介護保険法 第114条の2(報告等)
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- 都道府県知事又は市町村長は、必要があると認めるときは、介護医療院の開設者、介護医療院の管理者若しくは医師その他の従業者(以下「介護医療院の開設者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、介護医療院の開設者等に対し出頭を求め、又は当該職員に、介護医療院の開設者等に対して質問させ、若しくは介護医療院、介護医療院の開設者の事務所その他介護医療院の運営に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は立入検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
- 3.第一項の規定により、介護医療院の開設者等に対し報告若しくは提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に介護医療院の開設者等に対し質問させ、若しくは介護医療院に立入検査をさせた市町村長は、当該介護医療院につき次条、第百十四条の四第一項、第百十四条の五第三項又は第百十四条の六第一項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
この条文の基本情報
報告等とは何ですか?
定義報告等とは、介護保険法第114条の2に定められた規定で、「都道府県知事又は市町村長は、必要があると認めるときは、介護医療院の開設者、介護医療院の管理者若しくは医師その他の従業者(以下「介護医療院の開設者等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第114条の2(報告等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第114条の2の条文原文は「都道府県知事又は市町村長は、必要があると認めるときは、介護医療院の開設者、介護医療院の管理者若しくは医師その他の従業者(以下「介護医療院の開設者等」という。」で始まります。
- 介護保険法第114条の2は第三款 介護医療院に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第114条の2の前の条は介護保険法第114条です。
- 介護保険法第114条の2の次の条は介護保険法第114条の3です。
- 介護保険法第114条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第114条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第114条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/114_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法114条の2は、都道府県知事と市町村長に、介護医療院の開設者等への報告命令・質問・立入検査の権限を与える。市町村長は処分が必要なら県へ通知する義務を負う。
Q · 介護医療院の対応がおかしいとき、県じゃなくて市役所に言っても意味ある?
ある。市町村長にも立入検査権があり、県への通知義務もある
介護保険法114条の2第1項は、都道府県知事だけでなく市町村長にも、介護医療院の開設者等への報告命令、診療録等の提出・提示命令、質問、立入検査の権限を与えています。さらに第3項により、検査した市町村長は処分が必要と認めれば理由を付して都道府県知事に通知しなければなりません。市町村への相談は、県の処分手続につながる正式な入口です。
解説
介護医療院に立ち入り、診療録までめくれる役所は都道府県だけではない。114条の2第1項は、都道府県知事と市町村長の双方に、報告命令、診療録その他の帳簿書類の提出・提示命令、出頭要求、質問、立入検査という一式の権限をまとめて渡している。相手方は法人としての開設者にとどまらず、管理者、医師、その他の従業者個人まで届く。場所も施設内に限られず、開設者の事務所その他運営に関係のある場所まで広がる。第2項が24条3項を準用するので、検査に来た職員は身分を示す証明書を携帯し、求められれば提示しなければならない。そして第3項。市町村長が自ら検査した結果、是正の処分が要ると判断したときは、理由を付して都道府県知事に通知する義務を負う。つまり、あなたが市役所の窓口で伝えた一言が、市町村の立入検査を動かし、県の処分まで押し上げていく経路が、条文の中にあらかじめ配線されている。
法的な位置づけ
介護保険法114条の2は、介護医療院に対する行政調査権限を定める規定であり、都道府県知事および市町村長が、必要と認めるときに開設者・管理者・医師その他の従業者に対し、報告、診療録その他の帳簿書類の提出・提示、出頭を求め、職員に質問・立入検査をさせることができる旨、ならびに市町村長の都道府県知事への通知義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.気になる事実を記録する 内出血や対応の変化など気づいた事実を、日付・時刻・場所・身体の状態とあわせて記録し、写真、連絡帳、請求明細の写しを保管する。
- 2.市町村の介護保険担当課へ相談する 住所地の市町村の介護保険担当課に、いつ・どの時間帯に・誰に・何が起きたかを具体的に伝え、記録の写しを添える。市町村長にも114条の2第1項の立入検査権がある。
- 3.動きがなければ都道府県へ 市町村の対応が見えないときは都道府県の指導監査担当に相談し、市町村での経緯と、処分が必要なら市町村長に都道府県知事への通知義務がある(第3項)点を伝える。
- 4.施設側:検査当日の手続を記録する 検査開始時に職員の身分証明書の提示を求め、氏名・所属・根拠条文・検査範囲を記録する。その場で出せない資料は提出期限と範囲を書面で確認する。
- 5.施設側:処分の兆候があれば弁護士へ 監査への移行や不利益処分の兆候があれば、聴聞(行政手続法13条)や審査請求の期間を見据え、早めに弁護士に相談して防御資料を整理する。
よくある質問 AI による整理
Q1介護医療院の立入検査とは?
