要点労働保険徴収法 2 条 2 項は、賃金を名称のいかんを問わず労働の対償として事業主が労働者に支払うものと定義する。通勤手当や賞与は算入され、退職金や慶弔見舞金は算入されない。
Q · 通勤手当や住宅手当も、労働保険料の計算に入れないといけないんですか?
入る。名称ではなく労働の対償かで判断されるため算入される
労働保険徴収法 2 条 2 項は、賃金を「名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの」と定義します。したがって通勤手当・住宅手当・家族手当・賞与・労基法 26 条の休業手当は算入されます。他方、退職金、解雇予告手当、慶弔見舞金、出張旅費の実費は労働の対償ではないため除外されます。通貨以外で支払う現物給与は厚生労働省令の範囲内のものだけが算入され、その評価額は厚生労働大臣が定めます(同条 3 項)。
定義条文は読み飛ばされる運命にある。だが2条2項の一文が、あなたの会社が毎年6月に納める労働保険料の総額を決めている。保険料は「賃金総額×料率」で算出される。つまり何が賃金に入るかが、そのまま金額だ。2項は「名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの」と定める。名前ではなく実質で見る、という宣言である。だから通勤手当も住宅手当も家族手当も賞与も入る。逆に退職金、解雇予告手当、慶弔見舞金、出張旅費の実費は労働の対償ではないので入らない。ここを取り違えたまま何年も申告していると、労働局の算定調査でまとめて追徴される。逆に払いすぎに気付いても、取り戻せるのは2年分だけだ(41条)。4項の「保険年度=4月1日から翌年3月31日」という素っ気ない定義も、年度更新の締切を刻む起点になっている。
労働保険徴収法 2 条は、同法における基本概念を定める定義規定である。1 項は労働保険を労災保険と雇用保険の総称とし、2 項は賃金を名称を問わず労働の対償として事業主が労働者に支払うものと定義する。3 項は現物給与の評価を厚生労働大臣に委ね、4 項は保険年度を 4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までとする。
退職金、解雇予告手当、慶弔見舞金、出張旅費の実費、労災の休業補償給付などです。いずれも労働の対償ではないため、2 条 2 項の賃金に当たりません。
なります。ただし 2 条 2 項の括弧書により、通貨以外の給付は厚生労働省令で定める範囲内のものに限られ、その評価額は厚生労働大臣が定めます(3 項)。
4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までです(2 条 4 項)。この区切りが確定保険料の対象期間と年度更新の起点になります。
含めます。名称を問わない実質判断のため賞与も賃金です。ただし雇用保険の給付額を決める賃金日額からは、3 か月超ごとの賃金として除かれます。
労働者としての職務に対応する部分は賃金に入り、役員報酬部分は入りません。区分した賃金台帳がないと、調査で全額が争点になります。
契約の表題ではなく指揮命令の実態で判定されます。労働者性が認定されれば報酬は遡って賃金と評価され、保険料の対象になります。
2 条 1 項により、労災保険法による労働者災害補償保険と、雇用保険法による雇用保険を総称したものです。両者をまとめて徴収する仕組みです。
労基法 26 条の休業手当は労働の対償として賃金に含めます。一方、労災保険法の休業補償給付は保険給付であり賃金には含めません。
入る。2条2項は名称を問わず労働の対償として支払うものを賃金とするため、現金支給の通勤手当も定期券の現物支給も算入される。一方、退職金や解雇予告手当は労働の対償ではないので除外される。業界裏話ヒント:算定調査で最も指摘が多いのが通勤手当と休業手当の扱い。労基法26条の休業手当(会社都合の休業で払う6割)は賃金に入るが、労災の休業補償給付は入らない。名前が似た二つを逆にしている会社が非常に多い
確定保険料を過大に申告していれば還付を請求できる。ただし徴収法41条により、還付を受ける権利は2年で時効消滅するため、それより前の誤りは戻らない。業界裏話ヒント:労働局の調査は不足額の指摘が中心で、払いすぎを向こうから教えてくれることは基本的にない。調査通知が来たら、自社でも過去2年分の賃金科目を洗い直しておく。追徴と還付を同じ机の上で整理できるかどうかは、準備した側だけが握れる
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 2 条:賃金・労働保険・保険年度の定義(算定の分母を画する) | — |
| 実務で効く場面 | 給与科目の仕分け、算定基礎調査への備え | — |
| 誤ったときの影響 | 分母を誤ると全年度の保険料が連鎖的に誤る | — |
| 対応の時間軸 | 保険年度が締まる 3 月 31 日までに点検 | — |
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