要点労働者派遣法 59 条は、無許可での労働者派遣事業や名義貸し、不正な許可取得、事業停止命令違反を、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処すと定める罰則規定である。
Q · 契約書を「業務委託」にしておけば、許可がなくても客先に人を常駐させて大丈夫なの?
実態が派遣なら無許可派遣罪になりえます
労働者派遣法 59 条は、第 5 条 1 項の許可を受けずに労働者派遣事業を行った者、派遣禁止業務への派遣や名義貸し(4 条・15 条)をした者などを、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処します。決め手は契約書の表題ではなく、現場で誰が指揮命令しているかという実態です。請負・業務委託の名目でも、発注者が常駐者へ直接指示していれば無許可派遣と認定されえます。さらに 62 条の両罰規定で、行為者個人だけでなく法人にも罰金が科されます。
IT のエンジニアを「業務委託」の名目で客先に常駐させ、その客先の社員が日々の指揮命令を出している。この典型的な SES の現場が、実は刑事罰の一歩手前に立っていることを知る人は少ない。労働者派遣法 59 条は、第 5 条 1 項の許可を受けずに労働者派遣事業を行った者を、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処すると定める。決め手は「契約書に何と書いてあるか」ではなく「実態として指揮命令がどこから出ているか」だ。請負や準委任の看板を掲げても、発注者が常駐者を直接指揮していれば、それは労働者派遣であり、許可がなければこの条文が牙を剝く。さらに本条は、許可業者が他人に名義を貸す行為(15 条)、嘘をついて許可を取る行為、事業停止命令を無視する行為まで射程に収める。2025 年 6 月施行の改正で「懲役」は「拘禁刑」に変わった。手元の古い解説書は、もう正確ではない。
労働者派遣法 59 条は、労働者派遣事業に対する許可制の実効性を担保する罰則規定である。無許可での派遣事業、派遣禁止業務への派遣および名義貸し(4 条・15 条)、不正手段による許可の取得・更新、事業停止命令違反の四類型に該当する者を、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処する旨を定める。
労働者派遣法 59 条により、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金です。62 条の両罰規定で、行為者だけでなく法人にも罰金が科されます。
契約上は請負・業務委託でも、発注者が労働者へ直接指揮命令している実態が労働者派遣にあたるもの。許可がなければ 59 条の無許可派遣として処罰されえます。
労働者派遣法 5 条 1 項に基づき、厚生労働大臣の許可が必要です。財産的基礎や派遣元責任者の要件を満たし、労働局へ申請します。無許可営業は 59 条の対象です。
建設業務・港湾運送業務・警備業務・医業(病院等での医療関係業務)などで、4 条が派遣を禁止しています。許可の有無に関わらず派遣すれば違法です。
2025 年 6 月 1 日施行の改正で、刑法の懲役・禁錮統合に伴い 59 条の「懲役」が「拘禁刑」に変わりました。古い解説書の「懲役」表記は現在は不正確です。
許可業者が自己の名義で他人に派遣事業を行わせる名義貸しは 15 条で禁止され、59 条の対象です。貸した側も借りた側も処罰されえます。
法定刑が 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金で長期 5 年未満のため、公訴時効は 3 年(刑訴 250 条 2 項 6 号)。継続中は時効が完成しないと解されえます。
労働者派遣法 62 条により、違反行為者を罰するほか、その者が属する法人・事業主にも罰金刑が科される制度です。会社自体が処罰対象になります。
一律に違法ではない。真正な請負・準委任で、受託会社が自社の労働者を自ら指揮命令していれば派遣に当たらない。違法になるのは、発注者が常駐者へ直接指示を出すなど実態が労働者派遣で、しかも 5 条 1 項の許可がない場合で、59 条の無許可派遣として刑事罰の対象になる。業界裏話ヒント:労働局は契約書の表題を見ない。現場の朝礼、勤怠の管理、業務指示の出所を見る。客の社員が常駐者へ直接「今日はこれをやって」と言っている記録があれば、それだけで偽装請負と認定されうる
「事業」として反復継続の意思があれば、一回の派遣でも 5 条の許可が必要で、無許可なら 59 条に触れうる。逆に純粋に一回限りで反復の意思が全くない出向などは事業性が否定されることもある。境界は実態判断で、実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:「人手の足りない取引先に社員を回しただけ」でも、継続的に請求書を出していると「事業」と見られやすい。出向の形を取るなら、出向契約・出向元の労務管理・賃金負担の整理を先に固めておくのが分かれ目になる
派遣元が罰せられるだけでなく、違法派遣を受け入れた派遣先には 40 条の 6 の労働契約申込みみなし制度が働く。無許可派遣と知りながら受け入れた場合、派遣先がその労働者へ直接雇用を申し込んだものとみなされ、労働者が承諾すれば直接雇用が成立する。業界裏話ヒント:これは労働者にとって最強のカードになる。是正を求めるより、違法を知ってから 1 年以内にみなし申込みを承諾する意思表示をすれば、派遣先の直接雇用という地位を取りに行ける。多くの労働者がこの制度を知らずに泣き寝入りしている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 59 条:無許可派遣・名義貸し・不正な許可取得・事業停止命令違反 | — |
| 法定刑 | 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金 | — |
| 典型場面 | 許可なく SES・人材を客先へ派遣/許可業者が名義を貸す | — |
| 派遣労働者の対抗手段 | 40 条の 6 の労働契約申込みみなしを活用 | — |
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