民事執行法 第64条(売却の方法及び公告)
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- 不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
- 2.不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
- 3.裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
- 4.前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
- 5.第三項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。
- 6.第一項、第三項又は第四項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
- 7.第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
この条文の基本情報
売却の方法及び公告とは何ですか?
定義売却の方法及び公告とは、民事執行法第64条に定められた規定で、「不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第64条(売却の方法及び公告)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第64条の条文原文は「不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。」で始まります。
- 民事執行法第64条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第64条の前の条は民事執行法第63条です。
- 民事執行法第64条の次の条は民事執行法第64条の2です。
- 民事執行法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法64条は、不動産競売の売却を裁判所書記官の定める方法で行うと規定する。実務では期間入札が主流で、書記官の処分には執行裁判所へ異議を申し立てられる。
Q · 競売の売却方法や日時って、誰がどうやって決めているの?
裁判官ではなく裁判所書記官が定めます
民事執行法64条により、不動産競売の売却は裁判所書記官の定める売却方法で行われます。方法は入札・競り売りのほか最高裁判所規則で定められ、実務では期間入札が主流です。書記官は売却の日時・場所を定めて執行官に実施させ、売却基準価額等を公告します(3項・5項)。この書記官の処分に不服があるときは、裁判官の判断への執行抗告ではなく、執行裁判所への「異議」を申し立てるのが正しいルートです(6項)。誰の何に対する不服かでルートが分かれる点が実務上の分岐点になります。
解説
住宅ローンを滞納すると、最後には自宅が裁判所の競売にかけられる。逆に、その競売で市場より安く不動産を手に入れる人もいる。どちらの側に立つにせよ、売却の手続そのものを組み立てているのが64条だ。ポイントは三つ。第一に、売却方法や日時場所を決めるのは裁判官ではなく裁判所書記官である(2004年改正で権限が移った)。第二に、実務で主流なのは期間入札。ドラマのような競り上げではなく、一定期間内に封をした入札書を出す方式だ。第三に、公告される「売却基準価額」は買える下限ではない。ここから2割引いた「買受可能価額」まで下げて入札できる。この一段の仕組みを知っているかどうかで、競売への入り方も、自宅を守る側の反撃の組み立ても変わる。書記官の処分に不服があれば、執行裁判所に異議を申し立てられる(6項)。
法的な位置づけ
民事執行法64条は、不動産競売の売却手続を規律する規定であり、売却方法の決定や日時・場所の指定を裁判所書記官の処分に委ねる。売却方法は入札・競り売りのほか最高裁判所規則で定められ、実務では期間入札が主流である。書記官は売却基準価額等を公告し、その処分に対しては執行裁判所への異議申立てが認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.三点セットを取得して精読する BIT 等で気になる物件を選んだら、物件明細書・現況調査報告書・評価書の三点セットを取得し、占有者の有無、賃借権、法定地上権、境界などのリスクを洗い出す
- 2.買受可能価額を起点に上限額を設計する 売却基準価額ではなく、そこから2割引いた買受可能価額(民事執行法60条3項)を起点に入札上限を組み立てる。リスク分を差し引いて利益の出る価格帯を決める
- 3.入札保証金を納付し期間入札に入札する 公告された入札期間内に入札書を作成し、入札保証金を納付して提出する。締切必着で、保証金の納付漏れは入札無効となるため納付証明を必ず添付する
- 4.開札・売却許可決定を待つ 開札で最高価買受申出人となっても即確定ではなく、売却決定期日を経て売却許可決定で確定する(民事執行法69条)。不許可事由(71条)があれば覆ることもある
- 5.代金を納付し所有権移転を受ける 売却許可決定の確定後、定められた代金納付期限までに残代金を納付する。期限を過ぎると買受けの効力を失い保証金も返還されないため厳守する
- 6.占有者がいれば引渡命令を申し立てる 代金納付後も占有者が退去しない場合、執行裁判所に引渡命令を申し立て、強制執行により明渡しを実現する(民事執行法83条)
よくある質問 AI による整理
Q1売却基準価額とは何ですか?
裁判所が定める競売不動産の基準となる価額です(民事執行法60条)。買える下限ではなく、ここから2割引いた買受可能価額から入札できます。5項で公告されます。
Q2買受可能価額とは何ですか?
