社会保険労務士法 第25条の30(会則を守る義務)
クイックジャンプ
社会保険労務士は、所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない。
この条文の基本情報
会則を守る義務とは何ですか?
定義会則を守る義務とは、社会保険労務士法第25条の30に定められた規定で、「社会保険労務士は、所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第25条の30(会則を守る義務)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第25条の30の条文原文は「社会保険労務士は、所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない。」で始まります。
- 社会保険労務士法第25条の30は第四章の三に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第25条の30の前の条は社会保険労務士法第25条の29です。
- 社会保険労務士法第25条の30の次の条は社会保険労務士法第25条の31です。
- 社会保険労務士法第25条の30には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の30 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の30(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/25_30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法25条の44は、社労士に所属社労士会の会則遵守を義務づける規定。会則違反は法律違反となり、厚生労働大臣の懲戒対象になりうる。
Q · 社労士会の会則って、守らなくても法律上は問題ないの?
問題になる。本条で会則遵守は法律上の義務となる
社会保険労務士法25条の44は、社労士に所属社労士会の会則を守る義務を課しています。会則そのものは会が定める内部ルールですが、本条があるため会則違反は同法違反として扱われ、厚生労働大臣による懲戒(戒告、1年以内の業務停止、失格処分)の検討対象になりえます。会費の納付や研修受講、広告の節度などが典型例で、勤務社労士も対象です。
解説
条文はわずか一文で、「所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない」と書かれているだけだ。しかし、ここには見落としやすい仕組みが隠れている。社会保険労務士(社労士)は登録を受けると、都道府県の社労士会に自動的に入る。抜けることはできない。そして会則は国会が作った法律ではなく、会が自分で定めたルールである。ところが本条があるため、会則違反はそのまま社会保険労務士法違反になり、厚生労働大臣による懲戒(役所が資格者に下す処分で、戒告や業務停止など)の対象になりうる。中身は会費の納付、倫理研修の受講、広告の節度、名簿の届出などで、目立たない項目が多い。開業社労士だけでなく、企業の人事部に勤める勤務社労士も同じルールに縛られる。あなたが依頼者なら、会則は担当社労士を外から見張る物差しになる。あなたが社労士なら、事務的な義務を一つ怠っただけで、資格そのものが揺らぐおそれがある。
法的な位置づけ
社会保険労務士法25条の44は、社会保険労務士の会則遵守義務を定める規定である。社会保険労務士は登録により都道府県の社会保険労務士会の会員となり、当該会が定める会則を守る法律上の義務を負う。本条により、専門職団体の自治規範に法律上の拘束力が付与され、その違反は同法に基づく懲戒の根拠となりうる。
手順
- 1.督促・照会文書を即日開封し期限を確認 社労士会から届いた督促や照会の文書はその日のうちに開封し、回答期限と求められている事項(会費、研修、届出など)を手帳やカレンダーに記録する
- 2.未履行の義務を是正する 会費の未納があれば納付または分納の相談を行い、研修の未受講があれば受講を申し込み、届出漏れがあれば届出を済ませる。是正の記録は必ず残す
- 3.書面で回答し写しを保管 照会に対し、事実関係と是正内容を時系列で整理した書面を期限内に提出する。提出した書面と送付記録の写しを保管する
- 4.懲戒手続に進んだら意見陳述の機会を活用 厚生労働大臣による懲戒手続に移行した場合は、聴聞などの意見陳述の機会を必ず利用し、早めに弁護士へ相談する。処分に不服があれば審査請求や取消訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1社労士の会則遵守義務とは?
社会保険労務士法25条の44により、社労士が所属する社労士会の会則を守らなければならない法律上の義務です。会則違反は同法違反として扱われます。
Q2社労士会の会則にはどんなことが書いてある?
会費の納付、研修の受講、品位の保持、広告の節度、事務所や名簿事項の届出などが主な内容です。具体的な規定は各都道府県の社労士会ごとに確認が必要です。
Q3勤務社労士も会則を守る必要がある?
必要です。企業の人事部などに勤める勤務社労士も社労士会の会員であり、本条の会則遵守義務は開業社労士と同じく及びます。
Q4社労士会の会費を払わないとどうなる?
まず会から督促や注意が届くのが通常です。長期の滞納や督促の無視が続くと、会則違反として厚生労働大臣による懲戒の検討対象になりえます。
Q5社労士の懲戒処分にはどんな種類がある?
社会保険労務士法25条により、戒告、1年以内の業務の全部または一部の停止、失格処分の3種類が定められています。
Q6社労士会から照会書が届いたら無視していい?
無視すべきではありません。照会は会則に基づく正式な手続であり、期限内に事実関係と是正内容を書面で回答するのが基本です。
Q7社労士への苦情はどこに申し出ればいい?
担当社労士が所属する都道府県の社労士会に苦情を申し出ることができます。所属会は全国社会保険労務士会連合会の名簿で確認できます。
Q8社労士会を退会することはできる?
登録を維持したまま社労士会だけを退会することはできません。会員でなくなるには、社労士の登録自体を抹消する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社労士会って入らなくても社労士として仕事できるんですか?
できない。社労士は連合会の名簿に登録されると、事務所所在地などの社労士会に自動的に入会する仕組みで、登録を続けたまま会だけを抜けることは想定されていない。そのうえで本条により、会則を守ることが法律上の義務になる。実務のポイント:勤務社労士や、業務をしていない「その他登録」の人も会員であることに変わりはない。会費を払いたくなければ、登録を抹消するしか方法がない
Q2会費をちょっと滞納しただけで、本当に処分されるんですか?
