短時間・有期雇用労働者及び短時間・有期雇用労働者になろうとする者は、生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮されるものとする。
要点短時間・有期雇用労働法第2条の2は、短時間・有期雇用労働者が生活との調和を保ちつつ意欲と能力に応じて就業でき、職業生活の充実が図られるよう配慮されるべき基本理念を定める。
Q · パート・有期雇用労働法の基本理念って、結局なんの役に立つんですか?
直接は訴えられないが、第8条の解釈指針として効きます
第2条の2は、短時間・有期雇用労働者及びこれになろうとする者について、生活との調和を保ちつつ意欲及び能力に応じて就業できる機会が確保され、職業生活の充実が図られるよう配慮されるべき旨を定める基本理念(プログラム規定)です。この条文単独で損害賠償や待遇是正を請求することはできません。ただし、第8条(不合理な待遇の禁止)や第9条(差別的取扱いの禁止)を裁判所が解釈する際、待遇差が「不合理」かどうかを判断する物差しとして機能します。求人・採用段階の「なろうとする者」も射程に含む点が特徴です。
「努力目標にすぎず、法的拘束力はない」。短時間・有期雇用労働法の基本理念について、そう片付ける人は少なくない。半分は正しいが、半分は致命的な誤解だ。確かにこの第2条の2を単独の根拠にして「理念違反だ」と直接訴えることはできない。だがこの一条は、同じ法律の中にある第8条(不合理な待遇の禁止)や第9条(差別的取扱いの禁止)を裁判官が解釈するときの羅針盤になる。パートだから、契約社員だから、という理由で待遇に差をつけられたとき、その差が「不合理」かどうかを測る物差しの目盛りを、この理念が刻んでいる。「意欲及び能力に応じて就業できる機会」「生活との調和」「職業生活の充実」、この三つの言葉が、あなたの待遇格差を争う土俵の地面そのものを形づくる。飾りだと思って読み飛ばしてきたものが、実は最初の一手を支える足場だった。
短時間・有期雇用労働法第2条の2は、同法の基本理念を定める規定である。短時間・有期雇用労働者及びこれになろうとする者について、生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業できる機会が確保され、職業生活の充実が図られるよう配慮されるべき旨を宣言する。直接の請求権を生じないプログラム規定であるが、第8条・第9条の解釈指針として機能する。
第2条の2が定める理念で、短時間・有期雇用労働者が生活との調和を保ちつつ意欲及び能力に応じて就業でき、職業生活の充実が図られるよう配慮すべきとする宣言規定です。
国や事業主が向かうべき方向を示すだけで、それ自体からは具体的な請求権が生じない規定です。第2条の2は典型例で、第8条など実体規定の解釈指針として働きます。
第2条の2単独では訴えられません。待遇格差を争うなら第8条(不合理な待遇の禁止)または第9条(差別的取扱いの禁止)を根拠にし、理念は解釈の補強に使います。
これから短時間・有期雇用労働者として働こうとする求職者です。条文が明記しているため、求人票の条件設定や採用時の説明にも理念の射程が及びます。
実体的な根拠は第8条・第9条で、第2条の2はその理念的土台です。第8条は待遇差の不合理性を、第9条は通常の労働者と同視すべき場合の差別的取扱いを禁じます。
違法ではありません。職務内容、責任の程度、配置変更の範囲などが異なれば、合理的な範囲の差は許されます。禁じられるのは「不合理な」差だけです。
平成30年(2018年)の働き方改革関連法(平成30年法律第71号)で新設されました。施行は大企業2020年4月1日、中小企業2021年4月1日です。
対象です。2018年改正で旧パートタイム労働法に有期雇用労働者が加わり、法律名も「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」に改称されました。
残念ながら、第2条の2を単独の根拠にして『理念違反だ』と裁判で勝つことはできません。これはプログラム規定(国や事業主が向かうべき方向を示す規定)で、直接の請求権を生みません。ただし待遇格差そのものは第8条・第9条で争え、その『不合理性』を判断する際にこの理念が解釈の指針として効きます。業界裏話ヒント:弁護士は理念規定を『主役』ではなく『援護射撃』として使います。第8条の主張に理念を添えると、裁判官に『この格差は法全体の趣旨に反する』という印象を残せる
この理念は事業主に配慮を促すものですが、特定のシフト希望が必ず通る権利を保障するわけではありません。育児・介護中であれば、育児介護休業法による所定外労働の制限など、より強い具体的権利が別にあります。業界裏話ヒント:理念規定で押すより、自分が育児介護休業法や労働基準法のどの具体的権利の対象かを先に確認する方が早い。理念は『総論』、勝負は『各論の具体的権利』で決まる(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 規定の性質 | 第2条の2:基本理念(プログラム規定)、請求権は生じない | — |
| 適用の前提 | 短時間・有期雇用労働者及び「なろうとする者」全般 | — |
| 裁判での使い方 | 第8条・第9条の主張に添える解釈指針・援護射撃 | — |
| 射程の広さ | 求人・採用段階を含む(「なろうとする者」を明記) | — |
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