介護保険法114条の2に基づき、都道府県や市町村の職員が介護医療院や運営に関係する場所に立ち入り、設備・診療録・帳簿書類などを検査する行政調査です。
Q2介護施設の虐待はどこに通報すればいい?
住所地の市町村の介護保険担当課や高齢者虐待の相談窓口が第一候補です。介護医療院なら市町村長にも114条の2に基づく立入検査権があります。
Q3立入検査は拒否できる?
正当な理由なく拒否・妨害することは予定されておらず、罰則の対象となりえます。ただし職員に身分証明書の提示を求めることは正当な対応です。
Q4立入検査の職員は身分証を見せる義務がある?
あります。114条の2第2項が24条3項を準用し、職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q5市町村に介護医療院の処分権限はある?
許可取消し等の処分は主に都道府県知事の権限です。市町村長は検査のうえ処分が必要と認めれば、理由を付して知事に通知する義務を負います。
Q6介護医療院の立入検査で見られる書類は?
条文は診療録その他の帳簿書類を明記しています。実務上は勤務表、ケア記録、請求関係書類、運営基準に関する記録などが対象になりやすいです。
Q7介護医療院の検査は事前に通知される?
通常の運営指導は事前通知が一般的ですが、通報などを端緒とする監査では予告なく行われることがあります。運用は国の指針や自治体によります。
Q8立入検査の結果で処分されたらどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟を検討できます。許可取消し等では事前に聴聞手続が行われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1母の施設の様子がどうもおかしいんですが、これってどこに言えばいいんですか?
市町村の介護保険担当課で足ります。114条の2第1項は都道府県知事と並んで市町村長にも報告徴収と立入検査の権限を与えており、第3項では処分が必要と認めたとき理由を付して都道府県知事へ通知する義務まで課しています。実務のポイント:行政の「指導」と「監査」は別物で、通常の運営指導は事前通告がありますが、通報を端緒とする監査は無通告で入ることがあります。通報時に発生しやすい曜日や時間帯まで具体的に伝えると、その無通告検査の設計に直接効きます
Q2検査に来た職員に、患者さんのカルテまで全部見せないとダメなんでしょうか?
条文上、診療録は「報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示」として明文で検査対象に入っており、拒否や虚偽報告は罰則の対象になりえます(最新の改正状況をご確認ください)。一方で職員側は24条3項の準用により身分証明書の携帯・提示義務を負うので、提示を求めるのは正当です。実務のポイント:検査当日に提示を求めた職員の氏名・所属・提示の有無を自院の記録に残している施設はほとんどありません。後に処分の適法性を争うとき、手続が踏まれたかを示す材料はその記録しか残りません
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「市役所にちょっと相談しただけ」でも、条文から見れば市町村長は自ら介護医療院に立ち入り、診療録を検査できる調査主体である。この落差を知らないまま「県に言わないと意味がない」と遠回りし、その間に記録が上書きされていく家族が少なくない。
- 立入検査を拒めば罰則があることは、施設側もたいてい知っている。深刻なのはそこではない。対象が法人としての開設者だけでなく管理者・医師・その他の従業者個人にまで及び、場所も施設内から開設者の事務所その他運営に関係のある場所まで広がる点である。会議室と掲示物だけ整えても、検査の射程はその外側に伸びている。
- 「2項の準用で犯罪捜査はされないと書いてあるから安心だ」と読む人がいるが、問いの立て方が誤っている。24条4項の準用が意味するのは、この権限が犯罪捜査のためのものではないという解釈上の歯止めであって、収集された資料が後の刑事手続で一切使えないという保証ではない。行政調査と刑事責任追及の距離については、実務上、解釈が分かれている(関連判例として川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 114条の2:介護医療院への報告徴収・質問・立入検査(事実確認) | 24条:介護給付等に関する帳簿書類の提示命令・質問(本条2項の準用元) 114条の3:検査結果等を受けた勧告・命令等(是正の処分) |
| 権限を持つ主体 | 都道府県知事と市町村長 | 厚生労働大臣または都道府県知事 都道府県知事 |
| 市町村の関与 | 市町村長も自ら検査でき、処分が必要なら知事へ理由付き通知 | 条文上の主体に市町村長は含まれない 市町村長からの通知が処分の端緒になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では長照機構は長期照顧服務法、医療機関は醫療法で監督され、地方主管機関が検査・評鑑を担う。介護医療院のような医療と介護の一体型施設に特化した検査規定は見当たらない。
