要点著作権法104条の18は、授業目的公衆送信補償金を受ける権利は、全国で一個だけ文化庁長官が指定する指定管理団体によってのみ行使できると定める。権利者が学校へ直接請求することはできない。
Q · オンライン授業で自分の作品が使われたら、学校に直接お金を請求できますか?
できません。全国で一つの指定管理団体だけが行使できます
著作権法104条の18により、授業目的公衆送信補償金を受ける権利は、文化庁長官が全国を通じて一個に限り指定する団体(指定管理団体、実務上はSARTRAS)によってのみ行使できます。権利者が個々の学校へ直接請求する法的な余地はありません。指定管理団体は権利者のために自己の名をもって裁判上・裁判外の行為を行う権限も持ち、集めた補償金を権利者団体へ分配します。分配を受けるには権利者側の登録という能動的な一手が前提になります。
2020年春、全国の学校が一斉にオンライン授業へ切り替わったとき、教師が画面で見せた教科書のページ、新聞記事、図表、その一つ一つに本来は著作権料が発生していた。だが個々の作者が学校に請求書を送ることはない。著作権法104条の18が、その権利の「集め方」を根本から設計しているからだ。本条は、授業目的公衆送信補償金(オンライン授業などで著作物を送信した対価)を受け取る権利は、文化庁長官が全国でただ一つだけ指定する団体(指定管理団体、実体は SARTRAS という社団法人)を通じてのみ行使できる、と定める。つまり、あなたが作家でも写真家でも新聞社でも、自分の作品が授業で使われた分の補償金を学校へ直接請求することはできない。逆に学校側も、何百人もの権利者と個別交渉せず、この一つの窓口へ払えば済む。さらにこの団体は、権利者のために自分の名前で裁判まで起こす権限を持つ。バラバラの権利を一本の太いパイプにまとめる、それが本条の正体だ。
著作権法104条の18は、授業目的公衆送信補償金請求権の集中管理を定める規定である。同法35条2項に基づき発生する補償金を受ける権利は、権利者のためにその権利を行使することを目的とし、全国を通じて一個に限り文化庁長官が指定する団体(指定管理団体)によってのみ行使される。指定管理団体は、権利者のために自己の名をもって裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
授業目的公衆送信補償金を受ける権利を権利者に代わって行使する団体で、全国を通じて一個に限り文化庁長官が指定します(著作権法104条の18第1項)。
著作権法35条2項により、非営利の教育機関が授業の過程で著作物をオンライン送信できる代わりに、権利者へ支払われる補償金です。104条の18が集め方を定めます。
授業目的公衆送信補償金等管理協会の通称で、104条の18にいう指定管理団体として実務を担っています。教育機関から補償金を集め、権利者団体へ分配します。
著作物をオンラインで送信する教育機関(学校の設置者)が支払います。児童生徒一人あたりの年額として指定管理団体へ納めるのが実務の形です。
利用回数に応じた個別対応ではなく、サンプリング調査などに基づき権利者団体へ按分分配されます。権利者団体に登録していない個人は分配の対象に入りません。
できません。35条2項の権利制限は非営利の教育機関に限られるため、営利目的の塾や予備校は制度の対象外で、権利者と個別ライセンス契約が必要です。
できます。104条の18第2項により、権利者のために自己の名をもって補償金請求権に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を持ちます。
できません。条文は「全国を通じて一個に限り」指定すると明記しており、複数団体が並立して補償金を集めることは法律上想定されていません。
「あなたの作品が何回使われたから何円」という直接対応では支払われません。指定管理団体は教育機関から集めた補償金を、利用実態のサンプリング調査などに基づき権利者団体へ分配します(104条の18、104条の21)。業界裏話ヒント:分配は個別捕捉ではなく統計的な按分なので、登録していない個人クリエイターはそもそも分配の網に入りません。使われたら自動で振り込まれるわけではなく、権利者団体への登録という能動的な一手が前提です。
できません。35条2項の権利制限は「営利を目的としない教育機関」に限られるため、学習塾や予備校はそもそもこの補償金制度の対象外です(35条)。業界裏話ヒント:塾が市販教材をオンライン配信したい場合、補償金を払う先自体が存在せず、各出版社や権利者と個別にライセンス契約を結ぶしかありません。学校と同じ補償金制度があるはずと思い込んで配信を続けると、ふつうの著作権侵害になります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 104条の18:補償金請求権を誰が行使できるか(指定管理団体への集約) | — |
| 名宛人 | 権利者と指定管理団体 | — |
| 実務上のインパクト | 権利者は学校へ直接請求できず、団体経由の分配のみ | — |
| 違反・欠落時に起きること | 個別請求は法律上行使できない(請求の受け皿がない) | — |
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