水質汚濁防止法 第14条の4(事業者の責務)
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事業者は、この章に規定する排出水の排出の規制等に関する措置のほか、その事業活動に伴う汚水又は廃液の公共用水域への排出又は地下への浸透の状況を把握するとともに、当該汚水又は廃液による公共用水域又は地下水の水質の汚濁の防止のために必要な措置を講ずるようにしなければならない。
この条文の基本情報
事業者の責務とは何ですか?
定義事業者の責務とは、水質汚濁防止法第14条の4に定められた規定で、「事業者は、この章に規定する排出水の排出の規制等に関する措置のほか、その事業活動に伴う汚水又は廃液の公共用水域への排出又は地下への浸透の状況を把握するとともに、当…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第14条の4(事業者の責務)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第14条の4の条文原文は「事業者は、この章に規定する排出水の排出の規制等に関する措置のほか、その事業活動に伴う汚水又は廃液の公共用水域への排出又は地下への浸透の状況を把握するとともに、当…」で始まります。
- 水質汚濁防止法第14条の4は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第14条の4の前の条は水質汚濁防止法第14条の3です。
- 水質汚濁防止法第14条の4の次の条は水質汚濁防止法第14条の5です。
- 水質汚濁防止法第14条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第14条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第14条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/14_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法14条の4は、事業者に汚水・廃液の公共用水域への排出と地下浸透の状況把握、汚濁防止の必要な措置を求める責務規定。本条自体に罰則はない。
Q · 排水基準を守っていれば、水質汚濁防止法上はそれで十分なの?
不十分。地下への漏れまで把握し対策する責務がある
水質汚濁防止法14条の4は、排水基準などの規制措置の「ほか」に、事業者自身が汚水・廃液の公共用水域への排出と地下への浸透の状況を把握し、汚濁防止に必要な措置を講ずるよう求めています。本条に罰則はありませんが、地下水汚染が発覚した場合の浄化措置命令(14条の3)や、有害物質による健康被害の無過失賠償責任(19条)の場面で、把握と措置の記録の有無が事業者の立場を左右しうる点に注意が必要です。
解説
罰則が一つもない条文ほど、人は油断する。水質汚濁防止法14条の4は、排水基準を守るだけでは足りないと事業者に告げている。自社の汚水や廃液が川や海へどう出ているか、地下へどうしみ込んでいるかを「把握」し、汚濁を防ぐ「必要な措置」を講じるよう求める規定である。押さえるべき点は二つある。第一に、対象は排水口から出る水だけではない。配管の継ぎ目、タンクの底、床のひび割れから少しずつ地下へ浸透する廃液も含まれる。第二に、本条そのものに刑罰はない。しかし地下水汚染が見つかった日には、「状況を把握していたか」「手を打っていたか」が問われる。知事による浄化措置命令(14条の3)、有害物質による健康被害の無過失賠償(19条)、工場用地の売却交渉。どの場面でも、その答えがあなたの会社の立場を左右する材料になりうる。排水の測定値だけ見て安心している経営者と、地下の見えない漏れまで記録に残している経営者がいる。汚染が発覚した日の交渉で強いのは後者である。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法14条の4は事業者の責務を定める規定であり、排水基準等の規制措置とは別に、事業者が事業活動に伴う汚水又は廃液の公共用水域への排出及び地下への浸透の状況を把握し、公共用水域及び地下水の水質の汚濁を防止するために必要な措置を講ずるよう求める。罰則を伴わない責務規定である。
手順
- 1.排水系統と漏れリスク箇所の洗い出し 排水系統図を作成・更新し、排水口だけでなく配管の継ぎ目、地下タンク、貯槽の底、床面のひび割れ、油水分離槽など、汚水や廃液が漏れ・浸透しうる箇所を一覧化する
- 2.定期点検と日付入り記録 一覧化した箇所を定期的に点検し、異常の有無と対応内容を日付・担当者入りで記録する。油水分離槽やグリーストラップの清掃記録もあわせて残す
- 3.漏れ・浸透を防ぐ措置の実施 劣化配管の交換、床面の防液処理、貯槽の二重化や防液堤の設置など、見つかったリスクに応じた措置を講じる。有害物質を扱う場合は地下水モニタリング井戸の設置を専門業者と検討する
- 4.事故時の初動と届出 漏えいを発見したら直ちに止めて応急措置を講じ、事故時の措置の対象となる場合は14条の2に基づき速やかに都道府県知事へ届け出る。経緯と対応を時系列で記録する
よくある質問 AI による整理
Q1水質汚濁防止法 事業者の責務とは
14条の4が定める責務で、事業者が汚水・廃液の排出や地下浸透の状況を自ら把握し、水質汚濁を防ぐ必要な措置を講ずるよう求めるものです。
Q2水質汚濁防止法14条の4罰則はある?
