保険業法 第316条の3
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一第三百八条の三第一項の規定による指定申請書又は同条第二項の規定によりこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録に虚偽の記載又は記録をしてこれらを提出した者
- 二第三百八条の九の規定に違反した者
- 三第三百八条の二十第一項の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
- 四第三百八条の二十一第一項若しくは第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又はこれらの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
- 五第三百八条の二十二第一項の規定による命令に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第316条の3は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第316条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 保険業法第316条の3は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第316条の3の前の条は保険業法第316条の2です。
- 保険業法第316条の3の次の条は保険業法第317条です。
- 保険業法第316条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第316条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第316条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/316_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法316条の2は、指定紛争解決機関の関係者による虚偽記載・秘密漏示・報告義務違反・検査忌避・命令違反に対し、1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を科す。
Q · 保険会社と揉めたときの裁定窓口って、本当に中立なんですか?
刑事罰付きの義務を負う、金融庁監督下の ADR 機関です
指定紛争解決機関は業界団体が運営しますが、金融庁の指定を受け、報告徴収・立入検査・業務改善命令の対象になります。保険業法316条の2は、指定申請書への虚偽記載、308条の9の秘密保持義務違反、業務報告書の不提出・虚偽記載、検査の拒否・忌避や虚偽答弁、業務改善命令違反の五類型に、1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を科します。裁定判断そのものは処罰対象ではありませんが、透明性と監督受忍の部分が刑事罰で担保されている点が、単なる業界の自主窓口との決定的な違いです。
解説
保険業法308条の3以下に出てくる「指定紛争解決機関」という言葉を、あなたは見たことがないかもしれない。だが保険会社と揉めたとき、裁判の前に無料で使える保険 ADR(生命保険協会・日本損害保険協会などの相談・裁定窓口)を運営しているのがまさにこの機関である。316条の2は、その機関の運営側が虚偽の申請書を出す、秘密を漏らす、業務報告を怠る、金融庁の立入検査を拒む、業務改善命令に従わない、といった行為をしたときに1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を科す条文だ。つまりあなたが使う「中立の裁定窓口」は、中立性を裏切ったら刑事罰が飛ぶ構造で担保されている。窓口の担当者が保険会社寄りの対応をしていると感じたとき、あなたが持ち出せるのは苦情ではなく、この機関が金融庁の監督下にあり刑罰付きの義務を負っているという事実である。
法的な位置づけ
保険業法316条の2は、指定紛争解決機関に関する義務違反への刑事罰を定める規定である。指定申請書等への虚偽記載、秘密保持義務違反、業務報告書の不提出・虚偽記載、報告徴収・立入検査の拒否や虚偽答弁、業務改善命令違反の五類型を構成要件とし、法定刑は1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、併科も可能である。
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
金融庁の指定を受け、保険・銀行・証券などの分野で苦情処理と裁定・あっせんを担う民間の紛争解決機関です。保険分野では生命保険協会や日本損害保険協会が指定を受けています。
Q2金融 ADR の裁定に法的拘束力はありますか?
利用者側は受諾するかどうかを選べます。一方で保険会社側には手続応諾義務・資料提出義務・結果尊重義務があるため、事実上は片面的に強い拘束が働きます。
Q3保険業法316条の2の罰則の対象は誰ですか?
条文の名宛人は「該当する者」、つまり虚偽記載や検査拒否などの行為をした自然人です。法人には別に両罰規定によって罰金が及ぶ場合があります。
Q4拘禁刑は懲役とどう違いますか?
懲役と禁錮を一本化した刑種で、作業の義務付けではなく改善指導や作業を柔軟に組み合わせる運用になります。上限期間や罰金との併科の扱いは条文ごとに定められます。
Q5金融 ADR の手続はどれくらいかかりますか?
苦情申出は数週間から、裁定・あっせん手続は事案により数か月かかることがあります。訴訟に比べると短く、原則として利用者の費用負担はありません。
Q6裁定に納得できない場合は裁判できますか?
