消費者契約法 第39条(判決等に関する情報の公表)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、適格消費者団体から第二十三条第四項第四号から第九号まで及び第十一号の規定による報告を受けたときは、インターネットの利用その他適切な方法により、速やかに、差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)又は裁判外の和解の概要、当該適格消費者団体の名称及び当該差止請求に係る相手方の氏名又は名称その他内閣府令で定める事項を公表するものとする。
- 2.前項に規定する事項のほか、内閣総理大臣は、差止請求関係業務に関する情報を広く国民に提供するため、インターネットの利用その他適切な方法により、適格消費者団体の名称及び住所並びに差止請求関係業務を行う事務所の所在地その他内閣府令で定める必要な情報を公表することができる。
- 3.内閣総理大臣は、独立行政法人国民生活センターに、前二項の情報の公表に関する業務を行わせることができる。
この条文の基本情報
判決等に関する情報の公表とは何ですか?
定義判決等に関する情報の公表とは、消費者契約法第39条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、適格消費者団体から第二十三条第四項第四号から第九号まで及び第十一号の規定による報告を受けたときは、インタ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費者契約法第39条(判決等に関する情報の公表)は、日本の消費者契約法に含まれる条文です。
- 消費者契約法第39条の条文原文は「内閣総理大臣は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、適格消費者団体から第二十三条第四項第四号から第九号まで及び第十一号の規定による報告を受けたときは、インタ…」で始まります。
- 消費者契約法第39条は第四款 補則に置かれています。
- 消費者契約法の公布日は平成12年5月12日です。
- 消費者契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 消費者契約法第39条の前の条は消費者契約法第38条です。
- 消費者契約法第39条の次の条は消費者契約法第40条です。
- 消費者契約法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061 - 本サイト収録
消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000061/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費者契約法39条は、適格消費者団体の差止請求に係る判決や裁判外の和解の概要、相手方である事業者の名称等を、内閣総理大臣がインターネット等により速やかに公表すると定める規定です。
Q · 契約する会社が過去に不当な条項で差止めを受けたかどうか、どこで調べられますか?
差止請求で負けた企業名は消費者庁のサイトで公表されます
消費者契約法39条により、内閣総理大臣(実務では消費者庁)は、適格消費者団体から報告を受けたときに、差止請求に係る判決・仮処分決定・裁判外の和解の概要とともに、団体名と相手方である事業者の氏名又は名称等を、インターネットの利用その他適切な方法により速やかに公表します。公表事項の範囲は内閣府令で定められ、公表に関する業務は独立行政法人国民生活センターに行わせることもできます。契約前に相手企業名を検索すれば、不当条項で差止めを受けた履歴を無料で確認できます。
解説
通販サイトの『いかなる理由でも返金しない』という規約、ジムの『中途解約は一切認めない』という契約書。こうした不当な条項を、個人が一つ一つ裁判で潰すのは現実的でない。そこで法律は『適格消費者団体』という国の認定を受けた民間団体に、消費者に代わって差止請求をする権限を与えた。第39条が定めるのは、その団体が勝ち取った差止判決や裁判外の和解の概要を、内閣総理大臣(実務では消費者庁)がインターネットで公表する仕組みだ。つまり、どの会社がどんな不当条項で差止めを受けたかが、社名入りで公開されている。あなたが新しいサービスと契約する前、その会社の『前科』をここで確認できる。逆にあなたが事業者なら、不当条項を放置した瞬間、社名がネット上に晒されるリスクを背負う。この公表制度は、消費者にとっては無料の企業調査ツールであり、事業者にとっては見えない規律装置だ。
法的な位置づけ
消費者契約法39条は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、内閣総理大臣が適格消費者団体からの報告に基づき、差止請求に係る判決又は裁判外の和解の概要、当該団体の名称、相手方の氏名又は名称等をインターネット等で公表する義務を定める規定である。あわせて適格消費者団体の名称・住所等の情報提供、及び国民生活センターへの業務の実施委任についても規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約前に相手企業名を公表ページで検索する 消費者庁ウェブサイトの適格消費者団体による差止請求に係る判決等の公表ページで、契約しようとしている事業者名を検索する。ヒットしたら、どの条項が問題とされたかの概要を確認する
- 2.公表内容と自分の契約条項を突き合わせる 公表された差止対象条項(全部免責条項、不当な解約制限、高額な違約金など)と、自分が結ぼうとしている契約書・利用規約の条項を並べて比較する。同種条項があれば、締結前に修正を求めるか契約を見送る
- 3.既に被害が生じていれば個別の無効主張に切り替える 39条の公表はあくまで情報提供であり、自分への返金は生じない。消費者契約法8条〜10条に基づく条項無効を主張し、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談する。被害回復は消費者裁判手続特例法の制度を確認する
- 4.悪質な条項を適格消費者団体に情報提供する 自分ひとりで争うより効果が大きい場合がある。適格消費者団体の情報提供フォーム等から、条項の写しと契約経緯を添えて申告する。団体が差止請求に踏み切れば、他の消費者も同時に救われる
- 5.事業者側は書面請求の到達時点で是正を判断する 適格消費者団体から書面による差止請求が届いたら、消費者契約法41条の事前請求手続の期間内に規約を精査し、是正案を提示する。敗訴判決より裁判外の和解のほうが公表内容の印象を抑えられる
よくある質問 AI による整理
Q1適格消費者団体とは何ですか?
