社会保険労務士法 第25条の33(注意勧告)
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社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
この条文の基本情報
注意勧告とは何ですか?
定義注意勧告とは、社会保険労務士法第25条の33に定められた規定で、「社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第25条の33(注意勧告)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第25条の33の条文原文は「社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、…」で始まります。
- 社会保険労務士法第25条の33は第四章の三に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第25条の33の前の条は社会保険労務士法第25条の32です。
- 社会保険労務士法第25条の33の次の条は社会保険労務士法第25条の34です。
- 社会保険労務士法第25条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/25_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法25条の47は、社労士会が所属社労士に法令違反のおそれがあると認めるとき、会則に基づき注意を促し、必要な措置を勧告できると定める。懲戒権は含まない。
Q · 社労士会は、問題のある社労士を処分できるの?
注意と勧告まで。懲戒の権限は厚生労働大臣にある
社会保険労務士法25条の47により、社会保険労務士会は所属の社労士や社労士法人が法令に「違反するおそれ」があると認めるとき、会則に基づいて注意を促し、必要な措置を勧告できます。違反が確定する前の段階で動ける点が特徴です。ただし戒告・業務停止・失格処分といった懲戒は厚生労働大臣の権限であり(同法25条以下)、会が処分を下すことはできません。
解説
社労士の世界には、国の懲戒の一段手前にもう一つの関門がある。社会保険労務士会による「注意勧告」だ。社労士は登録を受けると、都道府県ごとの社会保険労務士会の会員になる。本条によって会は、所属する社労士や社労士法人が社労士法やそれに基づく命令、あるいは労働基準法・雇用保険法・健康保険法などの労働社会保険諸法令に「違反するおそれがある」と認めた段階で、注意を促したり、必要な措置をとるよう勧告したりできる。ポイントは「違反した」ではなく「違反するおそれ」で動ける点だ。懲戒(戒告・業務停止・失格処分)を下せるのは厚生労働大臣だけで、会にその権限はない。それでも、会が「おそれあり」と判断した記録は残る。顧問先なら、自社の社労士に疑問を感じたとき、いきなり訴訟や国への申出に進まずに、会へ苦情を伝えるという低コストの入口がある。社労士の側から見れば、勧告を「ただの注意」と軽く扱うのか、是正の最後の機会として受け止めるのかで、その後の分かれ道が変わる。
法的な位置づけ
社会保険労務士法25条の47は、社会保険労務士会による注意勧告を定める規定である。所属の社会保険労務士または社会保険労務士法人が、同法もしくは同法に基づく命令、または労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると会が認めるとき、会則の定めに従い、注意の喚起または必要な措置の勧告を行うことができる。懲戒処分とは区別される、団体による自主的な監督手段である。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士会の注意勧告とは何ですか?
社会保険労務士会が、所属する社労士に法令違反のおそれがあると認めるとき、会則に基づき注意を促したり是正措置を勧告したりする仕組みです(社労士法25条の47)。
Q2社労士への苦情はどこに言えばいいですか?
その社労士が所属する都道府県の社会保険労務士会の相談・苦情窓口が入口です。懲戒を求める場合は厚生労働大臣への措置要求(社労士法25条の3の2)も使えます。
Q3社労士会の注意勧告は懲戒処分ですか?
懲戒処分ではありません。懲戒(戒告・業務停止・失格処分)は厚生労働大臣の権限で、会ができるのは注意と勧告までです。
Q4社労士会は違反が確定していなくても動けますか?
動けます。条文上の要件は「違反するおそれがあると認めるとき」であり、違反の確定は必要ありません。早い段階での是正を促す仕組みです。
Q5社労士法人も注意勧告の対象になりますか?
なります。本条は所属の社会保険労務士だけでなく社会保険労務士法人も対象に含めており、法人単位で注意や勧告を受けることがあります。
Q6注意勧告の手続はどこに定められていますか?
本条は「会則の定めるところにより」としており、具体的な手続や運用は各社会保険労務士会の会則・規則に委ねられています。
Q7社労士の広告は注意勧告の対象になりますか?
なりえます。断定的・誇大な宣伝は信用失墜行為の禁止(社労士法16条)との関係で問題となり、違反のおそれとして会が注意を促す端緒になりえます。
Q8注意勧告を無視するとどうなりますか?
勧告自体に業務停止の効力はありません。ただし、後に懲戒手続が始まった場合、指摘を受けても改めなかった事情として不利に評価されるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社労士会から注意勧告を受けたら、官報やネットで名前が出るんですか?
注意勧告は会則に基づく会の措置で、厚生労働大臣による懲戒(社労士法25条)とは別物である。懲戒処分のような法律上の公告制度の対象ではない。実務のポイント:表に出ないからこそ、会の中での記録と心証が重みを持つ。後に懲戒請求が出たとき、過去の勧告への対応が問われる。公表されないことは、問題にされないことと同じではない
Q2顧問の社労士がひどいんですが、社労士会に言えば処分してもらえますか?
会ができるのは、本条に基づく注意と勧告までである。業務停止や失格処分などの懲戒権限は厚生労働大臣にあり(社労士法25条)、何人も大臣に措置を求めることができる(25条の3の2)。実務のポイント:会への相談と大臣への措置要求は併用できる。先に会へ伝えておくと事実確認と是正の働きかけが早く、大臣への申出の際にも経緯を示しやすくなる
Q3勧告に納得できない場合、裁判で取り消してもらえますか?
