保険業法 第315条の2
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- 次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一第二百七十一条の十八第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になったとき、又は保険会社を子会社とする持株会社を設立したとき。
- 二第二百七十一条の十八第三項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて保険会社を子会社とする持株会社であったとき。
- 三第二百七十一条の十八第五項の規定による命令に違反して保険会社を子会社とする持株会社であったとき又は第二百七十一条の三十第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて保険会社を子会社とする持株会社であったとき。
- 四第二百七十二条の三十五第一項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者を子会社とする持株会社になったとき、又は少額短期保険業者を子会社とする持株会社を設立したとき。
- 五第二百七十二条の三十五第三項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき。
- 六第二百七十二条の三十五第五項の規定による命令に違反して少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき、又は第二百七十二条の四十第二項において準用する第二百七十一条の三十第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第315条の2は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第315条の2の条文原文は「次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 保険業法第315条の2は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第315条の2の前の条は保険業法第315条です。
- 保険業法第315条の2の次の条は保険業法第316条です。
- 保険業法第315条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第315条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第315条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/315_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法315条の2は、内閣総理大臣の認可を受けずに保険会社を子会社とする持株会社になった者を、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又は併科すると定める罰則規定である。
Q · 保険会社の株を買い増して持株会社になっただけで、刑事罰を受けることがあるの?
ある。無認可で持株会社になった時点で処罰対象になる
保険業法315条の2は、271条の18第1項の認可を受けずに取引や行為によって保険会社を子会社とする持株会社になった場合、または設立した場合に、その違反行為をした者を二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又は併科すると定めます。詐欺的意図は要件ではなく、議決権が子会社基準を超えた事実そのものが構成要件を満たします。意図せず持株会社になった場合には猶予期限日の枠組みがありますが、その日を超えて持株会社であったこと自体も第2号で処罰されます。少額短期保険業者の持株会社(272条の35)も同じ法定刑です。
解説
保険会社の株を買い集めていったら、ある日「持株会社」になっていた。それだけで刑事罰の対象になりうる、というのが保険業法315条の2の正体である。この条文が罰するのは詐欺でも横領でもない。認可を取らずに保険会社を子会社とする持株会社になった、その一点だ。相続で保険会社株を引き継いだ、投資ファンドが議決権を積み上げた、グループ再編で結果的に頂点に立った。どれも「悪意」は要らない。二年以下の拘禁刑もしくは三百万円以下の罰金、しかも併科されうる。さらに残酷なのは第二号と第三号で、意図せず持株会社になってしまった者に与えられる猶予期限日を過ぎてもその地位にとどまっていること自体が犯罪になる。つまり「なった」ことだけでなく「降りなかった」ことも処罰される。あなたが M&A や資本政策に関わるなら、この条文は取引スキームを設計する段階で見ておかなければ間に合わない。
法的な位置づけ
保険業法315条の2は、保険持株会社および少額短期保険持株会社に関する事前規制の実効性を担保する罰則規定である。認可・承認を受けない持株会社化および設立、猶予期限日の徒過、内閣総理大臣の命令や指定期間への違反という六つの類型を掲げ、違反行為をした者に二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金を科し、又はこれを併科する。
よくある質問 AI による整理
Q1保険持株会社とは何ですか?
保険会社を子会社として支配するグループの頂点企業を指します。保険業法上、認可を受けずにその地位になることが禁じられ、315条の2で刑事罰の対象とされています。
Q2保険業法315条の2の罰則はどのくらい重いですか?
二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金、またはその併科です。行政処分ではなく刑事罰であり、違反行為をした自然人が第一次的な処罰対象になります。
Q3猶予期限日とは何ですか?
意図せず保険持株会社になった者に、その地位を解消するために与えられる期限です。保険業法271条の18第3項が定め、これを超えて持株会社であったこと自体が315条の2第2号で処罰されます。
Q4保険会社の子会社になるのは議決権何パーセントからですか?
議決権の過半数保有が基本ですが、実質支配基準も加味されます。具体的な算定方法は保険業法施行令・施行規則に委任されており、共同保有や間接保有の扱いを確認する必要があります。
Q5保険持株会社の認可はどこに申請しますか?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限が委任されており実務上の窓口は金融庁です。取引実行日から逆算した事前相談が前提になります。
Q6相続で保険会社の株を引き継いだらどうなりますか?
