民事執行法 第6条(執行官等の職務の執行の確保)
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- 執行官は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。ただし、第六十四条の二第五項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定に基づく職務の執行については、この限りでない。
- 2.執行官以外の者で執行裁判所の命令により民事執行に関する職務を行うものは、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、執行官に対し、援助を求めることができる。
この条文の基本情報
執行官等の職務の執行の確保とは何ですか?
定義執行官等の職務の執行の確保とは、民事執行法第6条に定められた規定で、「執行官は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。ただし、第六十四条の二第五項(第百八十…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第6条(執行官等の職務の執行の確保)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第6条の条文原文は「執行官は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。ただし、第六十四条の二第五項(第百八十…」で始まります。
- 民事執行法第6条は第一章 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第6条の前の条は民事執行法第5条です。
- 民事執行法第6条の次の条は民事執行法第7条です。
- 民事執行法第6条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第6条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第6条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法6条は、執行官が職務執行中に抵抗を受けたとき、威力を用い又は警察上の援助を求めることができると定める。ただし競売物件の内覧では威力を用いることができない。
Q · 鍵をかけて居留守を使えば、強制執行は防げるの?
防げません。執行官は威力で解錠し警察も呼べます
民事執行法6条により、執行官は職務執行中に抵抗を受けたとき、その抵抗を排除するために威力(実力行使)を用い、さらに警察上の援助を求めることができます。施錠や居留守は執行を止めません。執行官は解錠して立ち入る権限を持ち、抵抗されれば威力で排除します。物理的な抵抗は公務執行妨害罪(刑法95条)の入口となるため、争うなら執行異議(民事執行法11条)など書面の手続に移すべきです。威力を使えない例外は、競売物件の内覧の場面だけです(6条ただし書)。
解説
裁判で勝った。だが相手は家を明け渡さず、玄関に鍵をかけて居留守を決め込む。ここで多くの人が抱く「鍵をかけて無視すれば強制執行は防げる」という考えは、根本から間違っている。民事執行法6条は、執行官が職務の執行中に抵抗を受けたとき、その抵抗を排除するために威力(実力行使、例えば鍵屋を使った解錠や、進路を塞ぐ人を物理的にどける行為)を用い、さらに警察の援助を求めることができると定める。つまり確定判決という一枚の紙は、この6条を通じて、玄関のドアを実際にこじ開ける現実の力に変換される。あなたが債権者なら、この力を知れば判決を最後まで回収できる。あなたが執行を受ける側なら、物理的な抵抗は公務執行妨害罪の入口だと知り、争う土俵を「現場の力比べ」から「執行異議という書面」へ移すべきだ。威力を使えない例外は、競売物件の内覧の場面だけ(ただし書)。
法的な位置づけ
民事執行法6条は、執行官の職務執行を確保するための規定であり、執行官が職務の執行に際して抵抗を受けた場合に、その抵抗を排除するため威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる旨を定める。執行官以外で執行裁判所の命令により民事執行に関する職務を行う者は、抵抗を受けたとき執行官に対し援助を求めることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.執行文の付与を受け債務名義を整える 確定判決・和解調書などの債務名義に、裁判所書記官等から執行文の付与を受ける。これがないと執行官は動けない。目的(動産・不動産明渡しなど)に応じて必要書類を確認する
- 2.占有者が相手方本人か第三者かを確認 実際に占有しているのが判決の相手方本人か、又貸し等による第三者かを事前に調べる。第三者占有だと判決の効力が及ばず執行が空振りするため、占有移転禁止の仮処分など別手当てを打つ
- 3.執行官に強制執行を申し立てる 管轄の地方裁判所の執行官に、動産執行・不動産の明渡執行などを申し立てる。予納金を納付し、断行の日程を調整する。相手方の抵抗が予想される事情も伝えておく
- 4.抵抗が予想されるなら警察援助の要請を促す 占有者が抵抗的だと事前に読める場合、執行官に事情を伝え、当日の警察上の援助(民事執行法6条)の要請を検討してもらう。当日の執行不能による数週間〜数か月の遅延を先回りで潰す
- 5.断行日は解錠業者の手配など段取りに協力 断行の当日は、執行官の指示に従い解錠業者・運送業者・保管場所などを手配する。抵抗があれば執行官が威力で排除するため、債権者側は現場を煽らず記録に徹する
よくある質問 AI による整理
Q1強制執行とは何ですか?