できます。裁定案を受諾しなければ和解は成立せず、訴訟の道は閉ざされません。受諾すると和解の効力が生じるため、署名前に条件を精査する必要があります。
Q7保険金を請求できる期限は何年ですか?
保険法95条により保険給付を請求する権利は3年で時効消滅します。ADR の申立ては時効の完成猶予事由になりうるため、期限が近い場合は早めに動くべきです。
Q8指定紛争解決機関はどこで確認できますか?
金融庁が分野ごとの指定状況を公表しています。生命保険・損害保険・少額短期保険で窓口が異なるため、契約している保険の種別から逆引きして確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社と揉めたら、まず何に申し立てればいいんですか?
加入している保険の種別ごとに指定紛争解決機関があり、生命保険なら生命保険協会、損害保険なら日本損害保険協会が指定を受けています。苦情申出を経て裁定・あっせんへ進み、原則無料です。実務のポイント:保険会社の担当者は、社内で ADR 申立件数が監督上の数字として扱われることを知っています。「裁定に出します」の一言で、それまで動かなかった社内決裁が動くことは珍しくない
Q2その窓口って結局は保険業界の団体でしょう、公平なんですか?
運営主体は業界団体ですが、金融庁の指定を受け、報告徴収・立入検査・業務改善命令の対象になります。検査拒否や命令違反には本条で1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されます。実務のポイント:裁定手続の裁定委員には弁護士・消費生活相談員・学識者が入るのが通例です。申立書で「裁定委員会での審理を希望する」と明記するかどうかで、事務局限りの処理で終わるか外部委員の目が入るかが変わる
Q3申立てで出した診断書とか家族の事情、保険会社に全部筒抜けになりませんか?
機関の役職員には308条の9で秘密保持義務が課され、違反は本条第二号により刑事罰の対象です。手続上必要な範囲を超えた開示はできません。実務のポイント:それでも実務上、争点整理のため一定の資料は相手方に共有されます。提出前に「この資料は争点との関係でどこまで開示されるか」を事務局に書面で確認しておくと、後から想定外の共有が起きたときに責任の所在がはっきりする
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社と揉めたら裁判しかない」という前提そのものが間違っている。指定紛争解決機関による裁定手続は原則無料で、保険会社側には手続応諾・資料提出・結果尊重の義務がある(308条の7)。問いを「訴訟費用をどう捻出するか」から「まず ADR に出して相手を土俵に引き出せるか」に置き換えた瞬間、選択肢の数が変わる
- 指定紛争解決機関は業界団体が運営しているから保険会社寄りだ、と多くの人が考える。だがあなたから見て「業界の身内」に見える組織は、法律から見れば金融庁の指定・監督を受け、検査拒否や命令違反に拘禁刑が科される規制対象である。この落差を知らないまま「どうせ身内だから」と申立てを諦める人が、実際には一番損をしている
- 罰則条文は組織に科されるものだと思われがちだが、本条の名宛人は「該当する者」、つまり行為をした自然人である。法人にも両罰規定(保険業法321条)で罰金が及ぶ場合があるが、報告書に虚偽を書いた担当者個人が被告人になる構造だと理解しておくと、組織内での責任の所在が全く違って見える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法316条の2:五類型の義務違反を犯罪化する罰則規定 | 保険業法308条の9:役職員の秘密保持義務を定める実体規定 保険業法321条:法人にも罰金を及ぼす両罰規定 |
| 名宛人 | 行為をした自然人(機関の役職員等) | 指定紛争解決機関の役員・職員およびその経験者 法人・人の代表者や従業者が違反した場合の法人自身 |
| 効果 | 1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、併科あり | 義務そのもの(違反の効果は316条の2第二号に接続) 行為者を罰するほか法人にも罰金刑(現行効力を要確認) |
| 利用者から見た意味 | 窓口の中立性が刑事罰で裏打ちされている根拠 | 提出した病歴や家族情報が外部に流れない根拠 個人の処分で終わらず組織にも責任が及びうる根拠 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は財団法人金融消費評議中心を法律で設け、主管機關の監督下に置く。日本の指定制に近いが、機関が単一である点が異なる
韓国は金融監督院という公的機関が紛争調停を直接担う。民間機関を指定して監督する日本型とは制度設計が異なり、罰則の建て付けも同一ではない