意図せず持株会社になった類型として猶予期限日が与えられます。ただし期限内に売却を完了できなければ、悪意がなくても315条の2第2号の構成要件に該当します。
Q7保険業法315条の2の公訴時効は何年ですか?
法定刑の長期が二年の拘禁刑であるため、公訴時効は三年です(刑事訴訟法250条2項)。ただし第2号・第3号の起算点は解釈が分かれます。
Q8内閣総理大臣の措置命令に従わないとどうなりますか?
271条の18第5項の命令違反、または271条の30第2項の指定期間を超えて持株会社であった場合、315条の2第3号により同じ法定刑で処罰されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可を取らずに持株会社になっちゃった場合、後から認可を申請すればセーフになりますか?
ならない。271条の18第1項は「認可を受けないで」持株会社になる行為を禁じており、事後の申請は既に成立した違反を消さない。ただし意図せず持株会社になった場合には同条第3項の猶予期限日の枠組みがあり、そこに乗れるかで景色が変わる。実務のポイント:実務では違反が直ちに起訴に至る例は多くなく、金融庁との行政対応の中で是正されるのが通常である。だが「起訴されないのが通例」と「違法ではない」は全く別で、後者を前提に取引を設計すると、争いが起きた瞬間に足場が消える
Q2罰せられるのは会社ですか、それとも役員個人ですか?
条文は「その違反行為をした者」と書いており、まず違反行為を行った自然人が対象になる。加えて保険業法には法人も処罰する両罰規定が置かれており、会社にも罰金が科されうる。実務のポイント:「違反行為をした者」が誰かは、稟議書の決裁ラインと取締役会議事録で事実上決まる。反対意見を述べた役員が議事録にその旨を残しているかどうかが、後から個人の刑事責任を分ける。形式的な全員一致の議事録は、全員を同じ船に乗せる文書でもある
Q3少額短期保険業者なら規制が緩いと聞きましたが、罰則も軽いんですか?
軽くない。少額短期保険業者の持株会社規制違反(272条の35関係)は、保険会社の場合と同じ315条の2の中に並べて規定されており、法定刑は同一である。参入時の資本要件などが緩和されているだけで、持株会社化の承認を飛ばしたときの刑事罰は変わらない。実務のポイント:ミニ保険への参入検討では事業規模の小ささから規制全体を軽く見積もる例が多いが、持株会社規制はグループ構造の問題であり、傘下の保険会社の規模とは連動しない
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可が要ることは知っている」という人は多い。だが知られていないのは、その違反が行政処分で終わらず刑事罰に直結する点だ。業務改善命令を受けて是正すれば済む世界ではなく、違反行為をした者個人が拘禁刑の対象になる。深刻度の目盛りが一段どころか二段違う
- 「うちは持株会社を設立した覚えはない」と考える経営者がいるが、問いの立て方が間違っている。315条の2第1号は「設立したとき」と並んで「取引若しくは行為により持株会社になったとき」を処罰する。設立という能動的行為がなくても、株式取得や合併の結果として「なる」ことがある。あなたが確認すべきは意思ではなく議決権比率である
- 会社の側から見れば「法人が規制対象だから、罰せられるのは会社だ」と見える。しかし条文は「その違反行為をした者は」と書く。法律から見れば、行為をした自然人が第一次的な処罰対象であり、法人は両罰規定を通じて別途処罰される構造だ。この落差が、稟議書に判を押した役員個人を被告人席に座らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の性格 | 保険業法315条の2:罰則(認可・承認違反に刑事罰) | 保険業法271条の18:保険持株会社の認可義務(行為規範) 保険業法272条の35:少額短期保険持株会社の承認義務(行為規範) |
| 対象となるグループ | 保険会社・少額短期保険業者の双方の持株会社 | 保険会社を子会社とする持株会社 少額短期保険業者を子会社とする持株会社 |
| 違反時の効果 | 二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金、併科あり | 認可を欠けば315条の2第1号の構成要件に該当 承認を欠けば315条の2第4号の構成要件に該当 |
| 救済・出口 | 猶予期限日内の地位解消、指定期間内の是正 | 271条の18第3項の猶予期限日 272条の35第3項の猶予期限日 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は銀行・保険会社・証券会社を同時に支配する場合に金融持株会社の設立許可を要求する。業態横断で一本の法律にまとめている点が、業態別法律に罰則を置く日本と異なる