本条自体に罰則はありません。ただし排水基準違反(12条)や浄化措置命令(14条の3)違反には罰則があり、本条の不履行はそれらの場面で不利な事情になりえます。
Q3地下浸透 把握 方法
排水系統図をもとに配管・貯槽・床面・分離槽を定期点検し、結果を日付入りで記録します。有害物質を扱うなら地下水モニタリング井戸の設置も検討対象です。
Q4工場排水 漏れ 見つけたら どうする
まず漏えいを止め、応急措置を講じます。特定事業場等で事故に当たる場合は14条の2により速やかに都道府県知事へ届け出る必要があります。
Q5特定施設がない事業者も水質汚濁防止法の対象?
14条の4の主語は「事業者」で、文言上は特定施設の有無で限定していません。汚水や廃液を出す事業活動があるかが出発点です。条例の上乗せも確認が必要です。
Q6地下水汚染 浄化措置命令 とは
有害物質を含む水の地下浸透で人の健康被害のおそれがあるとき、知事が事業者に地下水の水質浄化の措置を命じる制度です(14条の3)。
Q7水質汚濁防止法 無過失責任 何条
19条です。有害物質を含む汚水等の排出・地下浸透で人の生命・身体を害した場合、事業者は過失がなくても損害賠償責任を負います。
Q8排水 点検記録 保存 必要?
本条は記録の作成を直接義務付けていませんが、把握と措置を尽くしたことを示す証拠になります。立入検査や売買・M&Aの場面で実務上重視されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰則がないなら、正直ほっといてもいいんじゃないですか?
本条自体に刑罰はない。だが同じ章の12条(排水基準の遵守)は、改善命令を待たずに違反それ自体が刑事罰の対象になる直罰制である。浄化措置命令(14条の3)などの命令に違反した場合にも罰則がある。把握を怠った会社ほど、地雷を踏むまで気付かない。実務のポイント:自治体の立入検査担当者は、測定値そのものより点検記録の有無と書き方で、その会社の管理体質を見ている
Q2工場の土地を買ったあとで地下水汚染が見つかったら、前の持ち主に請求できますか?
契約不適合責任(民法562条以下)に基づき、代金減額や損害賠償を求める道がある。個人の買主なら、不適合を知ってから1年以内に売主へ通知が必要(民法566条)。実務のポイント:会社同士の売買なら商法526条が適用され、受け取った後に遅滞なく検査する義務があり、すぐに見つからない不適合でも6か月以内に発見して通知しないと請求できなくなる。工場用地の取引では、この条項を特約で外せるかが勝負になる
Q3有害物質なんて使ってないけど、油や洗剤の排水も関係あるの?
関係する。本条の対象は「汚水又は廃液」全般で、有害物質に限らない。油分や有機物による汚濁も、公共用水域の水質を悪化させる。油については、14条の2で貯油事業場等の事故時の措置も定められている。実務のポイント:行政が動くきっかけの多くは、近隣住民の「川に油膜が浮いている」という一本の電話である。飲食店や整備工場のグリーストラップや油水分離槽の清掃記録は、その電話が来た日の最初の防波堤になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「排水基準を守っていれば法的に問題ない」と考えがちだが、本条は冒頭で「この章に規定する排出水の排出の規制等に関する措置のほか」と明記している。基準遵守は最低ラインにすぎない。その外側にある漏れや地下浸透の把握まで、事業者の仕事として位置付けられている
- 罰則がないことは知っている。しかし、罰則がないことの本当の意味を軽く見ている。有害物質による健康被害については、19条により過失がなくても事業者が賠償責任を負う。本条の努力を尽くしていても賠償は免れない。尽くしていなければ、行政対応でも和解交渉でも不利な事情だけが積み上がる。「罰則がないから安全」ではなく「罰則以外の場所で効いてくる」条文である
- 「うちは特定施設を届け出ていない小さな事業者だから関係ない」という問いの立て方自体がずれている。本条の主語は「事業者」であり、文言上、特定施設の有無で線を引いていない。汚水や廃液を出す事業活動があるかどうかが出発点である(上乗せ規制や指導の実際は、各自治体の条例と運用も確認が必要)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 14条の4:汚水・廃液の排出と地下浸透の状況把握と汚濁防止措置 | 12条:排水基準に適合しない排出水の排出禁止 14条の3:地下水の水質浄化の措置命令 |
