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金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第56条(業務規程)

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  1. 指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。
  2. 一手続実施基本契約の内容に関する事項
  3. 二手続実施基本契約の締結に関する事項
  4. 三紛争解決等業務の実施に関する事項
  5. 四紛争解決等業務に要する費用について加入金融サービス仲介業者が負担する負担金に関する事項
  6. 五当事者である加入金融サービス仲介業者又はその顧客等(以下この節において単に「当事者」という。)から紛争解決等業務の実施に関する料金を徴収する場合にあっては、当該料金に関する事項
  7. 六他の指定紛争解決機関その他相談、苦情の処理又は紛争の解決を実施する国の機関、地方公共団体、民間事業者その他の者との連携に関する事項
  8. 七紛争解決等業務に関する苦情の処理に関する事項
  9. 八前各号に掲げるもののほか、紛争解決等業務の実施に必要な事項として内閣府令で定めるもの
  10. 2.前項第一号の手続実施基本契約は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
  11. 一指定紛争解決機関は、加入金融サービス仲介業者の顧客等からの金融サービス仲介業務関連苦情の解決の申立て又は当事者からの紛争解決手続の申立てに基づき苦情処理手続又は紛争解決手続を開始すること。
  12. 二指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続を開始し、又は加入金融サービス仲介業者の顧客等からの申立てに基づき紛争解決手続を開始した場合において、加入金融サービス仲介業者にこれらの手続に応じるよう求めることができ、当該加入金融サービス仲介業者は、その求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならないこと。
  13. 三指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続又は紛争解決手続において、加入金融サービス仲介業者に対し、報告又は帳簿書類その他の物件の提出を求めることができ、当該加入金融サービス仲介業者は、その求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならないこと。
  14. 四紛争解決委員は、紛争解決手続において、金融サービス仲介業務関連紛争の解決に必要な和解案を作成し、当事者に対し、その受諾を勧告することができること。
  15. 五紛争解決委員は、紛争解決手続において、前号の和解案の受諾の勧告によっては当事者間に和解が成立する見込みがない場合において、事案の性質、当事者の意向、当事者の手続追行の状況その他の事情に照らして相当であると認めるときは、金融サービス仲介業務関連紛争の解決のために必要な特別調停案を作成し、理由を付して当事者に提示することができること。
  16. 六加入金融サービス仲介業者は、訴訟が係属している請求を目的とする紛争解決手続が開始された場合には、当該訴訟が係属している旨、当該訴訟における請求の理由及び当該訴訟の程度を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
  17. 七加入金融サービス仲介業者は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起された場合には、当該訴訟が提起された旨及び当該訴訟における請求の理由を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
  18. 八前二号に規定する場合のほか、加入金融サービス仲介業者は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟に関し、当該訴訟の程度その他の事項の報告を求められた場合には、当該事項を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
  19. 九加入金融サービス仲介業者は、第六号若しくは第七号の訴訟が裁判所に係属しなくなった場合又はその訴訟について裁判が確定した場合には、その旨及びその内容を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
  20. 十加入金融サービス仲介業者は、その顧客等に対し指定紛争解決機関による紛争解決等業務の実施について周知するため、必要な情報の提供その他の措置を講じなければならないこと。
  21. 十一前各号に掲げるもののほか、金融サービス仲介業務関連苦情の処理又は金融サービス仲介業務関連紛争の解決の促進のために必要であるものとして内閣府令で定める事項
  22. 3.第一項第二号の手続実施基本契約の締結に関する事項に関する業務規程は、金融サービス仲介業者から手続実施基本契約の締結の申込みがあった場合には、当該金融サービス仲介業者が手続実施基本契約に係る債務その他の紛争解決等業務の実施に関する義務を履行することが確実でないと見込まれるときを除き、これを拒否してはならないことを内容とするものでなければならない。
  23. 4.第一項第三号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
  24. 一苦情処理手続と紛争解決手続との連携を確保するための措置が講じられていること。
  25. 二紛争解決委員の選任の方法及び紛争解決委員が金融サービス仲介業務関連紛争の当事者と利害関係を有することその他の紛争解決手続の公正な実施を妨げるおそれがある事由がある場合において、当該紛争解決委員を排除するための方法を定めていること。
