介護保険法 第115条の17(報告等)
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- 市町村長は、地域密着型介護予防サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは指定地域密着型介護予防サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定地域密着型介護予防サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定地域密着型介護予防サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定地域密着型介護予防サービス事業者の当該指定に係る事業所、事務所その他指定地域密着型介護予防サービスの事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
報告等とは何ですか?
定義報告等とは、介護保険法第115条の17に定められた規定で、「市町村長は、地域密着型介護予防サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは指定地域密着型介護予防サービス事業者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第115条の17(報告等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第115条の17の条文原文は「市町村長は、地域密着型介護予防サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは指定地域密着型介護予防サービス事業者…」で始まります。
- 介護保険法第115条の17は第七節 指定地域密着型介護予防サービス事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第115条の17の前の条は介護保険法第115条の16です。
- 介護保険法第115条の17の次の条は介護保険法第115条の18です。
- 介護保険法第115条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/115_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法115条の19は、市町村長が地域密着型介護予防サービス事業者や元従業者に報告・帳簿提出・出頭を求め、事業所に立入検査できると定める。令状は不要。
Q · 市役所の職員が介護事業所に立入検査に来たら、断ることはできるの?
断れない。拒否や妨害は指定取消し等の理由になる
介護保険法115条の19により、市町村長は地域密着型介護予防サービス事業者に対し、報告命令、帳簿書類の提出命令、出頭要求、質問、事業所への立入検査を行えます。令状は不要です。検査を拒んだり妨げたりすると、指定の効力停止や取消しの理由になりえます。一方、職員には身分証明書の携帯・提示義務があり(24条3項準用)、この権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはならないとされています(同条4項準用)。
解説
市役所から封筒が届く。差出人は介護保険課、件名は「報告の徴収及び帳簿書類の提出命令について」。この一通が動いた瞬間、あなたが握っておくべき事実は三つある。第一に、動かしているのは都道府県ではなく市町村長である。地域密着型介護予防サービス(介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護の三種)は市町村が指定するため、監督権限も市町村長が握る。第二に、対象は現役の事業者に限られない。条文は「であった者」を明記しており、廃業した法人も、退職した元従業者も、出頭を求められる立場に残り続ける。第三に、この調査は犯罪捜査ではない(第24条第4項準用)。だからこそ令状は不要で、職員は事業所の中に入れる。令状が要らないという事実は、あなたにとって安心材料ではなく、その逆である。
法的な位置づけ
介護保険法第115条の19は、地域密着型介護予防サービスに係る市町村長の調査権限を定める規定である。指定事業者、指定事業者であった者及び事業所の従業者であった者を対象に、報告命令、帳簿書類の提出・提示命令、出頭要求、質問並びに事業所等への立入検査を認め、第24条第3項・第4項を準用して身分証明書の提示と犯罪捜査目的の否定を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の主体・根拠・範囲を確認する 報告徴収や提出命令の通知が届いたら、発出者が市町村長であること、根拠条文が介護保険法115条の19であること、求められている書類の範囲と期限を一覧にする
- 2.対象期間の帳簿書類を特定して揃える 求められた期間のサービス提供記録、勤務表、請求明細などを特定して揃える。範囲外の書類をまとめて出さず、提出物の一覧表を作って控えを残す
- 3.立入検査当日に身分証明書の提示を求める 職員が来所したら身分証明書の提示を求めて氏名・所属を記録する(24条3項準用)。質問と回答、閲覧・持ち出された書類を自社側でも記録する
- 4.即答できない質問は期限を決めて書面回答する その場で断定できない事項は推測で答えず、「○日までに書面で回答する」と期限を切って持ち帰る。約束した期限は必ず守る
- 5.不備の是正計画を作り、必要なら弁護士に相談する 記録の不備が見つかったら原因と是正計画を書面にまとめる。不正請求の疑いや指定取消しの可能性がある場合は、聴聞を見据えて早めに弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1介護の運営指導と監査の違いとは?
