感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の27(運搬の届出等)
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- 特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、その一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等を事業所の外において運搬する場合(船舶又は航空機により運搬する場合を除く。)においては、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を都道府県公安委員会に届け出て、届出を証明する文書(以下「運搬証明書」という。)の交付を受けなければならない。
- 2.都道府県公安委員会は、前項の規定による届出があった場合において、その運搬する一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため必要があると認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、運搬の日時、経路その他国家公安委員会規則で定める事項について、必要な指示をすることができる。
- 3.都道府県公安委員会は、前項の指示をしたときは、その指示の内容を運搬証明書に記載しなければならない。
- 4.第一項に規定する場合において、運搬証明書の交付を受けたときは、特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、当該運搬証明書を携帯し、かつ、当該運搬証明書に記載された内容に従って運搬しなければならない。
- 5.警察官は、自動車又は軽車両により運搬される一種病原体等、二種病原体等又は三種病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため、特に必要があると認めるときは、当該自動車又は軽車両を停止させ、これらを運搬する者に対し、運搬証明書の提示を求め、若しくは、国家公安委員会規則で定めるところにより、運搬証明書に記載された内容に従って運搬しているかどうかについて検査し、又は当該病原体等について盗取、所在不明その他の事故の発生を防止するため、第一項、第二項及び前項の規定の実施に必要な限度で経路の変更その他の適当な措置を講ずることを命ずることができる。
- 6.前項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
- 7.運搬証明書の書換え、再交付及び不要となった場合における返納並びに運搬が二以上の都道府県にわたることとなる場合における第一項の届出、第二項の指示並びに運搬証明書の交付、書換え、再交付及び返納に関し必要な都道府県公安委員会の間の連絡については、政令で定める。
この条文の基本情報
運搬の届出等とは何ですか?
定義運搬の届出等とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27に定められた規定で、「特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、その一…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27(運搬の届出等)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27の条文原文は「特定一種病原体等所持者、一種滅菌譲渡義務者、二種病原体等許可所持者及び二種滅菌譲渡義務者並びにこれらの者から運搬を委託された者並びに三種病原体等所持者は、その一…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27は第四節 所持者等の義務に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の26です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の28です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の27には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の27 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の27(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法56条の27は、一種・二種・三種病原体等を事業所の外に陸送する際、都道府県公安委員会への届出と運搬証明書の携帯を義務づける。警察官の停止・検査権限は犯罪捜査には使えない。
Q · 病原体を車で他の研究機関に運ぶとき、警察に届け出が必要なんですか?
必要です。公安委員会に届け出て運搬証明書を携帯します
感染症法56条の27第1項により、一種・二種・三種病原体等を事業所の外で運搬する場合(船舶・航空機を除く)、国家公安委員会規則の定めにより都道府県公安委員会へ届け出て、運搬証明書の交付を受ける必要があります。公安委員会は日時・経路について必要な指示をでき(2項)、交付を受けた者は証明書を携帯し記載内容に従って運搬しなければなりません(4項)。義務主体は所持者だけでなく運搬を委託された者も含みます。
解説
大学の研究室から別の研究機関へ、エボラウイルスやボツリヌス毒素を車で運ぶ。その瞬間、あなたは「研究者」ではなく「公安委員会の監督下にある運搬人」になる。感染症法56条の27は、一種・二種・三種病原体等を事業所の外に運ぶ際、都道府県公安委員会への届出と運搬証明書の交付を義務づける。ここであなたが知っておくべきは、この条文の主役が厚生労働省ではなく警察であるという点だ。厚生労働大臣への許可・届出(56条の6以下)とは別系統で、運搬という移動局面だけは国家公安委員会規則が支配する。しかも警察官は走行中の車を停止させ、証明書の提示を求め、経路変更を命じることまでできる(5項)。ただし6項が決定的に重要である。この停止・検査権限は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」。つまり、この停止は交通違反や薬物の捜索の口実に使ってはならない、運搬事故防止という目的に厳格に縛られた権限である。自分の荷台を開けさせられたとき、その一行を知っているかどうかで、あなたの立ち位置は変わる。
法的な位置づけ
感染症法第56条の27は、病原体等の運搬に関する届出義務を定める規定である。特定一種病原体等所持者、二種病原体等許可所持者、三種病原体等所持者およびこれらの者から運搬を委託された者は、事業所の外で陸上運搬を行う場合に都道府県公安委員会へ届け出て運搬証明書の交付を受け、これを携帯して記載内容に従い運搬する義務を負う。警察官の停止・検査権限は事故防止目的に限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.病原体等の種別と運搬手段を確定する 運搬対象が一種・二種・三種病原体等のいずれに当たるかを感染症法56条の区分で確認し、運搬手段が自動車・軽車両等の陸送か、船舶・航空機(本条適用外)かを特定する
- 2.都道府県公安委員会へ事前相談する 運搬計画を固める前に、管轄の都道府県警察(公安委員会窓口)へ日時・経路・積載方法を相談する。2項の指示は日時・経路の変更を含むため、先に相談して指示を織り込んだ計画にすると一回で通る
- 3.運搬の届出を行い運搬証明書の交付を受ける 国家公安委員会規則で定める様式により都道府県公安委員会へ届け出て、運搬証明書の交付を受ける。公安委員会が指示をした場合は、その内容が証明書に記載される(3項)
- 4.委託契約で義務主体を明記する 運送業者に委託する場合、1項は委託された者自身も義務主体としているため、届出を誰が行い、証明書を誰が携帯するかを契約書・発注書で明文化する
- 5.証明書を携帯し記載どおりに運搬する 4項に従い運搬証明書を車内に携帯し、記載された日時・経路・方法どおりに運搬する。警察官から停止・提示を求められた場合は、5項の範囲での求めに応じ、やり取りの日時・担当官の所属氏名を記録する
- 6.不要になった運搬証明書を返納する 運搬の中止や内容変更があった場合は書換え・再交付、不要になった場合は返納の手続をとる。これらの手続は7項により政令が定める
よくある質問 AI による整理
Q1運搬証明書とは何ですか?
