介護保険法 第74条
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- 指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、都道府県の条例で定める基準に従い都道府県の条例で定める員数の当該指定居宅サービスに従事する従業者を有しなければならない。
- 2.前項に規定するもののほか、指定居宅サービスの事業の設備及び運営に関する基準は、都道府県の条例で定める。
- 3.都道府県が前二項の条例を定めるに当たっては、第一号から第三号までに掲げる事項については厚生労働省令で定める基準に従い定めるものとし、第四号に掲げる事項については厚生労働省令で定める基準を標準として定めるものとし、その他の事項については厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする。
- 一指定居宅サービスに従事する従業者に係る基準及び当該従業者の員数
- 二指定居宅サービスの事業に係る居室、療養室及び病室の床面積
- 三指定居宅サービスの事業の運営に関する事項であって、利用する要介護者のサービスの適切な利用、適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持等に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
- 四指定居宅サービスの事業に係る利用定員
- 4.厚生労働大臣は、前項に規定する厚生労働省令で定める基準(指定居宅サービスの取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
- 5.指定居宅サービス事業者は、次条第二項の規定による事業の廃止又は休止の届出をしたときは、当該届出の日前一月以内に当該指定居宅サービスを受けていた者であって、当該事業の廃止又は休止の日以後においても引き続き当該指定居宅サービスに相当するサービスの提供を希望する者に対し、必要な居宅サービス等が継続的に提供されるよう、指定居宅介護支援事業者、他の指定居宅サービス事業者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならない。
- 6.指定居宅サービス事業者は、要介護者の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第74条は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第74条の条文原文は「指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所ごとに、都道府県の条例で定める基準に従い都道府県の条例で定める員数の当該指定居宅サービスに従事する従業者を有しなけ…」で始まります。
- 介護保険法第74条は第二節 指定居宅サービス事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第74条の前の条は介護保険法第73条です。
- 介護保険法第74条の次の条は介護保険法第75条です。
- 介護保険法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法74条は、指定居宅サービス事業者の人員・設備・運営の基準を都道府県の条例で定めると規定する。国の省令は項目により従う・標準・参酌の三段階で効く。
Q · デイサービスや訪問介護の人員基準は、国と都道府県のどちらが決めているの?
都道府県の条例。国の省令は三段階で効く
介護保険法74条1項・2項により、指定居宅サービス事業者の人員・設備・運営の基準は都道府県の条例で定めます。ただし3項により、従業者の員数・居室等の床面積・安全確保や秘密保持に関わる運営事項は厚生労働省令に「従い」、利用定員は省令を「標準」とし、その他は省令を「参酌」して定めます。そのため参酌事項を中心に、都道府県ごとの差が生じえます。
解説
デイサービスやホームヘルプの事業所が「人手が足りないので今日はヘルパー1人で回します」と言ったとき、それが違法かどうかを決めているのが介護保険法74条だ。指定居宅サービス事業者は、事業所ごとに都道府県の条例で定める人員基準を満たす義務を負う。ここで多くの人が見落とすのは、基準を作るのは国ではなく都道府県だという点。つまり、あなたの親が住む県と隣県で、同じサービスでも人員配置や利用定員のルールが違いうる。しかも3項は基準を三段階に分けている。従業者の員数・居室床面積・安全確保や秘密保持に関わる運営事項は厚生労働省令に「従い」(逸脱不可)、利用定員は「標準として」(合理的理由があれば変更可)、その他は「参酌」(参考にするだけ、独自ルール可)。さらに5項が効く。事業所が廃止・休止を届け出たとき、直前1か月以内の利用者に対し、他事業者との連絡調整など継続利用の便宜を図る義務がある。「来月で閉めます、あとはご自分で探してください」は、法律違反である。
法的な位置づけ
介護保険法74条は、指定居宅サービス事業者の人員・設備・運営に関する基準を定める規定である。基準の制定主体を都道府県の条例とし、厚生労働省令の拘束力を「従うべき基準」「標準」「参酌すべき基準」の三段階に区分する。あわせて事業の廃止・休止時の利用者への便宜提供義務、要介護者の人格尊重義務及び忠実義務を定める。
手順
- 1.廃止・休止の通知を日付入りで保管する 事業所から届いた廃止・休止の通知書を保管し、直前1か月以内に利用実績があるかを確認する。この利用実績が74条5項の便宜提供義務の対象になるかを決める
- 2.担当ケアマネに連絡調整を依頼する 居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーに通知内容を伝え、代替事業所の候補探しと、ケアプランの見直しを依頼する
- 3.事業者に便宜提供を書面で要請する 閉鎖予定の事業者に対し、介護保険法74条5項に基づく他事業者との連絡調整その他の便宜提供を、書面またはメールで具体的に求める
- 4.対応が不十分なら指定権者に相談する 事業者の対応が不十分な場合、都道府県(指定都市・中核市の場合はその市)の介護保険担当課に経緯を記録とともに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法74条とは何ですか?