運営指導(旧・実地指導)は適正運営の確認と助言が中心です。監査は不正や重大な基準違反の疑いがあるときの調査で、本条の報告徴収・立入検査が主な根拠になります。
Q2介護事業所の立入検査で見られる書類は?
サービス提供記録、勤務表・シフト表、利用者との契約書、介護報酬の請求明細、運営推進会議の記録などです。本条は「帳簿書類その他の物件」と広く定めています。
Q3介護の監査は事前に通知される?
運営指導は通常事前に通知されますが、監査は不正の疑いの程度によって予告なしで行われることもあります。通知がなくても、職員の身分証明書提示は求められます。
Q4報告命令の期限までに書類が揃わないときはどうする?
黙って期限を過ぎるのは避け、期限前に市町村へ連絡し、理由と提出予定日を書面で伝えます。放置すると報告拒否と同じ評価を受けるおそれがあります。
Q5地域密着型介護予防サービスとは何ですか?
市町村が指定・監督する要支援者向けサービスで、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護の三種があります。
Q6立入検査の後、指定取消しになることはある?
あります。検査で人員・運営基準違反や不正請求が判明すれば、勧告・命令・指定の効力停止・取消しに進む可能性があります。取消し前には聴聞の機会が与えられます。
Q7介護の監査に弁護士を同席させることはできる?
法令上、同席を禁じる規定はありません。不正請求が疑われる局面では同席のメリットが大きく、事前に市町村へ同席者を伝えておくと当日の混乱を避けられます。
Q8家族が市町村に情報提供したら調査してもらえる?
情報提供が調査のきっかけになることはありますが、調査するかどうかは市町村長の判断です。日時や内容を記録し、具体的な事実として伝えるほど動いてもらいやすくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市の職員が来たとき、今は忙しいので後日にしてくださいって断れますか?
事実上、断る選択肢はない。立入検査を拒み、妨げ、忌避すれば、指定の効力停止や取消しの理由になり、罰則の対象にもなりうる(罰則条文の条番号は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:「忌避」は正面からの拒絶だけを指すのではない。書庫の鍵が見つからない、担当者が不在で答えられない、といった引き延ばしも含まれうる。その場で答えられないことは、自分から期限を切って書面提出を約束し、記録に残すのが安全側である
Q2もう辞めた職員なんですけど、本当に行かないとダメですか?
条文は「事業所の従業者であった者」を出頭要求の対象に明示しており、退職から何年という線引きは書かれていない。実務のポイント:元職員への聴取は、その人を責めるためではなく、当時の管理者の説明が事実と合うかを照合するために行われることが多い。責められると思い込んで黙り込むと、かえって自分の関与が大きく見積もられる。勤務期間、担当業務、自分が見ていない範囲、この三つを先に整理してから臨む
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちは断れるのか」と考えている時点で、問いの立て方が間違っている。検査を拒み、妨げ、忌避すれば、それ自体が指定の効力停止や取消しの理由として積み上がる。現実の選択肢は「応じるか拒むか」ではなく「どう応じ、何を記録に残しながら応じるか」の一本しかない
- 立入検査があること自体は多くの介護職が知っている。知られていないのは射程の深さだ。条文の「であった者」に退職後何年という制限は書かれていない。法人を畳んでも、資格を返上しても、当時の帳簿と当時の記憶を持っている人として、あなたは対象者リストに残り続ける
- あなたから見れば、記録の転記漏れや押印忘れは現場が忙しかっただけの事務ミスである。市町村から見れば、それは「提供した証拠がないサービスへの給付費」に見える。この落差が、返還命令と不正利得の徴収(介護保険法第22条第3項、40%加算)に化ける。ミスの重さを決めるのは、あなたの体感ではなく帳簿の見え方である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限を行使する者 | 115条の19:市町村長 | 24条:厚生労働大臣又は都道府県知事 78条の7:市町村長 |
| 対象サービス | 地域密着型介護予防サービス(要支援者向け) | 介護給付等に係るサービス全般 地域密着型サービス(要介護者向け) |