  26. 三指定紛争解決機関の実質的支配者等(指定紛争解決機関の株式の所有、指定紛争解決機関に対する融資その他の事由を通じて指定紛争解決機関の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)又は指定紛争解決機関の子会社等(指定紛争解決機関が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)を金融サービス仲介業務関連紛争の当事者とする金融サービス仲介業務関連紛争について紛争解決手続の業務を行うこととしている指定紛争解決機関にあっては、当該実質的支配者等若しくは当該子会社等又は指定紛争解決機関が紛争解決委員に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。
  27. 四紛争解決委員が弁護士でない場合(司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第七号に規定する紛争について行う紛争解決手続において、紛争解決委員が同条第二項に規定する司法書士である場合を除く。)において、紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
  28. 五紛争解決手続の実施に際して行う通知について相当な方法を定めていること。
  29. 六紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行について定めていること。
  30. 七加入金融サービス仲介業者の顧客等が指定紛争解決機関に対し金融サービス仲介業務関連苦情の解決の申立てをする場合又は金融サービス仲介業務関連紛争の当事者が指定紛争解決機関に対し紛争解決手続の申立てをする場合の要件及び方式を定めていること。
  31. 八指定紛争解決機関が加入金融サービス仲介業者から紛争解決手続の申立てを受けた場合において、金融サービス仲介業務関連紛争の他方の当事者となる当該加入金融サービス仲介業者の顧客等に対し、速やかにその旨を通知するとともに、当該顧客等がこれに応じて紛争解決手続の実施を依頼するか否かを確認するための手続を定めていること。
  32. 九指定紛争解決機関が加入金融サービス仲介業者の顧客等から第七号の紛争解決手続の申立てを受けた場合において、金融サービス仲介業務関連紛争の他方の当事者となる当該加入金融サービス仲介業者に対し、速やかにその旨を通知する手続を定めていること。
  33. 十紛争解決手続において提出された帳簿書類その他の物件の保管、返還その他の取扱いの方法を定めていること。
  34. 十一紛争解決手続において陳述される意見又は提出され、若しくは提示される帳簿書類その他の物件に含まれる金融サービス仲介業務関連紛争の当事者又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じて適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。第六十二条第九項に規定する手続実施記録に記載されているこれらの秘密についても、同様とする。
  35. 十二金融サービス仲介業務関連紛争の当事者が紛争解決手続を終了させるための要件及び方式を定めていること。
  36. 十三紛争解決委員が紛争解決手続によっては金融サービス仲介業務関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該紛争解決手続を終了し、その旨を金融サービス仲介業務関連紛争の当事者に通知することを定めていること。
  37. 十四指定紛争解決機関の紛争解決委員、役員及び職員について、これらの者が紛争解決等業務に関して知り得た秘密を確実に保持するための措置を定めていること。
  38. 5.第一項第四号及び第五号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
  39. 一第一項第四号に規定する負担金及び同項第五号に規定する料金の額又は算定方法及び支払方法(次号において「負担金額等」という。)を定めていること。
  40. 二負担金額等が著しく不当なものでないこと。
  41. 6.第二項第五号の「特別調停案」とは、和解案であって、次に掲げる場合を除き、加入金融サービス仲介業者が受諾しなければならないものをいう。
  42. 一当事者である加入金融サービス仲介業者の顧客等(以下この項において「当事者顧客等」という。)が当該和解案を受諾しないとき。
  43. 二当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されていない場合において、当事者顧客等が当該和解案を受諾したことを加入金融サービス仲介業者が知った日から一月を経過する日までに当該請求に係る訴訟が提起され、かつ、同日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
  44. 三当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されている場合において、当事者顧客等が当該和解案を受諾したことを加入金融サービス仲介業者が知った日から一月を経過する日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
  45. 四当事者顧客等が当該和解案を受諾したことを加入金融サービス仲介業者が知った日から一月を経過する日までに、当該紛争解決手続が行われている金融サービス仲介業務関連紛争について、当事者間において仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意がされ、又は当該和解案によらずに和解若しくは調停が成立したとき。
  46. 7.業務規程の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
  47. 8.内閣総理大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、当該認可に係る業務規程が第四項各号及び第五項各号に掲げる基準(紛争解決手続の業務に係る部分に限る。)に適合していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。

この条文の基本情報

業務規程とは何ですか?