注意勧告は会則に基づく団体内部の措置であり、行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)とは性質が異なる。そのため取消訴訟でそのまま争える場面は限られると考えられ、実務上の扱いも定まっていない。実務のポイント:法廷で勝つよりも、会の手続の中で事実関係を書面で正確に残すほうが得策である。後に懲戒手続が始まったとき、その記録が最も効く防御資料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「社労士会は国の機関ではないから、何を言われても無視してかまわない」と考える社労士がいる。たしかに注意勧告は懲戒ではなく、それ自体に業務停止の効力はない。しかし勧告を受けたという事実は、その後に厚生労働大臣への懲戒請求や調査が始まったとき、「指摘を受けても改めなかった」という悪い事情として評価されうる。無視することで、本来は回避できた懲戒が現実味を帯びる
- 顧問先は「社労士のミスで損をしたら、社労士会が賠償させてくれる」と期待しがちだが、問いの立て方がずれている。注意勧告は社労士に是正を促す監督の道具であって、被害の回復を目的とした制度ではない。損害を取り戻すには、民法415条(債務不履行)や709条(不法行為)に基づく請求、あるいは社労士賠償責任保険への請求を別に進める必要がある。二つの手続は並行させるものである
- 社労士の目には「顧問先の利益のための少し攻めた助言」と映っても、法律はそれを「労働社会保険諸法令に違反するおそれ」として扱う。助成金の要件を実態とずれた形に整えることや、未払残業を固定残業代に後から言い換えることがその典型だ。この認識の差が、ある日いきなり会からの書面として届く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の主体 | 25条の47:所属する社会保険労務士会 | 25条:厚生労働大臣(懲戒の種類) 25条の2・25条の3:厚生労働大臣(不正行為・注意義務違反の懲戒) |
| 発動の要件 | 法令に違反する「おそれ」があると会が認めるとき | 懲戒事由の存在 故意の不正行為(25条の2)、相当の注意を怠ったこと(25条の3) |
| 措置の内容と効果 | 注意の喚起・必要な措置の勧告(資格・業務への直接的制約なし) | 戒告・業務停止・失格処分 上記懲戒のいずれかを科す |
他国ではどう定めているか 2 か国
韓国には社労士に近い公認労務士制度があり、韓国公認労務士会が会員を監督する。懲戒権の所在や会の権限の範囲は日本と同一ではないため、個別に確認を要する
ドイツでは弁護士会理事会が軽微な義務違反に対して譴責(Rüge)を行える。職業裁判所による懲戒の前段階に位置する点で、団体の自主監督として本条と構造が似る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 顧問社労士から「この書き方なら雇用調整助成金は確実に通ります」と言われ、実態と違う休業日数で申請書を作るよう勧められた。経営者のあなたは、署名する前にこの提案のおかしさに気づけるだろうか。不正受給が発覚すれば、返還と制裁金を負うのは会社であり、社労士だけでは済まない
- 開業三年目のあなたのもとに、所属する社会保険労務士会から面談の案内が届いた。SNS 広告の「年金が必ず増える」「労基署対策は完全保証」という文言について説明を求める内容だ。回答期限まで残り十日。初動の説明と広告の修正が、注意勧告で終わるか、国への報告まで進むかを分ける
- 給与計算を任せていた社労士事務所が、半年にわたり社会保険の資格取得届を出していなかった。従業員の健康保険証が届かない
- 退職代行サービスと提携した社労士が、会社との退職条件の交渉を代わりに引き受けていたらどうなるか。社労士が単独で扱える紛争解決手続代理の範囲を超え、弁護士法72条(非弁行為)に触れるおそれがある。同業者からの情報で、会が先に動くことは十分ありうる
- 友人の人事担当者から相談を受けた。前任の社労士が作った36協定が、労働者代表の選出手続を経ていない疑いがあるという。社労士会に伝えれば事実の確認と是正の働きかけは期待できるが、会社自身の協定をどう直すかは別の問題として残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑わしい申請書・届出の控え、社労士とのメールや LINE、請求書を時系列でまとめて保存する2. 社労士の登録番号と所属する都道府県の社会保険労務士会を、連合会の登録検索で確認する3. 会の相談・苦情の窓口に、事実を書面で伝える4. 金銭的な損害があれば、社労士賠償責任保険の加入状況を確認したうえで、民法415条・709条による請求を別に検討する5. 故意の不正が疑われる場合は、厚生労働大臣への措置要求(社労士法25条の3の2)も選択肢に入る
訴えられた側:1. 会からの照会には期限内に必ず回答する。黙っていることが最も不利に働く2. 指摘された広告・書類・業務フローを直ちに点検し、是正済みの証拠(修正した広告、再提出した届出の控え)を用意する3. 事実の誤認があれば、客観資料を添えて具体的に反論する4. 自分の判断の根拠となった通達・Q&A を示す5. 業務範囲が問題になっている場合は、紛争解決手続代理の可否について弁護士に確認する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。被害回復を求める場合は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が、不法行為構成であれば民法724条(知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)が適用される。助成金の不正受給が絡む場合は、返還請求の手続が別に進むため早く動くほど有利である(最新の改正状況をご確認ください)
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