介護保険法 第60条(介護予防サービス費等の額の特例)
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- 市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)、地域密着型介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。以下この条において同じ。)又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた居宅要支援被保険者が受ける前条第一項各号に掲げる予防給付について当該各号に定める規定を適用する場合(同条の規定により読み替えて適用する場合を除く。)においては、これらの規定中「百分の九十」とあるのは、「百分の九十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。
- 2.市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた居宅要支援被保険者が受ける前条第一項各号に掲げる予防給付について当該各号に定める規定を適用する場合(同項の規定により読み替えて適用する場合に限る。)においては、同項の規定により読み替えて適用するこれらの規定中「百分の八十」とあるのは、「百分の八十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。
- 3.市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス又は住宅改修に必要な費用を負担することが困難であると認めた居宅要支援被保険者が受ける前条第一項各号に掲げる予防給付について当該各号に定める規定を適用する場合(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合に限る。)においては、同条第二項の規定により読み替えて適用するこれらの規定中「百分の七十」とあるのは、「百分の七十を超え百分の百以下の範囲内において市町村が定めた割合」とする。
この条文の基本情報
介護予防サービス費等の額の特例とは何ですか?
定義介護予防サービス費等の額の特例とは、介護保険法第60条に定められた規定で、「市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第60条(介護予防サービス費等の額の特例)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第60条の条文原文は「市町村が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより、介護予防サービス(これに相当するサービスを含む。」で始まります。
- 介護保険法第60条は第四節 予防給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第60条の前の条は介護保険法第59条の2です。
- 介護保険法第60条の次の条は介護保険法第61条です。
- 介護保険法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法60条は、災害等で費用負担が困難と市町村が認めた要支援者について、予防給付の給付率を9割(8割・7割)超から10割の範囲で引き上げられると定める。
Q · 被災して介護予防サービスの1割負担が払えないとき、負担を減らしてもらえる?
市町村が認めれば、自己負担を減額または免除できる
介護保険法60条により、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があり、市町村が費用負担が困難と認めた居宅要支援被保険者は、予防給付の給付率が9割(所得により8割・7割)を超え100%以下の範囲で引き上げられます。100%なら自己負担はゼロです。ただし自動適用ではなく、市町村の介護保険担当課への申請が必要です。
解説
介護保険の予防給付は、原則として費用の9割(所得により8割・7割)が保険から出て、残りは自己負担である。ところが台風で家が浸水した、火災で家財を失った、世帯の稼ぎ手が病気で収入が途絶えた。そんなとき、その1割・2割・3割すら払えなくなる。本条はその局面で市町村に「9割を9割超100%以下の範囲で引き上げてよい」という権限を与えている。100%まで引き上げれば、あなたの自己負担はゼロになる。ここで決定的なのは、これが自動適用ではなく、市町村が「認めた」場合に発動する仕組みだという点だ。つまり申請しなければ誰も教えてくれない。要支援認定を受けているあなたが被災して、手すりの設置や介護予防通所の費用が払えないと感じたとき、その相談先は災害対策担当ではなく介護保険の窓口である。この接続を知らないまま、サービスの利用を自分から止めてしまう人が毎年いる。
法的な位置づけ
介護保険法60条は、予防給付の額の特例を定める規定である。市町村は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情により費用負担が困難と認めた居宅要支援被保険者について、介護予防サービス費等の給付率を、所得区分に応じた9割・8割・7割を超え10割以下の範囲で定めることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険 災害 減免とは?
災害などで介護サービスの自己負担が困難になった人について、市町村が保険から出る割合を引き上げ、自己負担を軽くする制度です。要支援者は介護保険法60条が根拠です。
Q2介護保険の利用者負担の減免を申請する方法は?
市町村の介護保険担当課に申請書を出します。罹災証明書や収入減を示す書類を添付するのが一般的で、地域包括支援センターに相談すると手続きがスムーズです。
Q3罹災証明書がないと減免は受けられない?
要否や代替書類は市町村の要綱次第です。交付前でも窓口に事情を伝えておけば、証明書が届き次第すぐ手続きを進められることが多いので、先に相談しておくのが得策です。
Q4介護保険の減免は過去の利用分にさかのぼって適用される?
遡及の可否や適用開始月は市町村の取扱いによって違います。確実なのは申請月以降の分なので、サービスを止めたり支払いを先送りしたりする前に申請するのが安全です。
Q5介護保険の災害減免に所得制限はある?