指定居宅サービス事業者の人員・設備・運営基準を定める規定です。基準は都道府県の条例で定め、国の省令は三段階の強さで反映されます。
Q2人員基準欠如とは?
事業所の従業者数が条例で定める員数を下回る状態です。介護報酬の減算対象となり、悪質な場合は指定取消・効力停止(77条)につながります。
Q3従うべき基準とは何ですか?
都道府県が条例を定める際に、厚生労働省令の内容から逸脱できない基準です。従業者の員数、床面積、安全確保等の運営事項が該当します。
Q4参酌すべき基準とは?
都道府県が十分に参照したうえで、地域の実情に応じて異なる内容を定めることが許される基準です。自治体ごとの差が最も出やすい部分です。
Q5介護事業所の人員配置はどこで確認できる?
介護サービス情報公表システムで、事業所ごとの従業者数や勤務形態を誰でも確認できます。見学時の印象と照らし合わせると判断材料になります。
Q6介護事業所の廃止 利用者はどうなる?
74条5項により、事業者は届出日前1か月以内の利用者に対し、ケアマネや他事業者との連絡調整など継続利用の便宜を図る義務を負います。
Q7介護事業所の基準違反 どこに相談?
指定権者である都道府県(指定都市・中核市はその市)の介護保険担当課が窓口です。市町村の介護保険課や国保連の苦情窓口も利用できます。
Q8介護報酬 返還 何年さかのぼる?
不正・不当な請求の返還は、不当利得や介護保険法22条3項の規定との関係で数年分に及ぶことがあります。個別の期間は事案ごとに確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1デイサービスが急に閉まるって言われたんですが、事業所は何もしてくれないんですか?
74条5項により、廃止・休止の届出をした事業者は、届出日前1か月以内の利用者で継続を希望する人に対し、居宅介護支援事業者や他の事業者との連絡調整その他の便宜を提供する義務があります。実務のポイント:この義務を明示的に知っている利用者家族はほとんどいません。条文番号を挙げて書面で要請すると、事業者は指定権者への報告を意識して対応が一気に具体化することが多い
Q2人手不足で基準の人数を割ってしまった月があります。黙っていればバレませんか?
勤務実績表とシフト表は実地指導で必ず照合されるため、事後的に判明します。人員基準欠如は介護報酬の減算対象で、悪質と評価されれば指定の取消・効力停止(77条)に進みます。実務のポイント:欠員の事実そのものより、発覚後に「報告せず放置した」という経緯が処分の重さを決める場面が多い。補充計画を添えた自主報告は、実務上の分かれ目になる
Q3同じ会社の事業所なのに、県が違うとルールが違うって本当ですか?
