保険業法 第165条の9(吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)
クイックジャンプ
- 吸収合併存続株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
- 一吸収合併契約について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日
- 二第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第一項の規定による通知の日又は第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第二項の公告の日のいずれか早い日
- 三第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の七第二項の規定による公告の日
- 2.吸収合併存続株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
- 一前項の書面の閲覧の請求
- 二前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
- 三前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
- 四前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
この条文の基本情報
吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等とは何ですか?
定義吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等とは、保険業法第165条の9に定められた規定で、「吸収合併存続株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第165条の9(吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第165条の9の条文原文は「吸収合併存続株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した…」で始まります。
- 保険業法第165条の9は第二目 吸収合併存続株式会社の手続に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第165条の9の前の条は保険業法第165条の8です。
- 保険業法第165条の9の次の条は保険業法第165条の10です。
- 保険業法第165条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法165条の10は、吸収合併存続株式会社に合併契約書類を各営業所へ備え置く義務を課し、株主のほか保険契約者その他の債権者にも閲覧請求権を認める規定である。
Q · 保険会社が合併するとき、契約者でも合併契約書を見られるんですか?
見られます。契約者は閲覧請求権を持ちます
保険業法165条の10第2項により、吸収合併存続株式会社の株主だけでなく「保険契約者その他の債権者」も、営業時間内はいつでも、各営業所に備え置かれた吸収合併契約の内容等の書面の閲覧を請求できます。備置期間は、株主総会の日の二週間前の日、通知または公告の日、債権者異議の公告の日のうち最も早い日から、効力発生日後六月を経過する日までです。書面の閲覧(第1号)と電磁的記録の表示の閲覧(第3号)に費用の定めはなく、謄本・抄本の交付(第2号)と電磁的方法による提供・書面交付(第4号)には会社の定めた費用がかかります。
解説
保険会社の合併は、契約者に一票の議決権もないまま進む。株主総会で賛否を投じるのは株主であって、あなたではない。だがこの条文は、別の入口を開けている。吸収合併で生き残る側の会社は、合併契約の内容などを記載した書面(または電磁的記録)を各営業所に備え置く義務を負う。期間は、株主総会の日の二週間前の日、契約者への通知の日または公告の日、債権者異議の公告の日、この三つのうち最も早い日から、効力発生日後六月を経過する日まで。本丸は二項だ。閲覧を請求できるのは株主だけではない。「保険契約者その他の債権者」も、営業時間内ならいつでも請求できる。保険証券を一枚持っているだけで、合併契約の原文に触れる法的資格がある。しかも書面の閲覧そのものに費用の定めはない。費用がかかるのは謄本・抄本の交付と、電磁的方法による提供・書面交付だけである。
法的な位置づけ
保険業法165条の10は、吸収合併存続株式会社の事前開示義務を定める規定である。吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載・記録した書面または電磁的記録を各営業所に備え置くことを義務づけ、株主および保険契約者その他の債権者に対し、営業時間内における閲覧および謄本・抄本の交付等の請求権を付与する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知・公告の日付を控えて備置開始日を特定する 届いた通知書または官報等の公告の日付を記録する。備置きは株主総会の日の二週間前の日、165条の12で準用する165条の4第1項の通知の日または同条第2項の公告の日、165条の7第2項の公告の日のうち最も早い日から始まっているため、通知が届いた時点で既に請求可能である
- 2.契約者であることを示す資料を用意して営業所へ行く 保険証券または証券番号が分かる書類を持参し、最寄りの営業所に営業時間内に出向く。窓口では「保険業法165条の10第2項第1号に基づく書面の閲覧請求です」と条番号を明示する。担当者が制度を把握していない場合に備え、条文を印刷して持参すると確実である
- 3.書面または電磁的記録の閲覧を請求する 第1号(書面の閲覧)または第3号(電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧)を請求する。これらには費用の定めがない。合併契約の内容、承継される権利義務の範囲、効力発生日を重点的に確認する
- 4.争う可能性があるなら謄本の交付を受ける 後日、合併の効力を争う可能性があるなら、第2号(謄本または抄本の交付)を会社の定めた費用を支払って請求し、受領日を記録する。会社法828条1項7号の吸収合併無効の訴えは効力発生日から六か月以内であり、日付入りの手元資料が立証の布石になる
- 5.期限内に異議を述べるか、解約等を判断する 内容に納得できなければ、公告に記載された期限内に書面で異議を述べる(165条の12で準用する165条の7)。異議か解約か静観かを、閲覧した原文を根拠に判断する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法165条の10とは何ですか?
