都市計画法 第79条(許可等の条件)
クイックジャンプ
この法律の規定による許可、認可又は承認には、都市計画上必要な条件を附することができる。この場合において、その条件は、当該許可、認可又は承認を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。
この条文の基本情報
許可等の条件とは何ですか?
定義許可等の条件とは、都市計画法第79条に定められた規定で、「この法律の規定による許可、認可又は承認には、都市計画上必要な条件を附することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第79条(許可等の条件)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第79条の条文原文は「この法律の規定による許可、認可又は承認には、都市計画上必要な条件を附することができる。」で始まります。
- 都市計画法第79条は第八章 雑則に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第79条の前の条は都市計画法第78条です。
- 都市計画法第79条の次の条は都市計画法第80条です。
- 都市計画法第79条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第79条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第79条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/79
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法79条は、許可・認可・承認に都市計画上必要な条件を付すことを認める規定である。ただし後段で、その条件が相手方に不当な義務を課すことを禁じている。
Q · 開発許可に付いてきた条件、断ったり外してもらったりできるんですか?
必要性と比例性を欠く条件は争える余地があります
都市計画法79条は、許可・認可・承認に都市計画上必要な条件を付す権限を行政庁に認める一方、後段で「不当な義務を課するものであつてはならない」と上限を明示しています。したがって、条件が都市計画上の必要性から導けない場合や、負担の程度が当該開発の規模・影響に比例しない場合には、条件の適法性を争う余地があります。争うなら履行に着手する前が要点です。支出後は事実上の原状回復が困難になります。
解説
開発許可の通知書が届いて、末尾に「なお、本許可には次の条件を付する」と数行並んでいる。この数行こそが、許可申請の本当の勝負どころだ。都市計画法79条は、行政庁が許可・認可・承認に条件を付ける権限を認めている。ただし条文は同時に、はっきりと歯止めを書いている。「不当な義務を課するものであつてはならない」。つまり条件には法的な上限があり、無制限ではない。役所が「この条件を飲まないなら許可は出せない」と言ってきたとき、あなたには二つの問いを立てる権利がある。その条件は都市計画上必要か、そしてその負担は許可の内容に見合っているか。どちらかが崩れれば、条件だけを切り離して争える。付款は許可本体と一体だと思い込んで丸呑みする人と、条件部分を個別に精査する人とでは、開発コストが数千万円単位で変わる
法的な位置づけ
都市計画法79条は、同法に基づく許可・認可・承認への条件付与(付款)を認める規定である。付与できるのは都市計画上必要な条件に限られ、かつ当該処分を受けた者に不当な義務を課すことは禁じられる。行政庁の裁量に必要性と比例性の二つの枠を設ける条文である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.許可書の条件を逐条で書き出す 許可通知書の本文より先に条件欄を読み、条件を一つずつ分解して一覧化する。各条件について「都市計画上の必要性が説明できるか」「開発規模との比例性があるか」を二列で記入し、疑義のあるものに印を付ける
- 2.疑義のある条件について書面で理由の教示を求める 担当課に対し「当該条件の都市計画上の必要性と、本件開発行為との関連性をご教示ください」と書面で照会する。行政手続法8条の理由提示と併せて記録化し、回答も書面で受け取る
- 3.履行に着手する前に争うか飲むかを決める 工事着手・用地取得・拠出金支払いなど、条件の履行に伴う支出が発生する前に判断する。履行後は条件が違法と判断されても支出済み費用の回収が困難になるため、資金流出前が交渉力の分水嶺となる
- 4.交渉で解決しなければ審査請求または取消訴訟 処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、または6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を提起する。条件部分のみの取消しを求めるか、条件のない許可の義務付け(行政事件訴訟法37条の3)とするかを代理人と事前に設計する
よくある質問 AI による整理
Q1開発許可の条件とは何ですか?
許可の効力に付加される付款のことです。都市計画法79条が根拠で、道路整備、排水施設の設置、公共用地の帰属などが典型例です。都市計画上必要な範囲に限られます。
Q2許可の条件に不当な義務が含まれるのはどんな場合ですか?
開発区域と関連性の薄い区域外整備、開発規模に見合わない過大な負担、開発と因果関係のない金銭拠出などです。79条後段の不当性審査の対象になります。
Q3開発許可の条件だけ取り消せますか?
