民事執行法 第91条(配当等の額の供託)
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- 配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
- 一停止条件付又は不確定期限付であるとき。
- 二仮差押債権者の債権であるとき。
- 三第三十九条第一項第七号又は第百八十三条第一項第二号ホに掲げる文書が提出されているとき。
- 四その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。
- 五その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。
- 六仮差押え又は執行停止に係る差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないとき。
- 七配当異議の訴えが提起されたとき。
- 2.裁判所書記官は、配当等の受領のために執行裁判所に出頭しなかつた債権者(知れていない抵当証券の所持人を含む。)に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。
この条文の基本情報
配当等の額の供託とは何ですか?
定義配当等の額の供託とは、民事執行法第91条に定められた規定で、「配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第91条(配当等の額の供託)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第91条の条文原文は「配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。」で始まります。
- 民事執行法第91条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第91条の前の条は民事執行法第90条です。
- 民事執行法第91条の次の条は民事執行法第92条です。
- 民事執行法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法91条は、停止条件付債権・仮差押え・配当異議の訴え等の事由があるとき、裁判所書記官が配当額相当の金銭を供託すると定める。争いある取り分は権利確定まで凍結される。
Q · 競売の配当金が「供託されました」と通知されたら、私のお金は没収されたのですか?
没収ではなく、権利確定まで法務局で一時凍結される手続です
民事執行法91条により、配当を受けるべき債権に停止条件付・仮差押え・配当異議の訴えなどの事由があると、裁判所書記官がその配当額相当の金銭を供託します。これは没収ではなく保全であり、事由が消えれば還付を受けられます(同法92条)。ただし供託金にはほとんど利息が付かないため、条件成就の立証や勝訴確定を急ぐほど有利です。出頭しなかった債権者の配当分も供託され、自分で法務局へ還付請求する必要があります。
解説
競売で回収できるはずのあなたの債権に、ようやく配当表が作られた。あとは入金を待つだけ、そう思っていたのに金が入ってこない。民事執行法91条を知らないと、この場面で何が起きているのか分からないまま時間だけが過ぎる。この条文は、配当を受けるべき債権者の取り分に一定の事情があるとき、裁判所書記官がその金額を供託する(法務局に預けて凍結する)義務を定めている。事情とは、あなたの債権が停止条件付きだったり、他の債権者があなたの配当に配当異議の訴えを起こしたり、仮差押えだったり。逆に言えば、あなたが他人の不当な配当に異議の訴えを起こせば、相手の取り分はその瞬間から凍結され、判決が確定するまで一円も動かせなくなる。さらに配当期日に出頭しなかった債権者の分も供託される。回収の最終局面で金の流れを止めるスイッチが、この一条に隠れている。
法的な位置づけ
民事執行法91条は配当等の額の供託を定める規定であり、配当を受けるべき債権者の債権に停止条件付・仮差押え・配当異議の訴え等の事由があるとき、裁判所書記官がその配当額相当額を供託する義務を規律する。争いある権利を確定まで保全し、後に同法92条で清算・還付する仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.配当期日の通知が来たら必ず出頭または受領を委任 配当期日の通知を受けたら出頭、または受領を委任する。出頭しないと91条2項で配当金が供託され、後日自分で法務局に還付請求する手間が増える
- 2.供託通知が来たら供託事由を特定する 自分の配当が供託されたら、その事由(停止条件付・仮差押え・配当異議の訴え・不出頭など、91条の各号)を確認し、事由が消える条件(条件成就・勝訴確定など)を把握する
- 3.他の債権者の配当額に疑問があれば期日で異議を申し出て1週間以内に訴えを提起 他の債権者の債権額に水増しの疑いがあれば、配当期日で配当異議を申し出て、そこから1週間の不変期間内に配当異議の訴えを提起し、提起を証する書面を執行裁判所に提出する。これで相手の取り分が91条1項7号で供託・凍結される
- 4.供託事由が消えたら還付・追加配当を請求 停止条件なら条件成就の証明、勝訴なら確定判決正本を執行裁判所に提出し、92条の追加配当・還付を受ける。書面提出のタイミングが現金化までの期間を左右する
よくある質問 AI による整理
Q1配当等の額の供託とは何ですか?
