社会保険労務士法 第23条の2(非社会保険労務士との提携の禁止)
クイックジャンプ
社会保険労務士は、第二十六条又は第二十七条の規定に違反する者から事件のあつせんを受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
この条文の基本情報
非社会保険労務士との提携の禁止とは何ですか?
定義非社会保険労務士との提携の禁止とは、社会保険労務士法第23条の2に定められた規定で、「社会保険労務士は、第二十六条又は第二十七条の規定に違反する者から事件のあつせんを受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第23条の2(非社会保険労務士との提携の禁止)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第23条の2の条文原文は「社会保険労務士は、第二十六条又は第二十七条の規定に違反する者から事件のあつせんを受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」で始まります。
- 社会保険労務士法第23条の2は第三章に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第23条の2の前の条は社会保険労務士法第23条です。
- 社会保険労務士法第23条の2の次の条は社会保険労務士法第24条です。
- 社会保険労務士法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法23条の2は、社労士が無資格者等の違反者から事件のあっせんを受けることと、名義を貸すことを禁じる。違反は懲戒の対象となる。
Q · 「提携社労士がいるから大丈夫」という助成金コンサルに任せても問題ないの?
実態が名義貸しなら違法。返還リスクは受給した企業が負う
社会保険労務士法23条の2は、社労士が26条・27条に違反する者からあっせんを受けたり、名義を使わせたりすることを禁じています。無資格のコンサルが受任から書類作成まで主導し、社労士は名前を出すだけという構造なら、社労士は本条違反、業者は27条違反の疑いがあります。さらに申請に不備や不正があれば、助成金の返還を求められるのは受給した企業です。契約前に作成者と提出代行者が誰か、その社労士と直接面談できるかを確認することが重要です。
解説
社労士の名前さえあれば、中身は誰がやってもいい。助成金ビジネスの一部では、この考え方が今もまかり通っている。社会保険労務士法23条の2は、その裏取引を二方向から断つ。一つ目は、26条(社労士の名称の使用制限)や27条(社労士でない者による業務の制限)に違反している者から、仕事を回してもらうこと(事件のあっせん)。二つ目は、そうした者に自分の名義を使わせること(名義貸し)。社労士側が守るべき義務として書かれているが、ここで見落としてはいけないのは依頼する企業側のリスクである。「社労士と提携しています」と名乗る助成金コンサルに申請を丸ごと任せたとする。実際の書類作成は無資格者が行い、社労士は判子を押すだけ。この構図が発覚すれば社労士は懲戒(戒告、業務停止、失格処分)や刑事罰の対象となり、申請に不備や不正があれば助成金の返還を求められるのは受給した企業である。見るべきは、契約相手の肩書きではない。実際に書類を作り、責任を負う人間が誰なのかである。
法的な位置づけ
社会保険労務士法23条の2は、非社会保険労務士との提携禁止を定める規定であり、社会保険労務士に対し、同法26条または27条に違反する者からの事件のあっせんの受領、およびそれらの者への自己の名義の利用許諾を禁ずる。27条の業務独占を資格者側から担保する補完規定として機能する。
手順
- 1.作成者と提出代行者を書面で確認 委託契約を結ぶ前に、申請書の作成者欄と提出代行者欄に記載されるのが誰かを、メールなど書面で確認する
- 2.社労士の登録状況を照合 記載予定の社労士の氏名と登録番号を、全国社会保険労務士会連合会の社労士名簿で照合する
- 3.社労士本人と直接面談 契約前に、担当社労士本人と直接面談またはオンライン面談し、申請内容の判断を社労士自身が行うことを確認する
- 4.契約当事者と報酬の流れを点検 契約当事者が社労士(または社労士法人)か、報酬が誰に支払われるかを確認する。業者だけが当事者で社労士と接点がない構造なら契約を見送る
よくある質問 AI による整理
Q1社労士の名義貸しとは何ですか?
