要点消費税法37条の2は、災害で被害を受けた事業者が税務署長の承認を受ければ、簡易課税の選択や取りやめを被災課税期間に遡って適用できる。申請は災害のやんだ日から2か月以内。
Q · 災害で被災した年は、消費税の簡易課税をやめたり選んだりできるの?
税務署長の承認を受ければ、後から選び直せます
消費税法37条の2により、災害その他やむを得ない理由で被害を受けた事業者は、税務署長の承認を受けることで、簡易課税制度の選択届出書または選択不適用届出書を被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなされます。つまり平時は動かせない課税方式を、被災した課税期間に遡って選び直せます。申請期限は災害のやんだ日から2か月以内(やんだ日が課税期間末日の翌日以後なら確定申告書の提出期限まで)。選択の特例は、基準期間の課税売上高が5000万円以下の課税期間に限られます。
簡易課税制度を選んでいる小さな会社が、地震や水害で店舗を建て直す羽目になったとする。復旧のために大量の設備を仕入れれば、実際に払った消費税は、みなし仕入率で計算される控除額をはるかに上回る。ところが簡易課税は原則2年間縛られ、しかも適用も中止も課税期間が始まる前に届け出なければならない。つまり通常なら、災害後に気付いても手遅れだ。この37条の2は、その鉄則を災害時だけ壊す。被害を受けた事業者は、税務署長の承認を受ければ、届出書を被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなされる。後から簡易課税をやめて本則課税に切り替え、実際に払った巨額の消費税を取り戻せるわけだ。逆に、事務所が流されて帳簿がつけられない事業者は、後から簡易課税を選ぶこともできる。災害という非常時にだけ開く、時間を巻き戻す扉である。
消費税法37条の2は、災害その他やむを得ない理由により被害を受けた事業者について、簡易課税制度の選択届出書または選択不適用届出書を、被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなす承認制度を定める規定である。基準期間における課税売上高が5000万円を超える課税期間および分割等に係る課税期間は、選択被災課税期間から除かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
納税地を所轄する税務署長に提出します。適用が必要となった事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書が必要で、口頭やメールでの申出では足りません。
災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内です。やんだ日が対象課税期間の末日の翌日以後に来る場合は、その課税期間の確定申告書の提出期限まで延びます。
対象課税期間の末日の翌日から2か月を経過する日までに承認も却下もなければ、その日に承認があったものとみなされます(5項)。ただし理由のやんだ日が末日の翌日以後の場合は除きます。
簡易課税を選び直す1項の特例は使えません。基準期間の課税売上高が5000万円を超える課税期間は、選択被災課税期間から除外されています。分割等に係る課税期間も同様です。
できません。1項は9条1項本文により納税義務が免除される事業者を明文で除外しています。課税事業者選択届出を出して課税事業者になっている場合は別途検討が必要です。
却下は書面で通知されます(4項)。行政処分にあたるため、不服があれば税務署長への再調査の請求や国税不服審判所への審査請求、取消訴訟の対象になり得ます。
期限内であれば申請自体は可能ですが、承認前に43条1項各号の事項を記載した申告書を提出済みの場合、必要な調整事項は政令で定められます(8項)。申告前に動く方が手続は単純です。
両方に使えます。1項が選択(本則から簡易へ)、6項が選択不適用(簡易から本則へ)を扱い、6項には2項から5項までの手続規定が準用されます(7項)。
変えられます。平時は2年縛りですが、災害その他やむを得ない理由で被害を受けた課税期間は、37条の2の承認を受ければ後から簡易課税をやめて本則課税に切り替えられます。申請は災害がやんだ日から2か月以内です。業界裏話ヒント:被災後に大きな設備投資をする年こそ本則課税が有利で、支払った消費税の還付につながる。税務署は自動では教えてくれない。自分から申請書を出さなければ、有利な選択肢があったことすら知らされないまま通常課税される
対象になりうる。条文は「災害その他やむを得ない理由」と書いており、地震や水害に限りません。国税庁が感染症の影響を「やむを得ない理由」として37条の2の承認を認めた実例があります。業界裏話ヒント:ただし「やむを得ない理由」に当たるかは税務署長の判断で、相当でないと認めれば却下される(3項)。実務上、被害と課税方式変更の必要性の因果関係を申請書でどう説明するかが承認の分かれ目になる。最新の取扱いは国税庁の通達をご確認ください
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|---|---|---|
| 何を動かす制度か | 37条の2:災害時に簡易課税の選択・不適用の届出を遡及適用できる承認特例 | — |
| タイミング | 被災後、災害がやんだ日から2か月以内に事後申請 | — |
| 規模制限 | 1項の選択特例は基準期間の課税売上高5000万円以下に限る | — |
| 手続の性質 | 税務署長の承認処分(却下あり・みなし承認あり) | — |
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