配当を受けるべき債権に争いや条件があるとき、その配当額を法務局に預けて凍結する手続です。民事執行法91条が根拠で、権利確定まで下流に金が流れません。
Q2供託された配当金はいつもらえますか?
供託の事由が消えた時点で受け取れます。停止条件なら条件成就時、配当異議の訴えなら判決確定時です。自動入金ではなく、還付請求などの手続が必要です。
Q3供託された配当金の還付請求はどうすればいいですか?
供託事由の消滅を示す書面(条件成就の証明や確定判決正本など)を執行裁判所に提出し、法務局で還付請求します。放置すると還付請求権の時効の問題が生じます。
Q4仮差押債権者の配当金はなぜ供託されるのですか?
仮差押えは順位を確保するだけで権利は未確定のため、本案訴訟で勝つまで配当金は供託され続けます(民事執行法91条1項2号)。
Q5停止条件付債権の配当はどうなりますか?
条件が成就するか不確定なため、配当額はいったん供託されます(91条1項1号)。連帯保証人の求償権などが典型で、条件成就を証明して初めて還付されます。
Q6配当異議の訴えは配当期日から何日以内に出しますか?
配当期日から1週間の不変期間内に訴えを提起し、提起を証する書面を執行裁判所へ提出する必要があります(民事執行法90条6項)。1日でも過ぎると供託の裏付けが失われます。
Q7配当期日に出頭しないとどうなりますか?
その債権者への配当額は供託されます(91条2項)。消えるわけではありませんが、後日自分で法務局に還付請求する手間が増えます。
Q8供託された配当金に利息はつきますか?
ほとんど付きません。そのため訴訟や条件成就待ちが長引くほど機会損失が大きくなり、早期の和解や立証を急ぐ方が有利なことが多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1配当金が供託されたって通知が来たんですが、これって私のお金が没収されたってことですか?
没収ではありません。91条の供託は、あなたの取り分を法務局で一時的に取り置く手続で、供託の事由(条件成就待ち、異議訴訟中など)が消えれば還付を受けられます(民事執行法92条)。実務のポイント:供託金にはほとんど利息が付きません。だから訴訟が長引くほど、あなたは機会損失を被る。早期の和解や条件成就の立証を急ぐ方が、額面どおりに待つより得なことが多い
Q2相手の債権額が明らかに多すぎるんですが、配当を止める方法はありますか?
あります。配当期日に配当異議を申し出て、1週間以内に配当異議の訴えを提起すれば、相手の取り分は91条1項7号で供託され、判決確定まで凍結されます(民事執行法89条・90条)。実務のポイント:異議の「申出」だけで満足して訴えの提起を忘れる人が非常に多い。1週間の不変期間を1日でも過ぎれば、止めたはずの金が相手に流れる。期日当日に弁護士へ訴状準備を依頼するくらいのスピード感が要る
間違えやすい点 AI による整理
- 配当表が確定すれば自分の取り分は必ず入金されると思われているが、供託事由があれば入金は止まる。とくに他の債権者から配当異議の訴えを起こされると、あなたの取り分は訴訟が終わるまで法務局で凍結される
- 配当異議の訴えを起こせば相手の金が止まることは知られてきたが、その手続の厳しさが見落とされている。異議の申出だけでは足りず、配当期日から1週間以内に訴えを提起し、しかも提起を証する書面を執行裁判所に出さなければ、供託の裏付けが失われ配当が実行されてしまう(民事執行法90条6項)。手続の一つを落とすだけで、止めたはずの金が相手に流れる
- 「供託された=自分は損した」と受け取る人が多いが、法律から見れば供託は敗北ではなく順位の保全である。あなたの取り分は消えたのではなく、権利が確定するまで安全に取り置かれている(民事執行法92条)。この落差を知らないと、供託通知を見ただけで諦め、還付請求をせずに権利を眠らせてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 91条:配当額を供託し凍結(水門) | 89条:配当期日での配当異議の申出(起点) 92条:権利確定後の供託金の清算・還付 |
| 作動の起点 | 停止条件・仮差押え・異議の訴え等の供託事由が発生した時 | 配当期日に出頭して異議を述べた時 供託事由が消滅(条件成就・確定判決等)した時 |
| 効果 | 配当額相当の金銭が法務局で凍結される | そのままでは効力なし、1週間以内の訴え提起が必要(90条) 供託金が本来の権利者へ還付・追加配当される |
