要点労働者派遣法36条は、派遣元事業主に苦情処理・個人情報管理・教育訓練・安全衛生の連絡調整を担う派遣元責任者の選任を義務付ける。選任を怠れば許可取消しの対象となる。
Q · 派遣先でセクハラや契約違反に遭ったら、誰に苦情を言えばいいの?
雇い主である派遣元が選任する「派遣元責任者」に申し出ます
労働者派遣法36条により、派遣元事業主は苦情処理・個人情報管理・教育訓練・安全衛生の連絡調整を担う派遣元責任者を必ず選任します。派遣先の上司ではなく、この派遣元責任者に書面で正式に苦情を申し出た時点で、会社は同条三号の法定処理義務を負います。責任者は欠格事由(6条)に該当せず、成年で、派遣元責任者講習を受けた省令基準適合者に限られます。選任していなければ、それ自体が事業改善命令や許可取消しの対象です。
派遣社員として働いていて、現場でセクハラに遭った、契約と違う仕事をさせられた、有給を取らせてもらえない。そんなとき、誰に言えばいいのか。答えは、あなたの雇い主である派遣元(人材派遣会社)が法律で必ず選任しなければならない「派遣元責任者」だ。第36条は、派遣会社に対し、苦情処理、個人情報の管理、教育訓練、安全衛生の連絡調整までを一手に担う責任者を必ず置くことを義務付けている。しかもその人物は欠格事由(第6条)に当たらず、成年で、厚生労働省令の基準を満たす者でなければならない。多くの派遣社員は、自分の会社にこの肩書きの人間がいることすら知らない。だが苦情を「派遣先の上司」ではなく「派遣元責任者」に正式に申し出た瞬間、会社は法的な処理義務を負う。窓口を間違えると、あなたの訴えはただの愚痴で終わる。
派遣元責任者とは、労働者派遣法36条に基づき派遣元事業主が事業所ごとに選任を義務付けられる雇用管理の責任者をいう。苦情処理、個人情報の管理、教育訓練の実施、安全衛生に関する派遣先との連絡調整等を所管し、欠格事由に該当しない成年で省令基準に適合する者から選任される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
派遣会社(派遣元)が事業所ごとに選任を義務付けられる雇用管理の責任者です。苦情処理、個人情報管理、教育訓練、安全衛生の連絡調整を所管します(労働者派遣法36条)。
厚生労働省令の基準により、派遣労働者百人につき一人以上の派遣元責任者を事業所ごとに選任する必要があります。製造業務には専門の責任者を別途置く取扱いもあります。
厚生労働省が委託・登録した実施機関の派遣元責任者講習を受講します。選任にはこの講習受講が省令で求められ、有効期間内であることが必要です。
労働者派遣法36条違反となり、労働局の指導、事業改善命令、最悪の場合は派遣事業の許可取消しの対象になります。会社全体の事業存続に関わります。
できます。まず派遣元責任者に申し出て会社が動かない場合、所在地の都道府県労働局需給調整事業部門へ申告できます。行政指導につながることがあります。
欠格事由(6条1号・2号・4〜9号)に該当しない成年で、雇用管理を適正に行う能力を有する省令基準適合者であること、かつ派遣元責任者講習の受講が必要です。
派遣労働者の氏名、派遣先、業務内容、就業条件、苦情処理状況などを記録します(37条)。派遣元責任者の管理体制を裏付ける重要書類です。
必要な助言指導、苦情の処理、個人情報の管理、教育訓練と職業生活設計の相談機会の確保、安全衛生に関する派遣先との連絡調整などです(36条各号)。
派遣会社(派遣元)側の人です。派遣先に置かれるのは「派遣先責任者」(第41条)で、別物です。苦情を言う相手を間違えると処理が進みません。第36条の派遣元責任者はあなたの雇い主側、第41条の派遣先責任者は就業先側、と覚えてください。業界裏話ヒント:実務では両責任者の連絡調整(第36条六号・七号)で案件が止まることが多い。最初から派遣元責任者に「派遣先責任者と調整してほしい」と名指しで頼むと、たらい回しを防げる
苦情の申出を理由とする不利益取扱いは派遣法の趣旨に反し、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針でも戒められています。第36条三号の苦情処理は、申し出ても報復されない前提の制度です。業界裏話ヒント:報復的な雇止めを警戒するなら、苦情は必ず書面で日付を残す。後から「苦情の直後に契約を切られた」という時系列が証拠になり、雇止めの不当性を労働局や裁判で主張しやすくなる
派遣元責任者の選任は義務(第36条)で、関連情報は派遣元管理台帳(第37条)に記録されます。誰が責任者か不明な状態は、選任義務や管理体制に問題がある兆候です。業界裏話ヒント:責任者名を濁す会社は、そもそも選任していないか講習未受講のケースが少なくない。労働局の需給調整事業部門に「責任者が不明」と相談するだけで、会社に行政指導が入ることがある
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|---|---|---|
| 立場 | 36条 派遣元責任者:雇い主(派遣元)側の責任者 | — |
| 主な所管 | 苦情処理・個人情報管理・教育訓練・安全衛生の連絡調整 | — |
| 苦情を言う相手 | 最終的な雇用管理責任を負う(法定処理ルートの起点) | — |
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