要点育児介護休業法16条の8は、小学校就学前の子を養育する労働者が請求すれば、事業主は所定外労働(残業)を命じられないと定める。拒否できるのは事業の正常な運営を妨げる場合に限られる。
Q · 子育て中に残業を断りたいんですが、会社に拒否されたら諦めるしかない?
原則断れる。会社が拒否できるのは経営が本当に回らないときだけ
育児介護休業法16条の8により、小学校就学前の子を養育する労働者が請求すれば、事業主は所定労働時間を超える労働(残業)を命じられません。会社が拒否できるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られ、単なる繁忙や人手不足では認められないのが実務の扱いです。請求は制限開始予定日の1月前までに書面で行い、制限期間は1月以上1年以内。ただし労使協定で勤続1年未満などの労働者を対象外にできる場合があります。時短勤務(23条)と違い給料は減りません。
残業は断れない、そう思い込んで毎晩遅くまで働いていないだろうか。育児介護休業法16条の8は、その常識をひっくり返す。子が小学校に上がるまでの間、あなたが請求すれば、会社はあなたを所定労働時間(契約で決まった勤務時間)を超えて働かせてはならない。つまり残業ゼロを命じる権利だ。しかも会社が断れるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」だけで、これは単に人手が足りない程度では認められない高いハードルだ。多くの人が知っている時短勤務(23条)は給料が減るが、こちらは勤務時間はそのまま、残業だけを切れる。給料を維持したまま、夕方以降の時間を取り戻せる。2025年4月の改正で、対象が3歳未満から小学校就学前へ大きく広がった。あなたの子がこの範囲なら、今日からこの権利は使える。
育児介護休業法16条の8は、所定外労働の制限を定める規定である。小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合、事業主は所定労働時間を超える労働を命じることができない。ただし事業の正常な運営を妨げる場合は例外とされ、労使協定により勤続1年未満等の労働者を対象から除外することが認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
小学校就学前の子を養育する労働者が請求すれば、会社が所定労働時間を超える残業を命じられなくなる制度です。育児介護休業法16条の8が根拠で、給料は減りません。
2025年4月の改正で、対象が3歳未満から小学校就学の始期に達するまでへ拡大されました。子が小学校に上がる前なら請求できます。
制限開始予定日の1月前までに、書面で請求する必要があります。1月を切ると次の期間まで待つことになります。
1回につき1月以上1年以内で区切ります。就学直前まで使い切るには、期間満了ごとに切れ目なく更新するのがコツです。
16条の8の所定外労働の制限は残業をゼロにできます。17条の時間外労働の制限は月24時間・年150時間までに抑える別制度で、期間は重複できません。
子の死亡、子が小学校就学の始期に達したとき、または産前産後休業・育児休業・出生時育児休業・介護休業が始まったときに終了します。
原則できます。ただし労使協定で勤続1年未満の労働者などを対象外に定めている場合、その労働者は請求できないことがあります。
回数の上限はありません。1年ごとに更新を繰り返し、子が小学校に上がるまで切れ目なく利用できます。更新を忘れた隙間だけ残業命令が復活します。
時短勤務(23条)は所定労働時間そのものを短くする代わりに、その分の給料が減ります。所定外労働の制限(16条の8)は勤務時間はフルのまま、残業だけをゼロにする制度で、基本給は維持されます。業界裏話ヒント:会社の人事は『育児なら時短ですね』と時短へ誘導しがちですが、給料を減らしたくないなら所定外労働制限を名指しで請求できます。どちらを選ぶかはあなたの権利で、会社が決めることではありません。
諦める必要はありません。会社が拒否できるのは『事業の正常な運営を妨げる場合』だけで、単なる繁忙や人手不足では認められないのが実務の扱いです(16条の8但書)。業界裏話ヒント:会社が代替要員の配置や業務の振り分けを検討した形跡もないまま拒否した場合、その拒否は違法と判断されやすい。『どんな代替策を検討したのか書面でください』と一言求めるだけで、会社の態度は一気に変わります。
それは法律で明確に禁止されています。所定外労働の制限を請求・取得したことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは違法です(16条の10)。業界裏話ヒント:不利益取扱いは『減給』のような分かりやすい形だけでなく、昇進対象から外す、嫌がらせ的な配置転換も含まれます。時系列で『請求の前後で何が変わったか』を記録しておくと、後で因果関係を立証する決定的な材料になります。
断れます。要介護状態の家族を介護する労働者にも、ほぼ同じ内容の所定外労働の制限が用意されています(16条の9が16条の8を準用)。業界裏話ヒント:介護版は育児版ほど知られておらず、人事担当者でさえ『介護は時間外労働の制限だけ』と誤解していることがあります。条文番号(16条の9)を示して請求すると、話が早く進みます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の内容 | 16条の8:所定労働時間を超える労働(残業)をゼロにする | — |
| 対象の子の年齢 | 小学校就学の始期に達するまで(2025年4月拡大) | — |
| 給料への影響 | 勤務時間はフルのまま、基本給は維持 | — |
| 会社の拒否 | 事業の正常な運営を妨げる場合のみ(高いハードル) | — |
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