事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(第十一条第一項において「職務内容同一短時間・有期雇用労働者」という。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(次条及び同項において「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」という。)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。
要点短時間・有期雇用労働法 9 条は、職務内容も配置変更範囲も正社員と全期間同一の労働者について、短時間・有期を理由とする賞与・手当などの差別的取扱いを禁止する規定である。
Q · パートや契約社員だと、正社員と同じ仕事でも賞与や手当に差をつけられて当然なの?
職務も異動範囲も同じなら 9 条が差別を禁じます
短時間・有期雇用労働法 9 条は、職務の内容も配置変更の範囲も通常の労働者と全期間で同一の「同視すべき」労働者について、短時間・有期であることを理由とした基本給・賞与・手当の差別的取扱いを禁止します。ただし救済対象は狭く、異動範囲などが一つでも違えば 9 条は使えません。その場合は 8 条で待遇ごとに「格差が不合理か」を個別に判断します。まず自分が 9 条と 8 条のどちらの土俵かを見極めることが出発点です。
フルタイムの正社員と同じレジ打ち、同じ品出し、同じクレーム対応をこなしているのに、夏と冬の賞与欄だけが自分の明細では空白。給与明細を見るたびに湧くその違和感には、法律上の名前がある。短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 9 条は、職務の内容も、転勤や配置転換の範囲も正社員と同一のパート・有期労働者については、短時間や有期であることを理由とした差別的取扱いを全面的に禁止する。基本給、賞与、手当、そのそれぞれについてだ。ただし、あなたが先に知っておくべき落とし穴がある。この条文が実際に救う労働者は、ごく少数だ。なぜなら「雇用関係が終了するまでの全期間において、職務の内容と配置の変更範囲が同一」という要件が、現実には極めて満たしにくいからだ。多くの紛争は、より緩やかな 8 条(不合理な待遇の禁止)の土俵で戦われる。9 条と 8 条のどちらで攻めるか、その入口の見極めが勝敗を分ける。
短時間・有期雇用労働法 9 条は、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いを禁止する規定である。職務の内容および配置の変更範囲が雇用関係の全期間で通常の労働者と同一であることを要件とし、この要件を満たす労働者について、短時間・有期であることを理由とする基本給・賞与その他の待遇ごとの差別的取扱いを禁じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同じ仕事をする労働者を雇用形態だけで不合理に差別してはならないという原則です。日本では 2020 年施行のパートタイム・有期雇用労働法 8 条・9 条が中心的な根拠になります。
職務の内容が正社員と同一で、かつ雇用関係の全期間で職務内容と配置の変更範囲も同一と見込まれる労働者です。この人だけが 9 条の全面的な差別禁止で守られます。
職務も異動範囲も全期間同一なら 9 条違反になりえます。異動範囲などが違えば 8 条で待遇ごとに不合理性を判断するため、一律に違法とは言えません。
「雇用終了までの全期間で職務内容と配置の変更範囲が同一」という要件が現実には満たしにくいためです。多くの人は 8 条の射程に入ります。
給与明細と就業規則で差額を項目別に整理し、14 条で説明を求めた上で、都道府県労働局の調停や労働審判、最終的に訴訟で差額賃金を請求します。
再雇用の嘱託社員も有期雇用労働者として本法の対象です。ただし定年後再雇用という事情も考慮され、9 条・8 条の両面から個別に判断されます。
働き方改革関連法により有期雇用労働者を加えた現行法は、大企業が 2020 年 4 月、中小企業が 2021 年 4 月から施行されました。
まず都道府県労働局の総合労働相談コーナーが無料で利用できます。紛争解決援助(調停)や労働審判もあり、いきなり訴訟より費用対効果に優れます。
職務の内容も、転勤や配置転換の範囲も正社員と同じなら、賞与だけをゼロにするのは 9 条が禁じる差別的取扱いです。逆にそこが違えば、8 条で「その差が不合理か」を個別に判断します。業界裏話ヒント:会社は「パートには賞与を出さない規程だから」と説明しがちですが、規程の有無は理由になりません。問われるのは規程ではなく、あなたの職務と異動範囲が正社員とどこまで同じかという実態です
9 条は「同視すべき」労働者への差別を全面禁止する強い規定ですが、要件が厳しく該当者は少数です。8 条はより広く、待遇差が「不合理か」を待遇ごとに判断します。業界裏話ヒント:弁護士はまず 9 条該当性を検討し、ほぼ通らないと見たら 8 条に切り替えます。実際に多くの同一労働同一賃金訴訟が勝負しているのは 8 条の方で、9 条は「最強だが滅多に抜けない刀」という位置づけです
14 条に基づく説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています(同条 3 項)。報復的な雇い止めは無効を争えますし、別途不法行為にもなりえます。業界裏話ヒント:説明を求める書面は、内容証明でなくてもメールやチャットなど日付の残る形にしておくと、後で「言った言わない」を防げます。会社が説明を渋る、または曖昧にする態度自体が、後の労働審判で会社に不利に働きます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の性質 | 9 条:差別的取扱いの全面禁止(均等待遇) | — |
| 対象・要件 | 全期間で職務内容と配置変更範囲が同一の「同視すべき」労働者 | — |
| 効果・使いどころ | 該当すれば差別は即違法・是正、ただし該当者は稀 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。