一度の遅れですぐに懲戒になるわけではない。まず会から督促や注意があるのが通常だ。ただし長期の滞納や督促の無視が続けば、本条違反として懲戒(社会保険労務士法25条の3、戒告または1年以内の業務停止。現行効力を要確認)の対象になりうる。実務のポイント:督促への対応が遅れた記録は、別の事案で処分を検討するときに不利な事情として扱われる可能性がある。早めに分納の相談をしたという記録が身を守る
Q3会則って、会が勝手に何でも決めて会員に守らせられるんですか?
無制限ではない。社労士会のように加入が強制される団体では、会則や決議が会の目的の範囲を超えると効力が否定されうる。税理士会が特定の政治団体への寄付のために会費を徴収した決議を、最高裁は目的の範囲外として無効とした(南九州税理士会事件、最判平成8.3.19)。実務のポイント:一方で司法書士会の災害復興支援金の徴収は有効とされた(最判平成14.4.25)。分かれ目は、会員個人の思想や信条に踏み込むかどうかである
間違えやすい点 AI による整理
- 「会則は業界団体の内輪ルールで、法的な強制力はない」と考えがちだが、本条によって会則を守ることは法律上の義務になっている。会則違反は社会保険労務士法違反として、厚生労働大臣による懲戒(戒告または1年以内の業務停止など)の検討対象になりうる
- 会費の滞納や研修の未受講が義務違反だという程度は多くの社労士が知っている。見落とされがちなのは、その積み重ねが記録として残る点だ。依頼者とのトラブルなど別の事案で懲戒が検討されるとき、過去の会則違反の履歴が「資格者としての姿勢」を示す材料として扱われる可能性がある
- 依頼者の多くは「社労士に不満があっても、契約を解除するか訴えるしかない」と思い込んでいる。法律の側から見ると、社労士は会則と社労士会の監督のもとにいる専門職である。苦情は所属会に持ち込めるし、悪質な事案では懲戒の対象にもなりうる。民事の土俵だけで考えると、使える手札を半分捨てることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 25条の44:所属社労士会の会則を守る義務 | 16条:社労士の信用・品位を害する行為の禁止 16条の3:研修受講による資質向上の努力義務 |
| ルールの作り手 | 社労士会が定める会則(法律が遵守を義務化) | 法律自体が直接定める 法律自体が直接定める(研修の内容は会・連合会が実施) |
| 義務の強さ | 「守らなければならない」法的義務 | 「してはならない」禁止規定 「努めなければならない」努力義務 |
| 違反時の帰結 | 同法違反として懲戒(25条の3等)の検討対象 | 懲戒の検討対象 単独では懲戒に直結しにくいが、会則上の研修義務違反と重なりうる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾には社労士に相当する国家資格はない。律師や會計師などの専門職では公會への加入と章程・倫理規範の遵守が求められ、同種の自治規律として比較できる
韓国には社労士に近い公認労務士制度があり、公認労務士会と会則に関する規定を持つ。具体的な条番号は要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 企業の人事部で働きながら社労士登録だけ続けている。忙しさにかまけて倫理研修を三年先送りし、会費の引落口座も解約したままだった。社労士会から督促が届いているのに放置している。会の内部処分にとどまらず、悪質と判断されれば懲戒の手続に進む材料になる
- 委託している社労士に、助成金の申請書類を半年間放置された。何度催促しても返事がない。この不満はどこに持ち込めばいい? 民事訴訟だけが道ではない。所属社労士会への苦情申出という窓口があり、会則上の品位保持や業務の誠実な遂行に照らして調査が始まることがある
- 開業一年目の社労士が「助成金100%受給保証」という広告を出した。会則や会が定める広告の指針に反すると指摘され、取下げを求められた
- 社労士会から照会書が届き、回答期限は「2週間以内」と書いてある。会員への調査は会則に基づく正式な手続で、無視すると事態が悪化する。期限内に事実関係を整理し、書面で回答する必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社労士の対応の問題(放置、誤った届出、守秘義務違反の疑い)を日付つきで時系列に整理し、メールや書類を保存する2. 担当社労士の登録番号と所属社労士会を、全国社会保険労務士会連合会の名簿で確認する3. まず本人に書面で改善と説明を求める4. 改善されなければ所属社労士会の苦情窓口に申し出る。損害が出ている場合は、民法上の損害賠償請求(債務不履行、不法行為)を並行して検討する
訴えられた側:1. 督促や照会の文書は即日開封し、回答期限を確認する2. 会費の未納、研修の未受講、届出漏れがあれば、まず是正を済ませる3. 照会には事実と是正内容を書面で回答し、写しを保管する4. 厚生労働大臣による懲戒手続に進んだ場合は、聴聞などの意見陳述の機会を必ず活用し、早めに弁護士へ相談する5. 処分に不服があれば、審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はない。依頼者が損害賠償を請求する場合は、一般の消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。懲戒処分に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こせる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:強制加入制の士業団体では、会則に法律上の拘束力を与えることで国の直接監督を補完し、資格者の品位と能力を担保する。ただし会則の拘束力は会の目的の範囲に限られ、会員の思想・信条に踏み込む事項には及ばない
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める