民事執行法 第68条の4(調査の嘱託)
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- 執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
- 2.執行裁判所は、自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者があると認める場合には、当該買受けの申出をさせた者(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、買受けの申出をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
調査の嘱託とは何ですか?
定義調査の嘱託とは、民事執行法第68条の4に定められた規定で、「執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第68条の4(調査の嘱託)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第68条の4の条文原文は「執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。」で始まります。
- 民事執行法第68条の4は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第68条の4の前の条は民事執行法第68条の3です。
- 民事執行法第68条の4の次の条は民事執行法第69条です。
- 民事執行法第68条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第68条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第68条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/68_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法68条の4は、競売で最高価買受申出人になった者が暴力団員等に該当するか、執行裁判所が都道府県警察へ調査を嘱託すると定める。名義で入札させた黒幕も対象となる。
Q · 競売で家を落札すると、警察に暴力団かどうか調べられるって本当?
はい、落札者は全員、自動で警察の暴力団照会にかけられます
本当です。民事執行法68条の4により、最高価買受申出人になると執行裁判所は必ず都道府県警察へ照会し、暴力団員等に該当するかを調査します。法人なら役員も、名義を貸して入札させた「自己の計算で申出をさせた者」も対象です。一般の買受人は該当しないのでそのまま許可されますが、照会が挟まる分、売却許可決定は通常より二〜三週間遅れることがあり、住宅ローンの実行スケジュールと衝突します。2020年4月から施行されたルールです。
解説
競売物件は市場価格より安く手に入るため、投資目的で狙う個人が増えている。だがその落札、2020年4月から一つの関門が加わった。あなたが最高価買受申出人、つまり一番札を入れた人になった瞬間、執行裁判所はあなたの名前を都道府県警察に回し、暴力団員に該当しないかを照会する。これが民事執行法68条の4だ。落札したのが法人ならその役員も対象になる。さらに巧妙なのは第2項で、自分の名前を出さず他人に入札させた黒幕、条文でいう「自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者」まで調査対象に取り込んでいる。名義貸しで反社を通そうとする抜け道を塞いだわけだ。一般の買受人にとっては、該当しなければ数週間で終わる手続にすぎない。だが知らないと、この照会のせいで売却許可決定が後ろ倒しになり、住宅ローンの実行スケジュールがずれる。落札してから慌てないために、この関門の存在を先に握っておくべきだ。
法的な位置づけ
民事執行法68条の4は、不動産競売における暴力団員排除のための調査嘱託を定める規定である。執行裁判所は、最高価買受申出人およびその者に自己の計算で買受けの申出をさせた者について、暴力団員等に該当するか否かを管轄都道府県警察に照会する義務を負う。ただし最高裁判所規則で定める一定の場合には嘱託を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.入札前に警察照会の日程を織り込む 入札を決める段階で、売却許可決定までに68条の4の警察照会が必ず走る前提でスケジュールを組む。つなぎ融資の返済日や引越しの日程を照会完了後に設定しておく
- 2.陳述書を正確に記載する 買受申出時の陳述書(65条の2)には、自分が暴力団員等に該当しない旨を正確に記載する。虚偽記載には刑事罰があるため、脱退五年ラインなど事実を淡々と書く
- 3.書記官へ照会の要否と所要日数を確認 落札後、裁判所書記官へ警察照会の進捗と所要日数を確認する。最高裁判所規則で嘱託が省略される類型に当たるかも判明し、無駄な待機時間を削れる
- 4.決定遅延に備えて金融機関と調整 決定が遅れたら、ローン実行日を後ろへずらせるか金融機関と調整する。名義貸しや他人の資金での入札は避け、黒幕まで照会対象になるリスクを負わない
- 5.不許可なら一週間以内に執行抗告 売却不許可決定が出て事実誤認があるなら、告知から一週間以内に執行抗告(74条、10条)を申し立てる。脱退から五年経過など疎明資料を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1民事執行法68条の4とは何ですか?
競売の落札者が暴力団員等に該当するか、執行裁判所が都道府県警察へ調査を嘱託する義務を定めた規定です。2020年4月施行で、法人なら役員も、名義で入札させた黒幕も対象です。
Q2競売の暴力団員調査はいつ行われますか?