定義業務規程とは、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条に定められた規定で、「指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条(業務規程)は、日本の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に含まれる条文です。
  2. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条の条文原文は「指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。」で始まります。
  3. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条は第六節 指定紛争解決機関に置かれています。
  4. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律の公布日は平成12年5月31日です。
  5. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条の前の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第55条です。
  7. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条の次の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第57条です。
  8. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第56条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000101
  • 本サイト収録金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000101/56

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点金融サービス提供法56条は、仲介業者向け指定紛争解決機関の業務規程を定める。業者は手続への応諾と資料提出を拒めず、顧客が受諾した特別調停案に原則拘束される。

Q · 金融アプリの仲介業者は、ADR の特別調停案を断れるの?

原則断れない。一か月以内の提訴などの場合に限り免れる

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律56条6項により、顧客が受諾した特別調停案は、加入金融サービス仲介業者が原則として受諾しなければなりません。業者が免れられるのは、顧客の受諾を知った日から一か月以内に訴訟を提起して取り下げない場合や、同期間内に仲裁合意・別の和解が成立した場合などに限られます。顧客は受諾しないまま裁判に進むこともできます。

解説

金融機関と揉めたら、裁判を起こすか泣き寝入りするか。その二択しかないと考えている人は多い。だが、銀行・証券・保険の商品をまとめて案内する「金融サービス仲介業者」との揉め事には、もう一つ道がある。金融サービス仲介業者とは、アプリやウェブで複数の金融商品を一括して紹介・仲介する登録業者のことだ。その道が指定紛争解決機関、つまり国が指定した業界 ADR(裁判所の外で第三者が和解をまとめる仕組み)である。本条は、この機関が守るべきルールブックの中身を決めている。核心は三つある。第一に、業者は正当な理由なく手続を拒めない。第二に、帳簿や記録の提出も拒めない。第三に、紛争解決委員が出す「特別調停案」をあなたが受け入れたら、業者は原則として受諾しなければならない。業者がこれを免れるには、あなたの受諾を知った日から一か月以内に自分から訴訟を起こし、取り下げずに維持するしかない。縛られるのは業者だけで、あなたは断ったあとでも裁判に進める。天秤ははじめから、少しだけあなた側に傾けて作られている。

法的な位置づけ

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第56条は、金融サービス仲介業務に係る指定紛争解決機関の業務規程に関する規定であり、手続実施基本契約の必要的内容、紛争解決手続の公正性に関する基準、負担金・料金の基準、特別調停案の定義、および業務規程の変更に内閣総理大臣の認可を要する旨を定める。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.加入している指定紛争解決機関を特定する 契約書面、業者のウェブサイト、アプリ内の案内で、業者が手続実施基本契約を結んでいる指定紛争解決機関の名称を確認する。業者には周知義務がある(56条2項10号)
  2. 2.勧誘時の証拠を保全する 勧誘画面のスクリーンショット、説明資料、チャット・メール履歴、通話記録の日時を整理し、時系列メモを作る
  3. 3.機関に紛争解決手続を申し立てる 業務規程に定められた要件と方式(56条4項7号)に従い申し立てる。業者内部の帳簿や記録が必要な点は、委員から提出を求めてもらうよう要望する(56条2項3号)
  4. 4.和解案が不調でも手続を続ける 業者が和解案を拒んでも取り下げず、委員が特別調停案を提示するかを見極める(56条2項5号)
  5. 5.特別調停案の受諾を記録に残る方法で通知する 受諾する場合は書面など日付が残る方法で速やかに伝える。業者の一か月の期限は、業者が受諾を知った日から数える(56条6項2号・3号)

よくある質問 AI による整理

Q1金融ADRとは何ですか?

国が指定した紛争解決機関が、金融機関や仲介業者と顧客の揉め事を裁判外で解決する制度です。中立の紛争解決委員が和解案や特別調停案を示します。

Q2金融サービス仲介業者とのトラブルはどこに相談する?

まず業者が手続実施基本契約を結んでいる指定紛争解決機関を確認します。業者には顧客への周知義務があり(56条2項10号)、契約書面やサイトに記載があるはずです。

Q3金融ADRの費用はいくら?

