消費税法 第37条の2(災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例)
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- 災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者及び前条第一項の規定の適用を受ける事業者を除く。)が、当該被害を受けたことにより、当該災害その他やむを得ない理由の生じた日の属する課税期間(その基準期間における課税売上高が五千万円を超える課税期間及び分割等に係る課税期間を除く。以下この項、次項及び第五項において「選択被災課税期間」という。)につき同条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた場合において、当該選択被災課税期間につき同項の規定の適用を受けることについてその納税地を所轄する税務署長の承認を受けたときは、当該事業者は同項の規定による届出書を当該承認を受けた選択被災課税期間の初日の前日に当該税務署長に提出したものとみなす。この場合においては、同条第三項の規定は、適用しない。
- 2.前項の承認を受けようとする事業者は、前条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書を、前項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日から二月以内(当該災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、当該選択被災課税期間に係る第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限まで)に、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
- 3.税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請に係る同項の事情が相当でないと認めるときは、その申請を却下する。
- 4.税務署長は、第二項の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした事業者に対し、書面によりその旨を通知する。
- 5.第二項の申請書の提出があつた場合において、その申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日から二月を経過する日までに承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。ただし、同項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合は、この限りでない。
- 6.災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた事業者(前条第一項の規定の適用を受ける事業者に限る。)が、当該被害を受けたことにより、当該災害その他やむを得ない理由の生じた日の属する課税期間(当該課税期間の翌課税期間以後の課税期間のうち政令で定める課税期間を含む。以下この項において「不適用被災課税期間」という。)につき同条第一項の規定の適用を受けることの必要がなくなつた場合において、当該不適用被災課税期間につき同項の規定の適用を受けることをやめることについてその納税地を所轄する税務署長の承認を受けたときは、当該事業者は同条第五項の規定による届出書を当該承認を受けた不適用被災課税期間の初日の前日に当該税務署長に提出したものとみなす。この場合においては、同条第六項の規定は、適用しない。
- 7.第二項から第五項までの規定は、前項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、第二項中「前項」とあるのは「第六項」と、「受けることが必要となつた」とあるのは「受けることの必要がなくなつた」と、「選択被災課税期間」とあるのは「不適用被災課税期間」と、第五項中「選択被災課税期間」とあるのは「不適用被災課税期間」と読み替えるものとする。
- 8.第一項又は第六項の承認を受けた事業者が、その承認前に第四十三条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出している場合その他の場合における第一項又は第六項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例とは何ですか?
定義災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例とは、消費税法第37条の2に定められた規定で、「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者及び前条第一項の規定の適用を受け…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第37条の2(災害等があつた場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第37条の2の条文原文は「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者及び前条第一項の規定の適用を受け…」で始まります。
- 消費税法第37条の2は第三章 税額控除等に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第37条の2の前の条は消費税法第37条です。
- 消費税法第37条の2の次の条は消費税法第38条です。
- 消費税法第37条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第37条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第37条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/37_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法37条の2は、災害で被害を受けた事業者が税務署長の承認を受ければ、簡易課税の選択や取りやめを被災課税期間に遡って適用できる。申請は災害のやんだ日から2か月以内。