最高価買受申出人が決まった後、売却許可決定が出る前に警察照会が行われます。この照会が挟まる分、決定は通常より遅れることがあります。
Q3暴力団員等とはどこまで含みますか?
暴力団員本人に加え、暴力団を脱退してから五年を経過していない者も含みます。定義は暴力団対策法2条から借りています。交友関係の有無は基準ではありません。
Q4競売の警察照会にかかる期間はどのくらいですか?
事案により異なりますが、数週間かかることがあり、その分売却許可決定が後ろ倒しになります。落札前に裁判所書記官へ所要日数を確認しておくと資金繰りの事故を防げます。
Q5調査の嘱託が省略されるのはどんな場合ですか?
最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情がある類型として、最高裁判所規則(民事執行規則)で定める場合には嘱託を要しません。
Q6競売で暴力団員が落札したらどうなりますか?
調査で暴力団員等に該当すると判断されれば、売却不許可事由となり、その落札は許可されません。名義貸しで黒幕が反社なら、落札ごと不許可になります。
Q7自己の計算で申出をさせた者とは誰のことですか?
表向きの入札者の裏で実際に資金を出し、買受けの申出をさせた実質的な黒幕を指します(68条の4第2項)。名義貸しによる反社の潜り込みを塞ぐための対象です。
Q8競売の売却不許可決定に不服があるときはどうしますか?
決定の告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行抗告(民事執行法74条、10条)で争えます。この一週間を過ぎると決定が確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売で家を買うと、警察に身辺調査されるって本当ですか?
本当です。あなたが一番札を入れて最高価買受申出人になると、執行裁判所は必ず都道府県警察に照会し、暴力団員に該当しないか調べます(68条の4第1項)。一般の人は該当しないのでそのまま許可されますが、照会には時間がかかります。実務のポイント:この照会のせいで売却許可決定が通常より二〜三週間遅れることがあり、ローン実行日と競合します。落札前に裁判所書記官へ所要日数を聞いておくと、資金繰りの事故を防げる
Q2昔ちょっと危ない人と付き合いがあったんですが、競売で買えなくなりますか?
対象になるのは暴力団員本人か、脱退から五年を経過していない者だけです(65条の2、暴力団対策法2条)。単なる交友関係は該当しません。むしろ危ないのは、不安のあまり陳述書に事実と違うことを書くこと。虚偽陳述には刑事罰があります(213条)。実務のポイント:「元」が付いても脱退五年未満なら対象。逆に五年を過ぎていれば堂々と入札できる。この五年ラインを知らずに諦める人がいる
Q3友達に頼まれて名義だけ貸して入札したら、まずいですか?
まずいです。あなたが表の落札者でも、実際に資金を出して入札させた友達が「自己の計算で申出をさせた者」として警察照会の対象になります(68条の4第2項)。友達が反社なら落札ごと不許可になり、保証金でも揉めます。実務のポイント:この2項は名義貸しによる反社の潜り込みを塞ぐために作られた条項。名義を貸す側は、他人の身辺調査の引き金を自分で引くことになる。安易な名義貸しは避ける
間違えやすい点 AI による整理
- 競売に反社チェックがあること自体は知っていても、その調査対象が落札者本人だけだと思い込んでいる人が多い。実際は法人なら役員、さらに裏で糸を引く「自己の計算で入札させた者」まで射程に入る。名義を貸しただけ、代表者が一人問題を抱えている、それだけで手続全体が止まる。深刻さの見積もりが甘い
- 「昔の知り合いに反社がいたら競売で買えないのでは」と心配する人がいるが、問いの立て方がずれている。対象は暴力団員本人か、脱退から五年を経過していない者だけ(65条の2)。交友関係ではなく、あなた自身の身分が基準だ。本当に警戒すべきは過去の付き合いではなく、陳述書に虚偽を書くこと、そちらには刑事罰がある
- 調査があるから落札後すぐ引き渡されると思われがちだが、逆である。警察照会が挟まる分、売却許可決定は通常より遅れる。安く買えても、その遅延を吸収できるだけの資金計画の余白が要る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 68条の4:執行裁判所が警察へ暴力団員該当性を調査嘱託 | 65条の2:買受申出人が暴力団員でない旨を陳述する義務 71条:暴力団員等該当を売却不許可事由とする |
