要点労働安全衛生法 67 条は、がん等のおそれがある政令指定業務に従事した者へ、都道府県労働局長が離職時または離職後に健康管理手帳を交付し、国費の健康診断を受けられる制度を定める。
Q · 昔アスベストを扱う仕事をしていたけど、もう辞めた。今から国の無料がん検診を受ける方法はある?
退職後でも国費でがん検診を受け続けられる制度があります
労働安全衛生法 67 条により、がん等の重度の健康障害を生ずるおそれがある政令指定業務(石綿・ベンジジン・ベンゼン等)に従事していた者は、離職の際または離職後に都道府県労働局長から健康管理手帳の交付を受けられます。手帳があれば、対象の専門的な健康診断を原則無料で生涯にわたり受け続けられます。会社が倒産していても、当時の給与明細・雇用保険記録・同僚の証言などで従事歴を立証できれば交付の道は残ります。ただし手帳は早期発見のための検査制度で、発症時の補償は労災保険や石綿健康被害救済法など別の窓口になります。
若い頃に建設現場で石綿(アスベスト)を扱った。化学工場でベンジジンに触れた。当時は危険だと誰も教えてくれなかった。それから数十年、会社はとっくに辞めた、あるいは倒産した。問題はここからだ。石綿が原因の中皮腫や肺がんは、ばく露から30年から40年たって発症する。会社を辞めた後に牙をむく。労働安全衛生法67条は、その時間差を国が引き受ける制度を定めている。がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務(政令で具体的に列挙されている)に従事していた人は、離職の際または離職後に都道府県労働局長から健康管理手帳の交付を受けられる。手帳を持っていれば、対象の専門的な健康診断を、原則として無料で、生涯にわたって受け続けられる。会社が消えても、雇用関係が切れても、国があなたの体を追跡し続ける。多くの元労働者はこの制度の存在を知らず、自費で検査を受けるか、検査そのものを諦めている。
労働安全衛生法 67 条は健康管理手帳の制度を定める規定であり、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務で政令に定めるものに従事していた者に対し、都道府県労働局長が離職の際または離職後に手帳を交付し、政府が手帳所持者に対する健康診断について必要な措置を行うことを規定する。手帳の他人への譲渡・貸与は禁止される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労働安全衛生法 67 条に基づき、がん等のおそれがある有害業務の従事者へ交付される手帳です。所持者は対象の健康診断を国費で生涯受けられます。
労働安全衛生法施行令 23 条が定める石綿・ベンジジン・ベンゼン・クロム酸・粉じん作業など、がん等の重度健康障害のおそれがある業務です。
従事歴を示す資料を揃え、住所地を管轄する都道府県労働局に交付申請書を提出します。要件は労働安全衛生規則 53 条が定めています。
石綿の取扱い業務に一定期間従事していれば対象になり得ます。中皮腫は潜伏期が長いため、退職から何十年経っていても申請できます。
交付申請自体に法定の期限はなく、対象業務の従事要件を満たせば離職後何年経っても申請できます。ただし証明資料が残るうちが有利です。
手帳は早期発見のための検査制度で補償ではありません。実際に発症したら労災保険や石綿健康被害救済法で別途補償を請求します。
住所地を管轄する都道府県労働局の担当窓口です。会社の所在地ではなく自分の住所地基準である点に注意してください。
雇用されていた期間に対象業務へ従事していれば、その期間で要件を満たせる可能性があります。一人親方だから対象外と早合点しないことです。
諦めるのは早いです。会社の証明がなくても、当時の給与明細、雇用保険の記録、健康保険の被保険者記録、一緒に働いた同僚の証言など複数の資料を組み合わせて従事の事実を立証できれば交付の道は残ります(労働安全衛生規則53条の要件)。業界裏話ヒント:労働局は申請者が思うより柔軟に状況証拠を見ます。まず管轄の労働局の健康管理手帳担当に電話して、自分のケースで何が証拠になるか相談するのが近道。門前払いされたと思い込んで自分で諦めるのが一番もったいない。
対象の健康診断については、国が必要な措置を行うため(法67条2項)自己負担なしで受けられます。対象業務に応じた専門的な検査(石綿なら胸部エックス線やCTなど)が指定医療機関で定期的に受けられます。業界裏話ヒント:指定医療機関以外だと費用負担の対象外になることがあるので、案内された医療機関の中から選ぶこと。また検査の中身は対象業務ごとに決まっているので、自分が何の業務でどんな検査の対象なのかを交付時に確認しておくと、毎回の受診がスムーズになる。
絶対にダメです。法67条3項が手帳の他人への譲渡・貸与を明確に禁止しています。手帳は本人の従事歴と健康追跡に紐づいた個人専用の証明であり、他人が使えば不正受給になります。業界裏話ヒント:他人が借りる動機がなさそうに見えて、指定医療機関での無料検査目当てというケースが想定されています。家族であっても貸さない。家族が同じ業務に従事していたなら、その人自身が別途申請すればよいだけです。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の時点 | 67 条:離職の際または離職後(雇用関係終了後も継続) | — |
| 義務・権利の主体 | 都道府県労働局長が交付、国が健診措置(公的主体) | — |
| 費用負担 | 対象の健康診断は国費(自己負担なし) | — |
| 対象者 | 政令指定の有害業務の従事歴がある者 | — |
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