要点著作権法 104 条の 20 は、授業目的公衆送信補償金の額を指定管理団体が定め、文化庁長官の認可を受けると定める。長官は通常の使用料との均衡から適正性を審査する。
Q · オンライン授業で使う著作物の補償金って、誰がいくらに決めているんですか?
指定管理団体が定め、文化庁長官が認可した額です
著作権法 104 条の 20 により、授業目的公衆送信補償金の額は、指定管理団体(実務では SARTRAS)が定め、文化庁長官の認可を受けて確定します。認可があれば、その額が 35 条 2 項にかかわらず補償金額となります。長官は、教育機関設置者団体の意見聴取(3 項)を経て、通常の使用料との均衡など適正性を審査し(4 項)、文化審議会に諮問したうえで認可します(5 項)。額を払うのは教育機関の設置者であり、教員や生徒個人ではありません。
オンライン授業で先生が新聞記事や論文の PDF をクラウドにアップした。あなたや子どもがそれをタブレットで開く。この一連の行為が著作権侵害にならないのは、学校がある団体に毎年お金を払っているからだ。著作権法35条は、授業のための公衆送信に補償金の支払いを条件として、許諾なしの利用を認める。その補償金の額を、誰が、どう決めるのか。それを定めるのが104条の20だ。指定管理団体(実際には一般社団法人 SARTRAS)が額を決め、文化庁長官の認可を受ける。長官は教育機関側の意見を聴かせ、文化審議会に諮問し、通常の使用料との均衡を見て適正かどうかを判断する。つまりこの一条が、日本中のオンライン授業の「値段」を決めている。2020年度はコロナ特例で無償、2021年度から有償化された。あなたが直接払うわけではないが、あなたの教育費の一部は確実にここを通っている。
著作権法 104 条の 20 は、授業目的公衆送信補償金の額の決定手続を定める規定である。補償金を受ける権利を行使する指定管理団体が額を定め、文化庁長官の認可を受ける。長官は教育機関設置者団体の意見聴取と文化審議会への諮問を経て、通常の使用料との均衡から適正な額か否かを審査する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
オンライン授業などで著作物を許諾なく公衆送信するために、教育機関の設置者が支払う補償金です。著作権法 35 条が制度の根拠で、額は 104 条の 20 の手続で確定します。
授業目的公衆送信補償金等管理協会の略称で、指定管理団体として補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受け、徴収して権利者へ分配します。実務上この制度の中心的な主体です。
指定管理団体が額を定めますが、文化庁長官の認可がなければ効力を持ちません。長官は適正性を審査し、文化審議会に諮問したうえで認可します(104 条の 20 の 4 項・5 項)。
あります。文化庁長官は、通常の使用料との均衡など諸事情を考慮した適正な額でなければ認可できません(4 項)。権利者団体が一方的に吊り上げられる仕組みではありません。
言えます。指定管理団体は認可申請の前に、教育機関設置者団体の意見を聴かなければなりません(3 項)。額が決まる前の意見聴取が、教育機関側の唯一の窓口です。
認可は行政処分にあたるため、行政不服審査や取消訴訟の対象になりえます。取消訴訟は原則、処分を知った日から 6 か月以内に提起する必要があります(行政事件訴訟法 14 条)。
新型コロナ対応の特例として、2020 年度は認可額が特例的にゼロとされ無償で運用されました。有償化は 2021 年度からで、この経緯を混同すると予算感を誤ります。
35 条は授業目的の複製・公衆送信を補償金支払を条件に許諾不要とする実体規定、104 条の 20 はその補償金の額をどう決め認可するかを定める手続規定です。
指定管理団体 SARTRAS が額を決め文化庁長官が認可しますが、目安として児童生徒・学生一人あたり年額で小学校120円・中学校180円・高校420円・大学720円程度(税別、認可額は改定されうるので最新をご確認ください)。設置者がまとめて払い、教員や家庭が個別に払うわけではありません(35条2項、104条の20)。業界裏話ヒント:2020年度はコロナ特例で『補償金額ゼロ』、つまり無償でスタートしました。だから『昔は無料だった』という記憶の人がいる。有償化は2021年度からで、ここを混同すると予算感を間違える
いいえ。35条は『授業の過程における利用に供することを目的』とし、かつ『著作権者の利益を不当に害することとなる場合』を除きます。市販のワークブックを丸ごと送る、必要部数を超える、といった利用はカバーされず別途許諾が必要です(35条1項但書、104条の20)。業界裏話ヒント:SARTRAS や教育関係団体が出している『改正著作権法第35条運用指針』が事実上の線引き基準になっています。条文だけ読んでも境界は分からない。トラブルを避けたい教育機関ほど、この運用指針を内部ルールに落とし込んでいる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 104 条の 20:補償金の額の決定・認可手続 | — |
| 決定・行使の主体 | 指定管理団体が額を定め、文化庁長官が認可 | — |
| 歯止め・要件 | 意見聴取(3 項)+適正性審査(4 項)+文化審議会諮問(5 項) | — |
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