要点特定商取引法47条の2は、業務停止命令に併せ、役員や使用人個人に同一期間の業務禁止を命じられる規定。命令日の1年前までの元役員も対象となり、命令は必ず公表される。
Q · 会社が業務停止になったら、役員は新しい会社を作って同じ商売を再開できますか?
できません。役員個人に業務禁止命令が出て公表されます
特定商取引に関する法律47条の2により、主務大臣は特定継続的役務提供の事業者に業務停止を命ずる際、その役員や使用人のうち責任の程度から相当と認められる者に対し、停止と同一の期間、同種業務を新たに開始することおよびその業務を担当する法人役員に就任することの禁止を命じられます。対象は現役の役員・使用人だけでなく、命令日前1年以内に役員・使用人であった者にも及びます。命令は3項により必ず公表されます。
エステサロン、語学教室、結婚相手紹介サービス。こうした特定継続的役務提供の会社を経営していて、消費者トラブルで業務停止命令を受けたとする。かつては答えが決まっていた。会社をたたみ、別名の新会社を作って同じ商売を再開する。行政はまた一から調査、その間あなたは稼ぎ続ける。この鉄板の抜け道を塞いだのが47条の2だ。主務大臣は、業務停止を命じる場面で、その原因となった事実とあなた個人の責任の程度を見て、あなたを名指しで、停止と同じ期間、同じ業務を新たに始めることを禁止できる。しかも、その業務を営む法人の役員に就くことまで禁じられる。恐ろしいのは射程だ。現役の役員だけでなく、命令の1年前までに役員だった者、さらに現場を仕切っていた使用人まで対象になる。そして命令は必ず公表される。あなたの名前が、行政の処分歴として世に出る。
特定商取引に関する法律47条の2は、特定継続的役務提供に係る業務停止命令の実効性を確保するため、主務大臣が当該事業者の役員・使用人(命令日前1年以内の元役員・元使用人を含む)のうち主務省令で定める者に対し、停止と同一の期間、当該業務の新規開始および当該業務を担当する法人役員への就任を禁止できる旨を定める規定である。命令をしたときは公表が義務づけられる。
特定継続的役務提供の事業者に業務停止を命ずる際、その役員や使用人個人に対し、同一期間の業務新規開始と法人役員就任を禁止できると定める規定です。命令は公表されます。
業務停止命令(47条)は事業者に対して現在の業務を止めさせる処分、業務禁止命令(47条の2)は役員・使用人個人に対して新たに同種業務を始めることを禁じる処分です。
エステティック、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービスなど、一定期間を超えて継続的に提供され、政令で定める金額を超える役務が対象です。
なります。1項各号は役員だけでなく使用人、さらに命令日前1年以内に使用人であった者も対象に含めています。事業者が個人の場合は使用人のみが対象です。
対応する業務停止命令と同一の期間です。停止命令の期間が定まれば、個人への禁止期間もそれに連動して決まります。独自に長短が設定されるものではありません。
3項により主務大臣は命令を公表しなければなりません。消費者庁や経済産業省・各経済産業局の行政処分公表ページで、事業者名や対象者を確認できます。
2項により、禁止命令を受けた役員・使用人が特定関係法人で同一の業務を行っている場合や、自ら事業者として同一業務を行っている場合、その業務の停止も命じられます。
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)です。執行停止の申立ても検討します。
本当だ。47条の2第1項で個人に業務禁止命令が出せ、同3項で命令は公表される。しかも現役役員だけでなく、命令日の1年前までに役員・使用人だった者も対象になりうる。業界裏話ヒント:この制度は平成28年(2016年)改正で、悪質業者が会社を潰して新会社で再起する繰り返し被害を断つため全類型に入った。名義だけの役員でも、責任の程度が問われれば公表対象になる。就任前に会社の処分リスクを調べるのが実務の防衛線だ
そのとおり。射程は「命令の日前一年以内」に役員・使用人だった者まで。命令日から遡って1年を超えていれば対象外になる。業界裏話ヒント:逆に言えば、辞めた日と命令が出た日の差が微妙なケースでは、退任登記の日付が生死を分ける。取締役の退任は登記されて日付が公的に残るので、この一日の証明力が効いてくる。辞任のタイミングと登記日は必ず記録を残しておく
ない訳ではない。業務禁止命令のような不利益処分には、行政手続法13条により原則として聴聞の機会が保障され、そこで意見や証拠を出せる。業界裏話ヒント:聴聞は形式的な通過儀礼と思われがちだが、47条の2は「責任の程度」を要件にしている。ここで「自分は日常業務に関与しない名義役員だった」と客観資料で示せれば、同じ会社の役員でも禁止命令の対象から外れる余地がある。聴聞を捨てる者と使い切る者で、結果が分かれる
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|---|---|---|
| 処分の名宛人 | 47条の2:役員・使用人など個人(元役員・元使用人を含む) | — |
| 禁じられる内容 | 同種業務を新たに開始すること・当該業務を担当する法人役員への就任 | — |
| 対象者の絞り方 | 命令の理由となった事実と責任の程度を考慮し、主務省令で定める者に限定 | — |
| 公表の有無 | 3項により公表が義務づけられる | — |
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