社労士でない者が社労士業務を行う際に、社労士が自分の名前や登録を使わせることです。社会保険労務士法23条の2で禁止されています。
Q2社労士の名義貸しは違法ですか?
違法です。26条・27条違反者に名義を利用させることは23条の2で禁止され、懲戒処分の対象となるほか、刑事罰の規定もあります。
Q3助成金申請の代行は社労士以外でもできる?
雇用関係助成金など厚生労働省所管の申請書類を、報酬を得て業として作成するのは原則として社労士の独占業務です(27条)。無資格者の代行は違反となりえます。
Q4社労士への紹介料の支払いは違法?
紹介元が26条・27条に違反していなければ、本条の直接の対象ではありません。紹介元が無資格で社労士業務を受注している場合は問題になります。
Q5名義貸しが発覚した社労士はどうなる?
厚生労働大臣による懲戒(戒告、1年以内の業務停止、失格処分)の対象となります(法25条)。刑事罰の対象にもなりえます。
Q6助成金の不正受給は誰が返還する?
受給者である企業が返還を求められます。代行業者が書類を作っていても、加算金や企業名公表などの措置を受けるのは原則として企業側です。
Q7社労士の登録はどこで確認できる?
全国社会保険労務士会連合会が公開している社労士名簿で確認できます。委託前に、氏名と登録番号を照合しておくのが安全です。
Q8社労士と提携するコンサルは違法?
提携自体は違法ではありません。社労士が自ら受任・判断・書類作成または監督をしているかどうかという実態で判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1助成金コンサルが「うちは社労士と提携してるから大丈夫」って言うんですけど、本当ですか?
「提携」という言葉だけでは判断できない。社労士が自ら依頼を受け、内容を判断し、書類を作成または監督しているなら問題はない。無資格者が主導して社労士が名前だけ出している構造であれば、社労士側は本条違反、業者側は27条違反の疑いがある。実務のポイント:契約の当事者が業者だけで、報酬も業者に全額払い、社労士とは一度も話さない。この三つが揃っていれば、典型的な危ない構図である
Q2社労士ですが、紹介元に紹介料を払うのもダメなんですか?
紹介元が誰かによる。本条が禁じているのは、26条や27条に違反している者からあっせんを受けることである。紹介元が無資格で社労士業務を行っている業者なら、紹介料の有無にかかわらず問題になる。違反していない一般の企業や士業からの紹介であれば、本条の直接の対象ではない。実務のポイント:問題になりやすいのは、紹介元自体が助成金の申請を「受注」してしまっているケースである。紹介ではなく受注の下請けになっていないかを確認すること
Q3名義を貸した社労士って、実際にどんな処分を受けるんですか?
厚生労働大臣による懲戒の対象となり、戒告、1年以内の業務停止、失格処分の三種類がある(法25条)。これとは別に刑事罰の規定もある(法32条の2、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:懲戒処分は官報などで公表されるので、顧問先や金融機関に知られ、事務所経営に大きな打撃となる。名義貸しの報酬と比べると、まったく割に合わない
間違えやすい点 AI による整理
- 「最終的に社労士がチェックしているのだから合法だ」と考えがちだが、問題は形式ではなく実態である。無資格者が受任から書類作成まで主導し、社労士は名前を出すだけという構造なら、チェックの有無にかかわらず名義を利用させたと評価されうる。どこまでが正当な業務補助かという線引きは、個別の事実関係で判断される
- 社労士の処分リスクは知っていても、その深刻さを過小評価している人が多い。懲戒には戒告、1年以内の業務停止、失格処分の三段階がある(法25条)。これとは別に刑事罰の対象にもなりうる(法32条の2、最新の改正状況をご確認ください)。名義貸しの報酬が月数万円だとしても、失うものは資格と事務所の顧問先全体である
- 依頼する企業は「違反するのは社労士とコンサルで、自分たちは被害者だ」と思いやすい。だが助成金の受給者は企業であり、不正受給と判断されれば返還を求められ、加算金の支払いや企業名の公表、一定期間の不支給措置を受けることがある。法律上の義務者が社労士でも、財布から金が出ていくのは企業である(制度の詳細は最新の支給要領をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の名宛人 | 23条の2:社会保険労務士自身 | 27条:社労士でない者 26条:社労士でない者 |
