健康増進法 第38条(立入検査等)
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- 都道府県知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、特定施設等の管理権原者等に対し、当該特定施設等の喫煙禁止場所における専ら喫煙の用に供させるための器具及び設備の撤去その他の受動喫煙を防止するための措置の実施状況に関し報告をさせ、又はその職員に、特定施設等に立ち入り、当該措置の実施状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2.前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
- 3.第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
立入検査等とは何ですか?
定義立入検査等とは、健康増進法第38条に定められた規定で、「都道府県知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、特定施設等の管理権原者等に対し、当該特定施設等の喫煙禁止場所における専ら喫煙の用に供させるための器具及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第38条(立入検査等)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第38条の条文原文は「都道府県知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、特定施設等の管理権原者等に対し、当該特定施設等の喫煙禁止場所における専ら喫煙の用に供させるための器具及び…」で始まります。
- 健康増進法第38条は第二節 受動喫煙を防止するための措置に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第38条の前の条は健康増進法第37条です。
- 健康増進法第38条の次の条は健康増進法第39条です。
- 健康増進法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法38条は、都道府県知事が受動喫煙防止措置の実施状況について報告徴収・立入検査・質問を行えると定める。職員は身分証の提示を要し、犯罪捜査には使えない。
Q · 保健所が受動喫煙のことで店に立入検査に来たら、断れるの?
範囲内の検査は拒めないが、身分証の提示と範囲の確認は求められる
健康増進法38条1項により、都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)は、受動喫煙防止措置の実施状況について報告徴収・立入検査・質問を行えます。正当な理由なく拒むと過料の対象です。一方で、職員は身分証明書を携帯・提示する義務があり(同条2項)、権限は受動喫煙対策の施行に必要な限度に限られます。また犯罪捜査のための権限ではありません(同条3項)。
解説
保健所の職員が店の扉を開けて入ってくるとき、その法的根拠はこの条文にある。都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)は、受動喫煙防止の措置が取られているかについて、管理権原者等(店や施設を実際に管理する権限を持つ人)に報告を求めることができる。さらに職員を施設に立ち入らせ、帳簿や書類を検査させ、関係者に質問させることもできる。ただし、この権限には三重の枠がかかっている。一つ目に、目的は「この節の施行に必要な限度」に限られる。二つ目に、職員は身分証明書を携帯し、提示しなければならない。三つ目に、この権限を犯罪捜査に使ってはならない。つまり、目の前の職員は警察官ではない。受動喫煙対策と関係のない書類までめくる権限もない。一方で、正当な検査を拒んだり、虚偽の報告をしたりすれば過料の対象になる。応じるべき範囲と確認してよい範囲、その境界線を知っている店主だけが、検査を「怯えるもの」から「是正の機会」に変えられる。
法的な位置づけ
健康増進法第38条は、同法の受動喫煙防止措置に関する規定の実効性を確保するための行政調査権限を定める規定である。都道府県知事に報告徴収・立入検査・質問の権限を付与するとともに、施行に必要な限度という目的の制約、職員の身分証明書携帯・提示義務、犯罪捜査目的の否定という三つの限界を設けている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.報告徴収の文書を受け取ったら期限と項目を確認 保健所から届いた報告徴収文書の提出期限、報告を求められている項目、問い合わせ先を確認する。喫煙可能室・喫煙専用室など、自店で採用している喫煙区分も整理する
- 2.根拠資料と是正状況の写真を揃える 店内図面、標識の掲示状況、喫煙設備の位置、経過措置の要件(客席面積・資本金など)を示す資料を揃える。不備があれば是正したうえで写真を撮影する
- 3.期限内に写真付きで報告書を提出 求められた項目に正確に回答し、是正済みの事項は写真と日付を添えて提出する。虚偽の報告は過料の対象となるため、不明点は正直に記載する
- 4.立入検査の当日は身分証と範囲を確認 来訪した職員に身分証明書の提示を求め、所属・氏名を控える。検査の目的と範囲を口頭で確認してメモに残し、範囲内の検査には協力する
- 5.指摘事項を書面で受け取り是正報告 検査で指摘された事項は書面で受け取り、是正計画を立てて実行し、完了報告を写真付きで提出する。勧告・命令の段階に進む前に収束させる
よくある質問 AI による整理
Q1健康増進法38条とは?