売却基準価額から2割を控除した額で、これが入札できる下限額です(民事執行法60条3項)。基準価額を下限と誤解すると入札戦略を読み違えます。
Q3期間入札の締切はいつまでですか?
公告された入札期間内に、入札書と入札保証金を提出する必要があります。締切必着で、保証金の納付を忘れると入札は無効になります。
Q4競売の三点セットとは何ですか?
物件明細書・現況調査報告書・評価書の3点で、占有者や賃借権、法定地上権のリスクを読み解く基礎資料です。入札前に精読が必須です。
Q5引渡命令とは何ですか?
落札後に占有者が退去しない場合、買受人が申し立てて強制的に明渡しを実現する制度です(民事執行法83条)。占有者リスクの対処手段になります。
Q6任意売却と競売の違いは何ですか?
任意売却は債権者の同意を得て市場で売る方法で、競売より高値になりやすく引越し費用を交渉できることもあります。入札開始前の切替が有利です。
Q7書記官の処分に異議はどう申し立てますか?
売却方法や日時・場所の指定など書記官の処分には、執行裁判所へ異議を申し立てます(民事執行法64条6項)。売却許可決定への執行抗告とは別ルートです。
Q8BIT 競売物件情報サイトとは何ですか?
全国の裁判所の競売物件情報を検索できる不動産競売物件情報サイトです。売却基準価額や三点セットを確認でき、入札物件選びの起点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売って市場価格よりどれくらい安いんですか?
物件次第ですが、一般に市場価格の6〜7割程度が落札の目安と言われます。売却基準価額自体が市場価格から減価され、さらにそこから2割引いた買受可能価額から入札できます(民事執行法60条、64条)。実務のポイント:安さの正体は、内見不可、契約不適合責任なし、占有者リスクの対価です。プロは三点セットでこのリスクを値引き換算し、逆に一般人が敬遠する『占有者あり』物件を安く取りにいく
Q2自宅が競売にかけられたら、もう住み続けられないんですか?
最終的には買受人に明け渡す必要があり、退去しなければ引渡命令(民事執行法83条)で強制執行されます。ただし入札開始前なら任意売却への切替で有利に動ける余地があります。実務のポイント:任意売却は競売より高く売れることが多く、引越し費用の一部を配分してもらう交渉が実務で通ることがある。競売の完了を待つより、公告後すぐ債権者に打診する方が手元に残る
Q3入札で一番高い額をつければ、必ず買えるんですよね?
期間入札では最高価買受申出人が原則買受人になりますが、売却許可決定を経て初めて確定します(民事執行法69条)。不許可事由(民事執行法71条)があれば覆ることもあります。実務のポイント:暴力団員等は買受け不可で、買受申出時に暴力団員でない旨の陳述義務があり(民事執行法65条の2、68条の4)、虚偽陳述には刑事罰もあります。近年厳格化された点で、素性の申告を軽く見ると落札しても許可されない(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「競売の売却価格=売却基準価額」と思われているが、実際に入札できる下限はそこから2割引いた買受可能価額(民事執行法60条3項)。基準価額を上限だと思い込むと、入札戦略を丸ごと読み違える
- 競売物件が安いことは知られているが、その安さの理由の深刻さは知られていない。内見できない、原則として契約不適合責任を追及できない、占有者が居座っていれば引渡命令(民事執行法83条)で追い出す手間とリスクを負う。安さは、これらの対価だ
- 「売却方法は裁判官が決める」という前提で手続を眺めると、不服の出し方を間違える。決めているのは裁判所書記官であり(1項、3項)、その処分への不服は「異議」(6項)であって、裁判官の判断への「執行抗告」とは別ルート。誰の何に対する不服かを取り違えると、申立て自体が退けられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 民執64条:売却方法の決定・日時場所の指定・公告 | 民執60条:売却基準価額・買受可能価額の決定 民執69条:売却の許可または不許可の決定 |
| 決定・判断の主体 | 裁判所書記官(処分) | 執行裁判所(評価に基づき決定) 執行裁判所(裁判官の決定) |
| 不服申立てのルート | 執行裁判所への異議(64条6項) | 手続内での是正(評価の見直し等) 執行抗告(民執74条) |
