保険業法 第282条(生命保険募集人に係る制限)
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- 生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。以下この編において同じ。)又はその委託を受けた者は、他の生命保険会社の生命保険募集人に対して、保険募集の委託又は再委託をしてはならない。
- 2.生命保険募集人は、他の生命保険会社の役員若しくは使用人若しくはこれらの者の使用人を兼ね、又は他の生命保険会社の委託若しくはその委託を受けた者の再委託を受けて保険募集を行い、若しくは他の生命保険会社の委託若しくはその委託を受けた者の再委託を受けて保険募集を行う者の役員若しくは使用人として保険募集を行うことができない。
- 3.前二項の規定は、生命保険募集人が二以上の所属保険会社等を有する場合においても、その保険募集に係る業務遂行能力その他の状況に照らして、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、適用しない。
この条文の基本情報
生命保険募集人に係る制限とは何ですか?
定義生命保険募集人に係る制限とは、保険業法第282条に定められた規定で、「生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第282条(生命保険募集人に係る制限)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第282条の条文原文は「生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。」で始まります。
- 保険業法第282条は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第282条の前の条は保険業法第281条です。
- 保険業法第282条の次の条は保険業法第283条です。
- 保険業法第282条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第282条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第282条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/282
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法282条は生命保険募集人の一社専属制を定める。他社商品の募集は原則禁止だが、3項により政令要件を満たす乗合代理店は複数社を扱える。
Q · 保険の担当者が自社の商品しか見せてこないのは、法律で決まっているんですか?
原則は一社専属。政令要件を満たす乗合代理店だけが複数社を扱えます
保険業法282条1項は生命保険会社等が他の生命保険会社の募集人へ保険募集を委託することを禁じ、2項は生命保険募集人が他の生命保険会社の役員・使用人を兼ねることや他社の委託を受けて募集を行うことを禁じています。これが一社専属制です。ただし3項により、二以上の所属保険会社等を有し、業務遂行能力その他の状況に照らして保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、1項2項は適用されません。保険ショップなどの乗合代理店はこの3項の枠内に立っています。
解説
生命保険の担当者が自社の商品しか出してこないのは、営業方針でも勉強不足でもない。保険業法282条が、生命保険会社が他社の募集人へ募集を委託することを禁じ、募集人が他社の役員や使用人を兼ねることも禁じているからだ。いわゆる一社専属制である。あなたが二時間の説明を聞いて比較したつもりでも、比較の対象は最初から一社分しか用意されていない。ところが同じ条文の3項に抜け道が置かれている。二以上の所属保険会社等を有し、政令で定める要件を満たす場合には1項2項を適用しない。街の保険ショップが二十社の商品を並べられるのは、この3項の枠の中に立っているからだ。つまり、あなたが受け取る提案書の厚みは、担当者の熱意ではなく、その担当者がどの登録形態で立っているかによって、会う前から決まっている。
法的な位置づけ
保険業法282条は生命保険募集人の一社専属制を定める規定である。1項は生命保険会社等による他社募集人への募集の委託・再委託を禁止し、2項は生命保険募集人が他の生命保険会社の役員・使用人を兼ねること及び他社の委託を受けて保険募集を行うことを禁止する。3項は、二以上の所属保険会社等を有し政令で定める要件を満たす場合の適用除外を定める。
手順
- 1.提案を受ける前に取扱会社数を一問で確認する 商品説明に入る前に「御社は生命保険を何社扱っていますか」と確認する。一社専属なら比較は成立せず、乗合なら282条3項の枠内であり比較推奨の理由説明義務が同時に起動する
- 2.所属保険会社名と募集人登録を照合する 名刺・重要事項説明書に記載された所属保険会社名と、募集人登録の有無・登録種別を照合する。乗合代理店の場合は取扱生命保険会社の一覧を書面で出してもらう
- 3.募集人側は他社商品の相談を受けたら先に社内照会する 他社商品の紹介を依頼された募集人は、動く前に所属会社のコンプライアンス部門へ書面で照会する。単なる情報提供か保険募集かの線引きを社内判断として残し、謝礼の授受は行わない
- 4.違反が疑われる勧誘を受けたら証拠を保全し窓口へ 無登録勧誘や事実と異なる比較説明があれば、提案書・通話記録・メッセージ履歴を保全する。苦情は所属保険会社の窓口と生命保険協会の相談所へ並行して申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1一社専属制とは何ですか?
生命保険募集人が一つの生命保険会社にのみ所属して募集を行う原則です。保険業法282条1項2項が根拠で、他社商品の募集や他社の役員・使用人の兼職が禁止されます。
Q2保険業法282条3項の「政令で定める場合」とは?
