感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の5(一種病原体等の譲渡し及び譲受けの禁止)
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- 何人も、一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
- 一特定一種病原体等所持者が、特定一種病原体等を、厚生労働大臣の承認を得て、他の特定一種病原体等所持者に譲り渡し、又は他の特定一種病原体等所持者若しくは一種滅菌譲渡義務者から譲り受ける場合
- 二一種滅菌譲渡義務者が、特定一種病原体等を、厚生労働省令で定めるところにより、特定一種病原体等所持者に譲り渡す場合
この条文の基本情報
一種病原体等の譲渡し及び譲受けの禁止とは何ですか?
定義一種病原体等の譲渡し及び譲受けの禁止とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5に定められた規定で、「何人も、一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5(一種病原体等の譲渡し及び譲受けの禁止)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5の条文原文は「何人も、一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5は第一節 一種病原体等に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の4です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の6です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法第56条の5は、何人も一種病原体等の譲渡・譲受けを禁止する。例外は厚生労働大臣の承認を得た特定一種病原体等所持者間の移転と、一種滅菌譲渡義務者からの引渡しのみである。
Q · 研究室に残っていた菌株を、他の研究室に譲ってもいいんですか?
一種病原体等なら禁止です。国の承認を得た特定施設間の移転だけが例外です。
感染症法第56条の5は、何人も一種病原体等を譲り渡し、又は譲り受けてはならないと定めています。主語は「何人も」であり、研究者・事業者・事務職員といった立場や資格を問いません。例外は二つだけで、①特定一種病原体等所持者が厚生労働大臣の承認を得て他の特定一種病原体等所持者に譲り渡す(又は他の所持者・一種滅菌譲渡義務者から譲り受ける)場合、②一種滅菌譲渡義務者が厚生労働省令の定めにより特定一種病原体等所持者に譲り渡す場合です。学術目的の共有や善意の無償譲渡は、承認がなければ適法になりません。
解説
炭疽菌、エボラウイルス、天然痘ウイルス。これらは法律上「一種病原体等」として分類され、日本国内では流通そのものが原則禁止されている。注目すべきは本条の主語だ。「何人も」とある。事業者でも医療機関でもなく、日本に存在するすべての人間に向けられた禁止規範である。あなたが研究者であろうと、たまたま古い研究室の冷凍庫を整理していた事務職員であろうと、一種病原体等を他人に渡す行為、または受け取る行為そのものが違法になる。例外は二つだけ。厚生労働大臣の承認を得た特定一種病原体等所持者(国の指定を受けた施設、実質的には国立感染症研究所など極少数)の間での譲渡、そして滅菌義務を負う者が指定施設へ引き渡す場合。つまり「善意の譲渡」「学術目的の共有」「国際共同研究のためのサンプル交換」は、承認がなければ一切成立しない。一種病原体等は、売買の対象にすらならない物質として法が括り出している。
法的な位置づけ
感染症法第56条の5は、一種病原体等の譲渡及び譲受けを一般的に禁止する規定である。規制の主体は「何人も」とされ、業態や資格を問わない。例外は、厚生労働大臣の承認を得た特定一種病原体等所持者相互間の移転、及び一種滅菌譲渡義務者から特定一種病原体等所持者への厚生労働省令に基づく譲渡の二類型に限定される。
手順
- 1.対象物の種別を条文レベルで判定する 感染症法第6条の定義と政令の列挙に当てて、手元の菌株・ウイルスが一種から四種のどれに当たるかを確定させる。ここを外すと以降の手続がすべて無意味になるため、ラベルの通称ではなく政令の名称で照合する
- 2.移動を停止し保管状態を記録する 一種病原体等の疑いがある段階で、他室への持出し・貸与・相談を含むあらゆる移転を止める。保管容器・温度記録・封印状態を写真と日時付きで保全し、受領経路(送り状、メール、契約書)を時系列で整理する
- 3.安全管理責任者と行政へ報告する 所属機関の安全管理責任者を通じて厚生労働省(又は保健所)へ速やかに報告し、自発的申告であることを記録に残す。報告・是正の自発性は、後に責任を問われた場合の主張材料になる
- 4.滅菌又は指定ルートへの引渡しを行政の指示に従って実施する 合法な出口は滅菌と特定一種病原体等所持者への引渡しの二つだけである。行政の指示を受けた上で、一種滅菌譲渡義務者としての省令手続又は滅菌を実施し、実施記録を保存する
- 5.共同研究・M&A の契約段階に条項を仕込む 共同研究契約や事業譲渡契約の交渉段階で「病原体等の移転は厚生労働大臣の承認を条件とする」旨を明記し、デューデリジェンスのチェックリストに保管病原体の種別確認を加える。締結後の発覚は履行不能と違法行為の責任が同時に降ってくる
よくある質問 AI による整理
Q1感染症法56条の5とは何ですか?
