前条第一項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金の支払を請求する場合には、特定機器又は特定記録媒体の製造又は輸入を業とする者(次条第三項において「製造業者等」という。)は、当該私的録音録画補償金の支払の請求及びその受領に関し協力しなければならない。
要点著作権法104条の5は、指定管理団体が私的録音録画補償金を請求する際、特定機器・特定記録媒体の製造業者・輸入業者に回収への協力を義務づける規定である。
Q · 録音用CD-Rに乗っていた著作権補償金って、誰が集めていたの?
製造業者が価格に上乗せして預かり、指定管理団体が回収していました
私的録音録画補償金は、機器やメディアの製造業者・輸入業者が販売価格に上乗せして消費者から預かり、指定管理団体(かつてのSARAH・SARVH)が回収する仕組みでした。著作権法104条の5は、この回収に製造業者等が「協力しなければならない」と定めています。ただし東芝・SARVH訴訟(知財高判平成23年12月22日)で、この協力義務は補償金相当額の支払や損害賠償を直接基礎づける具体的義務ではないとされ、制度の実効性が失われました。録画側の管理団体SARVHは2015年に解散しています。
2000年代、家電量販店で「録音用」と書かれたCD-RやMDを手に取ったとき、あなたは知らないうちに著作権補償金を払っていた。同じ容量でも「データ用」より少し高い、その差額の正体がこれである。著作権法は、デジタル方式で私的に録音録画する人に補償金の支払を義務づけ(第30条)、その回収を指定管理団体(かつてのSARAH・SARVH)に委ねた。だが消費者一人ひとりから集めるのは不可能だ。そこで第104条の4は機器やメディアの購入時に価格へ上乗せして徴収する仕組みを作り、第104条の5は、その回収に「製造業者等は協力しなければならない」と定めた。一見、制度の屋台骨に見えるこの一文が、実は最大の弱点だった。製造業者は補償金を払う当事者でも、私的複製で利益を得る者でもない。なぜ無関係な第三者が回収に責任を負うのか。この問いが、後に制度全体を揺るがす裁判の火種になる。
著作権法104条の5は、指定管理団体が私的録音録画補償金の支払を請求する際、特定機器・特定記録媒体の製造・輸入を業とする者(製造業者等)に対し、その請求と受領への協力を義務づける規定である。製造業者等は補償金の負担当事者ではなく、価格上乗せによる回収の実務を担う協力者として位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
デジタル方式で私的に録音録画する人に課される補償金です(著作権法30条)。無数の消費者から個別徴収するのは困難なため、機器・メディアの価格に上乗せして徴収する仕組みが採られました。
補償金の対象として著作権法施行令が政令で指定する録音録画機器と記録媒体です。音楽用CD-R、MD、音楽用DVD-Rなどが該当し、汎用のスマホやPCは指定されていません。
条文上は生きていますが、ほぼ空洞化しています。録画側の管理団体SARVHは2015年に解散し、録音側も対象機器の縮小で徴収額は最盛期から激減しました。
SARAH(サーラ)は私的録音補償金、SARVH(サーヴィ)は私的録画補償金を扱う指定管理団体でした。SARVHは東芝訴訟後の2015年に解散しています。
販売価格への補償金上乗せや、徴収・受領事務への協力を指します。ただし知財高判平成23年12月22日で、この協力義務は支払や損害賠償を直接基礎づける具体的義務ではないとされました。
デジタル放送専用録画機に補償金が課されるかを争った訴訟です。知財高裁は104条の5の協力義務が金銭支払を強制できる具体的義務ではないと判断し、上告不受理で確定しました。
回収された補償金は指定管理団体を経由して著作権者・実演家・レコード製作者へ分配されます。一部は104条の8の共通目的事業(著作権保護・普及等)に充てられます。
はい、録音用と録画用は別制度で、対象機器・媒体も管理団体も分かれていました。録音はSARAH、録画はSARVHが担当し、それぞれ政令指定の対象が異なります。
音楽録音用メディアには私的録音補償金が価格に上乗せされているからです(第104条の4の購入時徴収の仕組み)。データ用CD-Rにはこの補償金が乗っていません。業界裏話ヒント:用途が同じなら安いデータ用で足りる場面も多いのですが、一部の音楽録音専用機器は「音楽用」メディアでないと書き込めない仕様になっています。これは技術的制約というより、補償金が乗ったメディアを使わせるための制度的な囲い込みの側面が強い
補償金の対象は著作権法施行令が指定する特定機器・特定記録媒体に限られ(第104条の5、施行令第1条)、汎用のスマホやPCは指定されていないためです。業界裏話ヒント:過去に対象拡大の議論はありましたが、東芝とSARVHの裁判(知財高判平成23年12月22日)で製造業者の協力義務が支払を強制できる具体的義務ではないと判断され、徴収の実効性そのものが揺らぎました。拡大論はこれで失速し、いわゆる『iPod税』は日本では実現していない
知財高判平成23年12月22日は、第104条の5の協力義務は法律上の義務ではあるものの、補償金相当額の支払や損害賠償を直接基礎づける具体的な義務ではないと判断しました(上告不受理で確定)。つまり協力しないこと自体を理由に金銭支払を命じることは難しい。業界裏話ヒント:法的に強制力が弱いことが確定して以降、この制度の実効性は事実上失われ、録画側の管理団体SARVHは2015年に解散しています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 104条の5:製造業者等の回収協力義務 | — |
| 義務を負う者 | 特定機器・特定記録媒体の製造業者・輸入業者 | — |
| 法的強制力 | 抽象的義務にとどまり、支払・損害賠償を直接基礎づけない(判例) | — |
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