有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを送信可能化する権利を専有する。
要点著作権法 100 条の 4 は、有線放送事業者に、その有線放送を送信可能化する権利を専有させる規定。番組の著作権とは別個の著作隣接権であり、無断でネット配信すると独立に侵害となる。
Q · ケーブルテレビの番組を勝手にネット配信したら、番組の権利者にだけ謝ればいいの?
番組の著作権とは別に、ケーブル局自身の許諾も必要です
著作権法 100 条の 4 により、有線放送事業者(J:COM 等のケーブル局)は、自局の有線放送を送信可能化する権利を専有します。したがって無断でネット配信すると、番組そのものの著作権侵害に加え、ケーブル局の送信可能化権も独立して侵害します。権利者は二重に存在し、それぞれが別々に差止め・損害賠償を請求できます。送信可能化はサーバーへアップロードして受信可能な状態に置いた時点で成立し、再生数ゼロでも侵害となる点に注意が必要です。
ケーブルテレビ局が流している番組を、誰かがネット経由でいつでも見られるようにアップロードしたとする。多くの人はこう考える、番組そのものの著作権者にさえ話を通せばいい、と。だがそこに落とし穴がある。著作権法 100 条の 4 は、有線放送事業者、つまり J:COM のようなケーブル局自身に、自局の有線放送をネット上で送信可能化する権利を専有させている。送信可能化とは、サーバーにアップロードして公衆がいつでもアクセスできる状態に置くこと、平たく言えばネット配信の準備行為だ。番組のコンテンツとは別に、それを伝達するケーブル局の投資にも独立した権利が乗っている。だからネット転送サービスを作るとき、許諾を取るべき相手は番組制作者だけではない。ケーブル局の隣接権を見落とすと、コンテンツ側をクリアしても、伝達側で訴えられる。
著作権法 100 条の 4 は、有線放送事業者の送信可能化権を定める規定であり、有線放送事業者が自己の有線放送を受信して送信可能化する行為を専有する旨を規定する。送信可能化とは、公衆送信用の記録媒体に情報を記録し、又は自動公衆送信装置を公衆送信し得る状態に置く行為をいい、番組の著作権とは独立した著作隣接権として構成される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
サーバーへのアップロード等により、公衆がいつでもアクセスできる状態に置く行為を専有する権利です。著作権法 100 条の 4 が有線放送事業者に認めています。
平成 9 年(1997 年)改正で新設されました。インターネット普及に対応し、放送事業者(99 条の 2)と並び有線放送事業者にも認められた比較的新しい隣接権です。
有線放送事業者の著作隣接権は、有線放送を行った日の属する年の翌年から 50 年で存続期間が満了します(著作権法 101 条)。
損害および加害者を知った時から 3 年、不法行為時から 20 年です(民法 724 条)。差止請求は権利存続中いつでも可能です。
番組の著作権者と、有線放送事業者(ケーブル局)の両方です。片方だけでは適法にならず、二列の権利処理が必要です。
構造は同じですが権利者が異なります。放送事業者は 99 条の 2、有線放送事業者は 100 条の 4 で、それぞれ自局の送信について専有権を持ちます。
あります。著作権法 119 条により刑事罰の対象となり、法人運営の場合は両罰規定も適用され得ます。悪質な無断配信は刑事告訴の対象になります。
リンク自体は原則送信可能化に当たりませんが、令和 2 年改正のリーチサイト規制(113 条)により、侵害コンテンツへ誘導するサイト運営は別途違法になり得ます。
番組を作った著作権者と、ケーブル局(有線放送事業者)の両方です。番組の著作権侵害に加え、ケーブル局の送信可能化権(著作権法 100 条の 4)も独立して侵害します。業界裏話ヒント:権利者が複数いると、それぞれが別々に差止め・損害賠償を請求できる。一方と示談しても、もう一方の請求は残る。だから配信前の権利処理は「誰か一人」ではなく「全員」を洗い出す必要がある。
原則として、リンクを貼る行為自体は送信可能化に当たらないとされてきました。送信可能化はサーバーへのアップロード等、自らが受信可能な状態を作る行為だからです。ただし侵害サイトへ誘導するリーチサイト規制(著作権法 113 条)が令和 2 年に強化され、リンク集型のサイト運営は別途違法になりえます。業界裏話ヒント:「自分はアップロードしてない、紹介しただけ」という言い分は、リーチサイト規制の登場で通りにくくなった。安全地帯は年々狭まっている(最新の改正状況をご確認ください)。
自分専用で他人がアクセスできないなら、私的複製の範囲で問題になりにくいです。問題は、その仕組みを他人にもサービスとして提供した場合。まねきTV事件(最判平成 23.1.18)では、放送事業者の送信可能化権について、サービス提供者が侵害主体と認定されました。業界裏話ヒント:「ユーザーの機器を使っているからユーザーの私的利用だ」という設計は、最高裁に否定された。誰の機器かではなく、誰がシステムを管理・支配しているかで主体が決まる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の内容 | 100 条の 4:送信可能化権(ネット配信の準備行為を専有) | — |
| 権利者 | 有線放送事業者(ケーブル局) | — |
| 侵害成立の時点 | サーバーにアップロードし受信可能な状態に置いた時点(再生数ゼロでも成立) | — |
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