本条は所得額ではなく、災害などの「特別の事情」で負担が困難かどうかで判断します。ただ、世帯の収入減少率や資産を審査基準にしている市町村もあるため、要綱の確認が必要です。
Q6減免を却下されたら不服申立てできる?
できます。都道府県の介護保険審査会に審査請求でき、期間は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法18条)。
Q7介護保険の利用料が払えないとき、どうすればいい?
サービスを止める前に市町村とケアマネジャー(地域包括支援センター)に相談してください。災害などなら本条の減免、継続的な高額負担なら高額介護予防サービス費など、別の制度も確認できます。
Q8介護保険の減免はいつまで続く?
期間は法律でなく市町村の条例・要綱で決まり、数か月単位で更新が必要なことが多いです。決定通知書で有効期間と更新手続きの要否を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害って、地震や台風じゃないとダメなんですか?
条文は「災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情」と書いており、災害はあくまで例示である。主たる生計維持者の死亡・心身の重大な障害・長期入院、事業の休廃止や著しい損失、干ばつ等による収入減なども省令上の事由に含まれる。実務のポイント:保険料減免(142条関係)と給付の減免(本条・50条)は別申請で、片方だけ通っていることがある。片方の決定通知を持って、もう一方の窓口にも必ず行く
Q2住宅改修のお金も安くなるんですか?
なる。1項は介護予防サービス、地域密着型介護予防サービスと並べて住宅改修を明記しており、介護予防住宅改修費(本法57条)も特例の対象である。手すり設置や段差解消の自己負担分が圧縮される。実務のポイント:住宅改修は原則として生涯20万円の枠を分割して使える。被災後に慌てて全額使い切るより、当面必要な箇所に絞って枠を残す設計のほうが、その後の身体状況の変化に対応しやすい
Q32項、3項の「百分の八十」「百分の七十」って何ですか?
一定以上の所得がある人は保険給付率が8割(自己負担2割)、特に所得の高い人は7割(自己負担3割)になる。2項・3項はその人たちにも同じ特例を用意し、それぞれ8割超・7割超から100%までの範囲で市町村が引き上げられるとしている。実務のポイント:負担割合は前年の所得で決まるため、被災で今年の収入が激減しても負担割合証は高いままという逆転が起きる。その落差こそ本条が埋めるために存在する
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害に遭えば行政が自動的に減免してくれる」と考える人は多いが、本条は市町村が「認めた」ことを要件にしている。認定の端緒はほぼ例外なく本人・家族・支援者からの申出である。被災者名簿と介護保険の給付データが自動照合されて減免が走る仕組みではない
- 減免の存在自体は知っていても、その深刻さを取り違えている人がいる。1割負担を払えずサービスを止めた要支援者が、数か月で要介護へ移行する例は珍しくない。失うのは目先の数千円ではなく、将来の自立した生活と、はるかに高額な要介護給付への移行である
- 「うちの市はやっていないのでは」という問いの立て方自体がずれている。本条は市町村の裁量を認める規定だが、割合の上限は法律が100%まで開いており、災害時には国から特別調整交付金等で財政支援が行われるのが通例である。問うべきは制度の有無ではなく、自分の事情が厚生労働省令の定める「特別の事情」に当たるかどうかだ
- 「1割が9割になる」と読み違える人がいる。変わるのは保険から出る割合であり、9割が100%に近づく。あなたの負担は減る方向にしか動かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 介護保険法60条:居宅要支援被保険者(予防給付) | 介護保険法50条:要介護被保険者(介護給付) 介護保険法142条:第1号被保険者等(保険料) |
| 軽減される対象 | 介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス・住宅改修の利用者負担 | 居宅介護サービス等・住宅改修の利用者負担 保険料の減免または徴収猶予 |
| 決め方 | 給付率を9割・8割・7割超〜10割の範囲で市町村が決定 | 給付率を同じ構造で市町村が引き上げ 条例で定めるところにより市町村が減免 |
| 申請の窓口 | 市町村の介護保険担当課(給付の減免として申請) | 市町村の介護保険担当課(給付の減免として申請) 市町村の介護保険担当課(保険料減免として別に申請) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の長期介護は税財源の給付で、自己負担割合を世帯の所得区分(一般戸・中低収入戸・低収入戸)で段階的に軽減する。日本のような災害時の個別裁量減免ではなく、所得区分による恒常的な軽減が中心