費用は主に業者の負担金で賄われる設計です。顧客から料金を取る場合も、業務規程で額や算定方法を定め、著しく不当でないことが求められます(56条5項)。

Q4金融ADRで業者は呼び出しを無視できる?

できません。顧客の申立てで手続が始まれば、業者は正当な理由なく応諾を拒めないことが手続実施基本契約の内容とされています(56条2項2号)。

Q5特別調停案 拒否できるのは誰?

顧客は自由に拒否できます。業者は、顧客の受諾を知った日から一か月以内に提訴し取り下げない場合などを除き、受諾しなければなりません(56条6項)。

Q6金融ADR中に裁判を起こされたらどうなる?

業者は訴訟の提起や係属、その請求の理由や進行程度を機関に報告する義務を負います(56条2項6号〜9号)。手続との関係は機関が把握して進めます。

Q7金融ADRの紛争解決委員は弁護士?

弁護士とは限りません。弁護士でない委員が法令の解釈適用に専門知識を要する場面では、弁護士の助言を受けられる措置が求められています(56条4項4号)。

Q8金融ADRで出した資料の秘密は守られる?

業務規程で、当事者や第三者の秘密を性質に応じて適切に保持する方法、委員・職員の守秘措置を定めることが義務付けられています(56条4項11号・14号)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1業界の ADR って、結局は業者の味方なんじゃないの?

条文上は、公正さを担保する仕組みが重ねて定められている。利害関係のある委員の排除(4項2号)、親会社などからの不当な影響を排除する措置(同3号)、委員が弁護士でない場合に弁護士の助言を受けられる体制(同4号)、規程を変更する際の内閣総理大臣の認可と法務大臣との協議(7項・8項)である。実務のポイント:業務規程は機関のサイトで公開されていることが多い。申し立てる前に読み、委員の選び方や手続の標準的な流れを把握しておくと、主張の組み立て方が最初から変わる

Q2和解案を業者に断られました。もう打つ手はないですか?

まだ終わりではない。和解案(2項4号)に拘束力はないが、和解が成立する見込みがないと委員が判断した場合は、相当と認めるときに特別調停案(同5号)を出すことがある。特別調停案は、あなたが受諾すれば業者は原則として受け入れなければならない(6項)。実務のポイント:和解案が蹴られた段階で、顧客が自分から申立てを取り下げてしまう例は多い。だが特別調停案という切り札は、手続が続いていなければ出てこない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「業界団体の ADR なんて結局は業者寄りだ」と思われがちだが、条文は逆方向に作られている。利害関係のある委員を排除する方法(4項2号)、機関の親会社や子会社が当事者になったときに不当な影響を排除する措置(同3号)が定められている。さらに業務規程の変更には内閣総理大臣の認可が必要で、その際には法務大臣との協議も入る(7項・8項)
  • 「ADR と裁判、どちらが有利か」という問いの立て方自体がずれている。両者は二者択一ではない。特別調停案は業者だけを縛り、顧客は受諾しないまま訴訟に進める(6項1号)。ADR は、裁判という選択肢を手元に残したまま試せる前段階である
  • 業者が手続を拒めないことは知っていても、帳簿書類やその他の物件の提出まで正当な理由なく拒めない(2項3号)ことを知る人は少ない。個人が裁判で業者内部の記録を手に入れるには文書提出命令などの手間がかかる。ADR ではその入口が、最初から契約に組み込まれている
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象56条:指定紛争解決機関が定める業務規程の中身(ルールブック)61条:苦情処理手続の実施(現行効力を要確認)
62条:紛争解決手続の実施と手続実施記録
業者を縛る力手続応諾・資料提出義務、特別調停案の片面的受諾義務を契約内容として規定苦情の申出を受けた際の対応手続の実施
紛争解決委員による手続の実施そのもの
顧客が見るべき場面申立て前:業者が何を拒めないかを把握するまず話し合いで解決したい段階
和解案・特別調停案に進む段階