吸収合併で存続する保険会社に、合併契約の内容等を記載した書面等を各営業所に備え置かせ、株主と保険契約者その他の債権者に閲覧請求権を認める事前開示規定です。
Q2合併書類の備置期間はいつまでですか?
株主総会の日の二週間前の日、165条の4の通知または公告の日、165条の7第2項の公告の日のうち最も早い日から、効力発生日後六月を経過する日までです。
Q3保険契約者は合併契約書を閲覧できますか?
できます。165条の10第2項は請求権者を「株主及び保険契約者その他の債権者」と定めており、契約者は債権者として営業時間内いつでも閲覧を請求できます。
Q4合併契約書の閲覧に費用はかかりますか?
書面の閲覧(第1号)と電磁的記録の表示の閲覧(第3号)に費用の定めはありません。謄本・抄本の交付(第2号)と電磁的方法による提供・書面交付(第4号)は会社の定めた費用がかかります。
Q5備置場所はどこですか?
本店ではなく「各営業所」です。支店・出張所を含む各営業所に備え置く必要があり、一か所でも欠ければ手続の瑕疵となり得ます。
Q6合併書類は本店だけに置けばいいのですか?
いいえ。条文は「各営業所に備え置かなければならない」と定めています。本店集中管理では足りず、電磁的記録で備え置く場合も各営業所に表示手段が必要です。
Q7団体保険の被保険者も閲覧請求できますか?
団体保険では保険契約者は会社であり、被保険者にすぎない立場では第2項の請求権者に該当しない可能性が高いです。立場の確認が先決です。
Q8合併に納得できない場合どうすればいいですか?
165条の12で準用する165条の7の異議申述手続により、公告記載の期限内に書面で異議を述べます。閲覧で原文を確認してから判断するのが合理的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が合併したら、自分の契約って勝手に変えられちゃうんですか?
吸収合併では消滅会社の権利義務が存続会社に包括的に承継されるため、契約内容は原則としてそのまま引き継がれる。契約者に与えられているのは議決権ではなく異議申述権である(165条の12で準用する165条の7)。実務のポイント:合併契約書には、承継後の運営方針や剰余金の扱いなど、送られてくる案内文には書かれない条件が入っていることがある。本条の閲覧は、その原文に直接触れられる唯一の窓口である
Q2営業所に行けば誰でも見せてもらえるんですか?
請求できるのは株主と「保険契約者その他の債権者」(本条二項)で、無関係の第三者は対象外である。契約者であることを示せるよう証券や証券番号を持参する。閲覧(一号・三号)に費用の定めはなく、謄本・抄本の交付(二号)と電磁的方法による提供・書面交付(四号)は会社の定めた費用がかかる。実務のポイント:窓口担当者が本条を知らず「本店に問い合わせを」で止まる例がある。条番号と「第二項第一号の閲覧請求です」と言い切れるかどうかで、その日に見られるかが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主じゃないから合併には手も足も出ない」という問いの立て方そのものが誤っている。保険業法が契約者に与えたのは議決権ではなく、異議申述権(165条の12で準用する165条の7)と情報アクセス権(本条二項)である。道具の種類が違うだけで、無力なわけではない
- 備置制度の存在を知っている人でも、期間の長さまでは把握していないことが多い。備置きは効力発生日「後」六月を経過する日まで続く。合併が完了した後も半年間、契約の原文を確認できるということだ。これは会社法828条1項7号が定める吸収合併無効の訴えの提訴期間(効力発生日から六か月)と意図的に重ねられている。事後検証のための資料が、争える期間ちょうど分だけ保管される設計である
- 「閲覧なんてどうせ有料でしょう」と諦める人がいるが、二項ただし書が費用を求めているのは第二号(謄本・抄本の交付)と第四号(電磁的方法による提供・書面の交付)だけ。第一号の書面の閲覧と第三号の電磁的記録の表示の閲覧には、費用の定めが置かれていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 保険業法165条の10:吸収合併存続株式会社の事前開示(備置き・閲覧) | 保険業法165条の4:合併の通知・公告(備置開始日の起算点) 保険業法165条の7:保険契約者等の異議申述手続 |
