可の要否を照会する 保留区域でも65条の建築等の制限は告示日から及ぶ。着工前に許可の要否と審査基準を照会し、許可を受けて建てた建物が将来の補償で適法な建物として評価される状態を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画事業の手続保留とは何ですか?
都市計画法72条に基づき、施行者が事業認可を受ける際に、事業地の一部について収用又は使用の手続だけを先送りする仕組みです。事業地から外れるわけではなく、65条の建築制限は告示日から及びます。
Q2手続保留の申立てはいつまでに出す必要がありますか?
59条の認可又は63条1項の承認を「受けようとする際」に提出する必要があります(72条1項)。認可後の後出しは認められず、範囲を追加するには事業計画の変更認可を経ることになります。
Q3自分の土地が保留区域か確認する方法は?
市町村や都道府県の都市計画担当課で62条1項の告示と添付図面を閲覧します。72条3項により保留の旨と範囲が告示されるため、地番の内外を確認し、回答した職員名と日付を控えておくと後の交渉で役立ちます。
Q4保留区域の土地は売却できますか?
売却自体は可能ですが、事業地内の土地を有償で譲渡するには67条の届出が必要で、届出の日から30日を経過するまで譲渡できません。施行者に先買いの機会を与える仕組みです。
Q5手続保留で土地収用法29条の1年の期限はどうなりますか?
保留された範囲は、事業の認定の告示から1年以内に裁決申請という期限の進行から外れます。手続開始の告示の時点から改めて動き出すため、施行者は認定を失効させずに時期を調整できます。
Q6図面で自分の土地が区域内か判別できないときは?
72条2項が14条2項を準用し、権利を有する者が自分の土地の内外を容易に判断できる表示であることを求めています。判別できない図面は、施行者や認可庁に表示の是正を求める根拠になります。
Q7保留の告示が漏れていた場合はどうなりますか?
72条3項は認可庁に保留の旨と範囲の告示を義務づけています。告示を欠けば保留の効力そのものが争われる余地があるため、施行者は記載漏れがないか告示前に確認する必要があります。
Q8保留区域の土地に住宅ローンは組めますか?
組めないわけではありませんが、金融機関は都市計画図で事業地であるかを確認します。収用の時期が読めない保留区域は担保評価が慎重になりやすく、事前審査の段階で条件が変わることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手続保留って書いてあったら、うちの土地はいつまで塩漬けなんですか?
明確な日付は告示に書かれない。保留が解けるのは施行者が手続開始の申立てをして告示が出た時点で、その時期は用地取得の進捗次第である。ただし62条1項で告示される事業施行期間が上限の目安になる。実務のポイント:告示された事業施行期間の終期を控え、毎年都市計画課で延長の変更認可が出ていないか確認する地権者はほとんどいない。延長が必要になる時期は、施行者が地権者と接触せざるを得ない数少ないタイミングである
Q2保留区域でも家を建て替えられますか?
原則として都道府県知事等の許可が必要である(65条1項)。保留されているのは収用の手続だけで、建築制限は62条1項の告示の日から事業地全域にかかる。許可は事業の施行に支障があるかで判断され、木造2階程度なら通ることもある。実務のポイント:許可を受けて建てた建物は、後に収用されるときの補償で「適法な建物」として評価される。無許可で建てれば81条の監督処分(工事停止・原状回復命令)の対象になりうる。許可は制限であると同時に、将来の補償を守る保険でもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保留=うちはまだ対象外」と理解している人は多い。保留されているのは収用の手続だけで、事業地に入っている事実は一切変わらない。65条の建築制限は告示の日から保留区域にもかかる。そこまで知っている人でも、その制限が「何年続くか誰も約束してくれない」ところまでは想像していない
- あなたから見れば、保留は「まだ何も起きていない空白」。施行者から見れば、保留は「事業認定を失効させずに時計だけ止めておく装置」(土地収用法29条の、告示から1年以内に裁決申請という期限の進行を外す)。同じ一行が、片方には空白、片方には事業の延命手段として機能している。この落差が、何年も待たされる地権者を生む
- 「保留区域だから補償の交渉はできない」という問いの立て方自体がずれている。保留が止めるのは収用という強制手続だけで、任意の売買(67条の有償譲渡の届出と先買い、68条の買取請求)は別の線路を走っている。待つか、こちらから動かすかは地権者側が選べる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が担う役割 | 72条:収用又は使用の手続を保留する申立てと告示 | 62条:事業認可そのものの告示(制限の起点) 65条:告示日以後の建築等の制限と許可 |