消費者契約法13条に基づき内閣総理大臣の認定を受けた民間の消費者団体です。国の機関ではなく、消費者に代わって不当条項の差止請求(同法12条)を行う権限を持ちます。
Q2差止請求の判決はどこで公表されますか?
消費者契約法39条により、内閣総理大臣(実務では消費者庁)がインターネットの利用その他適切な方法で公表します。消費者庁ウェブサイトの差止請求関係の公表ページで閲覧できます。
Q3公表される内容には何が含まれますか?
差止請求に係る判決又は裁判外の和解の概要、適格消費者団体の名称、相手方である事業者の氏名又は名称、その他内閣府令で定める事項です。事業者名が入る点が実務上のインパクトです。
Q4裁判外の和解でも公表されますか?
公表されます。39条1項は判決だけでなく「裁判外の和解の概要」も公表対象としています。ただし和解であれば、公表内容は敗訴判決より穏当な記載になり得ます。
Q5仮処分の決定も公表対象ですか?
対象です。39条1項は判決について「確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む」と明記しており、仮処分段階でも公表され得ます。
Q6国民生活センターは公表と何の関係がありますか?
39条3項により、内閣総理大臣は独立行政法人国民生活センターに公表に関する業務を行わせることができます。実務上、団体情報や関連情報の集約・提供に関与します。
Q7公表された企業名はいつまで掲載されますか?
39条には掲載期間の明文がなく、実務上は継続的に閲覧可能な状態に置かれます。事業者側の都合で自由に削除させることは困難で、事実上のデジタルタトゥーとなり得ます。
Q8適格消費者団体から差止請求を受けた事業者は何をすべきですか?
無視は最悪手です。訴訟前の書面請求手続(消費者契約法41条)の段階で規約を精査し、8条〜10条に照らして是正・和解に動けば、公表内容を和解の概要にとどめられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消費者団体が会社を訴えて勝っても、私個人にお金は戻ってこないんですよね?
そのとおりです。差止請求(消費者契約法12条)は不当条項の使用をやめさせる制度で、あなた個人への返金は含まれません。ただし別に『特定適格消費者団体』が消費者に代わって返金を求める集団訴訟制度(消費者裁判手続特例法)があります。実務のポイント:差止判決が公表されている会社は、その後この被害回復訴訟の標的にもなりやすい。公表ページで社名を見つけたら、同じ会社の被害回復手続が進行中か消費生活センターで確認すると、あなた自身が返金の列に並べることがある
Q2うちの小さな会社の規約が公表されたら、削除してもらえますか?
第39条の公表は消費者被害の防止という公益目的で、内閣府令の定めに従って行われるため、事業者側の都合で自由に消させることは困難です。実務上、公表は消費者庁サイトで継続的に閲覧可能な状態に置かれます。実務のポイント:だからこそ勝負は公表される前。適格消費者団体の差止請求に対し、判決敗訴ではなく『裁判外の和解』で早期に条項を是正すれば、公表内容は判決より穏当な『和解の概要』となる。同じ公表でも、検索されたときの印象が大きく違う
間違えやすい点 AI による整理
- 適格消費者団体は国のお役所だと思われがちだが、実際は国(内閣総理大臣)の認定を受けた民間の NPO 等だ。国の機関ではなく、消費者の代わりに動く独立した民間の監視役であり、認定には厳格な要件(消費者契約法13条)がある
- 『差止め判決が出た会社』の公表は知っていても、その公表がインターネットで継続的に閲覧可能で、しかも和解の概要まで載る深刻さを知る人は少ない。取引先・金融機関・採用候補者が検索すれば半永久的に出てくる、事実上のデジタルタトゥーだ
- 『差止め判決が出れば自分の被害も自動で救済される』という前提そのものが誤っている。差止請求(消費者契約法12条)はあくまで不当条項の使用を止めさせるだけで、あなた個人への返金は別制度(消費者裁判手続特例法の被害回復)が必要だ。『止めさせる』と『取り返す』を分けて問いを立てないと、動き方を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 39条:差止請求の結果を国が公表する情報提供の仕組み | 12条:適格消費者団体が不当条項の使用差止めを請求する実体的権利 23条:適格消費者団体が内閣総理大臣に判決・和解等を報告する義務 |
| 動く主体 | 内閣総理大臣(実務は消費者庁)、業務は国民生活センターに委任可 | 適格消費者団体(原告として提訴) 適格消費者団体(報告義務者) |
| 消費者個人への効果 | 契約前の企業調査に使える情報が得られる。返金効果はない | 不当条項の使用が止まる。個人への返金は含まれない 直接の効果はなく、39条の公表の入口となる |
