要点民事保全法60条は、保全仮登記の表示が本案の債務名義と符合しないとき、裁判所が債権者の申立てにより仮処分命令を更正すると定める。順位を保ったまま登記を判決へ合わせられる。
Q · 勝訴判決の抵当権の内容が、先に打った保全仮登記とズレていたら本登記できないの?
順位を失わず更正で登記を判決に合わせられます
民事保全法60条により、保全仮登記の権利の表示が本案の債務名義(勝訴判決等)と符合しない場合は、処分禁止の仮処分を発した裁判所が債権者の申立てにより仮処分命令を更正します。更正決定が確定すると裁判所書記官が保全仮登記の更正を嘱託し、最初に確保した登記の順位を保ったまま判決の内容へ登記を合わせられます。仮登記を取り直す必要はなく、順位も下がりません。更正決定に不服がある相手方は即時抗告で争えます(同条2項)。
お金を貸す代わりに相手の不動産へ抵当権をつけてもらう約束を取り付けた。だが相手はなかなか登記に応じない。そこであなたは処分禁止の仮処分をかけ、抵当権設定登記請求権を守るために「保全仮登記」(本登記の順位だけを先に確保しておく仮の登記)を打っておく。ここまでは順調だ。ところが裁判で勝ったとき、判決に書かれた抵当権の内容(債権額や利息)が、先に打った保全仮登記の表示と食い違っていたらどうなるか。そのままでは本登記に進めない。民事保全法60条は、この食い違いを埋めるための条文だ。処分禁止の仮処分を発した裁判所は、債権者であるあなたの申立てにより、仮処分命令を更正しなければならない。更正が確定すれば、裁判所書記官が保全仮登記の更正を嘱託する。つまり、最初に確保した順位を失わないまま、判決の内容へ登記を合わせられる。この一手を知らないと、せっかく守った優先順位が宙に浮く。
民事保全法60条は、保全仮登記の権利の表示と本案の債務名義の権利の表示が符合しない場合に、処分禁止の仮処分を発した裁判所が債権者の申立てにより仮処分命令を更正する手続を定める規定である。更正決定の確定により裁判所書記官が保全仮登記の更正を嘱託し、既に確保された登記の順位を維持したまま本登記への連続性を確保する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本登記の順位だけを先に確保しておく仮の登記です。処分禁止の仮処分に伴い、抵当権設定登記請求権などを守るために打ち、後の本登記でその順位を実現します。
処分禁止の仮処分を発した裁判所です(民事保全法60条1項)。本登記をすべき本案の債務名義を添えて、債権者が更正を申し立てます。
決定の告知を受けた日から不変期間内です(民訴332条の準用で原則1週間)。過ぎると更正が確定し、保全仮登記の更正が嘱託されます。
下がりません。60条の更正は最初に確保した順位を保ったまま内容だけを判決に合わせる制度で、仮登記の取り直しとは全く別物です。
権利の表示が本案の債務名義と符合しないため、登記官に受け付けてもらえません。先に60条の更正を得てから本登記へ進む必要があります。
民事保全法59条です。60条で更正を得たうえで、59条により保全仮登記に基づく本登記を申請し、確保した順位を実現します。
更正決定が確定したとき、裁判所書記官が保全仮登記の更正を嘱託します(同条3項)。当事者が登記所へ直接申請するわけではありません。
先に打った保全仮登記の順位が優先します。60条の更正はその順位を判決内容へ合わせて生かすための最後のピースです。
やり直す必要はありません。民事保全法60条1項は、裁判所が債権者の申立てにより仮処分命令を更正すると定めており、最初に確保した保全仮登記の順位を保ったまま内容を判決に合わせられます。業界裏話ヒント:司法書士や弁護士でも、更正を経ずにいきなり本登記を申請して受け付けられない例があります。判決確定後の最初の一手は本登記ではなく、表示の照合と更正申立ての要否判断です
民事保全法60条2項により、更正決定に対しては即時抗告ができます。抗告期間は不変期間で、経過すれば更正が確定し、書記官が保全仮登記の更正を嘱託します(同条3項、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:争える期間は極めて短く、決定の告知日から起算します。届いた封筒を数日机に置いただけで抗告権が消えるため、内容に少しでも疑問があれば受領当日に専門家へ回すのが実務の鉄則です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 60条:保全仮登記と債務名義の食い違いを埋める仮処分命令の更正 | — |
| 手続の局面 | 勝訴判決確定後、本登記の前段階(表示の一致) | — |
| 動かす主体 | 債権者の申立て→裁判所の更正決定→書記官の更正嘱託 | — |
| 相手方の争い方 | 更正決定に対する即時抗告(60条2項) | — |
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