Q · 災害で被災した年は、消費税の簡易課税をやめたり選んだりできるの?
税務署長の承認を受ければ、後から選び直せます
消費税法37条の2により、災害その他やむを得ない理由で被害を受けた事業者は、税務署長の承認を受けることで、簡易課税制度の選択届出書または選択不適用届出書を被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなされます。つまり平時は動かせない課税方式を、被災した課税期間に遡って選び直せます。申請期限は災害のやんだ日から2か月以内(やんだ日が課税期間末日の翌日以後なら確定申告書の提出期限まで)。選択の特例は、基準期間の課税売上高が5000万円以下の課税期間に限られます。
解説
簡易課税制度を選んでいる小さな会社が、地震や水害で店舗を建て直す羽目になったとする。復旧のために大量の設備を仕入れれば、実際に払った消費税は、みなし仕入率で計算される控除額をはるかに上回る。ところが簡易課税は原則2年間縛られ、しかも適用も中止も課税期間が始まる前に届け出なければならない。つまり通常なら、災害後に気付いても手遅れだ。この37条の2は、その鉄則を災害時だけ壊す。被害を受けた事業者は、税務署長の承認を受ければ、届出書を被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなされる。後から簡易課税をやめて本則課税に切り替え、実際に払った巨額の消費税を取り戻せるわけだ。逆に、事務所が流されて帳簿がつけられない事業者は、後から簡易課税を選ぶこともできる。災害という非常時にだけ開く、時間を巻き戻す扉である。
法的な位置づけ
消費税法37条の2は、災害その他やむを得ない理由により被害を受けた事業者について、簡易課税制度の選択届出書または選択不適用届出書を、被災した課税期間の初日の前日に提出したものとみなす承認制度を定める規定である。基準期間における課税売上高が5000万円を超える課税期間および分割等に係る課税期間は、選択被災課税期間から除かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象要件を確認する 被害を受けた課税期間の基準期間における課税売上高が5000万円以下か、免税事業者に該当しないか、分割等に係る課税期間でないかを確認する。1項の選択特例はこの3点が入口条件になる
- 2.本則課税と簡易課税の有利判定を行う 復旧のための設備投資・内装工事など実際の課税仕入れを集計し、みなし仕入率による控除額と比較する。仕入れが大きければ本則課税(6項の選択不適用)、帳簿が失われ記帳が困難なら簡易課税(1項の選択)が有利になる
- 3.災害がやんだ日から2か月以内に承認申請書を提出する 適用を受けることが必要となった事情(または必要がなくなった事情)その他財務省令で定める事項を記載した申請書を、納税地を所轄する税務署長へ提出する。被害の内容と課税方式変更の必要性の因果を具体的に書くことが承認の分かれ目になる
- 4.承認・却下の通知を受け取り、申告に反映する 処分は書面で通知される(4項)。承認されれば届出書を対象課税期間の初日の前日に提出したものとみなされるため、その課税方式で確定申告する。末日の翌日から2か月を経過しても通知がなければ、みなし承認の成立を確認する(5項)
よくある質問 AI による整理
Q1災害による消費税簡易課税の特例承認申請はどこに出しますか?
納税地を所轄する税務署長に提出します。適用が必要となった事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書が必要で、口頭やメールでの申出では足りません。
Q2消費税法37条の2の申請期限はいつまでですか?
災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内です。やんだ日が対象課税期間の末日の翌日以後に来る場合は、その課税期間の確定申告書の提出期限まで延びます。
Q3税務署から何の返事もないときはどうなりますか?
対象課税期間の末日の翌日から2か月を経過する日までに承認も却下もなければ、その日に承認があったものとみなされます(5項)。ただし理由のやんだ日が末日の翌日以後の場合は除きます。
Q4課税売上高5000万円を超えていても使えますか?
簡易課税を選び直す1項の特例は使えません。基準期間の課税売上高が5000万円を超える課税期間は、選択被災課税期間から除外されています。分割等に係る課税期間も同様です。
Q5免税事業者も災害特例を申請できますか?
できません。1項は9条1項本文により納税義務が免除される事業者を明文で除外しています。課税事業者選択届出を出して課税事業者になっている場合は別途検討が必要です。
Q6申請が却下されたらどうすればいいですか?
却下は書面で通知されます(4項)。行政処分にあたるため、不服があれば税務署長への再調査の請求や国税不服審判所への審査請求、取消訴訟の対象になり得ます。
Q7すでに確定申告書を出した後でも申請できますか?
期限内であれば申請自体は可能ですが、承認前に43条1項各号の事項を記載した申告書を提出済みの場合、必要な調整事項は政令で定められます(8項)。申告前に動く方が手続は単純です。
Q8簡易課税をやめる方向と選ぶ方向、両方に使えますか?
両方に使えます。1項が選択(本則から簡易へ)、6項が選択不適用(簡易から本則へ)を扱い、6項には2項から5項までの手続規定が準用されます(7項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1簡易課税って一度選んだら2年間変えられないんですよね?災害でもダメですか?
変えられます。平時は2年縛りですが、災害その他やむを得ない理由で被害を受けた課税期間は、37条の2の承認を受ければ後から簡易課税をやめて本則課税に切り替えられます。申請は災害がやんだ日から2か月以内です。実務のポイント:被災後に大きな設備投資をする年こそ本則課税が有利で、支払った消費税の還付につながる。税務署は自動では教えてくれない。自分から申請書を出さなければ、有利な選択肢があったことすら知らされないまま通常課税される
Q2感染症で売上が落ちた年も、この災害特例で簡易課税をやめられますか?
