要点民事執行法64条の2は、差押債権者の申立てにより執行裁判所が執行官に競売物件の内覧を命じる制度を定める。対抗力ある占有者が同意しなければ内覧は実施されない。
Q · 競売物件って、買う前に中を見学できるの?誰が申し込めるの?
見学できるが、申立権は差押債権者だけ。買受希望者は参加を申し出る
民事執行法64条の2により、差押債権者の申立てがあるとき、執行裁判所は執行官に内覧の実施を命じなければなりません(1項)。買受けを希望する人自身に申立権はなく、売却の実施の時までに民事執行規則の方式で内覧への参加を申し出ることで見学できます(3項)。ただし占有者の占有権原が差押債権者等に対抗でき、占有者が同意しない場合は内覧は実施されません(1項但書)。
競売物件は中を見ずに買うしかない、そう思い込んでいないか。築年数も内装の状態も分からないまま、写真だけで数千万円の入札を決めるしかない、と。民事執行法64条の2は、その常識をひっくり返す。差押債権者が申し立てれば、執行裁判所は執行官に「内覧」(買受けを希望する者を立ち入らせて見学させること)の実施を命じなければならない。つまり買受けを希望するあなたが、実際に物件の中に入って確かめられる制度だ。ただし落とし穴が二つある。第一に、内覧を申し立てられるのは差押債権者だけで、あなた自身に申立権はない。あなたにできるのは、実施される物件に「参加を申し出る」ことだけ。第二に、占有者が差押えに対抗できる権原を持ち、かつ同意しない場合は内覧は行われない。だから競売物件を見られるかどうかは、あなたが物件情報を開いた瞬間には既に決まっている。BIT(不動産競売物件情報サイト)で内覧の有無を先に確認する、それが第一歩だ。
民事執行法64条の2は、不動産の強制競売における内覧制度を定める規定である。内覧とは、買受けを希望する者を執行官の管理下で当該不動産に立ち入らせて見学させる手続をいい、差押債権者の申立てに基づき執行裁判所が執行官に実施を命じる。対抗力を備えた占有者が同意しない場合には実施されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
買受けを希望する者を執行官の管理下で物件内部に立ち入らせて見学させる制度です。民事執行法64条の2が根拠で、差押債権者の申立てに基づき実施されます。
買受希望者は、売却の実施の時までに民事執行規則の方式で「内覧への参加の申出」をします。申立て自体は差押債権者しかできず、あなたは参加を申し出る立場です。
内覧への参加の申出は「売却の実施の時」まで(3項)。暦日ではなく執行手続の進行に連動するため、締切を過ぎると当日立ち入れません。
不動産競売物件情報サイト(BIT)の対象物件ページで内覧実施の記載を確認します。記載がなければ差押債権者が申し立てておらず内覧はありません。
申立権のある差押債権者が申し立てていない、対抗力ある占有者が同意しない(1項但書)、円滑な実施が困難で命令が取り消された(4項)などが理由です。
買受けを希望する者が対象ですが、不動産を買い受ける資格・能力を有しない者や規則所定の事由がある者(債務者本人など)は参加できません(3項)。
参加自体に法定の手数料はありませんが、現地への交通費等は自己負担です。内覧は自由見学ではなく執行官の管理下で行われ、指示に従う必要があります。
内覧なしでも入札は可能ですが、内部情報が物件明細書と写真頼みになりリスクが上がります。その分だけ落札価格が抑えられる傾向もあります。
条件が揃えば見られます。差押債権者が内覧を申し立て、執行裁判所が執行官に実施を命じた物件なら、参加を申し出て立ち入れます(64条の2第1項・3項)。ただし実務上、内覧が実施される物件は多くありません。業界裏話ヒント:内覧なし物件は情報が限られる分、落札価格が控えめになりがちで、プロはむしろそこを狙う。外観・登記・占有状況から中を推測して安く落とす。内覧の有無は価格の読みに直結する
あなたの賃借権が差押えより先で対抗力を備え、あなたが同意しなければ内覧は実施されません(64条の2第1項但書)。逆に権原が対抗できなければ拒めません。業界裏話ヒント:カギは『対抗要件』を証明できるか。建物賃貸借は引渡し(入居)で対抗力が生じる(借地借家法31条)ので、いつから住んでいるかを示す資料が効く。差押登記より前の入居を証明できれば、内覧も後の引渡命令も一段ハードルが上がる
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|---|---|---|
| 情報開示の性質 | 民執64条の2:買受希望者が物件内部を実地見学(内覧) | — |
| 手続の主体・申立権者 | 申立権は差押債権者、実施は執行官、買受希望者は参加申出 | — |
| タイミング | 売却実施前(申立ては書記官の売却実施処分の時まで) | — |
| 占有者との関係 | 対抗力ある占有者が不同意なら実施されない(1項但書) | — |
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