条件が許可本体と可分であれば条件部分のみの取消しを求める余地があります。不可分であれば許可全体が失効する構成になるため、請求の立て方を事前に詰める必要があります。
Q4開発許可の条件に不服があるとき期限はいつまでですか?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内かつ処分から1年以内(行政事件訴訟法14条)が原則です。
Q5口頭で求められた負担も許可の条件ですか?
違います。許可書に明記されない要請は行政指導(行政手続法32条以下)であり、従う法的義務はありません。付款と行政指導は法的性質が別です。
Q6条件を守らないと許可は取り消されますか?
条件違反は監督処分の対象となり得ます(都市計画法81条)。ただし条件自体が違法であれば、その不履行を理由とする不利益処分も違法性を帯びます。
Q7市街化調整区域の許可にも条件は付きますか?
付きます。都市計画法43条の許可は条件付与の典型場面で、用途の限定、営業形態の制限などが付されることがあります。79条の制限は同様に及びます。
Q8条件の理由を教えてもらうことはできますか?
行政手続法8条の理由提示と併せ、担当課に書面で照会するのが実務的です。庁内の起案文書は情報公開請求の対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1条件だけ取り消してもらうことって、そもそもできるんですか?
条件が許可本体と可分であれば、条件部分のみの取消訴訟が認められる余地があります。ただし条件が許可の不可欠な前提となっている場合、取り消せば許可全体が失効する構成になり、実務上は解釈が分かれています。実務のポイント:訴状の請求の趣旨を「条件の取消」とするか「条件のない許可の義務付け」(行政事件訴訟法37条の3)とするかで、勝った後に手元に残るものが違う。ここを最初に設計できる代理人かどうかが分かれ目
Q2「不当な義務」ってどのくらいのものを言うんですか。線引きが曖昧すぎませんか?
判断枠組みは二つです。第一に当該条件が都市計画上の必要性から導かれるか(79条前段)、第二にその負担が許可対象の開発行為と関連し、規模に比例するか(同条後段)。区域外の過大な負担や、開発と無関係な金銭拠出は不当性が問われやすい。実務のポイント:担当者は条件案を庁内で稟議に回す際、必要性の説明を文書で書いている。情報公開請求でその起案文書を取れば、必要性の論拠の薄さがそのまま可視化される
Q3条件を守らなかったら、許可は取り消されるんでしょうか?
条件違反は許可の撤回事由になりえ、都市計画法81条の監督処分(工事停止命令、原状回復命令等)の対象にもなります。ただし違法な条件であれば、その不履行を理由とする不利益処分も違法性を帯びます。実務のポイント:撤回処分が来る前に必ず弁明の機会または聴聞(行政手続法13条)がある。この場で条件自体の違法性を主張し議事録に残すと、後の訴訟で争点が固定でき、処分庁側も強行しにくくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「条件付きでも許可が出たのだから文句を言う立場にない」と受け止める事業者は多い。だが79条後段は明示的に条件の内容を制限しており、行政庁の裁量は無限ではない。許可が出たことと、その条件が適法であることは、法的にまったく別の判断である
- 付款に問題があると気付いた人でも、その深刻度を見誤ることがある。条件が違法であっても、履行してしまえば事実上の原状回復はほぼ不可能で、支出した費用の返還も容易ではない。争うなら履行前、この一点が結果を分ける
- 「役所と揉めたら次の案件で報復される」という前提で思考を止めてしまう人がいる。だが問いの立て方自体がずれている。不利益取扱いこそが違法(行政手続法32条2項が行政指導について明記)であり、記録を残しながら適法に争うことは、次の案件のリスクを下げる方向に働く
- あなたから見れば「役所が出してきた条件」だが、法律から見れば「行政行為に付された付款」であり、講学上は条件・期限・負担・撤回権の留保に分類される。どの類型かによって、条件だけを取り消せるか、許可全体が落ちるかが変わる。この分類を知らずに争うと、勝ったつもりで許可ごと失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 都市計画法79条:許可等への条件付与権限と、その内容的上限 | 都市計画法33条:開発許可そのものの実体基準 都市計画法81条:条件違反等に対する監督処分 |
| 名宛人 | 条件を付す行政庁と、条件を受ける申請者の双方 | 許可の可否を判断する行政庁 違反状態にある者(事業者・承継人等) |
| 争い方 | 条件部分の取消し、または条件のない許可の義務付け | 不許可処分の取消し・許可の義務付け 監督処分そのものの取消し |