対象になりうる。条文は「災害その他やむを得ない理由」と書いており、地震や水害に限りません。国税庁が感染症の影響を「やむを得ない理由」として37条の2の承認を認めた実例があります。実務のポイント:ただし「やむを得ない理由」に当たるかは税務署長の判断で、相当でないと認めれば却下される(3項)。実務上、被害と課税方式変更の必要性の因果関係を申請書でどう説明するかが承認の分かれ目になる。最新の取扱いは国税庁の通達をご確認ください
間違えやすい点 AI による整理
- 「簡易課税は一度選んだら2年間変えられない」と誰もが思っている。実際その通り、平時は。だが災害で被害を受けた課税期間については、37条の2で承認を受ければ後から切り替えられる。2年縛りは災害の前で例外になる
- 「うちは被災したのだから、自動的に税金が軽くなるはず」と思って何もしない事業者が多い。だが問いの立て方が間違っている。この特例は自動では発動しない。申請書を出し、税務署長の承認を受けて初めて動く。黙っていれば、被災していても通常の簡易課税のまま課税される
- 災害特例があること自体は知っていても、期限が「災害がやんだ日から2か月」と極端に短いことまで意識している人は少ない。復旧で手一杯の時期に、この2か月は一瞬で過ぎる。制度を知っていても期限を落とせば、権利があったこと自体が意味を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を動かす制度か | 37条の2:災害時に簡易課税の選択・不適用の届出を遡及適用できる承認特例 | 37条:簡易課税制度そのもの。事前届出+2年継続が原則 国税通則法11条:申告・納付の期限自体を延長する一般規定 |
| タイミング | 被災後、災害がやんだ日から2か月以内に事後申請 | 適用したい課税期間の開始前日までに事前届出 災害等の発生後、国税庁長官等の指定または個別申請 |
| 規模制限 | 1項の選択特例は基準期間の課税売上高5000万円以下に限る | 基準期間の課税売上高5000万円以下 規模制限なし |
| 手続の性質 | 税務署長の承認処分(却下あり・みなし承認あり) | 届出(受理されれば効力発生、承認不要) 期限の延長(課税方式は変わらない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は災害時に納期の延長・分期納付で対応するのが中心で、日本のように課税方式(簡易課税)の選択そのものを遡及変更させる明文特例は置いていない
韓国も簡易課税に相当する간이과세制度を持つが、災害救済は主として期限延長・徴収猶予で処理され、課税方式の遡及選択は日本ほど明確に制度化されていない
ドイツは平均税率課税の枠が限定的で、災害時は租税通則法上の衡平措置(Billigkeitsmaßnahmen)という一般条項で個別救済する構造をとる
米国は連邦レベルの付加価値税を持たないため対応する制度がなく、大統領宣言災害に対する申告・納付期限の延期という形で救済する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 水害で店舗が全壊し、数百万円かけて内装と設備をやり直した。もし簡易課税のままだと、この巨額の仕入れにかかった消費税は実額で控除できず、還付も受けられない。災害がやんだ日から2か月、この窓が開いている間に37条の2の承認申請を出せるかどうかで、戻ってくる金額がまるごと変わる
- 帳簿もレジも津波で流された。記帳ができないなら、逆に簡易課税を選んだ方が事務は回る。被災した課税期間に遡って選択できる。
- あなたが基準期間の課税売上高5000万円を超える事業者だったら、選択被災課税期間の特例は使えない。5000万円以下が条件だ。境界線の内側か外側かで、被災した年に課税方式を選び直せるかどうかが丸ごと決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害を受けた課税期間の基準期間課税売上高が5000万円以下か確認、超えると選択被災課税期間の特例は使えない2. 簡易課税をやめて本則課税に切り替えるか、逆に選択するかを、実際の仕入れ規模で判断3. 災害がやんだ日から2か月以内(申告期限が先に来る場合はその期限まで)に、必要な事情を記載した申請書を納税地の税務署長へ提出4. 承認されれば届出書を被災課税期間の初日の前日に出したものとみなされる。確定申告書を出す前に動くと手続が単純になる
訴えられた側:1. 申請が「相当でない」として却下された場合(3項)、まず却下理由を確認し、被害と課税方式変更の必要性の因果を補強する2. 却下は書面で通知される(4項)。これは行政処分(役所が申請者に直接下す具体的な決定)なので、不服があれば審査請求・取消訴訟の対象になりうる3. 逆に、申請から一定期間内に承認も却下もなければ、みなし承認が成立する場合がある(5項)。放置されたら期間経過を主張する4. 2か月の期限を過ぎた場合は、国税通則法の災害延長など別ルートが使えないか税理士に相談する
時効(請求できる期限):承認申請は、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内。ただし、やんだ日が選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合は、その課税期間の確定申告書の提出期限まで(消費税法45条1項)。申請後、選択被災課税期間の末日の翌日から2か月を経過する日までに承認も却下もなければ、みなし承認が成立する場合がある(5項本文)
学説
通説:簡易課税制度の事前届出主義と2年継続要件は、事業者による有利選択の後出しを封じ課税の安定を確保する趣旨とされる。本条は、災害という帰責性のない事情により仕入構造や記帳能力が激変した場合に限り、税務署長の承認という個別審査を挟んで遡及的選択を認めた例外規定と理解される。
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