都市計画法 第87条の3(都の特例)
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- 特別区の存する区域においては、第十五条の規定により市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものは、都が定める。
- 2.前項の規定により都が定める都市計画に係る第二章第二節(第二十六条第一項及び第三項並びに第二十七条第二項を除く。)の規定による市町村の事務は、都が処理する。この場合においては、これらの規定中市町村に関する規定は、都に関する規定として都に適用があるものとする。
この条文の基本情報
都の特例とは何ですか?
定義都の特例とは、都市計画法第87条の3に定められた規定で、「特別区の存する区域においては、第十五条の規定により市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものは、都が定める。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第87条の3(都の特例)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第87条の3の条文原文は「特別区の存する区域においては、第十五条の規定により市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものは、都が定める。」で始まります。
- 都市計画法第87条の3は第八章 雑則に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第87条の3の前の条は都市計画法第87条の2です。
- 都市計画法第87条の3の次の条は都市計画法第87条の4です。
- 都市計画法第87条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第87条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第87条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/87_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法87条の3は、特別区の区域では15条で市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものを都が定め、その手続事務も都が処理すると定める。
Q · 東京23区の都市計画って、区が決めるんですか、都が決めるんですか?
政令で指定されたものは都、それ以外は区が決めます
都市計画法87条の3第1項により、特別区の存する区域では、15条で市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものは都が定めます。さらに第2項で、その計画に係る第二章第二節の市町村事務(公告・縦覧・意見書の受理など)も都が処理します。つまり「決定は都、手続は区」という折衷は法律上存在せず、都決定案件では意見書の宛先も都になります。区か都かの線引きは法律本文ではなく政令側にあります。
解説
世田谷区に家を買った人と、武蔵野市に家を買った人。どちらも東京都民だが、自分の土地の都市計画を誰が決めるかは同じではない。都市計画法15条は、都市計画を都道府県が決めるものと市町村が決めるものに振り分けている。特別区は地方自治法283条によって原則「市」として扱われるので、本来は区が決める側に立つ。ところが87条の3が、その一部を政令で指定して都に引き上げた。23区は一続きの市街地であり、区ごとにばらばらの都市計画を敷けば道路も土地利用も区界で断裂するからだ。あなたにとっての実害はここにある。区役所の窓口に何度足を運んで陳情しても、都決定の案件なら決定権者はそこにいない。案の縦覧も意見書の宛先も、区ではなく都になる。相手を間違えた意見書は、2週間の縦覧期間が終わった時点で価値を失う。
法的な位置づけ
都市計画法87条の3は、特別区の存する区域に関する都の特例を定める規定である。同法15条の原則分担にかかわらず、市町村が定めるべき都市計画のうち政令で定めるものを都の決定事項とし、当該計画に係る第二章第二節の市町村事務も都が処理する旨を規定する。地方自治法281条の2が示す都区間の事務配分原則を、都市計画の場面で具体化したものである。
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法87条の3とは何ですか?
東京23区における都の特例規定です。15条で本来市町村が定める都市計画のうち政令指定のものを都が定め、公告・縦覧などの手続事務も都が処理すると定めています。
Q223区の用途地域は誰が決めるのですか?
政令で都決定とされた品目なら都、それ以外は区が決めます。同じ用途地域でも区域や規模によって決定権者が変わるため、案件ごとに告示の主体で確認するのが確実です。
Q3都市計画の意見書はどこに出せばいいですか?
都決定案件は都、区決定案件は区です。87条の3第2項で意見書の受理を含む手続事務が都に移るため、宛先を誤ると縦覧期間の満了で機会を失います。
Q4都市計画案の縦覧期間はいつまでですか?
公告の日から2週間です(都市計画法17条1項・2項)。この期間内に意見書を提出する必要があり、一般的な延長規定はありません。
Q5特別区は市と同じ扱いではないのですか?
地方自治法283条により原則は市の規定が準用されますが、都市計画法87条の3はその例外です。政令指定の品目については都が決定権者になります。
Q6どの都市計画が都決定か調べる方法は?
