確定給付企業年金法 第80条(規約型企業年金から基金への移行)
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- 規約型企業年金の事業主は、当該事業主(規約型企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該規約型企業年金を実施している事業主の全部)が基金を設立しているとき、又は設立することとなるときは、厚生労働大臣の承認を受けて、当該基金に、当該規約型企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
- 2.当該基金は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
- 3.当該規約型企業年金は、前項の認可があった時に第八十四条第一項の規定による規約型企業年金の終了の承認があったものとみなす。この場合において、第八十七条、第八十八条並びに第八十九条第六項及び第七項の規定は、適用しない。
- 4.第二項の規定により当該基金が権利義務を承継する場合においては、当該規約型企業年金の資産管理運用機関から当該基金に積立金を移換するものとする。
- 5.第七十四条第二項及び第三項の規定は第一項の承認の申請を行う場合について、第七十六条第二項の規定は第二項の認可の申請を行う場合について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
規約型企業年金から基金への移行とは何ですか?
定義規約型企業年金から基金への移行とは、確定給付企業年金法第80条に定められた規定で、「規約型企業年金の事業主は、当該事業主(規約型企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該規約型企業年金を実施している事業主の全部)が基金を設立しているとき…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第80条(規約型企業年金から基金への移行)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第80条の条文原文は「規約型企業年金の事業主は、当該事業主(規約型企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該規約型企業年金を実施している事業主の全部)が基金を設立しているとき…」で始まります。
- 確定給付企業年金法第80条は第八章 確定給付企業年金間の移行等に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第80条の前の条は確定給付企業年金法第79条です。
- 確定給付企業年金法第80条の次の条は確定給付企業年金法第81条です。
- 確定給付企業年金法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法80条は、規約型企業年金の権利義務を厚生労働大臣の承認・認可を経て企業年金基金へ移す手続を定める。積立金は加入者に分配されず、基金へ移換される。
Q · 会社の企業年金が規約型から基金型に変わると、何がどう変わるの?
実施主体が会社から基金に変わり、積立金はそのまま移る
確定給付企業年金法80条により、規約型企業年金の事業主は厚生労働大臣の承認を受けて基金に権利義務の移転を申し出、基金は大臣の認可を受けて承継します。認可の時点で規約型は終了したものとみなされますが、終了時の掛金一括拠出や残余財産分配の規定は適用されず、積立金は資産管理運用機関から基金へそのまま移換されます。移行には過半数労働組合または過半数代表者の同意が必要です(5項・74条2項準用)。
解説
社内掲示板に「当社の企業年金は来年4月から基金型へ移行します」という通知が出ても、ほとんどの社員は読み流す。だが本条で起きているのは、あなたの年金を実施する主体の交代である。規約型では、制度を実施し給付の責任を負うのは会社(事業主)そのものだ。信託銀行や生命保険会社(資産管理運用機関)は資産を預かっているにすぎない。基金型に移ると、その主体は企業年金基金という、会社とは別の法人になる。本条は、この付け替えを解散も清算もせずに一度で済ませるための通路である。3項により、規約型は認可の時点で「終了したものとみなされる」。しかし、終了時の積立不足の一括拠出や残余財産の分配に関する規定は適用されない。つまり積立金は加入者に配られず、そのまま基金へ移換される(4項)。さらに移行には、過半数労働組合または過半数代表者の同意が必要になる(5項が準用する74条2項)。あなたが口を挟める場面は、その過半数代表の選ばれ方の中にある。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法第80条は、規約型企業年金から企業年金基金への移行手続を定める規定である。事業主の申出(厚生労働大臣の承認)と基金の承継(同大臣の認可)の二段階で権利義務を移し、認可時に規約型は終了したものとみなされるが、終了時の掛金一括拠出や残余財産分配の規定は適用されず、積立金は基金へ移換される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.移行計画と基金規約案の作成 基金の設立(または既存基金への移行)時期を決め、新しい基金規約案を現行規約と照合する。給付算定式が変わる場合は給付減額手続の要否を確認する
- 2.過半数労働組合または過半数代表者の同意取得 過半数労働組合、なければ適正な手続で選出された過半数代表者から同意を得る(80条5項・74条2項準用)。選出過程を記録に残す
- 3.事業主による承認申請 事業主が厚生労働大臣(地方厚生局)に対し、基金への権利義務移転の申出について承認を申請する(80条1項)
- 4.基金側の代議員会議決と認可申請 基金が代議員会の議決を経て、権利義務承継の認可を厚生労働大臣に申請する(80条2項・76条2項準用)
- 5.積立金の移換と受給者への通知 認可後、資産管理運用機関から基金へ積立金を移換する(80条4項)。受給者・加入者へ支払元・問い合わせ窓口の変更を通知する
よくある質問 AI による整理
Q1規約型企業年金と基金型企業年金の違いとは?
規約型は事業主が制度を実施し、資産は信託銀行等が管理します。基金型は会社とは別法人の企業年金基金が制度を実施します(法3条)。
Q2規約型から基金型へ移行する手続の流れは?
事業主が厚生労働大臣の承認を受けて基金に移転を申し出、基金が代議員会の議決を経て大臣の認可を受け承継します(80条1項・2項)。
Q3基金への移行に従業員の同意は必要?
個々の従業員の同意ではなく、過半数労働組合、それがなければ過半数代表者の同意が必要です(80条5項・74条2項準用)。
Q4基金型に移行すると積立不足はどうなる?
