要点著作権法 62 条は、著作権者が相続人なく死亡し国庫帰属となる場合などに著作権が消滅すると定める。国のものにならず、誰でも自由に使える公有財産となる。
Q · 相続人のいない作家が遺した作品って、著作権はどうなるの?
国のものにならず消滅し、誰でも使える公有財産になります
著作権法 62 条により、著作権者が相続人なく死亡し民法 959 条で国庫に帰属すべきこととなるとき、または法人が解散し残余財産が国庫帰属となるとき、その著作権は消滅します。通常の財産は国庫に入りますが、著作権は国庫帰属の直前で消滅し、誰でも自由に使えるパブリックドメインになります。映画の著作物には 54 条 2 項が準用されます。ただし消滅の前提は相続人不存在の法的確定であり、印象だけで判断すると後に相続人が現れるリスクがあります。
身寄りのない老作家が亡くなった。遺された未発表の小説、生涯に書いた数百の楽曲、その著作権はどこへ行くのか。あなたはおそらく「国のものになる」と答えるだろう。普通の不動産や預金なら、相続人がいなければ最終的に国庫へ入る(民法959条)。ところが著作権だけは違う。著作権法62条は、本来なら国庫に帰属するはずのその瞬間に、著作権を消滅させると定める。国のものにすらならず、誰のものでもなくなる。つまり、全員が自由に使える公有財産(パブリックドメイン、誰でも許諾なしに使える状態)になる。これは立法者の意図的な選択だ。著作権は創作を励ますために与える期限付きの独占権であって、国家の財布を太らせる道具ではない。だから引き継ぐ私人が消えれば、その独占を社会へ解き放つ。法人が解散して残余財産が国庫に行くべきときも、同じ扱いになる。
著作権法 62 条は著作権の消滅事由を定める規定であり、著作権者が相続人なく死亡して民法 959 条により国庫帰属となるとき、または著作権者である法人が解散し残余財産が国庫帰属となるときに、当該著作権が消滅する旨を規定する。存続期間満了(51 条以下)とは異なる、もう一つの消滅ルートである。
著作権者が相続人なく死亡し国庫帰属となる場合や、法人が解散し残余財産が国庫帰属となる場合に、著作権が消滅すると定める規定です。国のものにならず公有財産になります。
存続期間の満了(原則没後 70 年)に加え、著作権法 62 条により相続人不存在での国庫帰属時や法人解散時にも消滅します。保護期間が残っていても消滅する場合があります。
誰の許諾もなく自由に利用できる著作物の状態です。保護期間満了のほか、著作権法 62 条による相続人不存在の消滅でもこの状態になります。
家庭裁判所が相続財産清算人を選任し、民法 951 条以下の清算手続と公告期間を経て相続人がいないことが確定します。この確定が 62 条の消滅の前提です。
51 条は存続期間満了による通常の消滅、62 条は相続人不存在・法人解散による国庫帰属時の消滅です。62 条は保護期間内でも起こりうる別ルートです。
著作権法 67 条の裁定制度により、相当な努力をしても連絡がつかない場合は文化庁長官の裁定と補償金供託で適法に利用できます。62 条の消滅とは別の制度です。
相続人がいるか不明な相続財産を管理・清算するため家庭裁判所が選任する者です。旧称は相続財産管理人で、2023 年施行の民法改正で名称が変わりました。
遺言で著作権の承継先を指定すれば、相続人以外の個人や団体にも承継でき、62 条による消滅を回避できます。指定がなく相続人もいなければ消滅します。
民法959条で国庫帰属となる場合、著作権法62条によりその著作権は消滅し、誰でも自由に使えます。ただし相続人不存在が法的に確定している必要があり、相続財産清算人による手続と公告期間を経て初めて確定します。業界裏話ヒント:実務では相続人不存在の確定を一般人が確認するのは難しく、家庭裁判所の清算人選任記録などを追う必要がある。「身寄りがなさそうだから消滅した」と安易に判断すると、後で相続人が現れて権利侵害を問われる
解散した法人の著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律239条3項などにより国庫帰属となる場合、62条で消滅します。ただし破産や解散でも著作権が他社や個人へ譲渡・分配されればそちらに承継され、消滅しません。業界裏話ヒント:倒産会社の著作権は破産管財人が資産として売却する例が多く、実際に国庫帰属まで至るのは稀。「会社が消えた=著作権フリー」は危険な誤解で、権利を買い取った別会社が後から行使してくる
映画の著作物の著作権が62条1項で消滅した場合、54条2項が準用されて取り扱いが整理されます。ただし映画は法人著作(団体名義)が多く、保護期間は公表後70年で計算され、個人の相続とは別問題になりがちです。業界裏話ヒント:映画は監督・脚本・音楽・原作が層を成す。一つの著作権が消えても、原作小説や挿入歌の著作権が生きていればその部分は依然として許諾が要る。「映画本体が自由=丸ごと自由」ではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 消滅・利用可否の性質 | 62 条:相続人不存在・法人解散で国庫帰属となる著作権を消滅させ公有化 | — |
| 発動条件 | 相続人不存在の確定、または法人解散+残余財産の国庫帰属条件成立 | — |
| 結果 | 著作権消滅、許諾・使用料不要 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。