| 契約者が得るもの | 合併契約原文へのアクセス権(閲覧・謄本交付請求権) | 合併の事実と手続日程の告知 異議を述べる権利(一定割合で合併を阻止しうる) |
| 期間 | 三つの起算点のうち最も早い日から効力発生日後六月を経過する日まで | 通知・公告の時点(備置開始日の一つの基準) 公告に記載された異議申述期間内 |
| 会社側の負担 | 各営業所での備置きと閲覧対応、謄本交付費用規程の整備 | 通知の発送および公告の実施 異議の集計と、割合に応じた合併手続の再検討 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も併購契約書等の備置と閲覧を定めるが、保険契約者を明示的な閲覧請求権者として列挙する構造は日本の方が明確である
韓国は商法の合併開示規定を基本とし、保険業法が監督上の認可を重ねる構造。契約者の閲覧権の明文化の度合いは要確認
ドイツは組織再編法で書類の据置きと閲覧を定め、保険監督法(VAG)が保険契約者保護を監督官庁の認可で担保する二層構造
米国は州保険庁の認可手続とパブリックヒアリングを通じた開示が中心で、契約者個人の書類閲覧請求権として構成されていない点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入中の生命保険会社から「合併に関するお知らせ」が届いた。異議を述べるかどうか決める期限は公告に書かれているが、判断材料はパンフレットの数行しかない。ここで効いてくるのが本条だ。通知が届いた時点で備置きはすでに始まっている。つまり今日、最寄りの営業所へ行けば合併契約の原文が読める。締切が来てから資料請求を始める人と、締切前に原文を読んだ人では、異議を出すか解約するかの判断の質がまるで違う
- あなたが存続会社の総務・コンプライアンス担当だとする。備置きの起算日を一日でも取り違えれば、後の合併無効の訴えで手続の瑕疵として突かれる。しかも備置場所は本店ではなく「各営業所」であり、置き忘れた支店が一か所あるだけで全体の手続が汚れる
- 親が入っている医療保険の会社が合併する。親は封筒を開けずに捨てた。請求権者は契約者本人だが、実務上は委任を受けた代理人が閲覧を求めることもでき、家族が代わりに中身を確認する道は残っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知または公告の日付を控える。備置きは株主総会の日の二週間前の日、通知の日または公告の日、債権者異議の公告の日のうち最も早い日から始まっているので、その時点で請求できる2. 営業時間内に最寄りの営業所へ行き、二項一号(書面の閲覧)または三号(電磁的記録の表示の閲覧)を請求する。費用の定めはない3. 争う可能性があるなら費用を払って二号の謄本を取り、受領日を記録する4. 内容に納得できなければ、公告に記載された期限内に書面で異議を述べる
訴えられた側:1. 備置開始日を三つの起算点すべてで計算し、最も早い日に合わせる。遅れはそのまま合併無効の訴えの材料になる2. 備置場所は本店ではなく各営業所。支店・出張所の扱いを事前に整理し、電磁的記録で備え置くなら閲覧用の表示手段を各営業所に確保する3. 内閣府令が定める記載事項の漏れを点検する4. 謄本交付の費用は社内規程で先に定めておく。定めがなければ費用を理由に拒めない5. 効力発生日後六月を経過する日までは撤去しない
時効(請求できる期限):備置期間は、株主総会の日の二週間前の日、165条の12で準用する165条の4第1項の通知の日または同条第2項の公告の日のいずれか早い日、165条の12で準用する165条の7第2項の公告の日、この三つのうち最も早い日から効力発生日後六月を経過する日まで。閲覧・交付の請求はその期間内かつ営業時間内に限られる。吸収合併無効の訴えは効力発生日から六か月以内(会社法828条1項7号)
学説
通説:本条は会社法794条の事前開示制度の保険業法上の特則であり、議決権を持たない保険契約者に情報アクセス権を与えることで、異議申述権(165条の7)の実効性を担保する機能を持つと解されている。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める