介護保険法 第142条(保険料の減免等)
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市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
この条文の基本情報
保険料の減免等とは何ですか?
定義保険料の減免等とは、介護保険法第142条に定められた規定で、「市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第142条(保険料の減免等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第142条の条文原文は「市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」で始まります。
- 介護保険法第142条は第一節 費用の負担に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第142条の前の条は介護保険法第141条の2です。
- 介護保険法第142条の次の条は介護保険法第143条です。
- 介護保険法第142条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第142条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第142条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/142
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法142条は、市町村が条例に基づき、特別の理由がある者の介護保険料を減免し、又は徴収を猶予できると定める。要件は条例次第で、申請が必要。
Q · 介護保険料が払えないとき、減らしてもらったり待ってもらったりできるの?
条例の特別な理由に当たり、申請すれば減免か猶予を受けられる
介護保険法142条により、市町村は条例で定めるところにより、特別の理由がある者の保険料を減免し、又は徴収を猶予できます。典型的な事由は、災害による住宅の著しい損害、生計中心者の死亡や重い病気、失業・廃業による収入の著しい減少です。要件と申請期限は市町村の条例ごとに異なり、自動では適用されないため、納期限前に介護保険の担当窓口へ申請する必要があります。
解説
年金から天引きされる介護保険料は、条件が揃えば止められる。多くの人がそれを知らないまま、口座から引かれ続ける。142条が市町村に与えているのは、減免と徴収猶予という二つの権限だ。ただし要件は条文に書かれていない。「特別の理由」の中身を決めるのは、あなたが住む市町村の条例である。全国一律の基準は存在しない。典型は、災害で住宅に著しい損害を受けた、生計中心者が死亡または重い病気になった、失業や廃業で収入が著しく減った、という三類型。そして決定的なのは、これが申請主義だということ。役所はあなたの収入減をデータで把握していても、自動では減免しない。さらに減免と猶予は別物で、猶予は支払義務が消えるわけではないが、滞納扱いを避けられる。滞納が放置されて徴収権が2年で時効消滅すると(法200条)、介護が必要になった日の自己負担が1割から3割へ跳ね上がる(法69条)。その分岐点に立っているのが、申請書一枚である。
法的な位置づけ
介護保険法142条は、第一号被保険者等の介護保険料について、市町村が条例に基づき、特別の理由がある者に対して保険料の減額・免除又は徴収猶予を行う権限を定める規定である。「特別の理由」の具体的内容は法律に定めがなく、各市町村の条例及び規則により定められる。所得段階別保険料率(同法129条)とは別の個別的救済措置である。
手順
- 1.自分の市町村の減免条例を確認する 「(市町村名)介護保険料 減免」で検索し、条例や規則に列挙された特別の理由(災害、死亡・重病、失業・廃業等)と、収入減少率・預貯金などの基準、申請期限を確認する
- 2.事情を証明する書類を揃える 事由に応じて罹災証明書、離職票、廃業届の控え、診断書、前年と今年の収入を比較できる源泉徴収票・確定申告書・通帳の写しなどを準備する
- 3.納期限前に窓口へ減免・猶予を申請する 介護保険担当課で減免申請書を提出する。減免が難しい場合に備え、徴収猶予の申請もその場で併せて相談しておく
- 4.却下されたら審査請求を検討する 決定通知の教示欄で審査請求先と期限を確認し、処分を知った日の翌日から3か月以内に介護保険審査会へ審査請求する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険料の減免とは?
災害や失業などの特別な理由で保険料を払えない人に、市町村が保険料を減額・免除する制度です。根拠は介護保険法142条で、中身は各市町村の条例で決まります。
Q2介護保険料 減免 条件は?
多くの条例は、災害による住宅の著しい損害、生計中心者の死亡・重病、失業や廃業による収入の著しい減少を挙げています。収入減少率や預貯金額の基準を置く自治体もあります。
Q3介護保険料の減免申請 いつまで?
申請期限は市町村の条例で決まり、対象となる納期限までに申請することを求める例が多いです。過ぎた納期分には遡れないことがあるため、事情が生じたらすぐ動くのが原則です。
Q4介護保険料 減免 必要書類は?
一般に申請書のほか、罹災証明書、離職票、診断書、収入減少を示す通帳や確定申告書などが求められます。詳細は各市町村の介護保険担当課で確認してください。
Q5年金天引きの介護保険料も減免できる?
特別徴収(年金天引き)の方も、条例の要件に当たれば減免の対象になり得ます。天引きだから対象外というわけではなく、申請があれば市町村が個別に審査します。
Q6介護保険料の徴収猶予とは?