韓国の老人長期療養保険も定率の本人負担を置き、医療給付受給者や生計困難者に負担軽減を設ける。保険者が国民健康保険公団に一元化されている点が日本の市町村保険者と異なる
ドイツの介護保険は定額給付で、定率負担は置いていない。給付上限を超える費用を負担できない場合は、社会扶助(Hilfe zur Pflege)がそれを補う
米国には公的介護保険がなく、長期介護の公費負担は資力調査を伴う Medicaid が中心。災害時は連邦の災害援助制度が別に動く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で自宅一階が浸水した。要支援2のあなたは介護予防通所リハビリを週2回使っているが、家の修繕で貯金が飛び、1割負担すら惜しくなる。ここで利用回数を自分で減らす前に、市町村の介護保険窓口に「60条の特例を使いたい」と言えるかどうかで、その後半年の身体機能が変わる
- 浴室に手すりを付けたい。住宅改修費(介護保険で最大20万円分が対象)の自己負担分を用意できない。だが本条は住宅改修も明示的に対象に含んでいる。多くの人が「災害の特例は日々のサービスだけ」と思い込んでいるが、条文は住宅改修を並列で書いている
- もし、被災したのが本人ではなく同居の息子だったら? 「特別の事情」は世帯の負担能力で判断されるため、主たる生計維持者の失業・入院でも該当しうる。本人が無傷でも申請の余地がある
- 罹災証明書の発行まであと数日、申請期限も迫っている。だが介護予防サービスは今週も使う。減免の効力がいつから及ぶか、遡及できるかは市町村の取扱いで差があるため、証明書を待たずに先に窓口へ「該当しそうだ」と伝えておく必要がある
- ケアマネジャー(介護予防支援では地域包括支援センターの担当職員)から「今月から回数を減らしますか」と聞かれた。あなたの答えは「その前に60条の減免が使えるか市町村に確認してほしい」になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 罹災証明書、収入減を示す書類(離職票、診断書、直近の給与明細や帳簿)を集める。2. サービスの利用を止める前に、市町村の介護保険担当課へ「介護保険法60条の予防給付の減免を申請したい」と伝える。3. 同時に地域包括支援センターの介護予防支援担当にも共有し、ケアプランを維持したまま手続きを進める。4. 決定は書面で受け取り、適用開始月と有効期間、更新の要否を必ず確認する。5. 併せて保険料の減免(本法142条に基づく条例減免)も別制度として申請できるか確認する
訴えられた側:市町村の側で判断する場合、「特別の事情」の認定は厚生労働省令の定める事由に沿って行い、割合の決定は条例・要綱に基づく。申請を却下するときは、根拠事由と不服申立ての方法(介護保険審査会への審査請求)を教示する義務がある。事業者の立場では、減免決定前後で利用者負担の請求額が変わるため、決定通知の写しを確認してから請求処理を修正する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の申請期限は定められておらず、市町村の条例・要綱で減免期間(多くは数か月単位で更新制)が設定される。決定に不服がある場合、介護保険審査会への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。罹災証明書の申請期限は災害ごとに自治体が定めるため別途確認を要する(最新の取扱いをご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定。要支援者向け給付の額について、災害などの特別の事情がある場合の特例規定が置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:新予防給付の創設に伴い、対象を介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス・住宅改修に再編(平成17年法律第77号)
- 3.平成26年(2014年) 改正:一定以上所得者の2割負担導入に伴い、給付率8割の人にも特例を及ぼす第2項を整備(平成26年法律第83号)
- 4.平成29年(2017年) 改正:特に所得の高い人の3割負担導入に伴い、給付率7割の人にも特例を及ぼす第3項を整備(平成29年法律第52号)
- 介護保険法 第59条本条が読み替える予防給付の給付率の原則規定
- 介護保険法 第50条居宅介護サービス費等の額の特例、要介護者側の同旨規定
- 介護保険法 第57条介護予防住宅改修費の支給、本条の減免対象
- 介護保険法 第53条介護予防サービス費の支給、給付率適用の本体
- 介護保険法 第142条保険料の減免等の条例委任、別枠の救済経路
- 行政不服審査法 第18条減免拒否処分に対する審査請求期間
- 災害救助法 第4条災害時の救助内容、本条の減免と併走する支援
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