二以上の所属保険会社等を有する募集人について、業務遂行能力その他の状況から保険契約者等の保護に欠けるおそれがないと政令が定める場合です。具体的要件は保険業法施行令で規定されます。
Q3一社専属制に違反するとどうなりますか?
保険業法307条に基づく登録取消しや業務停止の対象となり得ます。処分は聴聞を経て行われ、記録は登録情報に残るため転職時の審査でも表に出ます。
Q4銀行が複数の生命保険を販売できるのはなぜ?
銀行は282条3項の枠内で複数の生命保険会社を所属保険会社等とする募集人として登録しているためです。窓口販売には別途の弊害防止措置も課されています。
Q5所属保険会社等とは何ですか?
募集人に保険募集を委託している保険会社、またはその委託を受けて再委託した者を指します。282条3項の「二以上の所属保険会社等」は乗合状態を意味します。
Q6生保から生保へ転職するとき募集人登録はどうなる?
前職の募集人登録を抹消してから新しい所属会社で登録し直します。登録が重複したまま募集を行えば282条2項に抵触するおそれがあります。
Q7保険業法282条はいつできた条文ですか?
平成7年(1995年)の保険業法全部改正により現行282条として整理されました。それ以前は保険募集の取締に関する法律が同様の専属規制を担っていました。
Q8担当者が一社専属かどうか確認する方法は?
所属保険会社名と募集人登録の有無を確認します。登録情報の照会や所属会社への問い合わせで、取り扱っている生命保険会社の数を把握できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険ショップは何十社も扱ってるのに、会社に来る担当者は一社だけ。あれって違法じゃないんですか?
どちらも適法です。282条1項2項が生命保険募集人の一社専属を原則とし、同条3項が、二以上の所属保険会社等を有し政令の要件を満たす場合には適用しないと定めています。保険ショップは例外側です。実務のポイント:乗合代理店は特定商品を薦める理由の説明義務を負っています。黙っていれば出てきませんが、「なぜこの商品を私に薦めるのか」と口に出した瞬間、その義務が現実に動き出します
Q2生保の営業をしています。友達に他社の商品を紹介して謝礼をもらうのはアウトですか?
募集行為に踏み込めばアウトです。282条2項は、他の生命保険会社の委託を受けて保険募集を行うことを正面から禁じています。単なる話題提供と契約締結の勧誘との線引きが争点になります。実務のポイント:謝礼の授受があると実務上は募集行為と評価されやすい。行政処分の記録は登録情報に残り、転職時に新しい所属会社の審査で必ず表に出てきます
Q3乗合代理店なら公平に比較してくれるんですよね?
乗合であることと中立であることは別です。282条3項は複数社を扱う資格を開いただけで、どの商品を推すかの動機まで規制する条文ではありません。会社ごとに手数料水準は異なります。実務のポイント:代理店には比較推奨の理由を説明する義務があり(294条および関係府省令)、「何社の中から、どういう基準で絞ったのか」と聞けば答えざるを得ない。この一言が提案書の中身を変えます
Q4損保の代理店は普通に何社も扱ってますよね。なぜ生保だけ縛るんですか?
282条が生命保険募集人だけを名指しした条文だからです。損害保険に同様の専属制はなく、乗合が前提です。生命保険は契約期間が数十年に及び、募集時の説明責任を負う会社を一社に確定させる必要性が高いと考えられてきました。実務のポイント:同じ保険代理店の看板でも生保部門と損保部門で法の構造が違う。「生保も損保も扱っています」と言われたら、生保側が何社かを別途確認する必要があります
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「担当者が自社商品ばかり推している」にすぎないが、法律から見れば、その担当者が他社商品を勧めること自体が282条2項の禁止行為である。推していないのではなく、推せない。この落差を知らないまま「他社も調べてよ」と頼めば、相手を違反行為へ押し込むことになる
- 生保と損保で扱える会社数が違うことは何となく知られているが、その差が法律の明文によるものだと理解している人は少ない。損害保険には同様の専属制がなく、282条は生命保険募集人だけを名指ししている。同じ代理店の看板の下でも、生保側と損保側では提案の構造が根本から違う
- 乗合代理店なら中立だと思われがちだが、282条3項は複数社を扱う資格を開いただけで、推奨の動機まで中立化する条文ではない。会社ごとの手数料差は残る。だからこそ後の改正で、比較推奨の理由を説明する義務が別立てで課された
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 282条:生命保険募集人の所属先(一社専属と3項の例外) | 275条:保険募集を行える者の範囲(登録者に限る原則) 283条:所属保険会社等が募集人の行為について負う賠償責任 |
| 誰に効く規範か | 生命保険会社と生命保険募集人の双方(委託側と受託側) | 保険募集を行おうとするすべての者 保険契約者(被害者側の請求根拠) |
| 違反・発動の効果 | 307条による登録取消し・業務停止等の行政処分 | 無登録募集として行政処分・罰則の対象 所属保険会社への直接の損害賠償請求 |