| 禁止される行為 | 違反者からのあっせん受領・名義の利用許諾 | 報酬を得て業として社労士業務を行うこと 社労士またはこれに類似する名称の使用 |
| 違反時の主な帰結 | 懲戒(25条)+刑事罰の規定(32条の2) | 刑事罰の対象 罰則の対象 |
| 役割 | 資格者側から独占業務の抜け道を塞ぐ | 無資格者の業務参入を正面から禁止 資格の誤認を防止 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には社労士に相当する国家資格がなく、労働・社会保険手続の代行は資格独占の対象外。士業の名義貸し禁止は律師法など他の資格法で見られる
韓国の公認労務士制度は日本の社労士に近く、名義貸し等を禁止する規定を置いている
ドイツでは年金相談(Rentenberatung)が登録制の法律サービスとして規律され、無登録者による提供が制限される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 「成功報酬30%、着手金ゼロで雇用関係助成金を取ってきます」という営業電話が来た。担当者は社労士ではなく、「提携社労士が最後に確認します」と言う。厚生労働省の助成金の申請書を、報酬を得て業として作るのは27条により社労士の独占業務である。その「提携」の中身が名義貸しであれば、本条違反の構図にそのまま当てはまる
- 開業2年目の社労士であるあなたに、コンサル会社から「毎月20件、助成金案件を回します。あなたは最後に名前を出すだけでいい」という話が来た。顧問先ゼロの不安から、一度はうなずきかけた。だが、受けた瞬間にあっせんと名義貸しの両方の禁止に触れる。失うのは社労士登録そのものかもしれない
- もし、受給済みの助成金について労働局から実地調査の連絡が来て、申請書類を実際に作ったのが無資格のコンサルだと分かったら、どうなる? 返還請求の宛先は、コンサルではなく受給した会社である
- 給与計算代行会社が「社会保険の手続もワンストップで」とうたい、作業は自社スタッフが行い、提出名義だけ提携社労士にしている。人事担当のあなたがそれに気付いた。来月には契約更新の判断期限が迫っている
- 友人の社労士から「紹介料を払うから案件を回してくれる人がいる。相手は経営コンサルらしい」と相談された。紹介元が26条や27条に違反する者であれば、紹介料の有無にかかわらず、あっせんを受けた時点で問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 委託先との契約書、見積書、メールなどのやり取りを全て保存し、実際に書類を作成した人物を特定する2. 名義を使われていた社労士の登録状況を全国社会保険労務士会連合会の名簿で確認する3. 申請内容に不備や虚偽がないか、別の社労士にセカンドオピニオンを依頼する4. 不正受給にあたるおそれがあれば、調査が入る前に管轄の労働局に相談する5. 損害が出た場合は委託先への損害賠償(民法709条、415条)を検討し、都道府県社労士会への情報提供も考える
訴えられた側:1. 社労士として名義貸しやあっせんを指摘された場合は、すぐに当該業者との関係を止める。ただし証拠となる記録は消さない2. 自分が実際にどこまで関与したか(面談、内容の確認、判断)を時系列で整理し、正当な業務補助の範囲だったのかを検討する3. 懲戒手続では弁明の機会が与えられるので、弁護士に早めに相談して事実関係を固める4. 名義を使った案件の依頼企業に被害が出ていれば、早期の対応や賠償が処分の判断に影響しうる
時効(請求できる期限):本条の違反自体に特定の時効期間はない。刑事罰については、1年以下の拘禁刑に当たる罪であれば公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。企業から委託先への損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用され、不法行為として請求する場合は民法724条による。助成金の返還請求については各支給要領を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める