保険業法 第165条の24(債権者の異議に関する特則)
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- 会社法第七百四十八条(合併契約の締結)の合併(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が保険業を営む株式会社である場合に限る。)をする保険業を営む株式会社(以下この節において「会社法合併会社」という。)の保険契約者その他の債権者は、会社法合併会社に対し、合併について異議を述べることができる。
- 2.前項の場合には、会社法合併会社は、次に掲げる事項を官報及び当該会社法合併会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一月を下ることができない。
- 一合併をする旨
- 二合併をする会社及び合併後存続する会社又は合併により設立する会社の商号及び住所
- 三前号に規定する会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
- 四会社法合併会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
- 五前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
- 3.保険契約者その他の債権者が前項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
- 4.保険契約者その他の債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、会社法合併会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
- 5.前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(保険金請求権等を除く。)については、適用しない。
- 6.第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、合併の承認の決議は、効力を有しない。
- 7.前各項の規定によりされた合併は、前項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
- 8.前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
- 9.会社法第七百八十九条、第七百九十九条及び第八百十条(債権者の異議)の規定は、会社法合併会社については、適用しない。
この条文の基本情報
債権者の異議に関する特則とは何ですか?
定義債権者の異議に関する特則とは、保険業法第165条の24に定められた規定で、「会社法第七百四十八条(合併契約の締結)の合併(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が保険業を営む株式会社である場合に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第165条の24(債権者の異議に関する特則)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第165条の24の条文原文は「会社法第七百四十八条(合併契約の締結)の合併(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が保険業を営む株式会社である場合に限る。」で始まります。
- 保険業法第165条の24は第七目 株式会社の合併に関する特則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第165条の24の前の条は保険業法第165条の23です。
- 保険業法第165条の24の次の条は保険業法第166条です。
- 保険業法第165条の24には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の24 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の24(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法165条の27は、保険会社の合併に異議を述べる手続を定める。異議者の数と債権額がいずれも5分の1を超えると合併承認決議は効力を失い、期間内に述べなければ承認とみなされる。
Q · 契約している保険会社が合併するとき、契約者は反対できるんですか?
異議は述べられるが、単独では止まらず5分の1の集団要件が必要
保険業法165条の27第1項により、保険契約者その他の債権者は合併について異議を述べることができます。ただし会社法の債権者異議手続は適用除外され(9項)、保険契約に係る権利のうち保険金請求権等を除く部分には弁済・担保提供の請求ができません(5項)。異議を述べた保険契約者の数が総数の5分の1を超え、かつその債権額も総額の5分の1を超えた場合にのみ、合併承認決議が効力を失います(6項)。公告期間(1か月以上)内に異議を述べなければ承認したものとみなされます(3項)。
解説
保険会社が合併するとき、あなたの保険契約はどうなるか。会社法の一般ルールでは、債権者は異議を述べれば弁済や担保提供を受けられる。だが保険契約者は数百万人規模になりうる。全員に弁済したら合併は物理的に不可能だ。そこで保険業法165条の27は、会社法789条・799条・810条の適用をまるごと外し(9項)、保険専用の別ルートを敷いた。核心は6項である。異議を述べた保険契約者が総数の5分の1を超え、かつその債権額も総額の5分の1を超えたとき、合併承認決議そのものが効力を失う。個人の弁済請求権ではなく、集団の拒否権に置き換えられている。しかも3項により、公告期間内(最低1か月)に何も言わなければ承認したものとみなされる。あなたの沈黙は、賛成票として数えられる。保険会社から届く官報公告の話が書かれたハガキを読み飛ばした瞬間、あなたは意思表示の機会を一つ手放している。
法的な位置づけ
保険業法165条の27は、保険業を営む株式会社の合併における債権者保護手続の特則である。保険契約者その他の債権者に異議申述権を認めつつ、会社法の債権者異議手続の適用を排除し、異議者の数および債権額がいずれも総数・総額の5分の1を超える場合に合併承認決議の効力を失わせる集団的拒否権の仕組みを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告日と異議申述期間の満了日を特定する 保険会社から届いた通知および官報・定款所定の公告方法(電子公告・日刊新聞紙)で、公告の日と2項4号の期間を確認する。期間は1か月を下ることができない(2項但書)。満了日をカレンダーに登録する
- 2.自分の権利が4項の対象か5項の適用除外かを切り分ける すでに保険事故が発生し保険金請求権等が生じているかを確認する。保険金請求権等であれば4項の弁済・担保提供・信託の対象になりうる。保険契約に係る権利のうち保険金請求権等を除く部分は5項により4項が適用されない
- 3.合併相手の財務内容を開示資料で確認する 2項3号により計算書類に関する事項が公告されるため、これと各社のディスクロージャー誌・ソルベンシーマージン比率を突き合わせ、統合後の支払能力を評価する。異議を述べるかの判断材料にする
- 4.期間内に書面で異議を述べ、証跡を残す 異議は2項4号の期間内に会社へ提出する。書面の控えと配達記録(特定記録・簡易書留等)を保存し、到達日を確定させる。期間を徒過すると3項により承認したものとみなされる
- 5.6項の二重要件に向けて他の契約者と連携する 6項は頭数5分の1かつ債権額5分の1の二重要件であるため、単独の異議では承認決議を失効させられない。契約者団体・報道・SNS を通じて期間内に呼びかけ、高額契約者の参加を得られるかが実効性を左右する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法165条の27とは何ですか?
