要点労働者派遣法 5 条は、派遣事業を許可制と定める。厚生労働大臣の許可なしに事業を行えば無許可営業となり、罰則の対象となるのは許可を受けなかった事業者個人である。
Q · 派遣会社って、届け出るだけでは始められないんですか?
始められません。厚労大臣の許可が必須です
労働者派遣法 5 条により、労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要です。届出制ではなく許可制で、申請書に役員・事業所・派遣元責任者を記載し、事業計画書その他省令で定める書類を添付します。厚労大臣は許可前に労働政策審議会の意見を聴きます。許可なしに一人でも派遣すれば無許可営業となり、罰則の対象となるのは法人ではなく事業を行った代表者個人です。実態が派遣なのに「業務委託」と装う偽装請負も無許可派遣に当たります。
あなたが優秀な人材を抱えていて、知り合いの会社に「うちの社員、そちらで働かせます」と送り出し、月額で料金を受け取る。一見ふつうのビジネスに見えるこの行為が、厚生労働大臣の許可なしに行われた瞬間、犯罪になる。労働者派遣法 5 条は、派遣事業を「許可制」と定めた条文だ。届け出るだけでは足りない。申請書に役員の氏名、事業所、派遣元責任者を書き、事業計画書と省令で定める書類を添え、厚労大臣が労働政策審議会の意見まで聴いたうえで、ようやく許可が下りる。なぜここまで厳格か。派遣は本来、職業安定法 44 条が禁じる「労働者供給事業」に当たる行為だからだ。法律が特別に開けた例外の扉、その鍵が 5 条の許可なのである。あなたが知っておくべきは、この許可なしに一人でも派遣すれば、罰せられるのは会社ではなく、許可を取らなかった社長個人だという点だ。
労働者派遣法 5 条は、労働者派遣事業の許可制を定める規定である。事業を行おうとする者は、所定事項を記載した申請書と事業計画書を厚生労働大臣に提出し、労働政策審議会の意見聴取を経た許可を受けなければならない。職業安定法 44 条が禁じる労働者供給事業の例外として、事前審査により事業者の適格性を担保する仕組みである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
役員・事業所・派遣元責任者を記載した申請書に事業計画書等を添付し、厚生労働大臣に提出します(5 条)。厚労大臣が労働政策審議会の意見を聴いた上で許可します。
派遣会社は「派◯◯ー◯◯◯◯◯◯」という許可番号を持ちます。契約前に開示を求め、出せない相手とは契約しないことで無許可業者への加担を避けられます。
無許可派遣は罰則の対象です(59 条、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金)。罰せられるのは法人ではなく、事業を行った代表者個人です。
あります。新規許可は 3 年、更新後は 5 年です(10 条)。期間満了前に更新を怠り派遣を続ければ、その時点から無許可営業になります。
派遣労働者の苦情処理や就業管理を担う責任者で、許可申請書に氏名・住所を記載します(5 条 2 項・36 条)。選任が許可の前提となります。
あります。欠格事由(6 条)に該当する者や、許可基準(7 条、資産要件等)を満たさない者には許可が下りません。過去の偽装請負が露見すると不許可となる場合があります。
審査と労働政策審議会の意見聴取を経るため、申請から処理まで数か月かかります。開業日や更新時期から逆算して早めに申請する必要があります。
形式が業務委託でも、客先がエンジニアに指揮命令していれば実態は派遣であり、許可が必要です。無許可なら偽装請負=無許可派遣に当たります。
契約書の名前ではなく実態で判断されます。あなたの会社が現場で働く人に指揮命令していれば請負(許可不要)、客先が指揮命令していれば派遣(許可必要、5 条)です。実態が派遣なのに許可がなければ偽装請負=無許可派遣になります。業界裏話ヒント:労働局の調査では、誰が出退勤を管理し、誰が業務の指示を出していたかを業務メールや日報で確認します。契約書に「請負」と書いてあっても、客先の朝礼に出て客先の上司の指示で動いていれば、その瞬間に派遣と認定される。契約書を整えるより、指揮命令の実態を整えることが本質
今は違います。2015 年(平成 27 年)の改正で、かつて届出制だった特定労働者派遣事業が廃止され、すべての派遣事業が許可制に一本化されました(5 条)。古い情報のまま届出で始めると無許可営業です。業界裏話ヒント:改正時に経過措置がありましたが、すでに終了しています。ネット上には改正前の解説記事が大量に残っていて、それを信じて始める人が後を絶たない。許可制移行で資産要件(基準資産額・現金預金額)など審査基準も厳しくなったため、まず最新の許可基準(7 条と関連省令)を確認することが先決
通常はいきなり刑事事件ではなく、まず労働局の是正指導が入ります。指導に従わず悪質な場合に告発・処罰(59 条)へ進みます。罰せられるのは事業を行った者、つまり代表者個人です。業界裏話ヒント:行政指導の段階で誠実に是正すれば刑事処分を回避できる余地が大きい。逆に、指摘を受けても「業務委託だ」と強弁し続けると一気に立場が悪くなる。最初の労働局からの接触を軽く見ず、その時点で専門家を入れるかどうかが、行政指導で済むか前科がつくかの分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 5 条:許可の義務と申請手続(入口の関門) | — |
| 判断の性質 | 申請者が満たすべき手続要件 | — |
| 違反・欠落の効果 | 無許可営業=59 条の罰則対象 | — |
| 時間軸 | 事業開始前の許可取得 | — |
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