病原体等の運搬を都道府県公安委員会に届け出たことを証明する文書です。感染症法56条の27第1項により交付を受け、運搬中は携帯が義務づけられます。
Q2病原体の運搬届出はどこに出しますか?
都道府県公安委員会です。厚生労働大臣ではありません。二以上の都道府県にわたる運搬の場合の届出先や委員会間の連絡は政令が定めます(7項)。
Q3病原体の運搬届出はいつまでに必要ですか?
運搬前に届け出て証明書の交付を受ける必要があります。具体的な期限や様式は国家公安委員会規則が定めるため、計画確定前の事前相談が安全です。
Q4航空機や船で運ぶ場合も届出は必要?
不要です。1項の括弧書きが船舶・航空機による運搬を除外しています。ただし航空・海上の危険物輸送規制が別系統で適用されます。
Q5運搬証明書を忘れたら違法ですか?
違反になります。4項が携帯義務と記載内容遵守義務を課しており、携帯しない状態で運搬した時点で義務違反です。後日の提出では治癒しません。
Q6警察官は病原体を運ぶ車を止められる?
できます。5項により事故防止のため特に必要と認めるときは停止・証明書提示・検査、経路変更等の命令が可能です。対象は自動車と軽車両です。
Q7警察の検査は犯罪捜査に使える?
使えません。6項が「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と明記しており、権限は運搬事故の防止目的に限定されます。
Q8運搬届出の義務者は委託元ですか委託先ですか?
1項は所持者と「運搬を委託された者」を並列に義務主体としています。法文上どちらも義務を負うため、委託契約で責任の帰属を明記すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1届出って、研究室の側がやるんですか、運送会社がやるんですか?
1項は所持者と「これらの者から運搬を委託された者」を並列に義務主体として挙げている。実務では委託元が届出を行い、受託者が証明書を携帯する形が多いが、法文上どちらも義務を負う構造である。実務のポイント:委託契約書に届出責任の帰属を書いていないケースが非常に多い。事故が起きてから「相手がやると思っていた」が通用しないので、契約の一行で責任分配を固定しておく
Q2飛行機で運べば、この面倒な届出はいらないんですか?
1項の括弧書きが船舶・航空機による運搬を除外しているので、本条の公安委員会届出は不要になる。ただし航空・海上輸送には危険物輸送の別系統の規制が重く掛かり、全体として簡単になるわけではない。実務のポイント:輸送手段の選択は「どの規制系統に入るか」の選択でもある。陸送が最短距離でも、規制コストを含めた総コストでは別の答えになることがある
Q3警察に止められて荷台を開けろと言われたら、断れますか?
