著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
要点著作権法 114 条の 5 は、侵害により損害が生じたと認められるが損害額の立証が性質上極めて困難な場合、裁判所が相当な損害額を認定できると定める。損害の発生自体の立証は権利者に必要である。
Q · パクられた証拠はあるけど、いくら損したか証明できません。請求はゼロになりますか?
損害の発生さえ示せれば、金額は裁判所が相当な額を認定します
著作権法 114 条の 5 により、損害が生じたことが認められる場合において、損害額の立証に必要な事実の立証が性質上極めて困難なときは、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定します。したがって金額不明を理由に請求がゼロになることはありません。ただし「損害が発生したこと」自体の立証は権利者側に必要です。また認定額は控えめに出る傾向があるため、まず 114 条 1 項・2 項の算定規定や 3 項の使用料相当額で攻め、埋まらない部分を本条で補うのが実務の定石です。
あなたのイラストが、無断で企業の広告バナーに使われていた。侵害があったことは画面を見れば一目瞭然だ。ところが裁判で「いくらの損害か」を一円単位で立証しようとすると、途端に壁にぶつかる。相手が何枚刷ったのか、何回表示したのか、その数字は相手の手の中にあって、あなたには見えない。多くのクリエイターはここで「証明できないなら勝てない」と諦める。それが最大の落とし穴だ。著作権法 114条の5 は、損害が生じたことが認められる場合に、その金額の立証が性質上極めて困難なときは、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づいて「相当な損害額」を自ら認定できると定める。つまり、金額を完璧に立証できなくても請求がゼロに沈むことはなく、裁判官が合理的な額を見積もってくれる。立証の不可能性が、あなたの請求を消す理由にはならない。民事訴訟法 248条の知財特化版であり、立証困難が宿命の侵害紛争に用意された救済装置である。
著作権法 114 条の 5 は、相当な損害額の認定を定める規定である。著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害の発生が認められるものの、損害額を立証するために必要な事実の立証が当該事実の性質上極めて困難であるとき、裁判所は口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。民事訴訟法 248 条の知的財産特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
損害の発生は認められるが金額の立証が性質上極めて困難なとき、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当な額を認定する制度です。著作権法 114 条の 5 が根拠です。
請求が棄却されるとは限りません。損害の発生が認められれば、著作権法 114 条の 5 により裁判所が相当な損害額を認定します。金額不明だけを理由にゼロにはされません。
①著作権・出版権・著作隣接権の侵害訴訟であること、②損害が生じたことが認められること、③損害額の立証に必要な事実の立証が当該事実の性質上極めて困難であること、の三つです。
民訴 248 条は全民事訴訟に及ぶ一般規定、著作権法 114 条の 5 は知的財産侵害訴訟に特化した特則です。要件はほぼ同一で、知財訴訟では本条が正面から用いられます。
定額はありません。使用料相当額(114 条 3 項)や業界のライセンス相場が手がかりになります。基準を示さず裁判所に丸投げすると、控えめな額に落ちる傾向があります。
書類提出命令(著作権法 114 条の 3)で開示を迫ります。開示を渋る態度自体が立証困難を裏付け、114 条の 5 による相当額認定の後押しになります。
使えます。適用に資格要件はなく本人訴訟でも主張できます。ただし「損害が発生したこと」の立証は必要で、ここを欠くと前提を満たさず適用されません。
本条自体に期限はありません。不法行為構成なら損害及び加害者を知った時から 3 年、侵害時から 20 年(民法 724 条)。相当額の主張は事実審の口頭弁論終結時までに尽くします。
請求額を吊り上げても、最終的に決めるのは裁判所です。114条の5 で認定されるのは口頭弁論の全趣旨と証拠調べに基づく「相当な額」であって、あなたの言い値ではありません。だからこそ自分の通常のライセンス料や業界相場など、相当性の手がかりを提出することが重要です。業界裏話ヒント:裁判官は実務上、相当額を控えめに認定する傾向があります。何の基準も示さずに丸投げすると低額に沈むので、114条 3 項の使用料相当額を「下限のアンカー」として先に置いてから 114条の5 で上積みを狙うのが定石です
条文の適用に資格は要りません。本人訴訟でも 114条の5 の適用を主張できます。ただし「損害が発生したこと」自体は立証する必要があり、ここを省くと前提を欠いて使えません。業界裏話ヒント:相手が事業者で販売数や閲覧数を握っている場合、個人が単独でその数字を引き出すのは難しい。書類提出命令(114条の3)と組み合わせる場面では、知財に強い弁護士のレバレッジが大きく効きます。少額なら本人訴訟、相手が数字を抱え込むタイプなら専門家を入れる、という線引きで判断するとよい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 114 条の 5:金額の立証困難を裁判所の裁量認定で埋める | — |
| 適用の前提 | 損害の発生が認められ、かつ額の立証が性質上極めて困難 | — |
| 使う順番 | 最後の受け皿(残った部分だけ) | — |
| 権利者の負担 | 損害発生の立証+相当性の手がかり提出 | — |
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