受動喫煙防止措置の実施状況について、都道府県知事が施設の管理権原者等に報告を求め、職員に立入検査・質問をさせる権限を定めた条文です。
Q2保健所 立入検査 事前連絡はある?
条文上、事前通知は要件とされていません。実務では、まず文書や電話で報告を求め、改善が見えない場合に実地確認へ進むケースが多いとされます。
Q3受動喫煙 立入検査 拒否したらどうなる?
正当な理由なく検査を拒み、妨げ、または虚偽の報告をすると、健康増進法の罰則規定により過料の対象となります。刑罰ではないため前科はつきません。
Q4保健所の職員 身分証 見せてもらえる?
見せてもらえます。健康増進法38条2項は、立入検査や質問をする職員に身分証明書の携帯と関係者への提示を義務づけています。
Q5受動喫煙の立入検査は誰が来る?
都道府県知事の職員、保健所設置市・特別区では市長・区長の職員で、実務上は保健所の担当職員が来るのが一般的です。警察官ではありません。
Q6立入検査で何を見られる?
喫煙禁止場所の灰皿などの撤去状況、標識の掲示、喫煙専用室の設備、関係する帳簿・書類などです。受動喫煙対策の施行に必要な限度に限られます。
Q7喫煙可能室 報告 求められたら何を出す?
客席面積や資本金など経過措置の要件を示す資料、店内図面、標識掲示状況の写真などが考えられます。保健所の指定する期限内に提出します。
Q8立入検査の結果は警察に通報される?
38条3項により、この権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはなりません。ただし取得資料の刑事手続での利用可否は別論点として議論があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の人がいきなり来たんですけど、断っても大丈夫ですか?
正当な理由なく検査を拒んだり妨げたりすると、健康増進法の罰則規定により過料の対象になります(最新の改正状況をご確認ください)。ただし、身分証明書を提示しない場合(38条2項)や、受動喫煙対策と無関係な物件については、まず確認を求めることができます。実務のポイント:法律違反による過料は保健所が直接科すのではなく、地方裁判所が非訟事件手続で決めます。前科にはなりませんが、裁判所から通知が届く手続であることを知らない店主は多いです
Q2検査で見つかったことが警察に回って、逮捕されたりしませんよね?
38条3項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと定めています。受動喫煙防止規定の違反自体も、刑罰ではなく過料の対象です。ただし、行政調査で得た資料を後から刑事手続で使えるかについては、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:税務調査に関する最決平成16.1.20は、調査権限を犯罪捜査の手段として行使することは許されないとしつつ、取得した資料が後に刑事の証拠として使われうると想定できたことだけでは、直ちに違法にはならないと判断しています
間違えやすい点 AI による整理
- 「保健所が立ち入ってくる=警察沙汰になる」と身構える人は多い。しかし第3項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと明記している。受動喫煙防止規定の違反に対する制裁も過料(行政上の秩序罰)であって刑罰ではないため、前科にはならない
- 店主から見れば「客が勝手に吸っただけ」でも、法律から見た構図は違う。管理権原者には、喫煙禁止場所に喫煙用の器具や設備を置かない義務がある。検査でカウンターの下から灰皿が出てくれば、問われるのは客ではなく店である。この視点の落差に気付かないまま検査を迎える店主が多い
- 「何を聞かれるのか」と心配する前に、立てるべき問いがある。それは「どこまで見せる義務があるのか」である。検査の範囲は受動喫煙対策の実施状況と、それに関係する帳簿・書類・物件に限られる。範囲を職員に確認することは拒否にはあたらず、正当な確認行為である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 38条:行政調査権限(報告徴収・立入検査・質問) | 29条:特定施設等における喫煙禁止の実体ルール 28条:特定施設・管理権原者等の定義 |
| 名あて人 | 都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)が管理権原者等・関係者に行使 | 喫煙禁止場所で喫煙する何人も 定義規定のため直接の名あて人はなし |