韓国も金融持株会社の設立に金融委員会の認可を要求し、無認可設立に刑事罰を置く。保険業法とは別の単行法で規律する構造
ドイツは持株会社という器ではなく「重要な持分の取得者」に着目した事前審査を行い、監督当局は議決権行使の禁止など行政的手段を先に用いる
米国は州法レベルで支配権取得(Form A)の事前承認を要求する。連邦一元的な刑事罰ではなく、州保険当局の行政的差止めが中心になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が投資先の保険会社の株式を買い増していき、議決権が50% を超えた。事業目的は純粋な出資だったが、保険業法上はあなたの会社が「保険会社を子会社とする持株会社」になっている。271条の18第1項の認可を取っていなければ、その瞬間から315条の2第1号の構成要件に足を踏み入れている
- 先代が保有していた保険会社株を、相続で引き継いだ。意図せず持株会社になったケースには猶予期限日が与えられるが、その日を一日でも過ぎればアウト。株の売却先が見つからない、値段が折り合わない、そんな事情は構成要件を消してくれない
- 内閣総理大臣(実務上は金融庁)から「持株会社でなくなるよう措置を取れ」という命令が出た。あと三か月で指定期間が切れる。売却交渉は難航、株価は下落中。この期間を超えれば315条の2第3号、刑罰の入口である
- 少額短期保険業者、いわゆるミニ保険。ペット保険やスマホ保険を扱うスタートアップを買収して子会社にしたら、あなたの持株会社は272条の35第1項の承認対象になる。保険会社よりハードルが低い業態という印象があるが、持株会社規制の刑罰条文は同じ315条の2の中に並んでいる
- グループ再編の設計を法務部が進めている。「認可は取引実行後に申請すれば足りる」と誰かが言った。違う。認可は「なる前」に受けるものであり、事後申請では1号の違反行為は既に完成している
取るべき行動
被害を受けた側:保険会社または少額短期保険業者の株主・投資家として、支配株主が無認可で持株会社化している疑いを持った場合、まず登記と有価証券報告書で議決権比率と認可の有無を確認する。金融庁への情報提供が現実的な第一手であり、刑事告発は事実関係の裏付けが揃ってから検討する。株価下落等の損害は民法709条による賠償請求の対象になりうるが、因果関係の立証が最大の壁になる
訴えられた側:1. 客観的な議決権比率の推移と、認可・承認の申請履歴を時系列で固める。2. 第2号・第3号の猶予期限日や指定期間の起算点を正確に特定する、期限の解釈が争点になることは多い。3. 意図せず持株会社になった経緯(相続・合併・他株主の異動による相対的上昇など)があれば、その資料を優先的に保全する。4. 金融庁との交渉と刑事弁護は別軌道であり、行政対応で述べた内容が刑事手続で使われうる点を意識して、金融規制に精通した弁護人を早期に選任する
時効(請求できる期限):法定刑の長期が二年の拘禁刑であるため、公訴時効は三年(刑事訴訟法250条2項)。第1号は持株会社になった時または設立した時から起算されるが、第2号・第3号は期限日を超えて持株会社「であった」状態を処罰する構造であり、状態の継続と時効の起算点の関係は実務上、解釈が分かれている。行政上の猶予期限日・指定期間は刑事の時効とは別物であり、混同しないこと
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法が全部改正され、平成7年法律第105号として成立。保険会社の免許制と監督・罰則体系が現在の骨格となる
- 2.平成9年(1997年) 改正:独占禁止法の持株会社解禁を受けた金融持株会社関係の法整備により、保険持株会社制度と認可制が導入され、対応する罰則が整備された
- 3.平成17年(2005年) 改正:少額短期保険業者制度が創設され(平成18年施行)、その持株会社に対する承認制と同一法定刑の罰則が本条に並べて規定された
- 4.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正により懲役・禁錮が拘禁刑に一本化され(令和7年6月1日施行)、本条の法定刑も「二年以下の拘禁刑」の表記に改められた
- 保険業法 第271条の18保険持株会社の設立・移行の認可義務
- 保険業法 第271条の30持株会社への措置命令と指定期間
- 保険業法 第272条の35少額短期保険持株会社の承認義務
- 保険業法 第272条の40少額短期保険持株会社への準用規定
- 保険業法 第271条法人両罰規定による会社への罰金
- 銀行法 第52条銀行持株会社の認可制と並行する規制構造
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第9条事業支配力過度集中の観点からの持株会社規制
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