一種病原体等の譲渡と譲受けを禁止する規定です。主語は「何人も」で、業者だけでなく誰にでも及びます。例外は厚生労働大臣の承認を得た特定施設間の移転と、滅菌譲渡義務者からの引渡しの二つです。
Q2一種病原体等の譲渡は誰が禁止されるのですか?
条文は「何人も」と定めており、研究者・医療機関・事業者だけでなく、偶然手にした個人や事務職員も対象です。業態単位ではなく物質単位で禁止が張られている点が他の業規制と異なります。
Q3特定一種病原体等所持者とは何ですか?
厚生労働大臣の指定・許可の枠組みの中で一種病原体等を適法に所持できる極めて限定された主体です。双方がこの資格を持たない限り、譲渡の承認審査の前提自体が成立しません。
Q4一種滅菌譲渡義務者とは何ですか?
一種病原体等について滅菌等の義務を負う立場の者で、厚生労働省令の定めにより特定一種病原体等所持者へ譲り渡すことが認められています。本条の第二の例外ルートに当たります。
Q5研究室を閉鎖するとき病原体はどうすればいい?
隣の研究室に預ける行為は譲渡に当たり違法です。合法な出口は滅菌と国の指定ルートへの引渡しだけなので、閉鎖が決まった最初の週に棚卸しと種別判定を済ませる必要があります。
Q6一種病原体等を見つけたらどこに連絡しますか?
現物に触らず移動を停止し、所属機関の安全管理責任者と厚生労働省(又は保健所)へ速やかに報告します。独自判断での廃棄は廃棄物処理の別の違反を生むため避けてください。
Q7二種病原体等との違いは何ですか?
病原体等は一種から四種まで分類され、分類が一段違うだけで所持の可否、許可・届出の要否、罰則の重さがすべて変わります。一種は所持・輸入・譲渡が原則禁止の最上位分類です。
Q8違反すると罰則はありますか?
感染症法の病原体等規制違反には罰則が定められており(第67条以下、最新の改正状況をご確認ください)、一種病原体等に関する違反は同法の罰則体系で最も重い層に位置します。行政指導で済む話ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも一種病原体等って具体的に何が入ってるんですか?
感染症法第6条第20項で定義され、具体的な種別は同条および政令で列挙されている。エボラウイルス、天然痘ウイルス、ペスト菌などが含まれ、原則として国内での所持自体が禁止される最上位分類である。実務のポイント:病原体等の分類は一種から四種まであり、分類が一段違うだけで所持の可否、届出の要否、罰則の重さがすべて変わる。実務では「何種に当たるか」の判定が最初の分岐で、ここを外すと以降の手続全部が無意味になる
Q2研究のために海外から取り寄せるのも駄目なんですか?
本条は国内の譲渡・譲受けを規律し、輸入については別途規制がある。一種病原体等の場合、受け取る行為が譲受けに当たるため、特定一種病原体等所持者でなければ入口で止まる。実務のポイント:国際共同研究の実務では、病原体そのものを動かさず、不活化標本や遺伝子配列データで代替する設計が標準になっている。現物の移転を前提に計画を立てる研究者は、審査の段階で止まることを知らない
Q3厚生労働大臣の承認って、申請したら普通に下りるものですか?
前提として譲渡人・譲受人の双方が特定一種病原体等所持者である必要があり、この資格自体が極めて限定されている。資格要件を満たさない段階では承認の審査対象にすらならない。実務のポイント:実務上、承認が議論になる場面は国の研究機関同士の株の移管などごく狭い領域に限られる。民間事業者が承認取得を前提に事業計画を立てる構造そのものが成立しないという点を、最初に理解している企業は多くない
間違えやすい点 AI による整理
- 「規制対象は危険物を扱う専門業者だけ」と考えられがちだが、本条の主語は「何人も」である。資格も業態も問わない。研究の素人が偶然手にした場合も、同じ禁止が及ぶ。規制の網が業者単位ではなく物質単位で張られている点が、他の業規制と決定的に違う
- 厚生労働大臣の承認があれば自由に動かせると理解している人がいるが、承認は譲渡「行為」ごとの個別承認であり、しかも当事者双方が特定一種病原体等所持者でなければ承認の前提すら整わない。承認制度は門を開ける鍵ではなく、すでに門の内側にいる者同士の通行証である
- 違反のリスクを「行政指導で済む話」と見積もる人は、深刻度を見誤っている。感染症法の病原体等規制違反には罰則が用意されており(第67条以下、最新の改正状況をご確認ください)、一種病原体等に関する違反は同法の罰則体系の中で最も重い層に位置する。許可申請の却下のような行政処分(役所があなたに直接下す決定)で終わる話ではない
- 「研究目的なら学術の自由で守られる」という発想は、問いの立て方そのものが誤っている。学問の自由(憲法第23条)は研究内容への国家介入を抑える原理だが、一種病原体等の規制は研究の是非ではなく物質の物理的移動を規律している。守るべき対象が重なっていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止される行為 | 第56条の5:譲り渡し・譲り受け(移転そのもの) | 第56条の3:所持(保管している状態) 第56条の4:輸入(国外から持ち込む行為) |
| 規制の主体 | 何人も(譲渡人・譲受人の双方が対象) | 何人も(現に所持する者) 何人も(輸入者) |
| 例外の構造 | 厚生労働大臣の承認を得た特定一種病原体等所持者間の移転/一種滅菌譲渡義務者からの省令に基づく譲渡 | 特定一種病原体等所持者としての地位、滅菌義務者としての一時的所持 特定一種病原体等所持者による厚生労働大臣の許可に係る輸入 |