| 当事者にとっての意味 | いつ・どの方式で売られるかが決まる | いくらから入札できるかが決まる 落札者に本当に売られるかが確定する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も不動産の拍売手続を強制執行法で規律し、投標(入札)方式を採る。底価(下限価格)の設定など、日本の売却基準価額に類する仕組みがある
韓国も期日入札・期間入札の売却方法を法定し、最低売却価額の減額(유찰時の저감)制度を持つ点で日本と近い構造
ドイツは強制競売を ZVG で独立に規律し、競売期日での口頭入札を基本とする。7/10・5/10の下限(Wertgrenzen)制度が日本の買受可能価額に対応する発想
米国は連邦統一法がなく、抵当権実行としての競売は州法で規律。司法競売と非司法競売が分かれ、公告・最低入札額の扱いも州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの入札額がトップだったのに、書記官の定めた売却方法や日時場所の指定に手続違反があったとしたら? 6項の異議で執行裁判所に持ち込める。売却許可決定への執行抗告とは別のルートを、正しく選べるかが分かれ目になる
- 自宅が競売開始決定を受けた。売却基準価額が公告され、期間入札の開始まであと2週間。この窓のうちに任意売却へ切り替える交渉ができれば、競売相場より高く売って残債を圧縮できる。時間との勝負だ
- 競売情報サイト(BIT)で気になる物件を見つけた。売却基準価額1,800万円。だが実際は2割引いた1,440万円から入札できる
- 友人から「親の家が競売になりそうだ」と相談された。あなたは、公告される売却基準価額と買受可能価額の違い、そして期間入札の締切をまず確認しろと助言できる。ここを押さえるだけで、慌てて安値で手放す事態を防げる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 競売開始決定と売却基準価額の公告が届いたら、期間入札の開始日と売却決定期日をまず確認2. 開始前なら債権者や不動産業者と任意売却を交渉、競売より高値で売り残債を圧縮する余地を探る3. 手続に違法があれば、書記官の処分(売却方法や日時場所の指定)には6項の異議、売却許可決定には執行抗告(民事執行法74条)と、不服のルートを使い分ける4. 生活再建まで見据えるなら早期に弁護士か司法書士へ相談
訴えられた側:1. BIT 等で物件を選んだら、売却基準価額ではなく買受可能価額(2割引き)を上限設計の起点にする2. 三点セット(物件明細書、現況調査報告書、評価書)を精読し、占有者、賃借権、法定地上権のリスクを洗う3. 期間入札は締切必着、入札保証金の納付を忘れると入札は無効4. 落札後は代金納付期限を厳守、占有者が退去しなければ引渡命令(民事執行法83条)を申し立てる
時効(請求できる期限):6項の異議(裁判所書記官の処分に対する執行裁判所への異議)に一律の不変期間はないが、売却手続が進むと申立ての利益を失うため、処分を知ったら速やかに。売却の許可または不許可の決定に対する執行抗告は、決定の告知を受けた日から1週間の不変期間(民事執行法10条2項)。この1週間を過ぎると確定する
学説
通説:2004年改正により売却手続の主宰が執行裁判所から裁判所書記官へ移り、手続の迅速化が図られたと理解されている。書記官の処分に対する異議(64条6項)と、売却許可・不許可決定に対する執行抗告(74条)とでは不服申立てのルートが異なる点が、実務上重要と説かれる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正 売却方法の決定や日時場所の指定などの権限を執行裁判所から裁判所書記官へ移譲し、従来の『最低売却価額』を『売却基準価額』へ改め、買受可能価額(基準価額の2割引き)から入札できる仕組みへと再構成した。書記官処分への異議申立て(現6項)も整備。改正であって新設ではない(民事執行法は昭和54年制定)。全体の改正回数は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定に伴い、不動産の売却方法に関する規定として設けられた。強制執行手続を旧民事訴訟法から独立させ体系化した。
- 2.平成16年(2004年) 改正:売却方法の決定や日時・場所の指定などの権限を執行裁判所から裁判所書記官へ移譲し、従来の「最低売却価額」を「売却基準価額」へ改め、買受可能価額(基準価額の2割引き)から入札できる仕組みへ再構成した。書記官処分への異議申立て(現6項)も整備。改正であって新設ではない。
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