| 判断の物差し | 都市計画上の必要性 + 不当な義務でないこと(比例性) | 技術基準・公共施設の整備水準への適合 違反の存在と処分内容の相当性 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政手続の一般法で付款を正面から規律し、94条が「行政処分の目的に違背せず、かつ正当合理な関連を有すること」を要求する。日本が個別法(都市計画法79条)で書いている関連性・比例性の要求を、台湾は一般法レベルで明文化している点が対照的。
韓国は2021年施行の行政基本法で付款の許容範囲と限界を一般規定化した。付款は当該処分の目的に反せず、実質的関連性を有し、必要最小限でなければならないとされ、日本の79条後段と同趣旨の制約を置く。
ドイツは行政手続法で付款(Nebenbestimmungen)を体系的に規定し、覊束行為には法定の場合等に限って付款を許し、裁量行為では法目的に適合する限りで許容する。日本の付款論の理論的源流にあたる。
米国は土地利用許可に付される負担(exactions)について、連邦最高裁が essential nexus(本質的関連性)と rough proportionality(おおまかな比例性)という二段の審査基準を確立した。79条後段の関連性・比例性と発想が近く、憲法上の収用条項を根拠とする点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住宅開発の許可が下りたが、条件欄に「区域外の市道約200メートルを拡幅し市に無償帰属させること」とある。この道路はあなたの開発地と接していない。都市計画上の必要性と、あなたの開発が生む交通負荷との間に、説明可能な比例関係はあるか。ここが79条後段の主戦場になる
- もし、担当課との事前協議の席で「この条件を文書にすると角が立つから、口頭でお願いしたい」と言われたらどうする? 文書に載らない負担は、後から争う対象すら失う。行政指導(行政手続法32条以下)と付款は法的性質がまったく違い、前者に従う義務はない
- あなたが役所側の担当者だったとする。周辺住民の反対が強く、事業者に地域貢献施設の設置を条件として求めたい。だがその施設が当該開発と因果的に結びつかなければ、後に条件が違法とされ、訴訟で自治体が敗ける。条件を書く側にも79条は刃を向けている
- 許可書の到達から3か月。審査請求の期間(行政不服審査法18条)が刻々と減っていく。条件の履行期限は工事着手前、つまり資金調達の前に判断を迫られる。争うか、飲むか、決断の窓は想像よりずっと短い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 許可書の条件を逐条で書き出し、都市計画上の必要性が説明できるか、開発規模との比例性があるかで仕分ける2. 疑義のある条件は担当課に書面で理由の教示を求める(行政手続法8条の理由提示と併せて記録化) 3. 履行に着手する前に判断すること、支出後は事実上取り返せない4. 交渉で解決しなければ審査請求または条件部分の取消訴訟。付款のみの取消が可能か許可全体が落ちるかは弁護士と事前に詰める
訴えられた側:許可権者として条件を付す側なら、1. その条件が都市計画上の必要性から導かれることを、開発行為との因果関係で説明できる形で記録に残す2. 負担の程度が当該開発の規模・影響に見合うか比例性を検証3. 区域外・時期外の負担、第三者との協定強制など関連性の弱い条件は行政指導と峻別し、従わないことを理由に不利益取扱いをしない4. 条件は許可書に明記、口頭要請で済ませない
時効(請求できる期限):許可に付された条件に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は同じく6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。条件の履行期限は処分庁が別途定めるため、争訟期間より先に到来することがある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(付款の分類論):行政行為に付される付款は、講学上、条件・期限・負担・撤回権の留保に分類される。都市計画法79条の「条件」は文言上「条件」だが、実務上は義務を課す「負担」として機能するものが多く、どの類型と解するかによって不履行時の効果と、付款のみの取消可否が変わる。
通説(不当性審査の枠組み):79条後段の「不当な義務」該当性は、当該条件が都市計画上の必要性から導かれるか、当該許可対象行為と関連するか、負担が開発の規模・影響に比例するかによって判断される。関連性を欠く区域外負担や、開発と因果関係のない拠出の強制は違法と評価されやすい。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法の全部改正(旧都市計画法に代わる現行法の制定)に伴い、同法に基づく許可・認可・承認への条件付与権限と、その内容的上限を定める規定として置かれた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める