韓国も長期療養機関に対する報告要求と関係公務員による検査を規定し、市・郡・区の地方自治体が監督の中心を担う点で日本の市町村関与と近い。
ドイツでは介護金庫の委託を受けた医療審査機関(MD)が介護施設の質評価を実施する。行政庁ではなく保険者側の審査が中心となる点で日本と異なる。
米国ではメディケア・メディケイド参加の長期ケア施設に対し、州の調査機関が予告なしの標準調査を行い、連邦の CMS が制裁を科す二層構造をとる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 面会のたび、母の腕に新しい内出血がある。施設に聞いても「自分でぶつけた」と言われる。市役所の介護保険担当課に伝えれば、市町村長が自ら立ち入って記録を検査できる。
- 介護医療院の管理医師として出勤した朝、県の職員2名が身分証明書を提示して受付に立っている。診療録と勤務記録の提示を命じられ、その場で答えられない項目の提出期限は数日後。断れば罰則の対象になりうる一方、「犯罪捜査のためではない」と告げられたその質問応答が、後の介護報酬の不正請求疑いの端緒として扱われることもある。何を、どこまで、どの書式で出すかを今日中に決めなければならない立場に、あなたは置かれている。
- もし、市町村の職員だけが単独で立入検査に来たら、県の検査と何が違うのか。答えは第3項にある。市町村長は処分権限そのものを持たないが、処分が必要と認めれば理由を付して都道府県知事に通知しなければならない。つまり市町村の検査は「軽い検査」ではなく、県の処分手続への正式な入口として条文上設計されている。施設側が「市の人だから」と対応を緩めた瞬間、その緩さも通知書に書かれる事実になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 気づいた事実を日付・時刻・身体の状態で記録し、面会時の写真、連絡帳、請求明細の写しを残す2. 都道府県ではなく、まず住所地の市町村介護保険担当課へ。114条の2第1項で市町村長にも立入検査権がある3. 通報時は「いつ・どの時間帯に・誰に・何が」を具体的に、記録の写しを添える4. 市町村が動かないときは都道府県の指導監査担当へ、第3項の通知義務を挙げて市町村での経緯も併せて伝える5. 並行して国民健康保険団体連合会の苦情処理窓口(介護保険法176条)も使える
訴えられた側:1. 検査開始時に職員の身分証明書の提示を求め、氏名・所属・根拠条文・検査範囲を自院の記録に残す(24条3項準用) 2. 診療録・帳簿書類は原本の所在を即答できるよう平時から整理し、その場で出せない資料は提出期限と範囲を書面で確認3. 従業者個人も質問対象になるため、推測で答えず、分からないことは分からないと答える方針を事前に共有4. 監査への移行や処分の兆候があれば、行政手続法13条の聴聞を見据えて早期に弁護士へ。処分後に動き出すと防御材料が残っていない
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし検査を端緒に不利益処分を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。証拠面では診療録の保存義務が5年(医師法24条2項)、介護保険関係記録は運営基準上おおむね完結の日から2年(自治体の条例で5年とする例もある)で、通報が遅れるほど検査で出てくる資料が減る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政調査論):報告徴収・立入検査は行政目的のための調査であり、犯罪捜査解釈禁止規定はその目的を限定する歯止めである。ただし収集資料が刑事手続に転用されうるかについては、目的外利用の限界として議論がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(平成30年4月1日施行) 介護医療院という新たな介護保険施設類型の創設に伴い、その開設者等に対する報告徴収・出頭要求・質問・立入検査の権限と、市町村長から都道府県知事への通知義務を定める規定として新設された
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律により、介護医療院の創設に伴って新設され、平成30年(2018年)4月1日に施行された。
- 介護保険法 第24条証明書の携帯提示と犯罪捜査解釈禁止の準用元
- 介護保険法 第107条検査対象となる介護医療院の開設許可の根拠(現行効力を要確認)
- 介護保険法 第111条検査で適合性が問われる人員設備運営基準(現行効力を要確認)
- 介護保険法 第114条の3第3項の通知義務が指す処分規定の一つ
- 介護保険法 第114条の6第3項が通知義務の対象として列挙する処分規定
- 行政手続法 第13条検査後の許可取消し等に聴聞手続を要求
- 行政不服審査法 第18条検査を端緒とする不利益処分への審査請求期間
- 医療法 第1条の2介護医療院を医療提供施設として位置づける規定
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