一定期間、保険料の納付を先送りしてもらう制度です。支払義務は消えませんが、猶予期間中は滞納扱いにならず、給付制限のリスクを避けられます。
Q7介護保険料 滞納 するとどうなる?
滞納が続くと償還払い化(法66条)、給付の一時差止(法67条)、時効消滅期間に応じた給付額減額(法69条)という段階的な給付制限を受けることがあります。
Q8介護保険料の減免を断られたら不服申立てできる?
できます。保険料に関する処分は介護保険審査会への審査請求の対象です(法183条)。処分を知った日の翌日から3か月以内に請求する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生活が苦しいって言えば、減免してもらえるんですか?
苦しいという訴えだけでは通りません。多くの条例は災害、死亡、心身の重大な障害、長期入院、失業、事業廃止による収入の著しい減少を要件とし、前年比の減少率や預貯金の基準を置いています。恒常的な低所得は所得段階(法129条)で対応する建前です。実務のポイント:国は市町村の単独減免について、全額免除をしない、収入のみに着目した一律減免をしない、一般財源の繰入をしない、という三つの考え方を繰り返し示してきました。だから窓口は保険料ゼロを極端に嫌がる。狙うべきは全額免除ではなく、一部減免と徴収猶予の組み合わせです
Q2減免と徴収猶予って、どっちを申請すればいいんですか?
減免は支払義務そのものが減るか消えるもの、猶予は期限が先送りされるだけで義務は残ります。ただし猶予期間中は滞納として扱われず、延滞金の取扱いも条例で配慮されるのが通常です。実務のポイント:減免は却下されたが猶予は認められた、という結末は実務でよくあります。申請書は別でも、最初の相談時に「減免が難しければ猶予でお願いします」と言っておくと、一度の来庁で二段構えが組める。二回目の来庁を要求されないだけで、成功率は変わります
Q3減免を断られたら、もう打つ手はないんでしょうか?
あります。保険料に関する処分への不服は、介護保険審査会に審査請求できます(法183条1項)。期限は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)。しかも取消訴訟はこの裁決を経た後でなければ提起できません。実務のポイント:却下通知の末尾には、審査請求先と期限を書いた教示欄が必ず付いています(行政不服審査法82条)。そこを読まずに書類を机に放り込んだ時点で、3か月のカウントは静かに進んでいる
Q4親の保険料、同居している子の私が払わないといけないんですか?
普通徴収の保険料については、世帯主が同一世帯の第一号被保険者の保険料を、配偶者は相互に、連帯して納付する義務を負います(法132条2項、3項)。あなたが世帯主なら、法律上あなたにも納付義務があります。実務のポイント:世帯分離をすれば連帯納付義務は外れますが、同時に世帯の所得で決まる保険料段階や高額介護サービス費の判定基準も動きます。有利になる場合と不利になる場合の両方があるため、分離届を出す前に窓口で両パターンを試算してもらうのが先です
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護保険料は減免できますか」という問いの立て方が、そもそも半分ずれている。142条は要件を一切書いておらず、全国一律の減免制度は存在しない。同じ収入・同じ事情でも、隣町では通り、こちらでは通らないことが現実に起きる。問うべきは「私の市町村の条例は、何を特別の理由として列挙しているか」である
- 「滞納しても督促が来るだけ」と考えている人は、滞納の本当の値札を見ていない。おおむね1年の滞納で償還払い化(法66条、いったん費用の全額を自分で立て替え、後から払い戻しを受ける方式)、1年6か月で給付の一時差止(法67条)、徴収権が時効消滅した期間があると給付額減額(法69条)。これは金額の多寡の話ではなく、介護が必要になった瞬間の自己負担率が1割か3割かという話だ
- 収入が低ければ自動的に減免されると思われがちだが、所得段階に応じた低い保険料率の適用(法129条、介護保険法施行令38条)は賦課の段階で行われる標準的な仕組みであって「減免」ではない。142条の減免は、その段階区分を当てはめてもなお払えない特別の事情に対する、上乗せの救済である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 142条:特別の理由による個別的な減免・徴収猶予 | 129条:所得段階に応じた保険料の賦課 69条:徴収権の時効消滅期間に応じた給付額減額 |
| 適用の契機 | 本人の申請に基づき市町村が個別審査 | 賦課時に所得に応じて自動的に適用 要介護認定後、過去の未納期間に応じて適用 |
| 要件の定め方 | 法律は「特別の理由」のみ、具体的要件は条例 | 政令(施行令38条)の基準に沿い条例で保険料率を定める 法律で定める(時効消滅した期間に応じる) |
| 本人への効果 | 保険料の減額・免除又は納付の先送り | 低所得段階ほど保険料が低くなる 給付率の引下げにより自己負担が増える |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は長期介護を税財源で運営しており、介護保険料そのものが存在しないため、保険料減免の問題は生じない