| 違反時の帰結 | 検査拒否・虚偽報告は過料の対象 | 指導・命令を経て過料の対象となりうる 違反という概念はなく、適用範囲を画定する |
| 限界・歯止め | 必要限度・身分証提示・犯罪捜査目的の否定 | 喫煙専用室など例外区分の要件 施設類型ごとの区分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は禁菸場所の範囲を法律で広く定め、地方主管機関が稽査・取締りを行う。違反者個人への罰鍰も規定されている点で、日本の管理権原者中心の構造と異なる
韓国は公衆利用施設の全面または区域禁煙を義務づけ、自治体の取締りと過怠料で担保する。喫煙者個人への過怠料も科される
ドイツでは飲食店の禁煙規制は主に州法で、執行も州の秩序官庁が担う。連邦法は連邦施設・公共交通に限られる
米国は連邦の統一法がなく、州・地方の条例で屋内禁煙と執行権限を定める。検査・罰則の水準は地域差が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし常連客の一人が「あの店、喫煙可能室の標識もないのに店内で吸えるよ」と保健所に通報したら、どうなる? 最初はたいてい電話か文書で状況の報告を求められ、改善が見えなければ職員が実地に来る。灰皿一つ、標識一枚の有無が、記録としてそのまま残る
- あなたは雑居ビルで小さなバーを経営している。保健所から「受動喫煙防止措置の実施状況について報告されたい」という文書が届き、期限まであと7日。喫煙可能室として届け出た根拠(客席面積100平方メートル以下、資本金5,000万円以下などの経過措置要件)を示す書類が手元にない。図面と登記事項証明書を今週中に揃えないと、報告の中身が空っぽになる
- 「保健所の者です」と名乗るだけで、証明書を見せない来訪者が来た。まず身分証明書の提示を求めてよい。なりすましの可能性もあるので、所属と氏名を控えたうえで保健所に電話して確認する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受動喫煙の状況を記録する:日時、場所、標識の有無、灰皿の位置を写真で残す2. 施設所在地を管轄する保健所に通報する。本条の報告徴収・立入検査が動くきっかけになる3. 職場での受動喫煙であれば、労働安全衛生法68条の2に基づく事業者の対策も併せて会社の窓口に求める4. 健康被害が出ている場合は、診断書を取得したうえで民法709条・715条による損害賠償請求を弁護士に相談する
訴えられた側:1. 来訪した職員に身分証明書の提示を求め、所属と氏名を控える(38条2項) 2. 検査の目的と範囲を確認する。受動喫煙対策と無関係な物件は範囲外かどうかを丁寧に確認する3. 正当な理由のない拒否や虚偽の回答は過料の対象になるため、範囲内の検査には協力する4. 指摘事項は書面でもらい、是正計画と完了報告を写真付きで提出する。勧告・命令に進む前に止めることが最大の防御になる5. 喫煙可能室の場合、客席面積・資本金など経過措置の要件を示す書類を常に備えておく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。報告徴収では保健所が文書で提出期限を指定するのが通例であり、その期限が実質的な締切となる
学説
通説:犯罪捜査目的の否定規定は、行政調査が令状主義を潜脱する手段となることを防ぐ確認規定と解される。取得資料の刑事手続への流用の可否は、調査目的と運用の実態に照らして個別に判断される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法制定(平成14年法律第103号)。受動喫煙防止は努力義務にとどまっていた
- 2.平成30年(2018年) 改正:平成30年法律第78号で受動喫煙防止規定を抜本強化し、喫煙禁止場所や管理権原者の義務とともに報告徴収・立入検査権限を整備。2020年4月1日に全面施行
- 健康増進法 第28条特定施設・管理権原者等の定義
- 健康増進法 第29条特定施設等における喫煙禁止
- 健康増進法 第30条管理権原者の喫煙器具設置禁止義務(現行効力を要確認)
- 健康増進法 第33条喫煙専用室の設置基準(現行効力を要確認)
- 労働安全衛生法 第68条の2職場の受動喫煙防止を事業者に課す
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の裁判所管轄と手続
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