要点著作権法 63 条は、著作権者が他人に著作物の利用を許諾できると定める。許諾を得た者が利用できるのは利用方法及び条件の範囲内に限られ、利用権の譲渡には著作権者の承諾を要する。
Q · 「使っていいよ」と言われたイラスト、グッズにもしていいんですか?
許諾された利用方法と条件の範囲内でしか使えません
著作権法 63 条 2 項により、許諾を得た者が利用できるのは「許諾に係る利用方法及び条件の範囲内」に限られます。ウェブ掲載用として許諾された素材をグッズ化すれば、対価を払っていても範囲外の利用となり著作権侵害になり得ます。また利用権は著作権者の承諾なしに譲渡できず(3 項)、再許諾(サブライセンス)の可否も最初の契約で決まります。許諾は口頭でも成立しますが、媒体・期間・地域・独占性・再許諾可否を文書で明記することが実務上の必須事項です。
YouTube で BGM を流す、企業サイトに買ったイラストを載せる、推しキャラの同人グッズを作る。これらが適法になるのは、著作権者から「利用の許諾」を得たときだけだ。63条はその許諾のルールブックである。あなたが押さえるべき点は三つ。第一に、許諾の効力はその「利用方法及び条件の範囲内」に限られる(2項)。「ウェブで使っていい」と言われたイラストを勝手にグッズ化すれば、範囲外の利用として著作権侵害になる。第二に、あなたが得た利用権は、著作権者の承諾なしに他人へ譲渡できない(3項)。会社を売っても、ライセンスは自動では付いてこない。第三に、2020年(令和2年)の改正で「利用権」が明文化され、翌条(63条の2)の当然対抗制度とセットで、許諾を得たあとに著作権が第三者へ売られても、あなたの使う権利は守られるようになった。許諾は口約束でも成立する。だが範囲を曖昧にした瞬間、後で必ず揉める。
著作権法 63 条は、著作物の利用の許諾を定める規定である。著作権者は他人に対し著作物の利用を許諾することができ、許諾を得た者は許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において当該著作物を利用する権利(利用権)を取得する。利用権は債権的性質を有し、著作権者の承諾を得なければ譲渡することができない。
著作権者が他人に著作物の利用を認める行為です(著作権法 63 条 1 項)。許諾により利用者は利用権を取得しますが、その効力は合意した利用方法及び条件の範囲内に限られます。
法律上は口頭やメールでも成立します。ただし範囲が争点になったとき、媒体・期間・地域・独占性を明記した書面がなければ、利用者側が不利な解釈を受けやすくなります。
許諾の効力が及ばないため、著作権侵害となり得ます。差止請求(112 条)や損害賠償請求の対象となり、追加使用料の支払いを求められることもあります。
原則できません。利用権は著作権者の承諾を得ない限り譲渡できず(3 項)、再許諾の可否も契約と承諾次第です。プラットフォーム事業では契約時に明記が必要です。
2020 年改正で新設された当然対抗制度(63 条の 2)により、利用権は新著作権者にも対抗できます。ただし利用権の実態を証明できることが前提です。
含まれません。4 項により、契約に別段の定めがない限り、放送又は有線放送の許諾は録音又は録画の許諾を含まないものとされています。
5 項により、特定放送事業者等への放送の許諾は、別段の意思表示がない限り放送同時配信等の許諾を含むと推定されます。除外したい場合は許諾時に明示が必要です。
許諾(63 条)は債権的に利用を認めるだけで著作権は移転しません。譲渡(61 条)は著作権そのものが移転し、譲渡人は原則として利用できなくなります。
使えません。許諾の効力は合意した利用方法及び条件の範囲内に限られます(2項)。「自由に」という曖昧な言葉は、後から媒体や用途ごとに「そこまで許諾していない」と争われます。業界裏話ヒント:口頭やメールでも許諾は有効に成立しますが、実務では必ず媒体・期間・地域・独占か否かを文書で明記させます。曖昧な許諾は、揉めたとき「許諾した側の意思」が優先解釈されがちで、利用者が不利になる
利用権の中身は契約条件で決まります(2項)。解約後の利用可否はサービス規約のライセンス条項次第で、「契約期間中に制作したものは継続利用可、新規ダウンロードは不可」とする例が多いです。業界裏話ヒント:ストック素材サービスのライセンス条項は解約すると見られなくなることがあるので、解約前に必ず規約のライセンス部分をPDFで保存する。後で「使っていいと書いてあった」を証明できるかどうかが分かれ目になる
2020年(令和2年)改正で導入された当然対抗制度(63条の2)により、あなたの利用権は新しい著作権者にも対抗でき、原則として使い続けられます。改正前はこの保護がなく、危険でした。業界裏話ヒント:当然対抗が効くには「利用権の実態」を証明できることが前提。口約束だけだと、新権利者に「許諾の事実など知らない」と言われて揉める。契約書・発注メール・支払記録を残しておくことが、そのまま将来の防御になる
原則として、利用権は著作権者の承諾なしには譲渡できず(3項)、再許諾の可否も契約と承諾次第です。勝手に又貸しすると契約違反や侵害になります。業界裏話ヒント:最初の契約に「サブライセンス可」の一文を入れるかどうかで、後の代理店展開・再販・プラットフォーム事業の自由度が完全に変わる。プラットフォームを作るなら、この一行は必須の交渉項目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の性質 | 63 条:債権的な利用権(著作権は移転しない) | — |
| 第三者への対抗 | 63 条の 2 の当然対抗により、登録なしに新著作権者へ対抗可 | — |
| 譲渡・処分 | 著作権者の承諾なしに譲渡不可(3 項) | — |
| 排他性 | 非独占が原則、独占は契約で定める(差止請求権はない) | — |
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