韓国は日本の介護保険を参考に老人長期療養保険を導入し、保険料は健康保険料と合わせて徴収される。減免・軽減の仕組みも設けられている
ドイツでは社会保険料全般について、納付猶予(Stundung)・徴収停止(Niederschlagung)・免除(Erlass)が連邦法で統一的に規律される。日本のように自治体の条例に委ねる方式ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 65歳の誕生日を迎えた月、役所から納付書が届いた。それまで医療保険料と一緒に給与天引きされていた介護保険料が、退職と同時に自分で納める普通徴収に変わっていた。収入は年金だけ。この「退職による収入の著しい減少」こそ、多くの自治体条例が減免事由として列挙している典型例である。ところが納付書には減免制度の案内が入っていないことが多い
- もし台風で自宅の一階が浸水したら、介護保険料はどうなる? ほとんどの市町村条例は、災害による住宅等の著しい損害を減免事由の筆頭に置いている。罹災証明書を取りに行くとき、住宅再建と火災保険のことだけを考えていると、この減免申請を丸ごと取り逃す
- 同居する80代の母が保険料を滞納していた。督促状はあなた宛に届く。世帯主と配偶者は連帯して納付する義務を負うからだ(法132条2項、3項)。払う側になったあなたが、母に代わって減免申請を組み立てる立場に変わる
- 納期限まであと10日。事業を畳んだばかりで手元に現金がない。ここで選べる手は減免だけではない。徴収猶予を申請すれば納付を先送りでき、滞納そのものを発生させずに済む。この二択を知らない人は、何もせず期限を越えていく
- 要介護認定の申請に行った窓口で、過去の滞納により給付が7割に減らされると告げられた。保険料の徴収権は2年で時効消滅し(法200条)、消滅した期間に応じて自己負担が引き上げられる(法69条)。あのとき減免か猶予を出していれば、滞納という事実自体が発生していなかった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「(市町村名)介護保険料 減免 条例」で検索し、列挙された特別の理由に自分の事情が当たるか照合する2. 罹災証明書、離職票、診断書、収入減を示す通帳や確定申告書を揃える3. 納期限が来る前に介護保険課の窓口へ。多くの条例が納期限までの申請を要件にしている4. 減免が難しいと言われた場合は、その場で徴収猶予の申請に切り替える5. 却下通知が届いたら教示欄を読み、3か月の審査請求期限を手帳に書き込む
訴えられた側:1. 督促状が自分宛に来た場合、まず自分が連帯納付義務者(法132条2項、3項の世帯主または配偶者)なのかを確認する2. 本人に減免事由があるなら、代理申請が可能か窓口で確認する3. すでに差押予告段階なら、分割納付の相談で滞納処分を止められることがある4. 過去分については、給付額減額(法69条)を避けるため、2年の時効(法200条)が完成する前に納付するか猶予手続に載せる
時効(請求できる期限):保険料その他の徴収金を徴収する権利は2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。時効消滅した期間があると、その期間に応じて給付額減額の対象になる(同69条)。減免・猶予の申請期限は各市町村の条例で定まり、当該納期限までとする例が多い。減免却下処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)
学説
通説:本条は減免・猶予の要件を市町村条例に委ねており、どの事由を「特別の理由」とするかは市町村の広い裁量に属する。ただし保険料には憲法84条の趣旨が及ぶため、減免の範囲も条例で明確に定めるべきとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)制定、平成12年(2000年)4月1日施行 介護保険法の制定時に、市町村の条例による保険料減免・徴収猶予の権限規定として置かれた。国民健康保険法77条とほぼ同一の文言構造を採用し、要件の具体化を各市町村の条例に委ねる方式を踏襲している
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定により、市町村の条例による保険料減免・徴収猶予の権限規定として新設。平成12年(2000年)4月1日施行。国民健康保険法77条と同様の構造を採用
- 介護保険法 第129条第一号被保険者の保険料賦課、減免の対象本体
- 介護保険法 第132条世帯主と配偶者の連帯納付義務
- 介護保険法 第66条滞納による支払方法の変更、償還払い化
- 介護保険法 第69条徴収権消滅期間に応じた給付額減額
- 介護保険法 第200条保険料徴収権の二年時効
- 介護保険法 第183条減免却下への介護保険審査会審査請求
- 国民健康保険法 第77条ほぼ同文の保険料減免規定、比較対象
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間三か月の一般則
- 地方自治法 第14条条例による権利義務規律の根拠
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