確定判決など債務名義に基づき、国家が債務者の意思に反してでも権利を実現する手続です。民事執行法が規律し、執行官や執行裁判所が担います。
Q2執行官の権限はどこまでですか?
執行官は職務執行中に抵抗を受ければ威力を用いて排除し、警察の援助も求められます(民事執行法6条)。施錠された住居の解錠・立入りも権限内です。
Q3建物明渡しの強制執行の流れは?
執行文付与→執行官へ明渡執行の申立て→催告→断行日に解錠業者を伴い明渡し実施、という流れです。抵抗があれば威力で排除されます。
Q4差し押さえは拒否できますか?
拒否できません。執行官は立入り・解錠の権限を持ち、抵抗すれば威力で排除します。不服は執行異議(民事執行法11条)で争います。
Q5公務執行妨害罪はどんな行為で成立しますか?
職務執行中の公務員に暴行・脅迫を加えると成立します(刑法95条)。執行官を押し返す・掴みかかる有形力が典型で、3年以下の拘禁刑等です。
Q6執行異議とは何ですか?
執行官の執行処分やその遅怠に対し、執行裁判所に不服を申し立てる手続です(民事執行法11条)。物理的抵抗の代わりに使うべき適法な争い方です。
Q7強制執行の費用は誰が負担しますか?
執行費用は原則として債務者の負担です(民事執行法42条)。ただし申立て時に債権者が予納し、後に債務者から回収する運用が一般的です。
Q8競売物件の内覧で執行官は威力を使えますか?
使えません。内覧(民事執行法64条の2第5項)の実施は6条ただし書で威力の使用が明文で排除されています。強制執行の例外です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行官が来ても、ドアを開けなければ入れないですよね?
開けなくても入れます。執行官は施錠を解いて立ち入る権限を持ち(民事執行法123条2項等)、抵抗を受ければ威力を用い、警察の援助も求められます(6条1項)。居留守や不在は執行を止めません。実務のポイント:不在のまま執行されると、『この動産は同居人の物』といった有利な主張を現場で言えないまま差押えの範囲が確定してしまう。立ち会える方が、後の第三者異議の訴え(民事執行法38条)の材料を掴めます
Q2執行官に抵抗したら、何の罪になるんですか?
公務執行妨害罪(刑法95条)で、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(最新の改正状況をご確認ください)。押し返す・掴みかかるといった有形力で成立します。実務のポイント:言葉で強く抗議しただけなら通常は成立しにくいが、身体を張って阻止すると一線を越える。感情が高ぶる現場ほど、抗議は口頭に留め、争いは執行異議という書面に移すのが弁護士の鉄則です
Q3警察を呼ばれるって、逮捕されるってことですか?
いいえ。6条の『警察上の援助』は執行官の職務執行を助けるための援助で、あなたを逮捕する手続とは別物です。ただし抵抗が公務執行妨害に至れば、その場で現行犯逮捕もありえます。実務のポイント:援助の段階では警察は秩序維持で動く。あなたが冷静に立ち会えば、過剰な執行を抑える証人にもなりうる。現場で騒ぐより、記録係を確保する発想に切り替えるべきです
Q4執行官と評価人って何が違うんですか? どっちが強制的に入れる?
執行官は自ら威力を用いて立ち入れますが、評価人など執行官以外の者は自分では実力行使できず、執行官に援助を求めるだけです(6条2項)。実務のポイント:現況調査で来るのが評価人だけなら、その日その場で実力行使はできない。誰が来ているかを見れば、その日どこまで手続が進むか読めます
間違えやすい点 AI による整理
- 「鍵をかけて居留守を使えば強制執行は防げる」という前提そのものが誤っている。問うべきは『どう物理的に防ぐか』ではなく『どう適法に争って止めるか』。執行官は施錠を解いて立ち入る権限を持ち、居留守は執行を1ミリも止めない
- 執行官が来ることは知っていても、その場で体を張って阻止すると公務執行妨害罪(刑法95条、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)に問われうる、という深刻度までは知らない人が多い。感情的な現場ほど、抗議は口頭に留めるべき理由がここにある
- あなたから見れば「自分の家に勝手に踏み込まれた」だが、法から見れば「確定判決に基づく適法な公権力の行使」だ。この視角の落差が、正当な抗議のつもりの行為をそのまま犯罪へ転落させる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 6条:執行官の威力使用・警察援助(職務執行の確保) | 11条:執行官の処分に対する執行異議(不服の申立て) 123条:動産執行での住居等への立入り・解錠権限 |
| 誰のための規定か | 執行官(実力行使の権限を付与) | 執行を受ける者・利害関係人(争う手段を付与) 執行官(具体的な立入り根拠を付与) |