| 調査の対象者 | 指定事業者、元事業者、元従業者を明示 | サービスを行った者又はこれを使用する者等 指定事業者、元事業者、元従業者を明示 |
| 手続上の歯止め | 24条3項・4項を準用(身分証明書提示、犯罪捜査目的の否定) | 3項・4項の原規定 24条3項・4項を準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では主管機関が長照機構を輔導・監督・検査し、機構は検査を拒否・妨害できない仕組み。日本と同じく行政調査型で、令状は必要とされない
韓国の老人長期療養保険法も、長期療養機関に報告や書類提出を命じ、公務員に出入検査をさせる権限を定める。日本と構造がよく似ている
ドイツでは医療保険メディカルサービス(MD)による質の審査が中心。介護施設への立入調査が制度化されている
米国は Medicare・Medicaid の認証制度の下で、州の調査機関がナーシングホームを無予告で調査する仕組みをとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、3年前に辞めたグループホームの夜勤パートのところに、市役所から出頭依頼が届いたらどうなる? 事業所はすでに廃業、当時の管理者とも連絡がつかない。それでもあなたは条文がいう「指定地域密着型介護予防サービス事業者であった者等」に含まれる。回答期限は通知書の日付、実務上は10日から2週間が多い。記憶が生きているうちに自分のシフト表と勤務記録を掘り起こしたかどうかで、当日の受け答えの精度がまるで変わる
- 小規模多機能の管理者として朝礼をしていたら、市の職員二名が来所した。名刺は出されたが、身分証明書はまだ出ていない。ここで提示を求めるのは失礼ではなく、法が予定している手順である(第24条第3項準用)
- 母が入居している認知症対応型グループホームで、夜間の見守りが記録どおりに行われていない気がする。家族が「帳簿を見せろ」と言っても事業者に応じる義務はない。だが市町村の介護保険担当課は、本条を使って帳簿も設備も見にいける。誰に話を持ち込むかで、動く歯車が違ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:利用者・家族として不適切なケアを疑うなら、事業者に帳簿開示を迫っても法的な義務はない。動かすべきは市町村の介護保険担当課である。1. 日時・場面・気づいた内容を時系列でメモ化、写真や請求明細も添える2. 市町村に情報提供し、本条に基づく報告徴収・立入検査の検討を求める3. 並行して地域包括支援センターと運営推進会議に共有、記録を複数系統に残す4. 損害が生じていれば民事の損害賠償(民法第709条)は別軌道で進められる
訴えられた側:1. 通知書を受けたらまず主体(市町村長)と根拠条文、求められた書類の範囲を線引きする2. 範囲外の書類まで一括提出しない、求められた物件を特定して出す3. 当日は身分証明書の提示を求め、質問と回答を自社側でも記録、その場で断定できないことは「○日までに書面で回答する」と期限を切って持ち帰る4. 記録の不備が見つかったら隠さず、原因と是正計画を書面化する。隠蔽の痕跡は不備そのものより重く評価される5. 不正請求に及びそうな局面では、指定取消しの聴聞(行政手続法第13条)を見据えて弁護士を入れる
時効(請求できる期限):本条の調査権限そのものに期間制限はなく、「であった者」への行使についても条文上の年限はない。実務で効く時間軸は三つ。報告命令・提出命令の指定期日(徒過すれば拒否と同じ評価を受けうる)、記録の保存義務(厚生労働省令上は完結の日から2年間、市町村の条例・要綱で5年を求める例が多い)、不正利得の徴収権(介護保険法第22条第3項、地方自治法第236条により5年で時効)。いずれも最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:介護保険法上の報告徴収・立入検査は、給付の適正を確保するための行政調査であり、令状は不要。ただし調査権限を刑事捜査の手段として使うことは許されず、準用される24条4項はこの趣旨を確認した規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:介護保険法改正で地域密着型介護予防サービス制度が創設され、同サービス事業者に対する市町村長の報告徴収・立入検査の規定が設けられた(条番号はその後の改正で移動している可能性があるため、e-Gov で要確認)
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