| 効力が及ぶ範囲 | 申立書と図面で特定された保留区域のみ | 事業地の全域 事業地の全域(保留区域を含む) |
| 地権者への影響 | 補償に向けた強制手続の時期が不確定になる | 事業地であることが公示され取引に影響する 建て替え・重量物件の設置に知事等の許可が必要になる |
| タイミング | 認可又は承認を受けようとする際(後出し不可) | 認可又は承認の後、遅滞なく告示 告示の日から事業完了の公告の日まで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「公共設施保留地」として、取得されないまま使用制限だけが長期に及ぶ状態を正面から制度化している。制限が先行し補償が遅れるという構造の問題意識は日本の保留区域と共通する
韓国は事業認定後の裁決申請期間を法定しつつ、長期未執行の都市計画施設について実効制度と매수청구권(買取請求権)で地権者側の出口を用意する
ドイツは建築制限(変更禁止)に期間の上限と延長手続を法定し、一定期間を超える制限には補償を結びつける。制限の時間そのものを法が管理する点が日本と対照的である
米国では収用の公表後に長期間手続が進まず地価が下落した場合、precondemnation delay による損害を補償評価に織り込む議論があり、州により扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 告示の紙に「手続を保留する」と書いてあったら、いつまで待たされるのか? 道路拡幅事業の事業地に自宅の畑が入り、市に電話しても「時期は未定です」としか返ってこない。しかも住宅ローンの事前審査の回答まであと2週間。銀行が事業地内であることを把握した瞬間、担保評価の判断が変わる。待つ側に時間の主導権はない
- あなたは市の事業担当者だ。用地取得の目処が立たない区間を保留したいが、認可申請書を出してから気付いた。72条1項の申立書は認可を「受けようとする際」に出すもので、後出しは効かない
- 隣の地主から「あんたの土地も保留区域に入ってるらしいぞ」と言われ、市役所で図面を見たが、自分の土地が線の内か外か判別できない。ここで2項が効く。14条2項の準用により、その図面は権利を有する者が自分の土地が区域内かどうかを容易に判断できるものでなければならない。「見ても分からない図面」は、それ自体が是正を求める根拠になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 告示の全文と添付図面を都市計画課で閲覧し、自分の地番が保留範囲の内か外かを職員に指差しで確認させ、回答者名と日付を記録する2. 判別できない図面なら72条2項と14条2項を挙げて表示の是正を求める3. 更地なら68条の買取請求、建物があるなら67条の届出制度と任意交渉の窓口を確認4. 建て替えや売却の予定があるなら、動く前に65条の許可の要否を照会する
訴えられた側:1. 保留したい区間は認可申請の起案時点で確定させ、60条3項1号の図面に範囲を明示する(認可後の後出しは不可) 2. 図面は権利者が自分の土地の内外を判断できる精度にする(2項、14条2項準用) 3. 62条1項の告示に保留の旨と範囲を漏れなく載せる(3項)。落とせば保留の効力そのものを争われる4. 保留中も65条の許可事務と67条の届出処理は動き続ける前提で体制を組む
時効(請求できる期限):申立書の提出期限は、59条の認可または63条1項の承認を「受けようとする際」。認可後の追加申立ては認められない。保留された区域は、土地収用法29条の「事業の認定の告示から1年以内に裁決申請」という期限の進行から外れ、手続開始の告示の時点から改めて動き出す(保留できる期間は土地収用法の関係規定と告示された事業施行期間に拘束される。最新の改正状況をご確認ください)。なお67条の有償譲渡の届出は、届出日から30日を経過するまで譲渡できない
学説
通説:72条の保留が停止するのは土地収用法上の強制手続に限られ、62条1項の告示に伴う65条の建築等の制限は保留区域にも告示日から及ぶと解されている。法は保留の時期を約束しない代わりに、範囲の事前特定と図面・告示による情報開示を義務づけて不均衡を緩和する構造をとる。
改正沿革 AI による整理
- 中央省庁等改革(2001年施行) 所管官庁の再編に伴い、条文中の「建設大臣」が「国土交通大臣」に、「建設省令」が「国土交通省令」に改められた。実体的な手続内容の変更ではない。これ以外の改正履歴は未検証であり、人的確認が必要
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法(昭和43年法律第100号)の制定により、69条による土地収用法の適用を前提とした手続保留の申立て・図面表示・告示の規律として本条が置かれた
- 2.平成13年(2001年)前後 改正:中央省庁等改革に伴い、条文中の「建設大臣」が「国土交通大臣」に、「建設省令」が「国土交通省令」に改められた。手続の実体的内容の変更ではない。これ以外の改正履歴は未検証
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