都市計画法施行令の該当規定と、東京都の都市計画部局が公表する決定権者一覧で確認します。政令は法律より改正が軽いため、古い解説書の分担表は当てになりません。
Q7政令指定都市にも同じ特例がありますか?
指定都市には87条の2が別に特例を置いています。23区の87条の3とは方向が逆で、指定都市では都道府県の権限が市側に寄せられる構造です。
Q8決まった都市計画は取り消せますか?
用途地域指定のような一般的な都市計画決定は処分性が否定されるのが判例の原則で、取消訴訟の入口で退けられやすい。争うなら決定前が実質的な勝負どころです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの区の中の話なのに、なんで都が決めるんですか?
23区は連続した一つの市街地で、道路も広域の土地利用も区界で切れると機能しないからである。地方自治法281条の2第1項は、都が「行政の一体性及び統一性の確保」の観点から処理すべき事務を担うと定め、都市計画法87条の3がそれを都市計画の場面で具体化している。実務のポイント:どの計画が都決定かは法律本文ではなく政令で決まる。政令は法律改正より軽い手続で動くため、数年前の解説書やウェブ記事の分担表をそのまま信じると、現在の決定権者を取り違える
Q2区役所に意見書を出しちゃったんですが、無効ですか?
都決定の案件では、公告・縦覧・意見書の受理まで都が処理する(87条の3第2項)。宛先違いの書面が自動的に都へ回付される保証はないので、縦覧期間内(17条2項)に都へ出し直すのが確実である。実務のポイント:実務では都と区の双方で縦覧できる運用もあるが、それは受付窓口の話で、法律上の事務主体は都である。窓口で「受け取れます」と言われても、控えに受付印をもらい、どの主体宛の受理なのかをその場で確認しておく
Q3決まってしまった用途地域は、裁判で取り消せますか?
原則として難しい。用途地域の指定のような一般的な都市計画決定は、特定の人に向けた具体的な決定(行政処分、つまり役所があなたに直接下す決定)ではなく立法に似た行為とされ、処分性が否定されるのが判例の原則である(最判昭和57.4.22)。実務のポイント:弁護士は、相談が「決定後」に来た時点で勝ち筋が細いことを知っている。残るのは後続の都市計画事業の認可など処分性が認められる段階を待って争う道で、時間も費用も桁違いにかかる
間違えやすい点 AI による整理
- 「23区は市と同じ扱いだから、当然に区が決めるはず」という前提から出発すると、問いの立て方そのものがずれる。正しい問いは「区か都か」という二択ではなく、「この計画は政令が指定した都決定の品目に入っているか」である。線引きは法律本文ではなく政令の側にあるので、条文だけを読んでも答えは出てこない
- 都が決めることは知っていても、その及ぶ範囲を浅く見積もっている人が多い。87条の3第2項は、決定権だけでなく第二章第二節の手続事務そのものを都に移している。公告、縦覧、意見書の受理、審議会への付議、これらが窓口ごと移動する。「決定は都だが手続は区で」という折衷は、法律上は存在しない
- 住民から見れば区役所は最も身近な行政だが、都市計画法から見れば23区は「都が一体的に処理すべき広域の一部」である。この落差が、区に何度通っても話が前に進まない体感を生む。地方自治法281条の2がわざわざ「行政の一体性及び統一性の確保」と書いた意味は、この場面で実際に効いてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決定権者 | 87条の3:特別区区域では政令指定の計画を都が決定 | 15条:都道府県と市町村の原則分担 87条の2:指定都市の特例(都道府県権限を市へ) |
| 手続事務の主体 | 第二章第二節の市町村事務を都が処理(第2項) | 19条:市町村が自ら公告縦覧・議会関与・審議会付議 17条:案の公告・縦覧と意見書提出の共通手続 |
| 線引きの所在 | 政令(施行令)が指定する品目 | 法律本文が類型を列挙 法律本文+政令の併用 |
| 住民側の実務影響 | 意見書の宛先・縦覧場所が都になる | 市町村の窓口で完結 指定都市の窓口で完結 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では直轄市(台北市・新北市など)の都市計畫は市が擬定し内政部が核定する二段構造をとる。日本の23区のように基礎自治体から上位団体へ権限を引き上げる仕組みではなく、区は市の内部組織であるため、そもそも決定権者の分裂が生じない