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
金融消費者保護法 第29条

事前に同意した金融業者は、一定額以下の評議決定を受け入れなければならない。業者だけを縛る片面的拘束力の発想は日本と共通する

韓国
금융소비자 보호에 관한 법률 제33조 이하

金融監督院に置かれる金融紛争調停委員会が調停を行う。民間の業界機関を国が指定する日本とは担い手が異なる

ドイツ
Unterlassungsklagengesetz § 14

ドイツ連邦銀行や BaFin に置かれる Schlichtungsstelle と、業界団体のオンブズマンが併存する

アメリカ
FINRA Code of Arbitration Procedure for Customer Disputes

米国の証券分野では、自主規制機関 FINRA の仲裁が中心で、顧客の請求があれば業者は仲裁に応じる義務を負う

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 比較アプリ経由で加入した外貨建て保険で、為替リスクの説明は一度も受けなかった。仲介業者に ADR へ呼び出されても「社内で対応済み」と無視されたら、どうなる? 本条2項2号の手続実施基本契約(業者と ADR 機関が結ぶ加入契約)により、業者は正当な理由なく手続を拒めない。無視を続ければ契約違反として扱われ、機関や当局の対応を招きかねない
  • あなたは仲介業者のコンプライアンス担当。顧客が特別調停案を受諾したという通知が今朝届いた。残りは一か月である。受諾するか、訴訟を起こすか。期限内に提訴しても同じ日までに取り下げてしまえば、受諾義務からは逃れられない。社内決裁にかけられる日数を逆算すると、今週中に方針を決めるしかない
  • 友人が投資アプリの仲介でトラブルになり、弁護士費用を見て諦めかけている。ADR の費用は主に業者側の負担金で賄う設計で、顧客から料金を取る場合も著しく不当な額は許されない。そう伝えただけで、友人の顔色が変わった

取るべき行動

被害を受けた側:1. 契約書面や業者のサイトで、加入している指定紛争解決機関の名前を確認する(業者には周知義務がある、2項10号)。2. 勧誘時の画面のスクショ、説明資料、チャット履歴を保存する。3. 機関に申し立て、業者の帳簿や記録の提出を求めるよう委員に要望する。4. 和解案が不調に終わっても取り下げず、特別調停案が出るかどうかを見極める。5. 受諾する場合は書面で通知し、日付の記録を残す

訴えられた側:1. 手続の呼出しや資料の提出要求は、正当な理由なく拒まない(2項2号・3号)。2. 同じ請求について訴訟が係属している、または提起した場合は、機関への報告義務を果たす(同6号から9号)。3. 特別調停案が出た時点で、受諾するか一か月以内に提訴するかの社内決裁ルートを確保する。4. 期限内に提訴しても、同日までに取り下げれば受諾義務は消えないことを法務部門と共有する

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。もとの請求権には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。特別調停案については、業者があなたの受諾を知った日から一か月以内に訴訟を提起し、取り下げずにおかない限り、業者は受諾義務を免れない(本条6項2号・3号)。手続が不調で終了した場合に時効の完成猶予を受けられる特例が本法に置かれているが、適用要件は最新の改正状況をご確認ください

学説

金融ADR制度の一般的理解:特別調停案の片面的拘束力は、情報・資力で劣る顧客の裁判を受ける権利を残しつつ業者のみを拘束するものであり、業者には提訴による離脱余地を残すことで業者側の裁判を受ける権利との調整を図っていると説明される

改正沿革 AI による整理

  • 令和2年(2020年)改正 金融商品の販売等に関する法律が金融サービスの提供に関する法律に改められた。金融サービス仲介業の創設にあわせ、仲介業者を対象とする指定紛争解決機関の業務規程の規定が置かれたとみられる(当時の条番号は人的検証が必要)
  • 令和5年(2023年)改正 法律名が現行の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に改められ、章や条番号が移動した可能性がある(詳細は人的検証が必要)

改正の年表

  1. 1.令和2年(2020年) 改正:金融商品の販売等に関する法律が金融サービスの提供に関する法律に改められ、金融サービス仲介業が創設された。仲介業者を対象とする指定紛争解決機関の規定もこの際に整備された(当時の条番号は要確認)
  2. 2.令和5年(2023年) 改正:法律名が金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に改められ、章や条番号が移動した可能性がある(詳細は要確認)

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金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律の全文を見る所属する編章節を開く:第六節 指定紛争解決機関

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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