本当です。1項2項で基準を定めるのは都道府県の条例であり、3項で国の省令の効き方が「従う」「標準」「参酌」の三段階に分かれています。特に参酌事項は都道府県ごとの差が出ます。実務のポイント:複数県で展開する事業者は、社内マニュアルを全国統一で作ると参酌事項でズレが生じます。県別の条例差分表を持っているかどうかが、多拠点事業者の実地指導での強さを分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護サービスの基準は全国一律で国が決めている」と思われているが、74条1項2項が定めるのは都道府県の条例である。国の省令は3項を通じて、項目ごとに拘束力の強さを変えて流れ込む。あなたが苦情を申し立てる相手も、根拠として引くべき基準も、居住地の都道府県の条例から始まる
- 人員基準違反を「書類上の不備」程度に捉えている事業者が多いが、深刻度の認識が甘い。人員基準を満たさない期間のサービスは介護報酬の減算または返還対象になり、数年分を遡って請求されれば事業所は一撃で資金ショートする。実地指導での指摘は、指導ではなく請求書の前触れである
- 「事業所が潰れるなら利用者は運が悪かっただけ」という見方は、法律の側から見れば逆になる。5項は廃止・休止の届出をした事業者に、継続的サービス提供のための便宜供与を義務づけている。事業者にとってこれは撤退時の最後の宿題であり、怠れば指定取消事由の評価に影響しうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 介護保険法74条:指定後の人員・設備・運営基準の遵守 | 介護保険法70条:指定を受けるための要件 介護保険法77条:基準違反時の指定取消・効力停止 |
| 主な名宛人 | 指定居宅サービス事業者(基準は都道府県条例) | 指定を申請する事業者と指定権者の都道府県知事 指定権者の都道府県知事 |
| 違反・不充足の効果 | 報酬減算・返還、勧告命令(78条)や処分の前提となる | 指定を受けられない 指定の取消または全部・一部の効力停止 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は長照機構の設立標準や人員配置を中央主管機関が定める方式が中心で、日本のように基準制定を地方条例に委ねる構造とは異なる
韓国は長期療養機関の指定・人員基準を国の法令で定め、自治体が指定を担う。基準の地域差は日本より小さい
ドイツでは介護金庫との供給契約(Versorgungsvertrag)により介護事業者が認可され、人員等の質基準は州・連邦レベルの枠組み合意で定まる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 通っていたデイサービスから「経営が苦しく来月末で閉鎖します」と一枚の紙が届いた。あなたは代わりの事業所を自力で探すしかないと思っている。違う。74条5項により、事業者には居宅介護支援事業者や他事業者との連絡調整を行う義務がある。この条文を出した瞬間、事業者の対応の質は変わる
- 訪問介護の事業所を運営するあなたが、ヘルパーの急な退職で常勤換算の人員基準を割った。「一時的だから大丈夫」と考えて放置すると、実地指導で介護報酬の返還、悪質なら指定取消(77条)まで進む。あと何日で欠員を埋められるか、その計算があなたの事業の生死を分ける
- もし、親の施設で職員が入れ替わり立ち替わりで、いつも慌ただしいとしたら? 人員基準ギリギリの運営かもしれない。事業所の人員配置は情報公表システムで誰でも確認できる。見学時の体感と公表数値のズレは、経営状態のシグナルだ
- ケアマネとして利用者から「あの事業所、担当者が毎回違って話が通じない」と相談を受けた。74条6項の人格尊重・忠実義務は抽象的に見えるが、実地指導で運営基準違反を指摘する際の根拠条文として実際に使われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業所からの廃止・休止通知は日付入りで保管、直前1か月以内の利用実績が5項の射程を決める2. 担当ケアマネに連絡調整を依頼し、事業者側にも他事業者との調整を書面で要請3. 対応が不十分なら、指定権者である都道府県(指定都市・中核市の場合はその市)の介護保険担当課へ相談4. 人員基準そのものへの疑義は、居住地の都道府県条例と厚生労働省令の該当基準を並べて確認してから申し立てる
訴えられた側:1. 欠員が発生したら日単位で記録を残し、常勤換算の計算根拠を保全2. 速やかに指定権者へ相談し、補充計画を書面化。放置と自主申告では処分の重さが変わる3. 実地指導では3項の三段階を確認、「参酌」事項については都道府県条例の文言が優先する余地がある4. 5項の便宜供与は撤退時の必須手続、連絡調整の記録を残す
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはないが、廃止・休止は次条(75条2項)により事前の届出が必要であり、5項の便宜供与義務は届出日前1か月以内の利用者に及ぶ。介護報酬の返還請求については不当利得等の一般時効(民法166条、5年または10年)が問題となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条3項の三段階区分は、地方分権改革における義務付け・枠付けの見直しを反映したもので、全国最低水準の確保と地域裁量の拡大を項目ごとに調整する仕組みと理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定。指定居宅サービス事業者の人員・設備・運営基準を定める規定として設けられる
- 2.平成20年(2008年) 改正:大手事業者の不正問題を受けた改正により、事業廃止・休止時のサービス確保のための便宜提供義務などが整備される
- 3.平成23年(2011年) 改正:地域主権改革一括法により、基準の制定主体が都道府県の条例に移され、従うべき基準・標準・参酌すべき基準の区分が導入される
- 介護保険法 第70条指定居宅サービス事業者の指定要件
- 介護保険法 第75条廃止休止等の届出義務、5項の前提
- 介護保険法 第76条報告徴収及び立入検査の権限
- 介護保険法 第77条基準違反時の指定取消及び効力停止
- 介護保険法 第78条都道府県による勧告命令の手続
- 地方自治法 第14条条例制定権の一般的授権規定
- 社会福祉法 第82条福祉サービス苦情解決の仕組み
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