保険会社の合併における債権者異議手続の特則です。会社法の債権者異議手続を適用除外し(9項)、異議者数と債権額の二重5分の1要件で合併承認決議を失効させる仕組みを定めます。
Q2保険会社の合併に異議を述べる期間はいつまで?
公告で定められた期間内で、1か月を下ることができません(2項4号・但書)。起算点は公告の日で、徒過すると3項により承認したものとみなされます。
Q3保険会社の合併公告はどこに出ますか?
官報および当該会社の定款で定めた公告方法の両方に掲載されます(2項)。片方だけでは法定要件を満たさず、手続瑕疵になります。
Q4合併に異議を述べたら弁済を受けられますか?
保険金請求権等を有する債権者は4項で弁済・担保提供・信託の対象になりえます。一方、保険契約に係る権利のうち保険金請求権等を除く部分には4項が適用されません(5項)。
Q5合併承認決議が効力を失うのはどんな場合?
異議を述べた保険契約者の数が総数の5分の1を超え、かつその債権額に相当する内閣府令所定の金額が総額の5分の1を超えたときです(6項)。頭数と金額の二重要件です。
Q6異議を述べた契約者にも合併の効力は及びますか?
及びます(7項)。異議を述べても自分の契約だけを元の会社に残すことはできません。異議の意味は個別離脱ではなく6項の閾値への参加です。
Q7会社法の債権者異議手続は保険会社にも適用されますか?
適用されません。9項が会社法789条・799条・810条の適用を明示的に排除しています。保険業法165条の27が専用の手続を定めます。
Q8保険会社の合併手続に瑕疵があったらどう争いますか?
会社法828条の合併無効の訴えが受け皿になります。公告が官報・定款所定方法の双方に出ているか、2項各号の記載事項が揃っているかが検討の起点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1合併に反対したら、私の保険契約だけ元の会社に残せるんですか?
残せない。7項が明示しており、異議を述べた保険契約者にも合併の効力は及ぶ。異議の意味は個別離脱ではなく、6項の閾値に到達すれば合併承認決議自体を無効にするという集団的効果である。実務のポイント:実務上5分の1という二重要件を満たした事例はほぼない。反対しても合併は進む前提で、統合後の解約返戻金や乗換のコストを先に試算しておくほうが現実的な判断になる
Q2そもそも官報の公告なんて気づけないんですが、それでも承認したことになりますか?
なる。3項は期間内に異議を述べなかった場合に承認とみなすと定めており、現実に気づいたかどうかを問わない。ただし2項は官報に加えて定款所定の公告方法(電子公告や日刊新聞紙)も要求しているため、実務では契約者への個別通知も併用されることが多い。実務のポイント:会社が電子公告を採用している場合、公告ページの掲載期間と URL が合併手続の証跡になる。争う側はまず公告の実施態様と掲載期間を保全する
Q3保険金の請求中に会社が合併したら、その請求はどうなりますか?