移行時に終了時の一括拠出規定(87条)は適用されません。不足分は移行後の基金で掛金として事業主が補っていく形になります。
Q5企業年金の移行で受給者の年金は止まる?
止まりません。受給者を含む加入者等の権利義務が基金に承継されるため、支払元が基金に変わるだけで給付は継続します。
Q6規約型企業年金はいつ終了したことになる?
基金が厚生労働大臣の認可を受けた時点で、84条1項の終了の承認があったものとみなされます(80条3項)。
Q7移行時に積立金はどうやって移される?
規約型の資産管理運用機関(信託銀行・生命保険会社等)から基金へ積立金が移換されます(80条4項)。加入者への分配はありません。
Q8基金型への移行で給付額が下がることはある?
移行自体は権利義務の承継です。給付を下げるのは同時の規約変更であり、その場合は法令上の給付減額手続が別途必要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の年金が基金型に変わるって言われたけど、今までの積立分って一回精算してもらえないの?
原則として精算はされません。本条3項は、規約型を終了したものとみなす一方で、終了時の一括拠出や残余財産分配の規定(87条・89条6項・7項など)を適用しないと定めています。4項により、積立金はそのまま基金へ移換されます。実務のポイント:精算を期待して退職時期をずらしても意味はない。手取りに直結するのは、移行後の規約で退職時の一時金選択の条件が変わっていないかのほうだ
Q2移行に反対したら、止められるんですか?
社員一人ひとりに拒否権はありません。承認申請には過半数労働組合、それがなければ過半数代表者の同意が必要です(5項が準用する74条2項)。止められるとすれば、その同意の段階です。実務のポイント:後の紛争で急所になるのは、同意書そのものより過半数代表者がどう選ばれたかだ。会社が指名した人や親睦会の幹事がそのまま署名していれば、同意の有効性が問題になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「基金型に移ると、会社は年金から手を引く」と思われがちだが、基金に掛金を拠出するのは引き続き事業主である。積立不足が出たときに掛金で補うのも事業主だ。変わるのは運営の器であって、会社の財布とのつながりは切れない
- 「移行で年金は減るのか、増えるのか」という問いそのものがずれている。本条は権利義務をそのまま移す器の交代であり、給付水準を動かすのは同時に行われる規約変更のほうだ。見るべきは移行の通知文ではなく、新しい基金規約の給付算定式のページである
- 社員から見れば「会社の制度変更」の一つにすぎないが、法律から見れば年金の実施主体が別法人に移る出来事である。移行後、年金についての問い合わせや苦情の相手は、会社の人事ではなく基金の事務局になる。窓口を間違えたまま時間だけが過ぎる人は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の行き先 | 80条:規約型の権利義務を基金へ移転(実施主体が別法人に) | 74条:規約型同士の統合 84条:規約型企業年金の終了 |
| 積立金の扱い | 分配せず基金へ移換(4項) | 統合後の規約型に引き継がれる 清算され残余財産が分配されうる |
| 労働者側の関与 | 過半数労組・過半数代表者の同意(74条2項準用) | 過半数労組・過半数代表者の同意(74条2項) 終了の承認手続に従う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では一定規模以上の事業単位が年金保険制度を採用する際、工会または勞資会議の同意を要する。実施方式の選択に労働者側の集団的同意を求める点で本条と共通する
韓国の確定給付型退職年金は、制度設定・変更に労働者代表の同意等を要する。基金型の別法人への移行という枠組みは日本と異なる
ドイツでは企業年金の期待権の移転(Übertragung)について要件を定める。実施経路(Durchführungsweg)の多様さは日本より大きい
米国では年金プランの合併・資産移転の際、移転直後の受給権が移転前を下回らないことを要求する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 過半数代表者として移行の同意書に署名を求められたのがあなただったら、何を確認すべきか? あなたの署名一つで、数百人分の年金の受け皿が変わる。給付水準を下げる規約変更が移行に紛れ込んでいないか、そこだけは必ず確かめる
- 人事部の年金担当として、来年4月1日の基金設立に合わせた移行を任された。残りは5か月。事業主側の承認申請(1項)、基金側の代議員会議決と認可申請(2項、76条2項準用)、資産管理運用機関との積立金移換の段取り(4項)。この三つを並行して進めないと施行日に間に合わない
- すでに退職して年金を受け取っている元社員のもとに、支払元が変わったという通知が届く。移行そのものについて、本人の同意を求める手続は原則としてない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 移行の通知が届いたら、移行後の基金規約案と現行規約の給付算定式を並べて比べる。移行そのものは権利義務の承継だが、同時に給付を下げる変更があれば、別途、法令が定める給付減額の手続(加入者の同意など)が必要になる2. 過半数代表者がどう選ばれ、どのような経緯で同意したかを確認する3. 疑問は書面で人事と基金の設立準備担当に出す4. 納得できなければ、地方厚生局への情報提供も選択肢になる
訴えられた側:1. 事業主の承認申請には、過半数労働組合または過半数代表者の同意書を添える(5項・74条2項準用)。代表者の選出手続は記録に残す2. 基金側は代議員会の議決を経て認可を申請する(76条2項準用) 3. 資産管理運用機関と、移換日と移換する資産の形態を早めに協議する4. 受給者向けに支払元変更の通知を用意し、問い合わせに初動で対応できるようにしておく
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。移行は基金が認可を受けた時点で効力を生じ、同時に規約型は終了したものとみなされる(3項)。実務では、申請から承認・認可まで数か月かかるのが通常で、施行日から逆算して準備する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により、規約型企業年金から企業年金基金への移行手続として設けられた
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