| 誰が動くか | 執行裁判所(職権で警察照会) | 買受申出人本人(陳述書を提出) 執行裁判所(不許可決定を下す) |
| 違反・該当時の効果 | 照会結果が後続の許可・不許可判断の基礎になる | 虚偽陳述は罰則(213条)の対象 該当すれば売却は許可されない |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職金でワンルームの競売物件を落札した。喜んだのも束の間、売却許可決定が二週間出ない。裁判所に問い合わせると「警察への照会中です」との返答。暴力団員該当性の調査(68条の4第1項)は落札者全員に必ず走る。該当しなければ通るが、その間ローンの本審査は宙に浮いたまま止まっている
- もし、友人に「名前だけ貸してくれ、金は俺が出すから」と頼まれて入札したら? あなたが表向きの最高価買受申出人でも、裏で資金を出した友人が「自己の計算で申出をさせた者」として警察照会の対象になる(2項)。友人が反社なら、あなたの落札ごと不許可になり、保証金の扱いでも揉める
- 会社名義で工場を落札した。役員の一人に、暴力団を抜けてまだ五年経っていない元組員がいた。それだけで会社の落札は不許可になりうる
- 落札から売却許可決定まで、あなたに残された段取りの時間は正味わずか。警察照会が入ると決定日が後ろへずれ、つなぎ融資の返済期限と正面衝突する。照会に何日かかるのか、先に裁判所書記官へ確認しておかないと資金がショートする
取るべき行動
被害を受けた側:1. 入札前に、対象物件の売却許可決定までに警察照会(68条の4)が入る前提で日程を組む2. 陳述書(65条の2)には正確に記載する。あなた自身が暴力団員でも脱退五年未満でもなければ淡々と通る3. 落札後に決定が遅れたら、裁判所書記官へ照会の進捗を確認し、ローン実行日を後ろへずらせるか金融機関と調整4. 名義貸しや他人の資金での入札は避ける。黒幕まで照会対象になり、全体が不許可になるリスクを負う
訴えられた側:1. 該当性は警察照会と裁判所の認定で決まる。事実誤認なら脱退時期の証明など疎明資料を準備2. 売却不許可決定が出たら、告知から一週間以内に執行抗告(民事執行法74条、10条)で争う。この期間を逃すと確定する3. 脱退から五年を経過していれば「暴力団員等」に当たらないと主張4. 陳述書に虚偽を書いていた場合は別途刑事責任(213条)の問題になるため、弁護士へ早期相談
時効(請求できる期限):警察照会は最高価買受申出人の決定後、売却許可決定前に行われる。売却許可・不許可決定に不服がある場合の執行抗告は、決定の告知を受けた日から一週間の不変期間(民事執行法74条1項、10条2項)。この一週間を過ぎると決定が確定し、争えなくなる
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)法律第2号 競売からの暴力団員排除を目的として新設。最高価買受申出人および自己の計算で申出をさせた者について、執行裁判所が都道府県警察へ暴力団員該当性の調査を嘱託する義務を定めた。施行は令和2年(2020年)4月1日
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:令和元年法律第2号により、競売からの暴力団員排除を目的として新設。最高価買受申出人および自己の計算で申出をさせた者について、執行裁判所が都道府県警察へ暴力団員該当性の調査を嘱託する義務を定めた。施行は令和2年(2020年)4月1日
- 民事執行法 第65条の2買受申出人の暴力団員でない旨の陳述義務
- 民事執行法 第71条暴力団員等該当を売却不許可事由とする(令和元年改正で追加、現行効力を要確認)
- 民事執行法 第74条売却許可・不許可決定に対する執行抗告
- 民事執行法 第213条陳述義務違反・虚偽陳述に対する罰則(現行効力を要確認)
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 第2条暴力団員の定義を提供する母法規定
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