| 例外の有無 | 3項:二以上の所属保険会社等+政令要件で適用除外 | 登録・届出の類型ごとに範囲が定まる 相当の注意をした場合等の免責余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も業務員を所属公司に登錄させる制度を採り、二社以上の同時登錄は制限される。代理人・仲立人については保險法が別途資格を規律し、日本の専属制と代理店制度の二層構造に近い
韓国も保険設計士への他社からの募集委託を原則禁止しつつ、生保・損保・第三保険の組み合わせによる交差募集を例外的に認める。日本の282条3項に相当する開放の仕方が異なる
ドイツは専属制を条文で強制するのではなく、gebundener Vertreter(一社専属型)・Mehrfachagent・Makler という登録類型の区別として制度化する。どの類型で登録しているかが日本の1項2項/3項の区別に機能的に対応する
米国は producer license 自体に専属義務がなく、captive agent か independent agent かは保険会社との契約(appointment)で決まる。専属性が法律ではなく私的契約の問題である点が日本と根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険ショップで二十社の横並び比較表を出された翌週、職場に来る担当者は自社の三商品しか見せなかった。同じ「保険のプロ」なのに、なぜここまで選択肢の幅が違うのか? 能力差ではない。282条1項2項の側に立つ人と、3項の政令例外の側に立つ人の違いである。この一点を知っているだけで、提案書の読み方が変わる
- あなたは生保の営業職。旧友から「他社の医療保険が良いらしい、手続き手伝ってよ」と頼まれ、話の流れで謝礼の話まで出た。ここで契約締結を勧誘すれば282条2項に正面から当たる。所属会社への報告義務が発生し、最悪の場合は307条による登録取消しの審査が始まる。友人の頼みと自分の職業資格が、同じテーブルの上で衝突している
- 副業でネット保険の代理店を始めようとした。本業は生保会社の内勤ではなく営業職である。この時点で282条2項の兼職禁止に真正面からぶつかる
- 生保会社Aから生保会社Bへの転職が決まり、入社日は三週間後。前職の募集人登録が残ったままB社の募集を始めれば、282条2項が禁じる状態になる。登録の抹消と新規登録が入社日に間に合わなければ、机に座っていても一件も売れない期間が発生する
- 友人が「保険の窓口で相談したから中立に比較してもらった」と言って契約書を見せてきた。乗合であることと中立であることは別物だと、あなたは三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提案してきた相手が一社専属か乗合かを、所属会社名と募集人登録の有無で確認する2. 他社商品の無登録勧誘や事実と異なる比較説明があれば、提案書・通話記録・LINE 履歴を保全する3. 苦情は所属保険会社の窓口と生命保険協会の相談所へ並行して出す4. 実損が出ているなら、募集人個人ではなく所属保険会社へ283条で直接請求する。資力の面でこちらが圧倒的に有利
訴えられた側:1. 問題の行為が「保険募集」に当たるのか、単なる情報提供にとどまるのかを事実ベースで切り分ける2. 3項の政令例外の適用余地を所属会社と確認する3. 謝礼や手数料の授受があるなら早期に返還し、その記録を残す4. 307条の登録取消しは聴聞を経て行われる。聴聞期日が反論の唯一の場であり、弁明書と裏付け資料を事前に提出しておく
時効(請求できる期限):282条違反そのものに時効の定めはない。登録取消し等の不利益処分(307条)を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。283条に基づく損害賠償請求は、特定の時効規定がないため一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される
学説
通説:一社専属制の趣旨は、募集人が誰の代理として語っているかを一義的に確定させ、所属保険会社等が募集人の行為について負う賠償責任(283条)を安定して機能させる点にあると説明される。3項の適用除外は、この責任構造を維持できる体制が整う場合に限って複数社取扱いを開放する仕組みと位置づけられる
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 現行保険業法(平成7年法律第105号、平成8年4月1日施行)により、旧「保険募集の取締に関する法律」が担っていた生命保険募集人の一社専属制が282条として再編された。3項の政令による例外枠およびその後の改正経緯は要検証
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正(平成7年法律第105号)により、旧「保険募集の取締に関する法律」が担っていた生命保険募集人の一社専属制が282条として再編された。3項の政令による適用除外枠およびその後の改正経緯は要検証
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