| 実務上の論点 | 研究室整理・国際共同研究・M&A での「引継ぎ」が譲渡に当たるか | 退職者が残したサンプルの保管継続が違法状態になるか 提携先からの比較株の送付を入口で止められるか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は感染性生物材料の持有・使用・輸出入を中央主管機関の核准制の下に置く。日本のように条文で「何人も」譲渡を禁止する構造ではなく、許可制を通じた管理型である
韓国は高危険病原体の分譲・移動について許可・届出の枠組みを置く。移転を全面禁止してから例外を開ける日本型に比べ、手続規制を中心に構成されている
ドイツは病原体を扱う行為自体を許可義務の対象とし、生物兵器関連は戦争兵器管理法が別途カバーする。EU 域内の移送は各国法と EU 規制の重畳となる
米国は Select Agent として指定された病原体の登録施設間の移転のみを認め、移転ごとに事前承認を要する。構造は日本の承認型に最も近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の研究室で、退職した教授が残した冷凍保存サンプルを整理していたら、ラベルに見覚えのない菌株名が並んでいた。もしその一つが一種病原体等だったら、他の研究室に「使う?」と声をかけた時点で譲渡の禁止に触れる。正解は譲渡ではなく、所持の届出と滅菌ルートの確認である
- 国際共同研究で海外の提携大学から「比較株を送る」と連絡が来た。受け取る側のあなたも「譲り受け」の当事者だ。本条は譲渡人だけでなく譲受人も禁止の対象にしている。輸入規制(第56条の11以下)と併せて、受領の一歩手前で止まる判断が必要になる
- もし製薬企業のM&Aで、買収対象の研究設備に一種病原体等が保管されていたと判明したら、どうなる? 法人格の移動と病原体の帰属は別問題であり、事業譲渡の一環として「引き継ぐ」ことは譲渡に該当しうる。デューデリジェンスで見落とすと、クロージング直後に違法状態が発生する
- あと数日で研究室の閉鎖期限。残ったサンプルの行き先が決まらない。「隣の研究室に預ける」は譲渡、「自宅の冷凍庫へ」は所持の違法、「流しに捨てる」は廃棄規制違反。合法な出口は滅菌と国の指定ルートだけであり、期限直前に気付くと詰む
- 病院の検査部で、患者検体から想定外の菌が分離された。この段階ではまだ譲渡の問題ではないが、「専門機関に送って確認してもらう」という最も自然な行動が、法的には譲受けと譲渡の連鎖になる。国立感染症研究所への移送手続は別建てで定められている
取るべき行動
被害を受けた側:一種病原体等を無断で持ち込まれた、または知らずに受領させられた立場なら、1. 直ちに移動を停止し、現物に触らず保管状態を写真で記録2. 所属機関の安全管理責任者と厚生労働省(または保健所)へ速やかに報告、自発的申告の記録を残す3. 譲渡人とのやり取り(メール、送り状、契約書)を時系列で保全4. 滅菌または指定施設への引き渡しについて行政の指示を受ける。独自判断での廃棄は別の違反を生む
訴えられた側:1. 対象物が本当に一種病原体等に該当するか、政令・省令の分類を条文レベルで確認、該当しなければ前提が崩れる2. 自分が特定一種病原体等所持者または一種滅菌譲渡義務者に当たらないか、例外規定の適用余地を検証3. 承認申請の有無と時期、承認手続の経過を書面で整理4. 故意の立証構造を点検、対象物の性質を知らなかった事情は量刑と故意認定の両方に関わる。報告・是正の自発性は必ず記録して主張材料にする
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。違反に対する罰則の公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法第250条で決まる。行政上の報告義務や滅菌の期限は厚生労働省令で定められるため、保管が判明した時点から日単位で動く必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律が制定され、伝染病予防法等を全面的に置き換える感染症対策の基本法制が成立した
- 2.平成18年(2006年) 改正:病原体等の管理規制が新たに導入され、一種から四種の種別分類と、一種病原体等の所持・輸入・譲渡等の原則禁止を定める一連の規定(第56条の3以下)が設けられた(最新の改正状況をご確認ください)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第6条一種病原体等の定義と種別分類
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の3一種病原体等の所持の原則禁止
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の4一種病原体等の輸入禁止
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の6一種病原体等の運搬に係る規制
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第67条病原体等規制違反に対する罰則
- 刑法 第60条譲渡の双方当事者と共犯の成否
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条感染性廃棄物処理との手続の接続
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