5項により、事故防止のため特に必要と認めるときは停止・証明書提示・記載内容の遵守検査が認められており、正当な範囲の求めには応じる必要がある。ただし6項が犯罪捜査目的への転用を明確に禁じている。実務のポイント:この6項のような「捜査権限ではない」という明文規定は、行政調査の文脈で実務上きわめて重要な論点であり、同種の規定を持つ法律は限られる。範囲を超えた検査で得られた資料の扱いは、実務上解釈が分かれている
間違えやすい点 AI による整理
- 厚生労働大臣の許可を得ているのだから運搬も包含されていると考えるのが自然だが、法律の設計は違う。所持・輸入の規制系統と運搬の規制系統は別で、監督官庁も厚生労働省と都道府県公安委員会に分かれる。片方を満たしても他方は免除されない
- 警察官の停止・検査権限そのものは多くの人が知っている。だが6項の存在、すなわちその権限が犯罪捜査目的に転用できないと明文で封じられていることまで知る人は少ない。この一項は行政警察活動と司法警察活動の境界線を条文レベルで引いた、日本の法制度では珍しく明示的な宣言である
- 「運搬証明書は書類だから、あとで出せばいい」と考えると致命的だ。4項は携帯義務と記載内容遵守義務を課している。手元にない状態で走った時点が違反であり、後日提出は治癒にならない
- あなたから見れば善意の研究活動の一部だが、法律から見れば一種・二種病原体等はバイオテロ対策の管理対象物である。この視点の落差が、手続の抜けを「うっかり」で済ませられない理由になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の局面 | 56条の27:事業所外の陸上運搬(届出+運搬証明書) | 56条の6:二種病原体等の所持そのものの許可 56条の26:運搬時の技術上の基準の遵守 |
| 監督官庁 | 都道府県公安委員会・警察官 | 厚生労働大臣 厚生労働大臣(基準の設定・監督) |
| 手続のタイミング | 運搬のたびに事前届出 | 所持開始前に一回の許可 運搬の全過程で継続的に遵守 |
| 適用除外 | 船舶・航空機による運搬は適用外(1項括弧書き) | 除外なし(種別ごとに規制体系が異なる) 輸送手段による除外は規定されていない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は感染性生物材料の管理・運送包装・申報を衛生福利部疾病管制署のラインで一元的に扱う。日本のように運搬局面だけを警察(公安委員会)に分ける二系統構造は採っていない
韓国は高危険病原体の引受・移動について疾病管理庁への申告・許可を要求する。所管は保健当局に集中し、警察による走行中の停止・検査権限を病原体運搬専用に置く構成ではない
ドイツは病原体の取扱い自体を感染保護法の許可制で捉え、運搬は危険物輸送法(ADR の国内実施)で処理する。移動局面の規制が危険物法制側に寄る点が日本と対照的
米国は CDC/APHIS の Select Agent 登録と移送承認(Form 2)で主体を管理し、包装・輸送は DOT 危険物規則が担う。州警察が運搬専用の停止権限を持つ構成ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の BSL-3施設から共同研究先へ三種病原体等を陸送する。研究者本人が運転するつもりだったが、届出は運搬の前に済ませ、運搬証明書を車内に携帯しなければならない(1項、4項)。証明書を忘れた、あるいは記載された経路を外れた、それだけで義務違反になる。渡した運送業者も「委託された者」として同じ義務を負う
- 運送会社の担当者として病原体等の輸送を受託した。委託元の研究機関が届出をしたと思い込んでいたが、法文は「これらの者から運搬を委託された者」自身も届出・携帯の義務主体として並列に挙げている。誰がやるかを契約書で明確にしていなければ、責任の所在が空白になる
- 高速道路で警察官に停止を求められ、荷台の病原体容器の検査を受けた。警察官は経路変更の命令まで出せる。だが同じ機会に車内の別の物を調べ始めたら、それは6項が禁じた領域に踏み込んでいる
- 東京から大阪まで、二つ以上の都道府県をまたぐ運搬。届出先はどこか、指示は誰が出すのか。答えは条文本体にはなく、7項が政令に委ねている。あと3日で輸送日なのに、どの公安委員会に出すかで迷っているなら、読むべきは法律ではなく政令である
- もし船や飛行機で運ぶ場合はどうなる? 1項の括弧書きが「船舶又は航空機により運搬する場合を除く」と明記しており、本条の適用外である。海上・航空輸送は別系統(56条の25、56条の26等の枠組み)で処理される。陸送だけが公安委員会ルートに入るという非対称が、輸送手段の選択そのものを法的判断にする
取るべき行動
被害を受けた側:警察官の停止・検査が運搬事故防止の範囲を超えたと感じた場合、1. その場で拒絶するのではなく、日時・場所・担当官の所属氏名・求められた行為の内容を記録する2. 6項が捜査目的への転用を禁じている点を踏まえ、所属機関の法務担当と都道府県公安委員会へ照会する3. 違法な捜索として収集された資料は刑事手続で争う余地がある。必要なら弁護士に相談し、国家賠償法1条に基づく請求も検討する
訴えられた側:届出漏れや証明書不携帯を指摘された場合、1. まず事実関係を時系列で確定させる、届出の有無・交付日・実際の経路・携帯状況2. 委託関係がある場合、義務主体が誰であったかを契約書と発注書で特定する3. 違反が確定的なら、再発防止体制(届出チェックリスト、責任者指定、記録保存)を速やかに整備し、その記録を提出する。バイオセキュリティ分野では体制整備の有無が処分の軽重に強く影響する(最新の運用状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条自体に権利行使の時効規定はない。届出は運搬前に完了させる必要があり、その期限の詳細は国家公安委員会規則が定める。行政処分に不服がある場合は審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
行政調査論(通説):行政目的の立入・検査権限は刑事手続の令状主義を潜脱してはならず、収集資料の刑事手続への利用には限界があると解されている。本条6項はその限界を立法が明文で宣言した類型であり、同種規定は税法・警察法分野の一部に限られる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律が制定(平成10年法律第114号)。ただし病原体等の管理規制の章は、この時点では置かれていない
- 2.平成18年(2006年) 新設:病原体等の管理規制(第五章の二に相当する規定群)を新設する改正により、所持・輸入の許可・届出制度とともに運搬の届出・運搬証明書の制度が導入された。バイオテロ対策の国内法整備の一環であり、本条の運搬届出も同時期に置かれたと整理される
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