ドイツは保険オンブズマン等の調停機関を連邦司法当局が承認する仕組み。義務違反の制裁は主として承認の取消しなど行政的手段が中心となる
米国は州保険局が苦情を直接受け付ける。連邦レベルで指定 ADR 機関に刑事罰を科す統一制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険金不払いで生命保険会社と争い、指定紛争解決機関の裁定手続を申し立てた。担当者から「詳しい経緯は保険会社側にも共有します」と言われ、あなたが提出した病歴や家族関係の資料がどこまで流れるのか不安になる。308条の9の秘密保持義務違反は刑事罰の対象で、機関職員は法律上あなたの情報を勝手に扱えない立場にある
- もし、あなたが申し立てた裁定手続で、機関側が金融庁への報告書に事案の件数や処理結果を虚偽記載していたとしたら? 第三号・第四号がそのまま適用され、機関の役職員が刑事責任を負う。あなたの一件が、機関の統計を歪める動機になっていることもある
- あなたが保険会社のコンプライアンス担当で、指定紛争解決機関からの資料提出要請にどこまで応じるか判断を迫られている。3日後が期限。ただし本条の名宛人は機関側であり、保険会社側の義務違反は別条で処理される。誰が誰に対して何の義務を負うのかを取り違えると、社内の説明が丸ごとずれる
- 業界団体の事務局に転職し、ADR 部門の管理職についた。金融庁の立入検査の通知が届く。答弁を渋る、資料を出し惜しむ、この判断が組織の判断ではなく担当者個人の犯罪になる。行政処分(役所が組織に下す業務改善命令など)で終わる話ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険会社の不払い・減額通知を受けたら、まず加入している保険の種別(生命保険・損害保険・少額短期)に対応する指定紛争解決機関の窓口を確認2. 苦情申出から始め、解決しなければ裁定・あっせん手続へ進む。原則無料で、保険会社に応諾義務がある3. 提出資料は控えを全部保管、機関職員には308条の9の秘密保持義務があり違反は刑事罰の対象4. 機関側の対応自体に問題があると感じたら、金融庁監督局へ事実関係を伝える経路がある
訴えられた側:1. 金融庁の報告徴収・立入検査を受けた段階で、答弁と資料提出の範囲を弁護士と確認。拒否・虚偽答弁がそのまま本条第四号の構成要件になる2. 過去の報告書に誤記があると気付いたら、指摘される前に自主的に訂正報告を出す。虚偽の故意を否定する最大の材料になる3. 業務改善命令を受けたら、期限内の履行報告を証跡付きで残す。不履行は第五号で犯罪化される4. 法人にも両罰規定(保険業法321条)が及ぶ可能性があるため、個人の弁護と法人の対応は早期に整理する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本罪の法定刑は1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金であり、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時、継続的な不提出の場合は義務違反状態が終了した時と解される。なお利用者側が ADR を使う場合の保険金請求権の消滅時効は3年(保険法95条)で、手続申立ては時効の完成猶予事由になりうる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 改正:金融商品取引法等の一部を改正する法律により金融 ADR 制度が創設され、保険業法にも指定紛争解決機関に関する規定群と、それに対応する罰則が整備された
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律により懲役・禁錮が拘禁刑に一本化され、本条の法定刑も「1年以下の拘禁刑」の表記に改められた
- 保険業法 第308条の3指定紛争解決機関の指定申請手続
- 保険業法 第308条の9役職員の秘密保持義務の実体規定
- 保険業法 第308条の20業務報告書の提出義務
- 保険業法 第308条の21金融庁の報告徴収・立入検査権限
- 保険業法 第308条の22業務改善命令の根拠規定
- 保険業法 第321条法人処罰の両罰規定(現行効力を要確認)
- 銀行法 第52条の73銀行分野の指定紛争解決機関に関する並行規定
- 金融商品取引法 第156条の58証券分野の指定紛争解決機関の指定規定
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効期間の根拠
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