韓国のソウル特別市では自治区が置かれるが、도시·군관리계획の입안権は原則として特別市長にあり、自治区に都市計画決定権は与えられていない。日本の23区より一元化の度合いが高い
ドイツは Bauleitplanung を自治体の計画高権(Planungshoheit)として強く保障しつつ、州法により権限を他の団体へ移す道や計画連合(Planungsverband)による共同処理を認める。権限移転が例外として明示的に構成される点は日本と共通する
ニューヨーク市は市の City Planning Commission が zoning を一元的に決定し、コミュニティボードは諮問的な意見を述べるにとどまる。日本の区に相当する単位に決定権がない点で、23区より一元化されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅の向かいの敷地に高層マンションの計画が出た。案が縦覧されていると聞いて区役所に駆け込んだら、担当者に「これは都決定案件です」と言われたら、どうする? 縦覧期間は公告日から2週間。残り4日で都の窓口を特定し、意見書の宛先と提出方法を確認し、書き直す時間があるかどうかが分かれ目になる
- あなたが再開発を進める事業者側だとする。区の担当課とだけ握って案を固めたが、その計画は政令指定の都決定案件だった。都の所管部局との事前協議を飛ばした分、審議会の付議時期が一巡ずれ、着工予定は数か月後退する。決定権者を読み違えるのは、住民側だけの失敗ではない
- 友人が「区議会議員に陳情したから大丈夫」と言ってきた。都決定の案件なら、締切を刻んでいるのは都の告示のほうだ。あなたはその一点を三分で説明できる
- 23区内の中古マンションを買う前に、将来の用途地域の見直しや都市計画道路の計画線を確認しておきたい。重要事項説明では「計画あり」の一行で終わることがある。案の段階の情報は決定権者の側にしか蓄積されない。都決定案件なら都の都市計画部局、区決定案件なら区の都市計画課。問い合わせ先を一つ間違えるだけで「該当なし」という回答が返ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象の都市計画が都決定か区決定かを、告示の主体で確認する2. 都決定なら、縦覧場所と意見書の宛先は都、期限は公告の日から2週間(17条1項・2項)。満了日を過ぎた提出は受理されない3. 意見書は感情ではなく、指定理由や計画の必要性への具体的反論で書く。提出された意見書の要旨は審議会に提出される4. 決定後の取消訴訟は処分性の壁で入口から退けられやすい。勝負は決定前にしかない
訴えられた側:1. 企画の最初期に、対象区域が政令指定の都決定案件かを確認する。決定権者を読み違えた事前協議は、そのままスケジュール遅延に変わる2. 都決定案件では、区との協議は必要だが十分ではない。都の所管部局との協議を並行させる3. 住民の意見書が出れば要旨が審議会に提出される前提で、反論材料を事前に用意しておく4. 案の段階での説明会は、後の紛争コストを下げる最も安い保険である
時効(請求できる期限):意見書の提出は、公告の日から2週間の縦覧期間の満了日まで(都市計画法17条1項・2項)。この期限に一般的な延長規定はない。決定は告示により効力を生じるが(同20条)、用途地域の指定のような一般的な都市計画決定には処分性が認められないのが原則であるため、出訴期間以前に取消訴訟の入口で争えないことが多い。都市計画事業の認可のように処分性が認められる段階では、行政事件訴訟法14条の出訴期間(処分があったことを知った日から6か月)が働く(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:87条の3は、地方自治法281条の2が定める都区間の事務配分原則を都市計画分野で具体化した組織法的規定であり、特別区の自治権を一般的に縮減するものではなく、広域的一体性を要する品目に限り政令により都へ留保する趣旨と解される。
分権重視説:都区制度改革により特別区が基礎的地方公共団体と位置づけられた以上、政令による都留保の範囲は必要最小限に限定すべきであり、政令改正を通じた区側への権限移譲が制度の想定する方向であるとする立場。
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