| 規範の性質 | 事業者の責務規定(自主管理) | 数値基準による排出禁止(直罰) 知事による行政命令 |
| 違反時の効果 | 本条自体に罰則なし | 改善命令を待たず刑事罰の対象 命令違反に罰則あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は事業の廃水処理義務や繞流排放の禁止を罰則付きで定め、地下水汚染は別法で整治責任を規律する。日本の責務規定より義務的色彩が強い
ドイツは水域への影響がある行為について一般的注意義務を定め、水を害する物質の取扱施設には具体的な設備要件を課している
米国は排出許可制度(NPDES)で表流水を、地下貯蔵タンク規制で漏えいによる地下水汚染を個別に規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、20年前に廃業した先代のメッキ工場の跡地をあなたが相続し、売りに出したらどうなる? 買主の土壌調査で六価クロムが検出される。当時の事業者が浸透状況を把握していた記録は一枚もない。売買価格の大幅減額か、契約解除か。交渉の手札は、先代が残さなかった記録の空白に吸い取られていく
- あなたは自動車整備工場の二代目である。油水分離槽の清掃を2年さぼっていた。大雨の翌朝、近所の住民から「側溝から川に油膜が流れている」と市役所に通報が入る。立入検査の担当者が最初に求めるのは、分離槽の点検記録である
- クリーニング店の裏で、溶剤の入ったドラム缶が錆びていた。それだけで地下水の話になる。
- 夜勤の作業員が、廃液配管の継ぎ目から液が床に垂れているのを見つけた。朝の操業開始まであと4時間。止めれば出荷が遅れ、流せば地下へしみ込む。特定事業場などで事故が起きた場合、14条の2は直ちに応急措置を講じ、速やかに知事へ届け出るよう求めている。この4時間の判断が、後の行政対応の空気を決める
- 取引先の地方工場を M&A で買収する話が進んでいる。環境デューデリジェンスの担当者から、排水の測定記録はあるが、地下タンクや配管の点検記録が見当たらないとの報告。表明保証条項と価格調整条項を詰めるなら、署名前の今しかない
取るべき行動
被害を受けた側:近隣住民や下流の事業者として被害を受けた場合:1. 井戸水の異臭・変色、川の油膜や魚の死骸を日時入りで撮影し、水を清潔な容器に採取して保存2. 市区町村または都道府県の環境部局へ通報し、水質検査を依頼。行政の測定結果は後の重要な証拠になる3. 健康被害があれば受診記録を確保。有害物質が原因なら19条により相手の過失を立証せずに賠償請求できる余地がある4. 訴訟の前に、公害等調整委員会や都道府県公害審査会の調停も選択肢に入れる
訴えられた側:1. 排水系統図を手元に置き、配管・貯槽・床面・分離槽を点検して、漏れや浸透の可能性がある箇所を一覧にする2. 点検結果と対応を日付入りで記録する。これが本条の「把握」と「措置」を尽くした証拠になる3. 事故が起きたら14条の2に従い直ちに応急措置、速やかに知事へ届出4. 有害物質を扱うなら、地下水モニタリング井戸の設置を専門業者と検討5. 行政指導を受けたら、改善計画と期限を書面で提出する
時効(請求できる期限):本条自体に時効や期限の定めはない。事故時は14条の2により直ちに応急措置、速やかに都道府県知事へ届出が必要。健康被害の損害賠償請求は、水質汚濁防止法の損害賠償の章(19条以下)の特則または民法724条・724条の2による消滅時効にかかる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的な理解:本条は罰則を伴わない責務規定であり、直接の法的強制力は持たない。排水基準による直罰規制を補完し、排水口で捕捉できない漏えいや地下浸透について事業者の自主的な管理を促す趣旨と理解されている
- 水質汚濁防止法 第12条排水基準に適合しない排出水の排出禁止
- 水質汚濁防止法 第12条の3有害物質を含む特定地下浸透水の浸透禁止
- 水質汚濁防止法 第14条の2事故時の応急措置と知事への届出
- 水質汚濁防止法 第14条の3地下水の水質浄化の措置命令
- 水質汚濁防止法 第19条有害物質による健康被害の無過失賠償責任
- 環境基本法 第8条事業者の環境保全責務の一般原則
- 土壌汚染対策法 第3条有害物質使用特定施設廃止時の土壌調査
- 民法 第709条一般不法行為責任、過失判断の土台
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