保険金請求権等を有する者は5項の適用除外に当たらず、4項による弁済・担保提供・信託の対象になりうる。また6項の括弧書きは、公告時点で既に保険金請求権等が生じている契約の契約者を頭数計算から除いている。実務のポイント:請求手続中であることを会社に明確に記録させておくと、4項の保護対象として扱われる立場が固まる。口頭ではなく書面で請求日を確定させておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「異議を述べれば会社法どおり弁済か担保提供を受けられる」と考える人が多い。だが保険契約に係る権利のうち保険金請求権等を除く部分には4項が適用されない(5項)。つまり保険契約者の大半にとって、異議の効果は個別の弁済請求ではなく、6項の頭数カウントに参加することである。問いの立て方そのものがずれている
- 異議を述べなかったことの意味を軽く見ている人が多い。3項の「承認をしたものとみなす」は、単に反対しなかったという記録ではない。6項の分母には入り分子には入らないため、あなたの沈黙は5分の1の壁を高くする方向に働く。何もしないことが、積極的に合併を通す側の一票になっている
- 「合併に反対したのだから、統合後の会社に契約が移らないのでは」と思われがちだが、7項は逆を明示している。異議を述べた保険契約者にも合併の効力は及ぶ。5分の1に届かなかった異議は、あなたを合併の外に置いてくれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 保険業法165条の27:保険会社の合併における債権者異議 | 保険業法137条:保険契約の移転における契約者の異議 会社法789条:一般の会社の合併における債権者異議(本条9項で適用除外) |
| 異議の効果 | 原則として集団的拒否権(6項)。保険金請求権等を有する者等には4項の弁済・担保提供 | 一定割合の異議で移転手続が進められなくなる集団要件型 異議を述べた債権者個々に弁済・担保提供・信託が義務づけられる |
| 閾値 | 異議者の数が総数の5分の1超、かつ債権額も総額の5分の1超(6項) | 保険契約の移転についても割合要件が置かれる(条文を要確認) 閾値なし。1人の異議でも個別対応が必要 |
| 沈黙の扱い | 期間内に異議を述べなければ承認とみなす(3項)。期間は1か月以上(2項但書) | 同じく期間内の異議申述が前提 異議を述べなければ承認とみなされる(会社法789条4項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険業の合併・讓與に監督上の認可と債権者保護手続を置くが、日本のような頭数・金額の二重5分の1という集団的拒否権の明文は置かれていない点が対照的。詳細は条文を要確認
韓国も保険会社の合併に金融委員会の認可を要求し、債権者異議は商法の一般手続に依拠する構造。日本のように会社法の異議手続を全面適用除外する立法技術は採っていない
ドイツは保険契約の移転・組織変更を BaFin の監督上の認可に集約し、契約者保護を事前の行政審査で担保する。契約者による集団的拒否権ではなく監督官庁審査型である点が日本と対照的
米国は州保険庁の Form A 承認とヒアリング手続で契約者利益を審査する。契約者個々の異議権ではなく、規制当局の公聴会が利害調整の場になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社が経営統合すると報道された。数週間後、保険会社から「合併に関するお知らせ」が届く。読まずに置いておくと、1か月後にはあなたは合併に承認したものとみなされる(3項)。異議を述べるかどうかを判断できる時間は、公告開始から最低1か月だけだ
- もし、合併相手の財務内容が明らかに劣っていて、統合後の保険金支払能力に不安があるとしたら、あなたは何ができるか。答えは「異議を述べる」。ただし一人では止まらない。5分の1という壁を越える仲間が必要になる(6項)
- 損害保険の代理店を営んでいて、引受会社が合併する。あなたの未払手数料債権は「保険契約者その他の債権者」に含まれるか。含まれるなら4項の弁済・担保提供請求ができる。保険金請求権等かどうかで扱いが割れる(5項)
- 保険会社の法務・企画部門にいて、合併スキームを設計している。公告は官報「及び」定款所定の公告方法の両方が必要(2項)。片方だけでは手続瑕疵になり、合併無効の訴えの火種を自ら作ることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公告日と異議申述期間の満了日を確認する(最低1か月、2項但書)2. 合併相手の財務内容とソルベンシー・マージン比率を開示資料で確認3. 異議を述べるなら期間内に書面で会社へ提出し、控えと発送記録を残す4. 自分の権利が保険金請求権等に当たるか(5項の適用外か)を確認する。すでに保険事故が発生している契約は扱いが異なる5. 5分の1要件は集団要件である以上、契約者団体や他契約者との連携が実効性を左右する
訴えられた側:保険会社側の実務としては、1. 官報と定款所定の公告方法の両方を必ず実施(片方欠落は手続瑕疵)2. 2項1号から5号の記載事項を内閣府令と突き合わせて漏れをなくす3. 異議申述期間は1か月を下回らせない4. 異議者数と債権額を並行集計し、6項の二重閾値への接近を早期に把握5. 4項の適用対象(保険金請求権等を有する者、その他の債権者)と5項の適用除外を切り分けて弁済・担保提供の準備をする
時効(請求できる期限):異議申述期間は2項4号により公告で定められ、1か月を下ることができない(2項但書)。起算点は公告の日。この期間を徒過すると3項により承認したものとみなされ、以後争う余地は事実上失われる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により現行保険業法が成立し、保険会社の組織再編に関する規律が整備された。本条を含む個別条項の新設・改正時期は要検証
- 保険業法 第159条保険会社の合併に関する総則的規律
- 保険業法 第165条保険会社間の合併手続の基本規定
- 保険業法 第165条の24会社法上の合併に関する保険業法の特則群の起点(現行効力を要確認)
- 保険業法 第137条保険契約の移転における契約者の異議手続との比較
- 保険業法 第5条保険業免許の審査、再編後の会社の適格性判断
- 会社法 第748条本条が前提とする合併契約の締結規定
- 会社法 第789条9項により適用が排除される債権者異議手続
- 会社法 第828条合併無効の訴え、手続瑕疵の争い方
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