| 事業者側のリスク | 社名入りで継続的に閲覧可能な状態に置かれる信用リスク | 条項の使用停止、規約改訂コスト、訴訟対応コスト 報告自体は団体側の義務で、事業者に直接の負担はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も消費者保護団体による不作為訴訟を認め、主管機関が違法な企業経営者の名称等を公告できる。公告主体が主管機関である点は日本と共通
韓国も認定を受けた消費者団体に差止型の団体訴訟を認める。日本の制度と近い時期に整備され、要件も類似する
ドイツは資格を有する団体(qualifizierte Einrichtungen)のリストが公的に公表される仕組みを持つ。日本の39条2項の団体情報公表に相当する発想
米国は団体訴訟型ではなく行政機関(FTC)が直接執行し、consent order や enforcement action を公開する。公表による抑止という機能面では共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が使っている利用規約に『当社は一切の責任を負わない』という全部免責条項がある。適格消費者団体がこれを不当条項として差止請求し、裁判で負ければ、あなたの会社名と条項の概要が消費者庁のサイトに社名入りで載る。取引先や採用候補者が検索すれば、真っ先に出てくる情報になる
- もし、これから高額なエステの回数券を契約しようとしていて、その会社名を消費者庁の公表ページで検索したら、過去に中途解約制限の条項で差止めを受けていたと分かったら? サインする手が止まり、契約前に踏みとどまれる
- サブスクの解約が異常に面倒だと感じた。実はその会社、適格消費者団体から差止請求を受けている最中かもしれない。公表情報を見れば一目で分かる
- 適格消費者団体から『御社の規約は不当条項だ』という差止請求の書面が届いた。応じなければ提訴され、負ければ公表される。社名が晒される前に規約を是正できる猶予は、事実上あと数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約前または契約トラブル時、消費者庁ウェブサイトの『適格消費者団体による差止請求に係る判決等の公表』ページで相手企業名を検索する2. 同種の不当条項に過去の差止判決があれば、その概要を証拠として保存3. 自分の被害は個別に消費者契約法8条〜10条で条項無効を主張、または消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談4. 悪質な条項を見つけたら適格消費者団体に情報提供、団体が差止請求すれば他の消費者も救われる
訴えられた側:1. 適格消費者団体から差止請求の書面が届いたら、無視は最悪手。消費者契約法41条により訴訟前の書面請求手続があるので、この段階で条項是正の交渉余地がある2. 自社規約を消費者契約法8条〜10条に照らして精査、全部免責・不当な解約制限・高額違約金条項は要注意3. 敗訴すれば社名が消費者庁に公表される点を経営判断に織り込む4. 早期に規約を是正し和解すれば、公表は『和解の概要』にとどまり、判決敗訴より企業イメージのダメージを抑えられる
時効(請求できる期限):第39条の公表自体に特定の時効はない。ただし事業者側は、適格消費者団体の書面による事前の差止請求(消費者契約法41条)が到達してから1週間を経過しなければ団体は提訴できないため、この期間が事実上の是正交渉の猶予となる。消費者側の個別の取消権は追認できる時から1年・契約締結時から5年で消滅(消費者契約法7条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:消費者契約法制定。当初は不当条項の無効等の実体規定が中心で、団体による差止請求制度は未導入だった
- 2.平成18年(2006年) 改正:適格消費者団体による差止請求制度(消費者団体訴訟制度)を導入。あわせて団体の認定・報告・公表に関する規定群が整備された
- 3.令和4年(2022年) 改正:消費者契約法及び消費者裁判手続特例法の改正。差止請求関係業務や報告事項の整理が行われ、本条の公表対象の参照条項も現行の形に整えられた
- 消費者契約法 第12条適格消費者団体の差止請求権、公表の対象となる権利
- 消費者契約法 第13条適格消費者団体の認定要件
- 消費者契約法 第23条本条の公表の起点となる内閣総理大臣への報告義務
- 消費者契約法 第41条差止請求訴訟前の書面による事前請求手続
- 消費者契約法 第10条差止対象となる不当条項の中心的無効規定
- 消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律 第3条特定適格消費者団体による被害回復訴訟の特則(通称 消費者裁判手続特例法)
- 特定商取引に関する法律 第58条適格消費者団体の差止請求権の別根拠(現行効力を要確認)
- 不当景品類及び不当表示防止法 第34条適格消費者団体の差止請求権の別根拠(通称 景品表示法、現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める