| 発動場面 | 職務執行中に抵抗を受けたとき | 執行官の処分やその遅怠に不服があるとき 動産執行で債務者の住居・金庫等に立ち入る必要があるとき |
| 例外・限界 | 競売物件の内覧(64条の2第5項)では威力不可 | 執行手続の終了までに申し立てる必要 立会人を要する場合がある(7条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行人員が抵抗を受けたとき強制力を用いて排除でき、警察の協力を求められる。ただし必要な限度を超えてはならないと明文で比例原則を課す点に特色がある
韓国も集行官が必要な場合に住居等を捜索し施錠を開けるなどの措置をとれる。日本法と同じくドイツ法系の強制執行構造を共有する
ドイツの執行官(Gerichtsvollzieher)は必要な場合に実力(Gewalt)を用い、警察の執行機関(polizeiliche Vollzugsorgane)の援助を求められる。日本6条の母法にあたる系譜上の規定
米国は判決の執行を sheriff や U.S. Marshal が担い、必要に応じ writ of assistance 等で立入り・排除を行う。執行官制度そのものの構造が大陸法系と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建物明渡しの訴訟に勝訴し確定判決を得たのに、元借主が居座り続ける。執行官に明渡しの強制執行を申し立てれば、執行官は鍵屋を伴い、抵抗されれば威力で解錠し、警察の援助も求めて明渡しを完了できる。あなたの判決は「紙」で終わらない
- 借金の返済が滞り、動産執行のため執行官が自宅玄関に立った。「入れない」と体で押し返した瞬間、あなたは公務執行妨害罪(刑法95条)の被疑者になりかねない。抵抗ではなく執行異議(民事執行法11条)で争うのが正しい道だ
- もし明日、執行官が差押えに来て、あなたが不在のまま施錠していたら? 執行官は立会人を置いて解錠し立ち入れる。あなたの留守は執行を止めない。むしろ立ち会えないまま、どの財産が差し押さえられるか一方的に決まる
- 競売物件の内覧で、占有者が執行官の立入りを拒む。この場面だけは威力を使えない(6条ただし書)。強制執行の世界で、内覧は例外中の例外だ
- 執行裁判所が選任した評価人が現況調査に来たが、占有者に阻まれた。評価人自身は威力を使えず、その日は前に進まない。だが評価人は執行官に援助を求めることができる(6条2項)、それが次の一手になる
取るべき行動
被害を受けた側:確定判決や執行力ある債務名義を得たのに相手が任意に応じない場合、1. 執行文の付与を受け、目的に応じ動産執行・不動産の明渡執行などを執行官に申し立てる2. 相手の抵抗が予想されるなら、申立て時に事情を伝え、警察援助の要請を検討してもらう3. 執行当日は解錠業者の手配など執行官の段取りに協力4. 占有者が判決の相手方本人か第三者かを事前に確認、第三者占有なら執行が空振りするので占有移転禁止の仮処分など別手当てを打つ
訴えられた側:1. まず絶対に体で阻止しない。押し返す・掴みかかるは公務執行妨害罪(刑法95条)の入口2. 執行に不服があるなら執行異議(民事執行法11条)、請求権自体を争うなら請求異議の訴え(同35条)、自分の財産が巻き込まれたなら第三者異議の訴え(同38条)を検討3. 執行手続の停止を求めるには、これらの申立てと併せて執行停止の裁判が要る4. 現場では冷静に立ち会い、写真・録音で記録を残す。争いは口頭ではなく書面に移す
時効(請求できる期限):6条の権限自体に時効はない。執行手続への不服は、執行異議(民事執行法11条)を執行手続が終了するまでに、請求異議の訴え(同35条)を執行が完了する前に提起する必要がある。抵抗が公務執行妨害罪(刑法95条)に至った場合の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)担保・執行法制改正 競売不動産の内覧制度(64条の2)新設に伴い、内覧の実施(64条の2第5項、188条準用を含む)については威力を用いた抵抗排除を認めないとするただし書が追加された
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、旧競売法・旧民事訴訟法の執行規定を統合。執行官が抵抗を排除するため威力を用い警察上の援助を求められる旨を定めた
- 2.平成15年(2003年) 改正:担保・執行法制の改正で競売不動産の内覧制度(64条の2)が新設され、内覧の実施(64条の2第5項、188条準用を含む)については威力による抵抗排除を認めないただし書が追加された
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