他国ではどう定めているか 4 か国
分配金額を受領できない事情(不到場・訴訟繫属中など)があるとき執行裁判所が提存する点で、日本91条とほぼ同型の保全供託
배당액の공탁を定め、停止条件・争いある債権・不出頭などを供託事由とする点で日本91条と構造が近い
強制競売の配当(Teilungsplan)において係争額を Hinterlegung(供託)で保全するドイツの手法が、日本民事執行法の系譜的な源流にあたる
米国は執行配当に対応する統一制度が薄く、争いある金銭は裁判所への deposit(Rule 67)やインタープリーダーで代替する。列挙型の供託事由を持つ大陸法系とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 他の債権者の債権額が水増しされていると気づいたあなた。配当期日で配当異議を申し出て、そこから1週間以内に配当異議の訴えを提起すれば(民事執行法90条6項)、相手の取り分は91条1項7号で供託され凍結される。訴訟で勝てば、その凍結分があなたに回ってくる。異議を出さなければ、水増し分はそのまま相手のポケットに消える
- もし配当期日に、あなたが出頭も受領委任もしなかったら? あなたの正当な配当金は91条2項で供託される。消えるわけではないが、自分で法務局に出向いて還付請求しなければ受け取れない。放置すれば還付請求権の時効の問題も出てくる
- 仮差押債権者として配当に加わったあなた。本案訴訟で勝つまで、配当金は供託され続ける(91条1項2号)。仮差押えは順位を確保するだけで、現金化は勝訴判決を待つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 配当期日の通知が来たら必ず出頭、または受領を委任する。出頭しないと91条2項で供託され、後日自分で法務局に還付請求する手間が増える2. 自分の取り分が供託されたら、供託の事由(停止条件、仮差押え、異議の訴えなど)を確認し、事由が消える条件を把握する3. 停止条件付きなら条件成就の証明、勝訴なら確定判決正本を執行裁判所に提出し、92条の追加配当・還付を受ける4. 他の債権者の配当額に疑問があれば、期日で配当異議を申し出て1週間以内に訴えを提起する
訴えられた側:1. あなたの配当に配当異議の訴えが起こされ供託されたら、まず訴状の内容を精査し、異議の根拠が薄ければ徹底的に争う2. 相手が配当期日から1週間以内に訴え提起の証明書を出していなければ、異議は裏付けを失い配当が実行される(民事執行法90条6項)、この期限徒過を見逃さない3. 訴訟で勝てば供託金はあなたに配当される、早期の和解を選ぶなら供託金の分配条件を詰める4. 長期戦になる場合、供託金にはほとんど利息が付かない点も踏まえ、和解のコストと比較する
時効(請求できる期限):最重要の期限は配当異議の訴え:配当期日から1週間の不変期間内に提起し、提起を証する書面を執行裁判所に提出しなければ、91条の供託事由は裏付けを失い配当が実行される(民事執行法90条6項)。供託された配当金の還付請求権にも消滅時効があり、事由消滅後に長期放置すると権利が消える(時効期間は供託の性質により実務上見解が分かれるため、最新の状況をご確認ください)
学説
通説:91条の供託は債務消滅を目的とする弁済供託ではなく、争いある権利を確定まで保全する保全供託(担保的供託)と解される。供託により配当は下流に流れず、事由消滅時に92条で清算・還付される構造をとる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法制定。旧競売法および旧民事訴訟法中の執行規定を統合し、配当手続における供託事由を各号に明文で列挙。争いある配当額のみを凍結して迅速性と権利保全を両立させる仕組みを整えた
- 民事執行法 第84条配当等の実施、供託の前提となる本則
- 民事執行法 第89条配当異議の申出、7号供託の起点
- 民事執行法 第90条配当異議の訴えと1週間の提訴期間
- 民事執行法 第92条権利確定等に伴う供託金の清算・還付
- 民事執行法 第39条執行停止文書、1項3号の供託事由
- 民事保全法 第53条仮処分による仮登記、1項5号が引用する保全手続
- 供託法 第1条供託の受入れ・還付に関する一般手続
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